ステラナビゲータのパノラマ用写真の投影法

ステラナビゲータのパノラマ画像表示機能のことについては1年あまり前に書いたことがあるが、いつも便利に使っている。

先日、とある宇宙関連のイベントで中秋の名月の観望会をすることになったのだが、会場が結構ビルに囲まれた谷間。いちおうお月見する時間に月の見える方向は空が見えるようではあるのだが、すぐ横には高層マンションが立っていて、そこに月がかかってしまうかどうか微妙な判断になる感じである。

現地で、当日の月の位置はiステラで確認しながら、地図と地上目標物をたよりにした方角と、以前に分度器と小さな筒と糸と5円玉で作った自作の六分儀ならぬ二分儀を使えば、あまり正確とはいえないながらも、ピンポイントではチェックできなくはないが、何時から何時の月の位置が隠れずに見えるかとか、細かく判断するのはなかなか難しそうなので、現地で写真を撮ってきて、パノラマを作成し、ステラナビゲータに読み込ませて判断することにした。

自作二分儀

ところが、そうやって作成した周囲の建物のパノラマ画像をステラナビゲータに表示させて読み取れる建物の高さと、現地で自作二分儀で測定したものとに結構差異があるようだった。シミュレーション上は月は一時的に建物に隠れてしまう位置になるが、自作二分儀の測定では建物はそこまで高くない。これは一体どうしたことか。実際、当日の月の位置を見ると、測定の通り建物は月より低かった。事前にその確認は取れたので、お月見は安心して行うことができた。

正しくなかった図
正しくなかった最初に作成した図 (実際は建物に隠れなかった)

さて、シミュレーションがズレた原因として思い当たったのが、パノラマ画像の天球への投影方法。平面の画像データと実際の天球上の位置を対応させないといけないので、世界地図の投影方法と同じように、何らかの投影法を使ってマッピングしないといけない。

ぐるりと回転しながら撮影した複数の写真をステッチしてパノラマ写真を作成するときは、一般に円筒面に投影した状態で作成される。横方向は円周に沿っているが、縦方向は天球には沿わず垂直になった円筒面に投影するわけである。もともと一枚で撮った写真は平面に投影されていて、水平の回転方向の撮影枚数を限りなく増やしてステッチしたとしたら、撮影した写真の左右方向は中央部分の限りなく細い幅で、上下は撮影したままの高さのものをぐるっとつなげた状態になるわけだから、これはまあ理にかなっていると考えられる。ということは、水平線から高度 θ にあるものは、画像上では tan θ に比例する位置に表示される。

一方ステラナビゲータのパノラマ表示用画像と、天球への対応はどうだろうか。試しに、画像に等間隔の格子模様を描いたものを読み込ませて表示させると、ちょうど経緯線と同じように方位と高度が等間隔な球面上の格子として表示されるようである。ここで作成したバノラマ写真と解釈の相違があったわけである。高度の値があまり大きくない時は、 tan θθ はほぼ一致するのであまり気付かないが、高い建物が現れてくると差が顕著になってきたわけだ。

パノラマ表示用画像のサイズは何種類かにきまっているが、ここでは私がいつも使っている8192×2048ドットのものの場合で考えてみよう。水平一周360°が8192ドットで、水平線が画像の上下の真ん中なので、上に1024ドット、下に1024ドットは、360°の8分の1で、各々45°までとなる。一方、円筒に投影したもので上下45°までの画像が入った一周8192ドットの画像を作成するとすると、45°だと円周の半径と水平線からの高さが同じになるので、上下分合わせて、8192/πで、約2608ドット必要になる。ところが、このうち2048ドット分だけをトリミングしたものを使って、天球の±45°に表示していたので、実際よりも高く表示してしまっていたのである。

さて、理由がわかればその投影方法を合わせてやればいいという話だ。私は最近はパノラマ画像の作成にMicrosoftの無料ソフト、ICE (Image Composite Editor) というのを使っている。実は、これでパノラマ作成する際のStitchの段階でProjectionのオプションがあって、デフォルトではCylindrical (円柱状) になっていたが、これをSpherical (球状) を選ぶことで、ステラナビゲータに読み込ませたときに正しいマッピングとなるようである。今後は、ステラナビゲータ用のパノラマ画像を作成するときは、こちらの設定で作成しないといけない。

下が実際のパノラマ画像。

円柱状円柱状

球状球状

ぱっと見たところほとんど違いがわからないが、差分をとってみると、端に行くほど、単に倍率の問題以上に差があることがわかる。

差分差分

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