「2013年アメリカ旅行」カテゴリーの投稿アーカイブ

今回のアメリカデータ通信環境

先日の中国旅行のときのデータ通信環境のことはこちらに書いたが、アメリカの方の話もしておこう。

中国用は今までよく書いているように、有効な現地SIMの入った携帯電話を持っているが、アメリカは、そんなに頻繁に行っていないので、中国用携帯のハードウェア自体はアメリカでも使えることは使えるが、SIMカードがないので、それを使うつもりなら現地SIMを調達する必要がある。繰り返し行くつもりなら、ずっと使えるようにSIMを買ってもいいが、今回きりだとあまり効率的でないように思う。中国SIMの方は継続のためにチャージがたくさんたまっているので、もしそれがアメリカで国際ローミングで使えるとしたら、それがいいので、少し望みをかける。

データ通信の方は、中国と同じく、テレコムスクエアでポケットWi-Fiルーターを借りるのは同じ方針である。中国は1日700円なのにアメリカは1,000円なのがちょっと痛い。ルーターには何タイプかあって、通話の方の心配があるので、電話機もできるスマートホンタイプのルーターを借りることにした。ところが、これが失敗だった。申込時は、ルーター機能のものが4G対応で、スマホタイプは3Gまでしか対応しないと思っていたが、空港で受け取る際には3Gが使えなくて2Gまでになります。と言われた。おやっと思ったが、まあ、そこでどうこう言うのも仕方ないかとそのまま借りて行った。

現地に到着して、まず中国SIMでのローミングを試したが、やはりダメだった。まあ、結局音声通話の電話をしたのは、滞在中で一度だけ、キットピーク天文台に確認の電話をかけたのだけだったが。スマホ型ルータの方は、接続することはするが、速度が全然出てない感じ。やはり2G (EDGE) でしかつながっていないということだろうか。Google Mapsを表示させようとしても、なかなか画面が出てこなくて使い物にならないレベルだ。もちろんスマホ型ルータ本体でやっても、W-Fi接続したiPhoneからやっても同じ。

しかし、中国でとは大きく事情が違うところがある。中国では移動は公共交通機関で、乗っている間や待っているは特にすることがなく手が空いているので、しょっちゅうネットにアクセスしたりしていた。一方、アメリカでは移動は全部自分の運転するレンタカーなので、移動中は手が離せず、ネットすることもない。宿ではどこでもWi-Fiが無料で利用できて、たいてい宿泊時にこればパスワードです、と教えてくれる。旅行記の中でも何度か触れているが、運転中に食事や休憩に入るマクドナルドやデニーズ、あるいは空港などでは登録不要で無料でWi-Fiが使えたので、これもありがたかった。結局、レンタルのルーターはほとんど役に立たなかったが、ルーターがなくてもそんなに困るほどではなかった。逆に、ちゃんと速度の出るルーターだったとしても、それほど出番がなかったということかもしれない。

最後の最後にロサンゼルスでは、都会だから電波がいいのか、Wi-Fiルータもそこそこ速度が出ていたようにも思うが。

しかし、まあ、今度アメリカに行くときは、何をレンタルするかもよく考えてからにしよう。

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LAX ~ 成田

6月20日。帰国のための出発日。帰国便は12:45ロサンゼルス国際空港 (LAX) 発のUA9685便。ホテルはグリフィス天文台に近いということで選んだので、空港まではあまり近くないが、まあ小一時間くらいの距離なので、そんなに早く出発しなくても大丈夫。到着したのが夜だったので、朝になってから撮ったホテルの外観。

Extended Stay America

近くをぐるっと散歩してみる。表のグレンオークス通りと並行して1本裏の通りはヤシの木が立ち並び、ビバリーヒルズのような雰囲気だ。

5th St.

空港までの道は前日にGoogle Mapsのルート検索で確認していたのだが、当日朝になって再度見てみると、それまで提示されていたのとは違う、一番西側を回るルートが出ている。事前の確認では、下の画面コピーでは灰色で出ているうちの真ん中寄りのルートだった。考えてみれば、朝のラッシュ時間にかかるので、中心部は渋滞で動かなくなるのだ。提示されたルートでも一部赤色になっている。

Route to LAX

のんびり出発するつもりだったのを少し早目に出発することにした。上の地図ではつぶれてしまってよくわからないが、ホテルを出てCA134に乗るまでの道が、行ってみると工事中で閉鎖されていて、えらく迂回しないとけなくて、いきなりつまずいてしまった。無事元の道に戻って、予定通りCA134に乗り、西に向かい、自動的にUS101に。そして、赤色になっていたI405へのインターチェンジに近づくと、I405に行くレーンだけがつながってノロノロ運転になった。Google Mapsの言うとおりだ。

To I405 South

I405に入ってから結構な間渋滞状態が続いたが、山越えが終わったくらいか、流れだして、まあだいたい予想通りの時間で、空港の近くに到達した。46番の出口で降り、センチュリー通り (Century Blvd.) に入って空港に向かう。いちおう、車を返す前にガソリンを満タンにしておくためにガソリンスタンドに入る。

更に進むが、しばらくは空港というよりは普通の街並みの感じで、どこからレンタカー返却に行くのかわかりづらい。たいていの空港は、Car Return の看板をたどっていけばいいのだが、ここは看板があまり目立たない。セプルベダ通り (Sepulveda Blvd.) に曲がるところは無事曲がれたが、次にレンタカー会社エリアに入るところを、広い入口なのだが、それがそうとよくわからなくて通り過ぎかけて、ここか、と思った時はもう過ぎていたので、先まで行って引き返し、反対側から Sky Way の立体交差を通って、やっと復帰。しかし、大きな空港なので、レンタカー会社別のエリアもそれぞれ大きくて、目的のハーツまでたどり着くのに一体どこまで行くんだろうと不安になるほど。そういえば、はるか昔に一度出張でロサンゼルスに立ち寄ったときも、空港で車を返すのに道に迷ったような気がする。

