金星

望遠鏡を買ってから初めて金星を拡大して撮った。昨年、太陽面経過のあった6月に当然「内合」を迎え、その後西方最大離角を過ぎたよりも後に望遠鏡を買ったわけなので、そこからは金星は地球からの距離が離れて小さくしか見えない時期が続いていた。今年も終りに近づいてきてようやく一周回って追い付いてきた金星が、今や東方最大離角から最大光輝も過ぎたところで、かなり地球に接近しているので、視直径が大きく見えるとともに、三日月のように欠けた形状に見えている。視直径は既に木星よりいくぶん大きく見えているくらいだ。もうしばらくすると今度は太陽に近づき過ぎて見られなくなって、反対側に出てきて明けの明星として見られるようになるのを待たないといけなくなる。

金星自体は結構前から宵の明星として西の空に見えていたが、この季節に宵の明星を迎えると、黄道の位置が低いことから、太陽からは離れていても南西の空低い位置に見える。自宅のベランダからは、春にパンスターズ彗星を見た時のように真西の空は見通せるのだが、南西の空低い位置は建物が邪魔で見られない。このところ、見える位置がだんだん西に寄ってきたことで、やはりベランダからは見えないものの、スピカ食を見た時に利用した非常階段の位置からなら建物の隙間から少しの間だけ見られるようになった。

そこで、またそこに望遠鏡を運んで、その時刻を狙って金星を撮影してみた。まずは、せっかく入手したお気軽ズームアイピース撮影セットとCanon PowerShot S120の組み合わせによるコリメート撮影。前に画角について色々調べたが、結局最大倍率を得るために、ズームアイピースを8 mmに、そしてS120のズームを120 mm相当 (実際の焦点距離は26 mm) にセットしての撮影。導入時には、アイピースもカメラも広角側にしておいてから徐々に望遠に持っていけるので、楽だ。スチルで撮ったのがこれ。背景は真っ暗で夜に撮影したように見えるが、まだ日没間もなく十分明るい空だったが、金星は非常に明るいので適正露出になるようにするとこうなってしまう。

Venus
金星 2013/12/21 16:43 Canon PowerShot S120, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece (8mm), afocal, 26 mm, ISO1600, 1/250 sec

画面あたりの拡大率では、これまでズームアイピースにTリング直結でEOS 60Dで拡大撮影していたよりもかなり大きい。金星の視直径は木星より少し大きいだけくらいだから、こちらの記事の最初の写真で木星を撮影しているのと比べると大きく写っているのがわかる。添付画像は元データを1/2に縮小しているが、そのままだと画面上の直径は600ドットくらいある。60Dよりも画面全体のドット数は少ないにもかかわらず、これだけの大きさになる。

しかし、見ての通り、これだけの拡大率で見ると気流の乱れでの影響による画像の歪みが大きく、眼視で見ている分には頭の中で補正して見ているのでそれほどとも思わないが、静止画で撮るとこんなふうに揺らいでいる瞬間が固定されてあまり見るに耐えない画像になってしまう。

そこでまた動画による多コマ撮影+Registaxの出番である。ところが、60Dにはクロップ動画という便利なモードがあったがS120にはない。動画撮影すると、本来横4,000ドットで撮影できる画面が1,920ドットでしか撮影できない。そんなわけで、結局60Dでの拡大撮影のときとさほど変わりないドット数に。ともあれ、そうやって作成したのが下の画像。

Venus
金星 2013/12/21 16:47 Canon PowerShot S120, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece (8mm), afocal, 26 mm, 露出補正−3.0, 328 frames, Registax6, トリミング

ぼんやりはしているが、個々の静止画の揺らぎはきれいに消えている。ウェーブレット処理は金星の場合は木星のように縞模様が見えてきたりするわけではなく、あまりかけると輪郭がかえって不自然になるので、あまりぼやぼやではなくなる程度に。また、撮影時から色収差が出ているのが気になっていたが、これはRegistaxの事後処理にRGB Alignというのがあって、Estimateボタンを押せば自動で合わせてくれる。これはなかなか効果絶大だ。

ところで、動画で撮った画像は静止画で撮った画像よりかなり明るい。S120では動画での撮影時にはマニュアルによる細かい露出の指定ができず、ISOはAutoになり、後は±3段までの露出補正だけだ。このときは露出補正をマイナス最低に設定して撮影したが、まだ少し露出オーバーで本来より太って写ってしまっている感じだ。測光モードを変更すればもう少し暗くできかたもしれないが、こんなに細長い形状ではスポット測光にしてもうまく位置を固定するのが難しいかもしれない。

さて、次に、これまで木星や土星を撮ってきたのと同じ、先に述べた60Dでの拡大撮影。

Venus
金星 2013/12/21 16:58 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece projection (8mm), ISO400, 1/250sec x 718, Registax6, トリミング

比べてみると、S120でのコリメートより、少しばかり小さく写っている。こちらは露出はオーバーしないように合わせているので、こちらの方が三日月形が細く写ってもいる。しかし、こちらの方がたくさんの枚数スタックしているにもかかわらず、形状の滑らかさに劣る感じがする。カメラが重いせいで鏡筒の揺れによる画像のブレが大きいことが影響しているだろうか?

S120のコリメート撮影の画像と60Dの拡大撮影の画像、どちらがいいだろうか?

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