ヘール・ボップ彗星のおもいで

今、アイソン彗星が注目の真っ盛りだが、ここで過去の彗星の話を。

私が昨秋に望遠鏡と一眼レフを買って本格的に天文趣味を始めるまで、実際に目にした彗星といえば、1997年のヘール・ボップ彗星ただひとつだった。つまり、生まれて以来1997年までは天文好きでありながら彗星の実物は一度も見たことがなかったし、その後も昨年末リニア彗星を観測するまでもお目にかかることはなかった。彗星といえばなんといってもハレー彗星だが、子供の頃はハレー彗星のことを本で読んで、子供にとってはずいぶん先の自分が大人になった頃に回帰してきて過去の記録にあるような大きな彗星が見られるものと楽しみにしていたのに、実際に来てみると、地球の軌道上の位置との巡りが悪くて観測条件が悪く、結局見ずじまいだった。

1996年の百武彗星は日本でも長い尾が見られた彗星だと言われるが、見た記憶がない。よく観測できたのはほんの数日間だったからのようだ。熱心な天文マニアで接近前からよくウォッチしていればともかく、たまに書店で天文雑誌を立ち読みして情報を入手している程度では、知らない間に行ってしまっていたのだろう。他にマスコミで事前に騒がれた彗星はたくさんあったが、どれも結局普通に見られるような大きな彗星になった試しはなかった。そして、近年現れた大きな肉眼彗星、2007年のマックノート彗星と2011年のラブジョイ彗星 (C/2011 W3。今見えているC/2013 R1のとは別モノ) はいずれも南半球でしか見られなかった。

そんな中、1997年のヘールボップ彗星は、普通の生活をしていても見られる夕方の西の空にずいぶん長い期間見られ、都会の光害の空でも、もちろんハレー彗星で想像していたような雄大なとはいえないまても、確かに尾をひいたホウキ星の姿が、肉眼でしっかりと見られた。休日に自宅からも見たし、平日に会社で夕方に建物の外に出て皆で眺めたりもした記憶がある。

HB Cometヘール・ボップ彗星 C/1995 O1 1997/04/12 夕刻 CONTAX T2, 38mm, F2.8, 1sec

写真も撮って、しっかり写ったと思った記憶があったので、古い写真を掘り返して探しだしてきたのがこの写真。とりあえず、プリントをスキャンしてみた。画像はプリントされた状態をスキャンしたままで、特に調整はしていない。当時しっかり撮れたと記憶していた割には、見てみるとかなりショボい写りだが、やけに小さく写っているのは38 mmというどちらかというと広角で撮っているせいでもあり、逆に、まあまあ、記憶している実際に肉眼で見た風景の感じそのままに近い。明るさも、よく見るとペルセウス座の2等星、3等星がなんとか写っていて、ちょうど都会の空の見え具合程度だ。彗星のすぐ右隣は変光星で有名なアルゴルである。なぜ38 mmで、もっと望遠で撮らなかったのかというと、おそらく当時特に星を撮るのに適したカメラを持っていたわけでもなく、最も長時間シャッターの切れるのが、この写真を撮ったコンタックスT2だったからだと思う。

ここから16年近くを隔てて昨年末以来、リニア彗星、パンスターズ彗星、アイソン彗星、ラブジョイ彗星(C/2013 R1)、と見てきているが、写真に写ったのを見るのでなく眼視では、リニア彗星は望遠鏡でかすかに、パンスターズはまあ小型双眼鏡で見えたが肉眼では見えず、アイソン彗星が肉眼でかすかに一度だけ、あとは双眼鏡以上で。ラブジョイも双眼鏡では楽に見えたが肉眼では確認できたことがない。アイソン彗星がこのあと明るくなって少なくともヘールボップ彗星より明るく見えるようになるだろうか? たとえ明るくなったとしても、早朝日の出前に起きて見ないといけないから、天文に関心のない人には全く見てもらえないだろうから残念だ。

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