で、まあ無事ハーツの返却の駐車場に入って指示されたところに車を停める。こちらはさすがにラピッドシティとは違って、その場で携帯端末を持った係員がやってきてチェック。OKが出たらその後カウンターに行く必要もなく、そのまま荷物を持って出発ロビーに向かうシャトルバスに乗ればいい。

ここで、失敗したのが、シャトルバスの運転手に、乗る航空会社がユナイテッドだと告げてしまったこと。中国旅行のときは西安空港であれだけ国内線だ国際線だと言っていたのに、今回は全然何も考えずに、乗る便がUA便だからユナイテッドと言ってしまって、下りてからユナイテッドの国内便のカウンターだと気づいた。

しかし、まあ乗る場所は違うとしてもチェックインはできるかもと、国際便でもここでチェックインできるかと聞いたら、できるというので、自動チェックイン機 (しかない) でチェックインしようとするが、その便は扱えないとハネられる。やはり国際線ターミナルのカウンターに行かないといけない。

また係員をつかまえて国際線ターミナルはどっちかときくと、ターミナルの前を走っている道路の進行方向と逆に戻った方で、距離もだいぶある。既に道の渋滞と、最後に道を間違えたせいで、結構時間が押しているが、仕方ないので、映画などでよく目にする特徴的なデザインの建物を横目に、延々徒歩で国際線ターミナルに辿り着く。

LAX

実は、私の乗るUA9685便はANAのNH5便のコードシェア便だった。最初からANAだと思っていれば、シャトルバスに乗ったときに間違えなかったはずなのだが。ともあれ、なんとか時間に間に合うようにゲートに到着できたが、昼食をとっている時間もなかったので、待合所にいたベーグルの屋台でベーグルを買って、機内食までのおなかの足しにする。

UA9685/NH5

少しバタバタしてしまったが、帰りの便自体は中国の帰りのときのように遅れたりもせず、日付変更線を越えて翌21日に無事成田に到着、帰宅できた。

以上で、今回の一連の旅行の行程は全部終了。

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グリフィス天文台 ~ グレンデール

6月19日。フラグスタッフを出発してロサンゼルスに向かう。街中から出るまでしばらくは、旧US66のルート。その後はまた当分の間I40を走り続ける。最後のこの区間が一番距離が長いが、前日と同じくほぼインターステートをひた走るだけだ。到着は、グリフィス天文台 (Griffith Observatory) で、夕方までに到着すれば大丈夫。この日は本当にひたすら走っていたのか、途中の道草している写真もほとんどない。

カリフォルニア州に入ってから、カリフォルニア区間を半分過ぎたくらいのバーストウ (Barstow) の街で、I40がI15に合流する形で終了。そこからI15を南下して、ロサンゼルスのある平野部に入る前に最後の山越えの後、CA210に入ってずっと進むはずだったが、ジャンクションの分岐を間違えて行き過ぎてしまった。これから都会部に入るので闇雲に走って余計迷っても困るので、すぐ次の出口で降りて様子を見てリカバーすることにする。

降りた道がこれまた旧US66。時間がかかるのを見込んで朝早く出発したおかげで、ここまできてやっと昼食時間を少し過ぎたぐらいで、まだ昼食をとっていなかったので、ここで昼食休憩とネット接続のために、これまたすぐにマクドナルドが目に入ったので、そこに入る。本当にマクドナルドばかり利用している。地図を確認すると、運良くこの付近の道路はきれいに碁盤目で1本先で降りただけで旧US66はCA210と平行に走っている。ずっと先まで行くと、旧US66は少し斜めになってCA210とクロスするのだが、途中信号も多いだろうから、CA210の一番近い入口にクロスしている道をチェックして、旧US66からその道に入ってCA210へと無事リカバー。

CA210は途中からまっすぐ走るとI210になる。更に走って、パサデナ (Pasadena) で、I210は北に逸れるが、方向としてはまっすぐのCA134の方に進む。そして、グリフィス公園 (Griffith Park) のエリアにぶつかるところで、I5に入って南下する。グリフィス天文台はグリフィス公園内の丘の上にあって、登る道は公園の南側から入るので、I5を下った後、出口142を出てロスフェリッツ通り (Los Feliz Blvd.) を西に向かい、ヒルハースト通り (Hillhurst Ave.) に入って坂を登って行くと、グリフィス天文台に到達する。最後に天文台の駐車場に上がっていく手前で、駐車場は満車だという表示があったので、分岐した道に入って、他の車もその道の脇にずらっと停めているので、その空いているところに駐車。到着が午後3時前。割りと早目に到着できた。

そこから最後の少しを徒歩で登る。道の途中から、有名なハリウッドサインがよく見える。グリフィス公園もハリウッドサインも、ロサンゼルス北方の同じ山塊の中にある。

Hollywood SignHollywood Sign

そして、メインの駐車場に到達して、グリフィス天文台の建物が見えてくる。

Griffith Observatory Griffith Observatory

建物の前にジェームズ・ディーンの像がある。映画「理由なき反抗」の舞台となって世界に知らしめられたからとのこと。

James Dean

建物の正面を入ったところのホールの中央に、「フーコーの振り子」が設置されている。振り子がやってくると小さな棒が倒れて、どこまで来たかわかる装置が置いてあるが、ちょうど運良くリセットして端から始めるところだった。おじさんが長い棒で置き場所を移動させて、台の枠みたいなレバーを押すと全部きれいに立つようになっている。振り子は天井から吊るされているが、天井にはこんな絵が描かれている。

Pendule de Foucault IMG_7225

端の方が倒れたところで、時刻は午後3:12。

Pendule de Foucault

まずは、プラネタリウムの時間をチェックする。

一番すぐに見られるのは、一時間後、4:15 p.m. からの、“Light fo the Valkyries” という番組。チケットは3:30から発売されるらしいので、それまでの間少しだけ付近の展示を見て待ち、チケットを購入。料金は$7。館内の展示を見たりするだけの入場は無料だが、プラネタリウムだけ有料だ。それからまたしばらく、上演時間まで館内や周囲を見て回る。

