ISS天頂通過の撮影

天頂付近のISS
ISS 2015/12/05 17:43 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) prime focus, ISO3200, 1/2000sec, trimming

12月5日の夕方に、ISSが関東地方ではほぼ天頂近くを通る可視パスがあった。天頂近くを通るということは、地上からの距離が一番近くなるということでもあり、みかけの大きさが最大になる。地面から垂直になる軌跡の写真もいいが、ここはこの前試した望遠鏡での撮影で最大の大きさを享受したいところだ。

この前は、私の望遠鏡の架台はコントローラのボタンを操作して電動で一時に一定速度でしか回転させられないので、リアルタイムにISSを追い続けるということは困難なので、最初は近くを通る目立つ星を狙って待ち伏せしたが、その後ドットファインダーで眺めながら手動コントロールで先回りしておいてそこで止まった状態で連写、視野を通り過ぎたらまた先回りして連写、ということを繰り返してそこそこ撮影できることがわかったので、今回は最初ISSの動きが遅い間からその方法でやることにした。

自宅でいつも望遠鏡で天体撮影しているベランダや非常階段では、上に天井があって天頂がとらえられないので、どこか近所の開けた場所に望遠鏡を運んで撮影しないといけないと思っていたが、当日天気予報を見ると、自宅付近には雲がかかってきそうで、かつ都心に行けば雲はまだかかってないという感じだったので、どうせ望遠鏡を運びだすのならと、万全を期して都心まででかけることにした。場所はこれまでもちょくちょく天体観測に使っている豊洲。近くにあまり高い建物がなく、今回ISSの接近してくる南西方向はかなり低空まで障害物がないことがわかっているので、ISSがまだ遠くで動きがゆっくりしている間からきっちり望遠鏡で捉えて追いかけるのに都合がいい。

天頂で撮影するのにもうひとつの問題は、望遠鏡にカメラを取り付けると天頂近くに向けるとカメラが台座に当たってしまうこと。もともと天頂プリズムを使って眼視するのが前提のつくりなので、天頂プリズムまでなら回転軸と台座の間に入り込むのだが、大きなカメラを取り付けた状態だとダメである。

幸いなことに、三脚には簡易赤道儀として使うためのウェッジがついていて、架台を傾けることができる。そうすると鏡筒を天頂に向けても、架台の仰角は真上に向けなくてもよくなる。ここではISSを手動でコントロールで追うだけなので架台のアライメントを合わせる必要はなく、極軸を合わせる必要もない。追いやすいように、架台を傾ける方向をISSの進む方向と直角に向けた。写真は、そのセッティングで地平方向を狙っているところ。

架台のセッティング

さて、事前に練習はしてみたものの、実際に撮影してみると、ISSの動きと鏡筒を動かす向きが斜めになっているので、やはりなかなか追いにくい。そして予想されたことだが天頂近くは動きが早くなる上にファインダーを下から真上に見上げないといけないので体勢が苦しくなる。天頂近くで、鏡筒の回転が追いつかないわけではないが、自分の体勢の変更が追いつかずに少しきちんの追い続けられない間ができた。

では、実際に撮影した画像を、ひと続きの連写の分を1枚に比較明合成して、いくつか載せておこう。トリミング前の画像ではISSはゴミのようにしか写っていなくてわかりにくいので、全部大きな画像でいこう。

17:41:06

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ISS 2015/12/05 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) prime focus, ISO3200, 1/2000sec, 比較明合成

ざっとこんな具合である。だんだん近づいてきて大きく見えるようになり、途中から逆に離れて小さくなっていくのがわかる。なかなか正確に待ち伏せ位置を合わせられないので、結構画面中央を外していてうまく枚数の撮れていない回が多くて残念だ。特に最も近づいている付近が2つ連続でしか撮れなかったのが残念だが、不思議な事に、他はだいたいちょっとボケた画像になっているのに、ここだけは非常にくっきり写っている。記事の冒頭に載せたのがその画像をdot-to-dotで切り出したものだが、ここまで鮮明に写るとは予想を超える結果で自分でも驚いている。

ISSは天頂コースでほぼまっすぐに通過しているが、望遠鏡が斜めの軸で追尾しているので、経緯台で天体を撮影するときのような視野回転が起きているので、写真の上での進行方向がだんだん変わっていくように見える。と同時に真っ直ぐ飛んでいながらも地上から見ると、最初はISSを前方近くの斜めから、真上通過時には真下から、そして離れていくところでは後ろ寄りから見ることになるので、そういう意味で機体を見込む角度が変化していく。太陽電池パネルがほぼ真横から見る角度から、真正面に見る角度にまで変化しているのがよくわかる。

上の7枚の写真の中から機影を1つずつ取り出して向きを揃えて並べてみるとこんな感じ。

20151205ISS

ところで、よく見ると8枚ある太陽電池パネルのうち角の1枚だけ向きが違っているのか色が違って見える。どういうことだろうかと思ったら、こんな記事が。3週間以上前からSSUという装置が故障している模様だそうで、それに対応するパネルだけが太陽に向けていないのではないかと思う。これを交換しないといけないとなると、12月5日に打上げられて9日にISSに到着したシグナス補給船に交換部品を積み込むのは間に合わなかったので、その次の補給船まで待たないといけないそうだ。

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