昼間の土星食残念記

今日2014年9月28日は、昼間に土星が月に隠される土星食があった。幸運なことに日曜日だったので、普通に自宅で撮影することができた。スピカ食水星食と条件の厳しい星食の撮影に挑戦してきたが、今回は更に条件が厳しい。本当の真っ昼間に起こるし、月齢もそれほど大きくなく結構細い月だ、ということはあまり明るくないという以外に、太陽に角度的に近い。

さて、まずは月が肉眼で見えないときに備えて、望遠鏡を月と土星に向けることができるようにしておかないといけない。私の望遠鏡はのファインダーは、ポインター式なので、集光能力がなく、対象の星は肉眼で素通しで見るだけなので、肉眼で見えなければ自動導入の助けを借りないと視界の極めて狭い望遠鏡本体を対象に向けることはほぼ不可能だ。自動導入をするには、まず望遠鏡を基準星に向けてアライメントを行わないといけないが、当然他の星が見えないわけだから、基準星として使えるのは太陽だけである。

先日のISSの日面通過の記事でも書いたように、この望遠鏡用に太陽フィルタなどの用意はないので、実際に望遠鏡をのぞいてアライメントするわけにはいかない。太陽に向けている間は鏡筒にはしっかりフタをして (はずれやすいので収納時は普段からそうしているが、パーマセルテープで貼っておく) ポインター式のファインダーだけを使って基準星の位置決めをすることにする。位置決め精度は悪くなるが、相手が大きな月なので、多少ズレても大丈夫だろう。

次に、ポインターは集光力がないといっても太陽を肉眼で見てあわせるわけにはいかない。2012年の金環日食のときに買ったMOOKの付録に付いていた簡易減光フィルタ板の残りがあったので、それをポインターの向こう側にかざしてのぞくと、太陽はフィルタを通って減光されて適切な明るさになって見える。一方、ポインターの光点は一見遠くからやってくるように見えるが、手前の光源が反射板に当たって戻ってきたものなので、フィルタは通らず普通に見える。更に、フィルタ板のおかげ背景も明るい空は見えずにフィルタの濃い色が見えるので、ポインタの光点が見えづらいということもない。これで結構簡単にボインタを太陽に向けることができた。

もうひとつ、望遠鏡には危険防止のため、太陽はコントローラの選択肢に現れないようになっているが、設定でこの制限を解除できるので、事前に解除しておく。

2つや3つの基準星を使ったアライメントに比べると精度が出ないので、きっちり三脚の水平をとって、から太陽系アリーライメントで太陽を選んで、上記のようにポインターを使ってアライメント。次に、導入対象に月を選んで導入。月のあるべき方向を向いてから (太陽から逸れてから)、鏡筒のフタをはずして、前の記事で紹介したフードを巻いておく。それから、追尾速度は当然ながら月に設定する。

実際、潜入前は月が肉眼では全く視認できなかったので、この方法で月の導入を行った。ど真ん中というわけにはいかなかったが、無事月の導入はできた。しかし、その近くの土星のあるべき位置をいくら目を凝らして見ても土星は認識できなかった。写真に撮って、PhotoShopに読み込んで階調を極度にいじってみても、全く土星の姿のカケラも現れなかった。どうやら、完全に背景の空の明るさに埋もれてしまっているようである。残念ながらそのまま潜入時刻となり、土星食の潜入は観測できなかった。

潜入前に撮影した写真がこんな感じ。

白昼の月
白昼の月齢3.9 (土星潜入前) 2014/09/28 11:42 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO200, 1/500sec

暗縁からの潜入の約1時間20分後に明縁からの出現となるが、その間は特にすることがない。望遠鏡のアライメント精度がありまよくないので追尾ズレをときどき修正しつつ待つだけである。驚いたことに、潜入からあまり経たないうちに、月が肉眼で見えるようになっていた。徐々に高度が上がってきたせいだろうか。望遠鏡で覗く月の像もなんとなくくっきりしてきたような気がした。土星自体はこの間月の後ろにいるので、見え方がどのくらい変わってきているかわからないが、出現のときには条件がよくなってきていて、見える可能性もあるのではないかと期待して待った。

しかしながら、出現時刻が過ぎてもやはり土星の姿は捉えられなかった。残念ながら、今回は完敗だった。

ちなみに、火星やアンタレスにも向けてみたが確認できなかった。アルクトゥールスはかなり鮮やかに見えた。これは星自体の明るさによるのかもしれないし、高度によるのかもしれない。あるいは、恒星か惑星かということもあるのではないか。背景が明るい時に、恒星はいくら拡大しても点像なので、望遠鏡で拡大することによって背景だけが単位面積当たりの明るさが減るのに対して星自体は拡大しても明るさが変わらないため、コントラストが上がってよく見えるようになるというメカニズムがある。ところが、惑星の場合は、拡大すると、像自身が大きくなる分、背景と同じように単位面積あたりの明るさは減少するので、望遠鏡で拡大してみてもコントラスト改善の効果があまりないと思われる。単に像が大きくなることによって判別しやすくなるだけだろう。なかなか難しい。

最後に、昼間の望遠鏡での撮影の様子。

土星食撮影風景

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  1. アルデバラン食 | 世事不可强求

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