Planetarium Time TablePlanetarium Ticket

向かって右側のドーム。太陽望遠鏡が入っている。

Solar Telescope Dome Solar Telescope Dome

回廊。

Corridor Corridor

双眼鏡と、ロサンゼルスの街並み。

Binocular Los Angels

中央部正面とプラネタリウムドーム。

Griffith Observatory Planetarium Dome

天体望遠鏡の入っている向かって左側のドーム。

Telescope Dome Telescope Dome

ドーム内の、ツァイス製12インチ (30 cm) 屈折望遠鏡。セレストロンのシュミカセも同架されているのが見える。背景の格子状の骨組が Star Trek: The Next Generation のホロデッキみたいだ。

Zeiss 12-inch Refractic Telescope IMG_7237

建物の上から見た、建物正面の芝生。コンクリートの部分に、太陽系の惑星の軌道が描かれている。

Griffith Observatory

午後3:54。時間にはまだちょっと早いが、ホールに戻ってきて、振り子をチェック。確かに回転して棒が1/4ほど倒れている。

Pendule de Foucault

ホールからプラネタリウムドームの正面の場所で待っていたら、そこは入場場所ではないと言われる。入場は一旦建物の外に出て脇から入るのだった。

Samuel Oschin Planetarium

そして、時間が来たらドーム内部へ。

Samuel Oschin Planetarium Samuel Oschin Planetarium

投影機は、カールツァイスのユニバーサリウム。

Carlzeiss Universarium

プラネタリウムの演出で珍しいと思ったのは、最初、物語の導入のところまではナレーターというよりは役者がドーム内に出てきて、投影機の前でしゃべっていくところ。今まで国内のプラネタリウムでそういうのは見たことがないように思う。

プラネタリウムの後は、地下の宇宙の展示。

Planets

ここにも、バリンジャー隕石孔の隕石が。

Meteorite

巨大な月球儀。比較するものがないのであまりよくわからないが、人の背よりもずっと高い。表面の凹凸もきっちり作り込んであって、片側だけから光で照らしてあるので、クレーターにできる影もリアル。右下にあるのはアポロ計画で持ち帰った月の石。

IMG_7271

月球儀の脇には、月面での自分の体重がわかる体重計が。ポンド表示なので、日本人にはピンと来ないが。

Weight on the Moon

また、フーコーの振り子の様子を見に来てみると、2/3くらい倒れている。時刻は午後5:10。最初から2時間ほど経過している。

Pendule de Foucault

日時計。

Sundial

実際の物質を並べてある周期律表。

Periodic Table

外からドームだけ見た太陽望遠鏡で受けた光は、ドーム直下にある展示エリアに導かれて太陽像を投影している。露出を太陽像に合わせると、ちゃんと黒点が見えている。他にも、奥に見える分光器などにも導かれている。

Solar TelescopeSolar Telescope

テスラコイルの放電実演。

Tesla CoilTesla CoilTesla Coil

もう一度振り子を見てみる。午後6:01。3時間弱で棒がほぼ全部倒れた。

Pendule de Foucault

食堂の脇にある子午儀。太陽が南中したときに、上の穴 (レンズ) を通った光が、弧の上に届く。

Gottlieb Transit CorridorGottlieb Transit Corridor

日は長いしサマータイムなのでまだまだ明るいが時刻的にはそろそろ夕食時。ここでは夜景を見るまでいるつもりで、他に食事をするところはないので、館内の食堂でサンドイッチと飲み物を買って、テラス席でいただく。

Supper

地下のホール、レナードニモイ事象の地平線劇場 (Leonard Nimoy Event Horizon Theater) での実験ショー。お題は彗星を作る。汚れた雪だるまと形容される彗星を、実際の成分と同じものを使って作ってみせるというショーだった。

Science ShowScience Show

ショーが終わって外に出ると、だいぶ日が傾いて、空には月もよく見えるようになっていて、もう観望会が始まっている。ここも望遠鏡はセレストロン。

Griffith Observatory Griffith Observatory

やがて日没。といっても、山の向こうに沈んでいくので、まだ太陽はまぶしい明るさのまま山に隠れるだけ。ちょうど飛行機雲が見えていた。

Sunset

そして、私が待っていたのは、この後暗くなって見えてくる金星と水星。この日、1ヶ月足らず前に木星と一緒に集合していた金星と水星が、木星は移動して太陽と重なる位置に行ってしまったものの、金星と水星との距離が一番近づくのだった。現場に来るまでどうなのかはよくわからなかったが、先程日没を撮影したように、西の空はきれいに開けていてよく見える。撮影にも最好適だ。ところで、日没は手持ちで撮影したが、金星と水星は手持ちで撮影するわけにはいかない。今回の旅行中に夜中に星景写真でも撮るかと思って三脚を持ってきていたわけだが、結局それまで一度も使わなかった。ここ最後になって初めて三脚を使う場面になった。が、三脚を持ってくるのをすっかり忘れていた。もちろん宿に置いてあるというわけではなくて、車に他の荷物と一緒に積んであるわけだから、坂の降り登りがちょっと大変だが、急いで車まで取りに戻る。

三脚を立てて西の空を狙って暗くなってくるのを待っているが、ほとんどの人々は南方向のロサンゼルスの街の夜景が美しく浮かび上がってくる方を見ている。金星と水星の接近に興味を示している人は皆無だ。まあ、そんな天文に詳しい人ばかり集まっているわけではなく、夜景のきれいなデートスポット的な捉え方の多くの普通の人たちが来ているのだからそれも仕方なかろうか。一人だけ趣の違う人がいて、どうも夕暮れで夜景に変わっていくところをタイムラプス動画に撮影している様子だった。まあ、その人も街の夜景を撮っているという意味では同じだが。

自分ひとりだけ違う方向に向けて三脚を立てているのもそれなりに目立つので、中には何か変わったものでも見えるんですか、と尋ねてくる人でもいたら、喜んで説明しようと思っていたのだが、結局そういう人は一人も現れなかった。

