小惑星 2012 DA14

土日は色々と出かけていたので、なかなか書けなかったが、土曜日の未明に地球の近くを静止衛星軌道よりも近い場所を通って地球を掠め去って行った、小惑星 2012 DA14。前日ロシアに落ちた隕石には驚いたが、こちらは事前から軌道が正確に観測されていて、地球を掠めるものの衝突はしないのがわかっていた。幸運なことに、最接近する付近では日本から見える位置にあって、しかもまだ夜が明けておらず、更にそれが仕事には影響しない土曜の未明という好条件なので、これを見ない話はない。

しかし、明るさは7等星程度というので、肉眼で見ることは難しい。望遠鏡や双眼鏡で見るか、写真に撮影するしかない。接近時のみかけの移動速度は、30秒で月の直径分進むくらいだというので、追いかけるのが大変だ。ある瞬間の位置は、望遠鏡をステラナビゲータでコントロールすれば狙えると思うが、以前、ISSなどを追尾できないかと考察したときにわかったように、刻々と追尾するのは難しそうだ。

そういうわけで、望遠鏡はあきらめて、ISSの撮影のときのようにカメラレンズで撮影することにした。自宅からだと、本来地上から見える小惑星の軌道の一部しか見えないので、近所でもう少し見通しのいい場所がないかと探したが、いまひとつだったので、結局自宅ベランダから撮影することにした。しかし、軌道はこちらより階数の高い向かいのマンションの玄関側の廊下の照明が煌々と光っているすぐ上。しかも、天気は快晴ではなく、切れ切れの雲が流れていく状態。かなり状態は悪いがこれでやるしかない。

ベランダから見られる画角を考えて、レンズは55-250mmレンズの55mm端。小惑星の位置を狙うのにカメラだけではわかりにくいので、NexStar 5SEのピギーバックマウントにカメラを載せて、ステラナビゲータから小惑星の位置を確かめて向きを決めることにする。見える範囲の小惑星の軌道がうまく画角内におさまるように決めておいて、その中央あたりにいるときの時刻にステラナビゲータを合わせて、そのときの小惑星の位置に望遠鏡を向ける。そのまま放置すると、望遠鏡が日周運動を追いかけてしまうので、そこで電源を切って動作を止める。実はメニューからトラッキングのモードの選択でOFFにすれば後で再開できたはずなのだが。

ISSの撮影のときと違って、相手は結構暗い。固定していれば、光害の多いこの付近の空でも7等星は普通に写るとは思ったが、ISSほどではないにしろ動いているとどのくらいに写るか未知数である。兎にも角にも、セットした画角の中を小惑星が通過する間だけ連続撮影にして放置。撤収後、前のふたご座流星群のときと同じように、とりあえずKikuchiMagickで全部比較明合成をして、写っているか見てみる。小惑星もコマ切れのままよりも線につながっていた方がわかりやすいだろうと思ったからである。しかし、結果は下にご覧の通り。雲が、空全体を覆っていないながらも、移動していくので、比較明合成してしまうと、ほぼ全体的に真っ白になってしまって、それに重なっていると、同時に雲と小惑星が重なっていなかったしても、結果的には埋もれてしまって見えないことになってしまう。

2012 DA14
2013/02/16 04:25~04:55 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (55mm F5.6), ISO3200, 8sec×212, KikuchiMagick, trimmed.

そこで、1枚1枚の写真をもう一度よく見ると、実は恒星の日周運動の方向とは違う方向の線分が、かすかに写っているのを見つけた。本来、ちょうど画面の左下から右上まで移動していくつもりだったが、ピギーバックマウントが少し上向きに傾いているせいで、思っていたよりも下の位置にあった。そこで、その前後で雲と小惑星が重ならない範囲のショットだけを集めて、比較明合成しなおした。雲が脊椎か何かのように見えるが、これは連続撮影しているとは言っても、1枚と1枚の間に露光していない隙間の時間があるため。日周運動の恒星は動きが小さいので隣同志ほぼつながって見えるが、雲の場合はそうは行かなかったようだ。

2012 DA14Asteroid 2012 DA14 2013/02/16 04:40~04:44 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (55mm F5.6), ISO3200, 8sec×28, KikuchiMagick, trimmed.

もう1枚、別の時間で合成したもの。トリミングのサイズは上のものと違う。

2012 DA14Asteroid 2012 DA14 2013/02/16 04:46~04:50 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (55mm F5.6), ISO3200, 8sec×31, KikuchiMagick.

これだけの光害の悪条件のもと、曲がりなりにしろ小惑星の姿が捉えられて満足だ。

ちなみに、目でリアルタイムで見る方は、8×23の双眼鏡を使って探して見たが、残念ながらみつけることはできなかった。

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