バリンジャー隕石孔 ~ フラグスタッフ

6月18日は、いよいよ今回の旅で一番の目的地の、バリンジャー隕石孔 (Meteor Crater) に向かう。ここに行きたいと思った経緯は先に書いたので繰り返さない。今度はまた結構な距離を走るが、ほとんどインターステートを突っ走るだけである。

出発前にまずはホテルの目の前のガソリンスタンドに入って燃料補給。そして、昨夜虫でギトギトになったフロントガラスを忘れずにきれいに掃除。ドアミラーの背面もギトギトになっていた。

Gas Station

本来は西に向かうのだが、東西に走るI40に乗るために、まずはソコロからI25を北上する。そのままアルバカーキ Albuquerque) まで行けば、そこでI40と交わっているのだが、少し鋭角なので遠回りになるし、アルバカーキに寄ってどこか見ていく時間の余裕もないため、手前のロスルナス (Los Lunas) からショートカットして、NM6経由でI40に入る。この区間は昔のルート66の区間で、I40に取って代わられてUS66は廃止になって現在はNM6となっているわけだが、アメリカ人にとってはこのルート66というのには郷愁があるようで、”Historic Route 66″ の看板が立っていたが、ひたすら突っ走っていたので、写真を撮っていなかった。

I40を走っている途中で、ちょっと休憩するためにたまたま降りた出口のすぐ前にあった看板。ここにも大陸分水嶺があった。

Continental Divide

やがてアリゾナ州に入るが、ここの州境は特に何もなく通過。更に走って、ホルブルック (Holbrook) という街で昼食。いつもマクドナルドばかりなので、バーガーキングにしてみた。しかし、ここにはマクドナルドのような無料Wi-Fiがなかったので、後で近所のデニーズの駐車場まで行って、ちょっと電波を借りた。

Burger King

さて、これは映画「スターマン」で主人公たちがクレーターに行く前に寄る喫茶店的なところ。昔流行したものか、ドーム型の特徴的な建物である。事前にGoogle Mapsでチェックしていると、クレーターに行くためにI40を下りる出口、Exit 233を出たすぐのところに、メテオ・クレーターRVパークというのがあって、そこに上部の看板のようなものはついていないが同じ形のドーム状の建物があるのを確認していた。年月が経って映画の撮影された当時とは違うものになっているのだろうと思ったが、いずれにせよ、ここには寄ってみようと思っていた。

Indian Country

ところが、I40を走って、もうそろそろだなというとき、ひとつ手前のExit 239に、”Meteor City” と書かれている標識が目に入った。Cratorと似た綴りの名前を付けて、間違って客を呼び寄せようというあざとい商売の施設か何かかと思って、自分の下りる出口は233番に間違いないので無視して通り過ぎたのだが、ちらっと見えたのは、この映画に出てきたのと同じ飾りのついたドーム型の建物。え? そっちが本物?

まあ、通りすぎてしまったので、そのまま予定通りExit233で下り、RVパークの表にあるガソリンスタンドの売店になっているこの建物に寄ってみる。

RV Park

写真の通り、建物自体の形は同じといえば同じで、同じ時にこれら2ヶ所に同じものが立てられたのかもしれないが、こちらは映画に出てきたようなてっぺんに看板のようなものはない。店内に入ると、内装も全然感じか違う。大改装してあれば、そうかもしれないが。そんなわけで、映画に出ていたのは、Meteor Cityの方なのだった。今考えてみれば、クレーターを見た後で、一旦少し戻ってそちらを見に行ってみればよかったのだが、クレーターを見た後はもう先に進むことしか頭になくて、まっすぐフラグスタッフに向かってしまった。

Indian CountryRV Park

RV Parkを後にしたら、メテオ・クレーター・ロード (Meteor Crater Rd.) を9km足らず走ればいいだけだが、こんな砂漠の木も生えてない何もない平原のまっすぐ先にあるにもかかわらず、地面が多少起伏があるために、途中の起伏のピークに差し掛からないと、クレーターは目に入らない。そして、初めて見えたクレーターがこれ。リム (ふちのところ) が少し盛り上がっているのがわかる。