撮影できたのがこちらの画像。一番明るいのが金星、そのすぐ近くで8時の方向、かなり暗くてわかりづらいのが水星。ちなみに、金星の1時方向少し離れたところの星と、そのまっすぐ右の星が、それぞれがふたご座のポルックスとカストルである。最初の方の写真を撮ってから、せっかくなので天文台の建物も入れて撮った方がいいかと場所を変えて撮ったのが2枚目。しかし、ロサンゼルスの空は飛行機が多くて、必ず画面のどこかしらに飛行機が飛んでいるのが写り込んでしまう。1枚目で流星のように見えるのは飛行機雲だし、2枚目で一番明るい光点は金星ではなく飛行機だ。

Venus & MercuryVenus & Mercury

やがて水星の高度が低下して見えなくなったので、自分も夜景の撮影に切り替える。確かに、グリフィス天文台から見るロサンゼルスの夜景は美しい。

Los Angels Los Angels

その後、ツァイスの12インチ望遠鏡をのぞかせてもらおうと思っていたが、撮影している間に思ったより時間が過ぎており、21:30で天文台の望遠鏡での観望は終りとのことで、ちょうどそろそろ列に並ぼうかと思った時に終了のアナウンスがあった。

それで、こちらも撤収して車に戻る。道脇に駐車していた前後の車ももうほとんどいなくなっていた。ホテルはロサンゼルス付近ながら正確にはロサンゼルスではなくグランデールというところにある。来た道をI5からCA134に入るところまで戻り、パシフィック通り (Pacific Ave.) からグレンオークス (Glenoaks Blvd.) に入ってしばらく走ったところにある、Extended Stay America。ここで最後の宿泊となる。

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バリンジャー隕石孔 ~ フラグスタッフ

6月18日は、いよいよ今回の旅で一番の目的地の、バリンジャー隕石孔 (Meteor Crater) に向かう。ここに行きたいと思った経緯は先に書いたので繰り返さない。今度はまた結構な距離を走るが、ほとんどインターステートを突っ走るだけである。

出発前にまずはホテルの目の前のガソリンスタンドに入って燃料補給。そして、昨夜虫でギトギトになったフロントガラスを忘れずにきれいに掃除。ドアミラーの背面もギトギトになっていた。

Gas Station

本来は西に向かうのだが、東西に走るI40に乗るために、まずはソコロからI25を北上する。そのままアルバカーキ Albuquerque) まで行けば、そこでI40と交わっているのだが、少し鋭角なので遠回りになるし、アルバカーキに寄ってどこか見ていく時間の余裕もないため、手前のロスルナス (Los Lunas) からショートカットして、NM6経由でI40に入る。この区間は昔のルート66の区間で、I40に取って代わられてUS66は廃止になって現在はNM6となっているわけだが、アメリカ人にとってはこのルート66というのには郷愁があるようで、”Historic Route 66″ の看板が立っていたが、ひたすら突っ走っていたので、写真を撮っていなかった。

I40を走っている途中で、ちょっと休憩するためにたまたま降りた出口のすぐ前にあった看板。ここにも大陸分水嶺があった。

Continental Divide

やがてアリゾナ州に入るが、ここの州境は特に何もなく通過。更に走って、ホルブルック (Holbrook) という街で昼食。いつもマクドナルドばかりなので、バーガーキングにしてみた。しかし、ここにはマクドナルドのような無料Wi-Fiがなかったので、後で近所のデニーズの駐車場まで行って、ちょっと電波を借りた。

Burger King

さて、これは映画「スターマン」で主人公たちがクレーターに行く前に寄る喫茶店的なところ。昔流行したものか、ドーム型の特徴的な建物である。事前にGoogle Mapsでチェックしていると、クレーターに行くためにI40を下りる出口、Exit 233を出たすぐのところに、メテオ・クレーターRVパークというのがあって、そこに上部の看板のようなものはついていないが同じ形のドーム状の建物があるのを確認していた。年月が経って映画の撮影された当時とは違うものになっているのだろうと思ったが、いずれにせよ、ここには寄ってみようと思っていた。

Indian Country

ところが、I40を走って、もうそろそろだなというとき、ひとつ手前のExit 239に、”Meteor City” と書かれている標識が目に入った。Cratorと似た綴りの名前を付けて、間違って客を呼び寄せようというあざとい商売の施設か何かかと思って、自分の下りる出口は233番に間違いないので無視して通り過ぎたのだが、ちらっと見えたのは、この映画に出てきたのと同じ飾りのついたドーム型の建物。え? そっちが本物?

まあ、通りすぎてしまったので、そのまま予定通りExit233で下り、RVパークの表にあるガソリンスタンドの売店になっているこの建物に寄ってみる。

RV Park

写真の通り、建物自体の形は同じといえば同じで、同じ時にこれら2ヶ所に同じものが立てられたのかもしれないが、こちらは映画に出てきたようなてっぺんに看板のようなものはない。店内に入ると、内装も全然感じか違う。大改装してあれば、そうかもしれないが。そんなわけで、映画に出ていたのは、Meteor Cityの方なのだった。今考えてみれば、クレーターを見た後で、一旦少し戻ってそちらを見に行ってみればよかったのだが、クレーターを見た後はもう先に進むことしか頭になくて、まっすぐフラグスタッフに向かってしまった。

Indian CountryRV Park

RV Parkを後にしたら、メテオ・クレーター・ロード (Meteor Crater Rd.) を9km足らず走ればいいだけだが、こんな砂漠の木も生えてない何もない平原のまっすぐ先にあるにもかかわらず、地面が多少起伏があるために、途中の起伏のピークに差し掛からないと、クレーターは目に入らない。そして、初めて見えたクレーターがこれ。リム (ふちのところ) が少し盛り上がっているのがわかる。

