ファーストライト

新しい望遠鏡で初めて観測を行うことをファーストライトというらしい。9月29日に日付が変わった頃になってやっと、望遠鏡が届いてから初めて自分が在宅の夜に天体が見られる空模様になった。この時期のめぼしい対象は木星と月だが、玄関側に見える木星は建物の角度上見づらい位置になってしまっていたため、ファーストライトはベランダから見える月で行くことにした。

ファインダーの光軸合わせ

ベランダの傾斜に合わせて三脚の足の長さを調節し、まずはファインダーの光軸合わせ。実は、これの前々日に、天体は見えなくても地上の遠くの明かりでファインダーだけ合わせておこうと思って一度やりかけたのだが、スターポインターのスイッチを入れると光点が見えない。望遠鏡が届いた日に試しに見てから、スイッチを切り忘れてずっと点灯しっぱなしになっていて電池がなくなってしまったらしい。それでそのときは一旦光軸合わせをするのをあきらめたのだった。ファインダーを覗いてみるか、そうでなれればツマミの位置をよく見ないと、スイッチが入ってるかどうかわからないので、こうやって切り忘れで電池を使い切ってしまう失敗はきっと誰もがやってしまうのではないかと思う。

25 mmの接眼をセットして、月を視野に導入する。最初にファインダーの合っていない状態で望遠鏡本体の方に天体を導入するのは難しいが、満月近い月はとても明るくて、視野に月が入っていなくてもハレーションのような光でどちら側に月があるかだいたいわかるので、適当に探っていると、割りと簡単に月を捉えられた。これが初めてこの望遠鏡で目標の天体を見た瞬間である。視野にすっぽりおさまる月の全体像は非常に明るくて、まぶしくて仕方ないくらい。望遠鏡から目をはずすと周囲は暗いので目が眩んでしまっている感じだ。ムーングラスが必要かもしれない。

さて、月を捉えた状態でファインダーの光点と月の位置を見比べると、相当ズレている。位置調整ツマミをぐるぐる回して合わせるが、上下方向のツマミは、端まで行っても合わせきれない。何度か戻したりやってみたが、完全に合うところまで持っていくことはできず、ひとまず完全に合わせるのはあきらめることにした。

アライメント

次にいよいよ自動追尾。アライメントのやり方は色々用意されているのだが、まずは対象も月だし、一番簡単な、太陽系天体を1つだけ指定して合わせる、Solar System Align のモードでいく。時刻設定の後、メニューからMoonを選択。まずファインダーに対象を合わせるるように指示が出る。このときは、モーターの回転速度は高速になっている。既に月はファインダーに入ってるので、そのままENTERボタンを押す。

次に接眼鏡を覗いて対象を視野の中央に合わせるよう指示が出る。このときは合わせやすいように自動的にモーターが遅い速度に設定される。ここで、モーターの速度が早く設定されているときは、望遠鏡を後ろ側から見て望遠鏡の先が動く方向と矢印ボタンの向きが一致するようになっているのに対し、モーターの速度が遅いときというのは望遠鏡本体を覗いて、視野の中で対象を動かしたい方向の矢印を押せばいいように、上下の矢印ボタンと動作方向の関係が、逆転するようにできている。もともと望遠鏡の倒立像を天頂プリズムを使って見ている前提なので、上下は反転しなおして正しい向きだが、左右は反転した画像を見ているので、左右方向のボタンと動作の関係は変化しない。なんだかややこしい話だが。これは手動でモーターの速度を指定したときも速度6と7を境にそうなる。

さて、もう一度月を視界中央に合わせてALIGNボタンを押すと少しして Align Successful. の表示と一緒に、Starpointer Offの指示が出た。ファインダーの役目はここまでなので、スイッチの切り忘れ防止のために、これはなかなか親切な配慮だ。

普通の星ならこれで設定完了だが、対象が月なので、トラッキング・レートをデフォルトのSidereal(恒星)からLunar(月)に変更しておかないといけない。

これで、望遠鏡が自動で月を追尾している。しばらく離れていても、ちゃんと視野に月が見えているままなのは、自動追尾初体験の自分にとっては感動ものだ。

撮影

しばらく眼視で月面の観望を楽しんだあと、天体写真撮影のためのちゃんとした機材は全く揃っていないものの、やはり写真をとっておきたいので、いつものコンパクトデジカメのRICOH CX1で、手持ちのコリメート撮影に挑戦してみる。

本来、コンパクトデジカメで、接眼鏡越しに人間が目で覗いたのと同じようにして撮影するコリメート撮影でも、それなりの写真は撮れるものだが、それには適切なアダプタなどを使ってカメラを望遠鏡にしっかり固定する必要がある。ところが、そんなものはまだ用意していないので、とりあえず手持ちでカメラの先端を接眼鏡に当てて撮影する。しかし、これはなかなか難しい。とりあえず何か写ってます程度になら撮れるかもしれないが、きっちり視野の中心にカメラの中心を合わせて、ピントもきっちり合わせて、手ブレせずに撮影するとなると、カメラをあまりうまく保持できないことから、なかなか苦労する。あまり力を入れてカメラを押し当てると望遠鏡がズレてしまいそうだし、かといって空中で保持しているような感じだと安定しない。

とはいえ、なんとかがんばって撮った記念の第1枚が、下の写真。天頂プリズムをつけたままで25 mmのアイピースを使い、カメラ側のズームは一番引いた状態で撮影した。天頂プリズムのせいで鏡像になっているので、PhotoShopで左右反転した上に、トリミングしてある。ちょうど満月に少し足りなくてクレーターの影がはっきり出ている部分のうち、画面の左上の方は割りとうまくピントが合っているが、画面の真左から少し下寄りあたりはなんだかボケてしまっている。

7 mmのアイピースでも撮影は試みたが、こちらは眼視の際にも目の置き場所がかなりシビアだったのだが、カメラを当ててみるとそれ以上に難しくてなかなかうまく画面におさめられず、結局ここでお見せできるような写真は撮影できなかった。

またしばらく眼視で眺めていると、だんだん視野がおかしくなってきた。どうしたかと思ったら、月が向かいのマンションの陰に「沈んで」いくところだった。そのまま追尾を続けると、向かいのマンションの部屋に望遠鏡が向くことになるので、そこでファーストライトの儀は終了。

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