Meteor Crater

そして、道路はクレーターのフチにある博物館のところに通じている。駐車場に車を入れて、建物に向かう。ちょうど映画で、スターマンを追う科学者のシャーマンが建物に向かうシーンと同じ場所だ。が、しかし、ずいぶん建て増しがしてあるようだ。

from "Starman"Meteor Crater Museum

しかも、更に拡張工事が進行中で、チケット売り場は道路の上に建てた仮設の建物になっていた (右の紺色の小屋)。入場料は$16。

Meteor Crater Museum

中に入ると、建物は中庭のようなっていて、まず目を引くのが真っ白いアポロのカプセル。正しくは、実際に月に行くために使われたカプセルでも、そのレプリカとかでもないのだが、その開発に際して、帰還時に実際にパラシュート降下で海に着水するのがうまくいくかを検証するために使われた実験機だとのこと。コードネームで、“BOILER PLATE 29” という名前がついている。なぜそれがここにあるかというと、ここでアポロの宇宙飛行士の訓練が行われたから。なぜここで訓練が行われたかというと、事前の知識では単に砂漠で地形が月面のようだからということで、宇宙服を着て歩く練習でもしただけかと思っていたが、博物館で買ってきた本を読むと、地球上にある実際の衝突クレーターで、宇宙地質学について学ぶのが目的だったということである。

Boiler Plate 29Boiler Plate 29

また、この中庭には、アメリカの宇宙飛行士を讃えて全員の名前を記載した、American Astronaut Wall of Fame というのもある。

American Astronaut Wall of Fame

展示館の中に入ると、ここで見つかったうちの最大の隕石が展示してあって、自由にさわれる。写真だと大きさがいまひとつわからないかもしれないが、長手方向でだいたい50 cmくらいだったと思う。

Holsinger Meteorite

建物は、ちょうどクレーターのリムのところに建っているので、建物から扉を通って外に出ると、クレーターの内側が見られる。

Meteor CraterMeteor Crater

ここも、ちょうど映画に出てきた場所だ。

from "Starman"

左手の方に、クレーターのリムが一番高くなっているところまで登る道がついているので、登ってみる。

Meteor Crater

そこから先にも、ずっとリムに沿って道がいちおうついているが、閉鎖されている。

Meteor Crater

そして、クレーターの中を見渡すと、こんな景色。これが、ずっとこの目で見てみたかった地球上の衝突クレーターの内側だ。クレーター自身のリムの上からでは、35 mm換算で28.7 mmのレンズでは全然1枚におさまり切れない。

Meteor CraterMeteor Crater

建物から出たところからクレーターの底に向かって少し降りていった階段の先には、展望ステージのようなものがある。

Meteor Crater

リムの外側を眺めると、すぐ足元に先程の中庭のようなところが見え、ここに来るのに走ってきた道路も見える。

Meteor Crater

今度は、先程見えた展望ステージの方に降りて行ってみる。手摺りのところに望遠鏡がたくさん取り付けられている。

Meteor Crater

近づいてみると、それぞれが何かしらの目標を狙うように固定されていて、そのポイントの名前が書いてある。

Meteor CraterMeteor Crater

目標はたいてい小さくて望遠鏡は結構な倍率で、肉眼で見えるものと対応をつけようとしても難しいくらいだ。その中で、大きな目標物、家くらいの大きさの岩、がこれ。これは、頂上から広角で撮ったクレーターの写真の中でも判別できる。

Meteor Crater

クレーターの底の少し明るい色の輪になったようなところの左端にある小さな白く見えるところと、右側にある、もっと大きな白く見えるところ。右の方の写真の左端の方にはボイラーが見えたり、右側には星条旗と、宇宙飛行士のハリボテが見える。

Meteor CraterMeteor Crater

Meteor Crater

展望所は更に右側にもある。

Meteor Crater

建物の前のところに戻って、デジイチのレンズの最広角で撮っても全体が一度に入らなかったので、iPhoneのパノラマ撮影機能を使って撮影してみた。端から端まで180°あまり。

Meteor Crater

ここで、クレーターリムのガイド付きツアーの集合時間なので、一旦建物の中に戻って、例の大きな隕石の前に集合。先に出たのとは反対側の出口から出ると、頂上のあったのとは逆方向のリムに沿って歩いて行く。以前は、1時間弱かけてリムを一周することもできたようだが、このときはこのガイド付きツアーでも、建物から数百メートル先まで連れて行ってくれるだけだった。下の写真は先に上から撮ったものだが、ちょうど人の固まっているところまで行く。

Meteor Crater

こちらは、実際に向かっているところ。ガイドの人が色々説明してくれながら進む。

Meteor Crater

最終地点で、色々お話をしてくれた後、ガイドの人が皆の記念写真を順番に撮ってくれる。

Meteor CraterMeteor Crater

道はまだ先にも続いている。

Meteor Crater

これをもっと進むと、映画に出てきたこんな建物の残骸があるはずなのだが、起伏の陰になってか確認できなかった。Google Mapsで見ると確認できる。

from "Starman"from "Starman"

トカゲがいた。ここのはもちろん白くない。

Lizard

建物に戻ったら、後は建物内の展示を見る。それから、シアターで映画が上映されているので見る。先程のガイドさんが出演していた。

ガイドさんは、Barringerを「バリンガー」と発音していて、本当はそう発音するのか、と思ったが、映画のナレーションの音声は「バリンジャー」と発音していた。まあ、どっちでもありってことか。