Meteor Crater

そして、道路はクレーターのフチにある博物館のところに通じている。駐車場に車を入れて、建物に向かう。ちょうど映画で、スターマンを追う科学者のシャーマンが建物に向かうシーンと同じ場所だ。が、しかし、ずいぶん建て増しがしてあるようだ。

from "Starman"Meteor Crater Museum

しかも、更に拡張工事が進行中で、チケット売り場は道路の上に建てた仮設の建物になっていた (右の紺色の小屋)。入場料は$16。

Meteor Crater Museum

中に入ると、建物は中庭のようなっていて、まず目を引くのが真っ白いアポロのカプセル。正しくは、実際に月に行くために使われたカプセルでも、そのレプリカとかでもないのだが、その開発に際して、帰還時に実際にパラシュート降下で海に着水するのがうまくいくかを検証するために使われた実験機だとのこと。コードネームで、“BOILER PLATE 29” という名前がついている。なぜそれがここにあるかというと、ここでアポロの宇宙飛行士の訓練が行われたから。なぜここで訓練が行われたかというと、事前の知識では単に砂漠で地形が月面のようだからということで、宇宙服を着て歩く練習でもしただけかと思っていたが、博物館で買ってきた本を読むと、地球上にある実際の衝突クレーターで、宇宙地質学について学ぶのが目的だったということである。

Boiler Plate 29Boiler Plate 29

また、この中庭には、アメリカの宇宙飛行士を讃えて全員の名前を記載した、American Astronaut Wall of Fame というのもある。

American Astronaut Wall of Fame

展示館の中に入ると、ここで見つかったうちの最大の隕石が展示してあって、自由にさわれる。写真だと大きさがいまひとつわからないかもしれないが、長手方向でだいたい50 cmくらいだったと思う。

Holsinger Meteorite

建物は、ちょうどクレーターのリムのところに建っているので、建物から扉を通って外に出ると、クレーターの内側が見られる。

Meteor CraterMeteor Crater

ここも、ちょうど映画に出てきた場所だ。

from "Starman"

左手の方に、クレーターのリムが一番高くなっているところまで登る道がついているので、登ってみる。

Meteor Crater

そこから先にも、ずっとリムに沿って道がいちおうついているが、閉鎖されている。

Meteor Crater

そして、クレーターの中を見渡すと、こんな景色。これが、ずっとこの目で見てみたかった地球上の衝突クレーターの内側だ。クレーター自身のリムの上からでは、35 mm換算で28.7 mmのレンズでは全然1枚におさまり切れない。

Meteor CraterMeteor Crater

建物から出たところからクレーターの底に向かって少し降りていった階段の先には、展望ステージのようなものがある。

Meteor Crater

リムの外側を眺めると、すぐ足元に先程の中庭のようなところが見え、ここに来るのに走ってきた道路も見える。

Meteor Crater

今度は、先程見えた展望ステージの方に降りて行ってみる。手摺りのところに望遠鏡がたくさん取り付けられている。

Meteor Crater

近づいてみると、それぞれが何かしらの目標を狙うように固定されていて、そのポイントの名前が書いてある。

Meteor CraterMeteor Crater

目標はたいてい小さくて望遠鏡は結構な倍率で、肉眼で見えるものと対応をつけようとしても難しいくらいだ。その中で、大きな目標物、家くらいの大きさの岩、がこれ。これは、頂上から広角で撮ったクレーターの写真の中でも判別できる。

Meteor Crater

クレーターの底の少し明るい色の輪になったようなところの左端にある小さな白く見えるところと、右側にある、もっと大きな白く見えるところ。右の方の写真の左端の方にはボイラーが見えたり、右側には星条旗と、宇宙飛行士のハリボテが見える。

Meteor CraterMeteor Crater

Meteor Crater

展望所は更に右側にもある。

Meteor Crater

建物の前のところに戻って、デジイチのレンズの最広角で撮っても全体が一度に入らなかったので、iPhoneのパノラマ撮影機能を使って撮影してみた。端から端まで180°あまり。

Meteor Crater

ここで、クレーターリムのガイド付きツアーの集合時間なので、一旦建物の中に戻って、例の大きな隕石の前に集合。先に出たのとは反対側の出口から出ると、頂上のあったのとは逆方向のリムに沿って歩いて行く。以前は、1時間弱かけてリムを一周することもできたようだが、このときはこのガイド付きツアーでも、建物から数百メートル先まで連れて行ってくれるだけだった。下の写真は先に上から撮ったものだが、ちょうど人の固まっているところまで行く。

Meteor Crater

こちらは、実際に向かっているところ。ガイドの人が色々説明してくれながら進む。

Meteor Crater

最終地点で、色々お話をしてくれた後、ガイドの人が皆の記念写真を順番に撮ってくれる。

Meteor CraterMeteor Crater

道はまだ先にも続いている。

Meteor Crater

これをもっと進むと、映画に出てきたこんな建物の残骸があるはずなのだが、起伏の陰になってか確認できなかった。Google Mapsで見ると確認できる。

from "Starman"from "Starman"

トカゲがいた。ここのはもちろん白くない。

Lizard

建物に戻ったら、後は建物内の展示を見る。それから、シアターで映画が上映されているので見る。先程のガイドさんが出演していた。

ガイドさんは、Barringerを「バリンガー」と発音していて、本当はそう発音するのか、と思ったが、映画のナレーションの音声は「バリンジャー」と発音していた。まあ、どっちでもありってことか。

全部十分見終わったところで、帰りがけに、中庭のところをもう一度通るが、クレーターの外側に向いた壁がこんなふうに長方形に繰り抜かれていて、景色が額縁におさまった絵のように見える。

Meteor Crater

バリンジャー隕石孔を後にすると、一路フラグスタッフの街に向かう。1時間足らずで到着し、ホテルにチェックイン。

America's Best Inn

メインイベントのバリンジャー隕石孔訪問は終わったが、この日はまだもうひとつ、ローウェル天文台 (Lowell Observatory) に行く。その前に夕食を今度こそはピザハットで。

Pizza Hut

ホテルをそういう場所に選んだからでもあるが、ローウェル天文台はホテルから車でほんの数分のところ、街の端の小高い丘を登ったところにある。登り道の途中、フラグスタッフの街がよく眺められるポイントがあった。

