Celestron 8-24mm Zoom Eyepiece

セレストロンのタンブラー。ではなくて、アイピースが格納されているケース。先日の記事で、ちょっと興味があると言った、セレストロン製の8-24mmズーム・アイピースを買ったら、こんなケースに入ってきた。焦点距離的には、既に持っている、NexStar本体についてきた25mmと、最初に自分で追加で買った7mmのアイピースがあるので、ちょうどその間におさまるだけなので、あまり新しいことはないのだが、Tリングを直接取り付けられて拡大撮影に使えるのが便利そうで買ってみた。

中身は、こんなもの。

そして、問題の見口のゴムをはずすと、こんなふうにネジがあって、

Tリングを取り付けると、こうなって、

写真の向きが逆になってしまったが、カメラに装着した状態が、こう。

これを望遠鏡のアイピースの代わりに差し込むと拡大撮影ができるという寸法。

11月2日に届いたが、その夜は雲が出てほんのたまに雲の隙間から月が顔を出す程度だったので、天体は狙えなかったが、空気が澄んでいてスカイツリーがよく見えたので、これを撮り比べてみた。これまで、ビデオカメラのテレコンなどでスカイツリーを撮影していたが、夜景はどうしても光量が少ないせいもあってなかなかきれいに撮れなかったが、さすがに望遠鏡で撮るときれいだ。

画像は、順に、

  • 直接焦点
  • ズーム・アイピース最広角 (24 mm)
  • ズーム・アイピース最望遠 (8 mm)

である。拡大撮影の場合は、対物鏡の焦点距離、接眼レンズの焦点距離に加えて、接眼レンズとカメラ撮像面との距離で合成焦点距離が決まるが、このレンズを使用した場合は、接眼レンズとカメラの距離は勝手に決まっている。ズームが最広角の24 mmのときに、直焦の場合より少しだけ大きく写っている。だいたい1.2倍くらいか。これでは、あまり拡大撮影という名にそぐわない。画像もレンズを余分に通ってるだけあってか、少し鮮鋭度に欠けるように思える。それから、周囲がかなりケられてしまっている。

ズームを最大にすると、ちょうど画面上のサイズも計算通り3倍の大きさになっている。これで、直焦の場合に比べて3.6倍の大きさで撮影できるということになる。

ズーム・アイピースを使ってみて感じたことを少し。固定焦点のアイピースで高倍率のもので見るには、一般に、事前に低倍率のアイピースで見て対象をできるだけ視野の中心に持ってきてから、アイピースを交換して見るということになるが、それがズーム・アイピースならアイピースを交換しなくていいのが便利というわけである。しかし、ズームを動かすと、ピントが大きくはずれてしまうので、一気にズームを動かすと、対象を見失ってしまいやすい。ズームを少し動かしてはピントも合わせ直していくという感じで動かす必要があるようだった。

もうひとつ、アイピース自体の組み立ても各部をネジ込んでつくってあるわけだが、ズーム操作を望遠側に回し切ってさらに力を加えると、反対側は望遠鏡に固定されているので、その組み立て部分が緩んでしまって、危険である。アイピースのズームリングに一番近い固定部分を押さえながら回した方がよさそうだ。

それから、ビジュアルバックと交換して取り付ける直焦用のTアダプタに比べると、アイピース用の1¼インチの穴で固定するのは確かに心許ないが、まあどうしようもないというほどではない。眼視のためのアイピースとの取り替えは、直焦の場合よりは楽だ。カメラを取り付けた重みで揺れやすくなっているのは同じようなものだが、倍率を高くした場合、同じだけ揺れてもそれだけ影響が大きい。