全部十分見終わったところで、帰りがけに、中庭のところをもう一度通るが、クレーターの外側に向いた壁がこんなふうに長方形に繰り抜かれていて、景色が額縁におさまった絵のように見える。

Meteor Crater

バリンジャー隕石孔を後にすると、一路フラグスタッフの街に向かう。1時間足らずで到着し、ホテルにチェックイン。

America's Best Inn

メインイベントのバリンジャー隕石孔訪問は終わったが、この日はまだもうひとつ、ローウェル天文台 (Lowell Observatory) に行く。その前に夕食を今度こそはピザハットで。

Pizza Hut

ホテルをそういう場所に選んだからでもあるが、ローウェル天文台はホテルから車でほんの数分のところ、街の端の小高い丘を登ったところにある。登り道の途中、フラグスタッフの街がよく眺められるポイントがあった。

Flagstaff

そして、ローウェル天文台に到着。先に訪れたキットピーク天文台ほど大きな天文台ではなく、こじんまりとしているが、火星の研究や冥王星の発見で有名な、歴史的天文台である。入場料$16を払って中に入ると、最初に展示してあるのがこれで、古くなってもう使われていない42インチの反射望遠鏡。

42-inch Reflecting Telescope

まだ時間が早くて空は明るいが、月はもう見えているので、観望会のドブソニアン望遠鏡に行列ができている。

Lowell Observatory

クラーク望遠鏡の入っているドーム。上には月齢10.5の月。

Clark Dome

1896年につくられた24インチ (61 cm) クラーク屈折望遠鏡 (Clark Refracting Telescope)。 この望遠鏡は、確か子供の頃見た図鑑に載っていた。今は、実際の観測からは引退していて、ここでも観望会に使われている。こちらでも月を見せていた。

24-inch Alvan Clark Telescope24-inch Alvan Clark Telescope

ドームの開口側から。

Clark Dome

クラークドームの奥にもうひとつ小さめのドームがあって、41 cmカセグレン望遠鏡が設置されている。こちらも一般公開用の望遠鏡ということだが、このときは開いてなかった。ガラスを通して中の望遠鏡があるのが見られたが、暗いのでストロボを炊いて撮影したため、上の方がガラスの反射で見えにくくなっている。

McAllister TelescopeMcAllister Telescope

これは望遠鏡のドームではなく、パーシヴァル・ローウェルの墓。

Persival Lowell's Mausoleum

表でドブソニアンで月を見せていた建物は博物館になっていて、中に色々展示してある。

スライファー分光器。ヴェスト・スライファーは分光観測によって赤方偏移を発見した。

Slipher Spectrograph

パーシヴァル・ローウェルの最初の望遠鏡

Persival Lowell's First Telescope

点滅比較器。トンボーが冥王星を発見したときに使った。違う時に同じ場所を撮影した2枚の写真を交互に見ることによって、恒星に対して動いている天体を見つけるのに使う。

Blink Comparator

そして、冥王星発見の栄誉のあるローウェル天文台としては、冥王星が惑星から準惑星に降格されたことがやはり気になるようで、こんな投票箱を兼ねた寄付金箱が設置されている。

Vote

クラークドームとは逆の方に行くと、1930年に冥王星の発見に使われた13インチ (33 cm) アストログラフ (写真撮影用の望遠鏡)の入っているドームがある。こちらも開いてなかった。どうも、昼間のガイド付きツアーでないと中は見られないようだ。ここは窓から覗き込んでもうまく写真が撮れなかったので、ドームの写真だけで。

Pluto Telescope Dome

だいぶ空が暗くなってきた。ドブソニアン望遠鏡のところに戻ると、まだずっと観望会をやっている。よく見ると、月の両脇に土星 (向かって左側) とスピカ (向かって右側) が写っていた (前の写真でも)。

Lowell Observatory

これ、何が言いたいのかよくわからないパネルだが、どうやらパーシヴァル・ローウェルは日本研究家でもあって、日本にいるときに能登を訪れたことから、何やら穴水町が友好関係があるらしい。ローウェルが日本に来ていたという話は初めて知った。このパネルの写真にある大きな碑がローウェル天文台のどこかにあるということか、それとも贈られたけれども設置されてないから代わりにこのパネルを掲示してあるということか??

穴水町のパネル

バリンジャー隕石孔に落ちた隕石の一部のうちのひとつが展示されていた。

Meteorite

そしてここにも重力井戸の募金器。

Gravity Well

駐車場の脇にあった何かのアート作品。

Positive View of Personal Future

翌日は、とうとう最後の目的地、ロサンゼルスを目指す。

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