Flagstaff

そして、ローウェル天文台に到着。先に訪れたキットピーク天文台ほど大きな天文台ではなく、こじんまりとしているが、火星の研究や冥王星の発見で有名な、歴史的天文台である。入場料$16を払って中に入ると、最初に展示してあるのがこれで、古くなってもう使われていない42インチの反射望遠鏡。

42-inch Reflecting Telescope

まだ時間が早くて空は明るいが、月はもう見えているので、観望会のドブソニアン望遠鏡に行列ができている。

Lowell Observatory

クラーク望遠鏡の入っているドーム。上には月齢10.5の月。

Clark Dome

1896年につくられた24インチ (61 cm) クラーク屈折望遠鏡 (Clark Refracting Telescope)。 この望遠鏡は、確か子供の頃見た図鑑に載っていた。今は、実際の観測からは引退していて、ここでも観望会に使われている。こちらでも月を見せていた。

24-inch Alvan Clark Telescope24-inch Alvan Clark Telescope

ドームの開口側から。

Clark Dome

クラークドームの奥にもうひとつ小さめのドームがあって、41 cmカセグレン望遠鏡が設置されている。こちらも一般公開用の望遠鏡ということだが、このときは開いてなかった。ガラスを通して中の望遠鏡があるのが見られたが、暗いのでストロボを炊いて撮影したため、上の方がガラスの反射で見えにくくなっている。

McAllister TelescopeMcAllister Telescope

これは望遠鏡のドームではなく、パーシヴァル・ローウェルの墓。

Persival Lowell's Mausoleum

表でドブソニアンで月を見せていた建物は博物館になっていて、中に色々展示してある。

スライファー分光器。ヴェスト・スライファーは分光観測によって赤方偏移を発見した。

Slipher Spectrograph

パーシヴァル・ローウェルの最初の望遠鏡

Persival Lowell's First Telescope

点滅比較器。トンボーが冥王星を発見したときに使った。違う時に同じ場所を撮影した2枚の写真を交互に見ることによって、恒星に対して動いている天体を見つけるのに使う。

Blink Comparator

そして、冥王星発見の栄誉のあるローウェル天文台としては、冥王星が惑星から準惑星に降格されたことがやはり気になるようで、こんな投票箱を兼ねた寄付金箱が設置されている。

Vote

クラークドームとは逆の方に行くと、1930年に冥王星の発見に使われた13インチ (33 cm) アストログラフ (写真撮影用の望遠鏡)の入っているドームがある。こちらも開いてなかった。どうも、昼間のガイド付きツアーでないと中は見られないようだ。ここは窓から覗き込んでもうまく写真が撮れなかったので、ドームの写真だけで。

Pluto Telescope Dome

だいぶ空が暗くなってきた。ドブソニアン望遠鏡のところに戻ると、まだずっと観望会をやっている。よく見ると、月の両脇に土星 (向かって左側) とスピカ (向かって右側) が写っていた (前の写真でも)。

Lowell Observatory

これ、何が言いたいのかよくわからないパネルだが、どうやらパーシヴァル・ローウェルは日本研究家でもあって、日本にいるときに能登を訪れたことから、何やら穴水町が友好関係があるらしい。ローウェルが日本に来ていたという話は初めて知った。このパネルの写真にある大きな碑がローウェル天文台のどこかにあるということか、それとも贈られたけれども設置されてないから代わりにこのパネルを掲示してあるということか??

穴水町のパネル

バリンジャー隕石孔に落ちた隕石の一部のうちのひとつが展示されていた。

Meteorite

そしてここにも重力井戸の募金器。

Gravity Well

駐車場の脇にあった何かのアート作品。

Positive View of Personal Future

翌日は、とうとう最後の目的地、ロサンゼルスを目指す。

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VLA ~ ソコロ

6月17日。この日の目的地はVLA (Carl G. Jansky Very Large Array)。映画「2010年」と、「コンタクト」とに登場する、電波望遠鏡のパラボラアンテナをたくさん並べた施設。「2010年」では、冒頭でフロイド博士をソ連のモイセヴィッチ博士が訪ねるシーンのみの登場。アーサー・C・クラークの原作では舞台がアレシボの電波望遠鏡なのが、映画ではこのVLAになっていた。

from "2010"

一方、「コンタクト」では、最初にそのアレシボの電波望遠鏡が登場し、ジョディ・フォスター演じるアロウェイ博士はそこを追い出され、後にこのVLAに移って、こちらがメインの舞台となるので、VLA自体もずいぶん画面に現れる。

from "Contact"

さて、この日の宿泊だけ、なかなか場所をどこにしようか決められずに、出発前に予約しないまま来てしまっていた。VLAまではそこそこの距離なのだが、その後その次の移動に向けて進んでおくとすると、比較的細い道しかなく、途中も非常に小さな町しかない。一旦少し戻るなら、もう少し大きな街があって、少し遠回りだが次の移動にもインターステートに回れるので、距離の割りには時間はかからないはず。結局、一旦戻る方にして、前日にネットで予約を入れた。泊まる街はソコロ (Socorro)。VLAの運用センターはこの街にある。映画「コンタクト」でも、この街の地図が映るシーンがある。Google MapsのSocoroの街並みと見比べてみた。

from "Contact"from Google Maps

朝、起きて、ロビーに出ているコーヒーと、Quaker (定番のブランド) のChewy Granola BarやOatmeal to Go とかを持って帰って部屋で朝食。

BreakfastBreakfast

Extended Stay America

VLAには夕景を撮るまで滞在するつもりなので、あまり早く行っても現地で時間を持て余してしまうだろうから、ホテルからの出発は少しゆっくり目。昨夜来たI10を北に戻って、ニューメシキコ州への州境を超える。また州境のレストエリアに入ってみた。このレストエリアは、2012年に何か賞を受賞しているらしいが、どこらへんが評価されてのことなのか、さっぱりわからない。

Rest Area

更に北上し、ラスクルーセスの街の手前でI25に入ってそのまま真っすぐ北に通過して進む。しばらく進んで、トゥルース・オア・コンセケンシス (Truth or Consequences) という妙な名前の街 (ラジオ番組の名前から付けられた) のデニーズで昼食。これはソーセージ・スキレット (Sausage Skillet) という料理。ここでもマクドナルドと同様にWi-Fiが登録不要で無料で利用できてありがたい。

Denny's

昼食後I25に戻ってすぐにまた検問所があった。調べると、前日に西からやってきたI10にも、ラスクルーセスから離れる方向には途中に検問所があり、やはりラスクルーセスまでは不法入国者はいても構わないが、それより奥には入れないぞ、といわんばかりである。さらにI25を北上すると、ソコロの街に到着する。VLAに行くにはそこからUS60に入って西に向かうのだが、後でまた戻ってくる予定だから、少し時間は早いが先にホテルにチェックインしておく。ホテルはスーパー8モーテル。今回、宿を探していて知ったが、アメリカでは相当な数のあるチェーン・モーテルのようだ。中国にあった「速8酒店」とロゴの雰囲気もなんだか似ているが、直接関係があるわけでもなさそうで、中国の方が単なるパクりなのだろうか。部屋にあった電話機が、昔の標準仕様の形状のもので、今どき珍しいと思った。

Super 8 MotelSuper 8 Motel

Super 8 Motel

一旦落ち着いた後、ソコロの街を出てUS60を西に向かい、途中でひとつ小さな町マグダレナ (Magdalena) を過ぎて、更に走ると、平原の彼方にVLAの姿が見えてくる。広い平地なので、かなり遠く、ひとつひとつは巨大なパラボラアンテナがまだ小さくしか見えないところから見える。広角で撮影したもの (アンテナは右から4分の1あたりの位置に見える) と、望遠で撮影したもの。

VLAVLA

VLAは、電波望遠鏡をたくさん並べて、それらの信号を合成することによって、ひとつの巨大な電波望遠鏡に匹敵する働きをさせようとするもの。ひとつ直径20mのパラボラアンテナを全部で27基、120°ずつの角度を持たせた3本の直線上に配置してある。下に、Google Mapsから、全体の地図と、中心付近の写真を示しておく。アンテナは線路に沿って移動できるようになっていて、用途によって、中央近くに集めたり、できるだけ遠くに離したりできる。地図にはその最大の構成で中心から約21 kmのところまでアンテナを設置できるように引かれた線路が描かれている。写真の方は一番中心寄りに集めたときで、中心から一番遠いアンテナまでが約600m。私が行った時はこの3倍くらいの広がりに設置されていた。

VLAVLA

NM52に折れるT字路まで来た。上の写真の右上角付近から南向きに見ている。私が行ったときは、実際には上の写真より3倍くらい広がった配置にアンテナが設置されていて、ちょうどNM52と線路が交差する少し内側ぐらいのところまでアンテナが並んでいるのがわかる。アンテナはこれだけ広い範囲に設置されているので、色々な場所から見られるが、まずはビジターセンターに向かう。

VLAVLA

NM52を進むと、道路がアンテナを移動させるためのレールと交差する。普通の鉄道の踏切にあるのと同じような、Railroad Xing の標識が立っている。ここで初めてアンテナがかなり間近に見られる。

VLAVLA

線路を渡ったらじきにOld Hwy 60との交差点があり、Old Hwy 60に入ったら、動物除けの溝と入口の看板がある。脇に、少し囲った広い場所があるが、間近でなくて少し離れてアンテナが並んでいるのを眺めるための場所か何かだろうか。Old Hwy 60を進んで、アンテナ列の中心近くに向かう。

VLA

ビジターセンターには先客は少しいたが、説明の係員などは特におらず。ギフトショップがあるのだが、着いたのがちょっと遅くて営業時間が終わってしまった後だった。室内の展示はそれほど多くない。屋外の展示にはいちおうちゃんと順路が設定してあって、地図は、寄付を箱に入れてお取り下さいとあったのだが、ちょうど運悪く$1紙幣がきれいになくなっていたので、小銭をじゃらじゃらと入れておいた。

Visitor Center

屋外展示は、一部準備中の模様。これは何も説明がついていない。電波が反射鏡で集められた場所で受信するホーンアンテナのひとつだと思うが、回転用のハンドルがついていたりして、空を狙うようになっているようだが、これ直接では星からの電波なんてわからないだろうから、太陽電波でも受信させてみる実演か何かするのだろうか。

VLA

こちらは、VLAのパラボラアンテナとは直接関係ないが、敷地のはずれの方に設置されてある別の観測装置で、別の種類だがやはりアンテナがたくさん並べてあるものの、アンテナを1つ展示してある。LWA (Long Wavelength Array) といい、VLAよりずっと長い波長の電波 (10~88 MHz) を観測するもの。見学コースから少し離れたところにあるので、実物はあまりよくわからなかった。

LWA

トラックがたくさん並んでいる。

VLA

順路はこちら。左端の一番大きく見えるアンテナが、見学用の1基。柵囲いの通路がアンテナ直近まで伸びている。

VLAVLA

近づきすぎると、ディッシュの内側が見えなくなってしまう。そして裏側。

VLAVLA

足元部分と、ディッシュの縁についている風速計。

VLAVLA

中心付近のアンテナ群。

VLAVLA

1基だけ違うタイプのアンテナがある。

VLA

ディッシュの丸い影。

VLA

北側の列と、東側の列。

VLAVLA

副鏡付近のクローズアップ。

VLA

敷地内に鹿が。

VLA

彩雲。

Iridescent Cloud

ビジターセンターから歩いて見るところを一周したあと、車で、少しだけ離れた整備棟のところに行く。西側の列の線路を渡った向こう側に回りこむ。アンテナは定期的にこの整備棟に運ばれてきてメンテナンスされるらしい。

整備棟と、レール上を走るクレーン車。アンテナの上の方には月。

VLAVLA

今度は兎がいた。

VLA

電柱の列。

VLA

天気は晴れてはいるが、雲が多かったので、時によって、太陽の当たっている場所と当たっていない場所ができて、きれいに揃った写真が撮れなかったり。

VLA

ここで、この場所を一旦離れ、来た道をもどっていく。Old Hwy 60の途中で、北向きの列をちょうど一直線上に見通せる場所があるので、そこで撮影。

VLAVLA

NM52まで来ると、今度は牛が。牛は1頭だけでなく、たくさんいた。

VLA

US60に戻って、来たのとは逆に更に西に少し進んだところから。

VLAVLA

更にUS60を西に進むと、北向きのアンテナ列の線路と交差する。その脇には、VLAを見物できるように、車を停められる空き地がある。先にOld Hwy 60の途中で見たのとちょうど反対側の位置だ。

VLAVLA

アンテナ脇の線路と、反対側のアンテナの設置されてない方にもずっと伸びている線路。機関車が見える。

VLAVLA

また別の場所から。太陽が地表を照らしているところと、陰のところ。

VLA

夕焼けに染まるアンテナの様子を撮りたいので、NM52とOld Hwy 60の交わるあたりに戻って、しばらく時間待ちを。じっと眺めていたわけではないので、気がついたらアンテナの向きが変わっていた。動いているところを見逃したのが残念。

VLAVLAVLA

日差しがだんだんオレンジ色になってきたので、またあちらこちら移動しながら撮影。

VLAVLAVLAVLAVLA

東側に戻ると、オレンジ色の空にアンテナがシルエットに。

VLAVLAVLA

「コンタクト」の映画では、VLAのはずれにこんな渓谷があって、アロウェイ博士がそこでたそがれるシーンがあるが、VLAの近くを道路を車で走って行ける範囲を見て回った限りではこんな地形は見当たらなかった。実は、これはVLAとは別の場所で撮ったものだということだ。

from "Contact"

さて、あとはもう暗くなってしまうだけなので、帰途につく。US60をソコロに向かって戻るだけ。途中マグダレナの街で少し買い物をしようと1軒だけあったスーパーに入ると、ちょうど夜の9時で閉店してしまう間際だった。

マグダレナの街を出た少し後のところで、走っていると急にフロントガラスにバタバタと物のぶつかる音がする。雹でも降ってきて当たっているような音だが、雹が降っているわけでもない。しかし確かにライトに照らされた小さな物体がたくさんガラスに当たっていて、だんだんガラスが汚れてくる。しばらくするとぶつかってこなくなったが、ガラスが汚れて光が散乱して前がよく見えないくらいになってしまった。ウォッシャー液を噴射してワイパーを動かしてもたいしてきれいにならなかった。どうも、その区間だけ虫がライトに寄ってきてぶつかっていったようだ。いまひとつわかりにくいが、翌朝撮った写真はこんなふうだ。

Dirty Windshield

ソコロの街に着いて、夕食を食べようと思ったが、ピザハットに入ろうとすると、ここももう閉店時間。結局マクドナルドで夕食。

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ホワイトサンズ ~ エル・パソ

6月16日。また長距離移動である。この日はアリゾナ州のツーソンを出発して、一路東に向かい、ニューメキシコ州に入り、ホワイトサンズを観光した後、最終的にはテキサス州に入って、エル・パソ (El Paso) で宿泊するという、3州にまたがった移動だ。

まずはホテルを出てからコルブ・ロード (Kolb Road) を、ボーンヤードの飛行機の群れを横目に見ながら南下し、I10に乗ったらニューメキシコ州のラスクルーセス (Las Cruces) までずっとI10を東に向かって走り続けるのみ。ちょうどその道半ばぐらいが州境で、直後のレストエリアに入る。ここは、ワイオミングからサウサダコタに入ったときとは違って、ちゃんと建物の中に色々観光案内のパンフレットがたくさん用意されていたりした。

Rest AreaRest Area

道路の方を見たら、珍しいものが目に入った。トレーラーの先頭部分だけをまとめて運んでいる。

Trailer Heads

この後、州境と、I10からUS70に分岐するラスクルーセスとの中間地点あたりにある、デミング (Deming) という街で昼食にする。芸がないが、またマクドナルド。

ラスクルーセスの街の手前の分岐でUS70に入って、ラスクルーセスの街を通過。US70という道路は、昔、会社の出張で東海岸のノースカロライナ州に滞在していたときによく利用していた道路で、それがはるかここまでつながっているかと思うと感慨深い。ラスクルーセスの街を出ると道が登りになり、山脈をひとつ超える。峠を過ぎると眼下に平原が広がっていて、その向こうの方がホワイトサンズだ。といっても、公園のゲートまでは山を下ってからまだ数十km、ほぼ真っすぐな道を走る。ゲートの少し手前に、また国境警備の検問所がある。ここはキットピークの手前にあったところよりしっかりした建物が建っている。グーグル・マップにもちゃんと US Border Patrol Checkpoint と出ている。しかし、ここで検問をしているということは、この先の空軍基地やアラモゴードの街には不法入国者は入れないが、ラスクルーセスやエル・パソの街にはいても構わないということだろうか??

そして、ホワイトサンズ (White Sands National Monument) のビジターセンターに到着。ここには売店なんかはあるが、入場料はここで払うのではなくて戸惑ってしまった。

Visitor Center

建物の脇の方を進んでいくと、奥の方に続く道、Dunes Drive があり、入場料はそのゲートで払う。大人1人$3 (安い!)。

White Sands National Monument

ホワイトサンズとは、その名の通り、白い砂でできた地形。白い砂がまるで砂漠の砂丘のようになって延々広がっている場所だ。しかし、最初のうちは道の両側とも背の低い植物の生えた平原という感じ。

White Sands National Monument

しばらくすると、両側の地面が白い砂になってくるが、植物はずいぶん生えている。

White Sands National Monument

やがて、急に路面も白い砂に覆われてしまう。

White Sands National Monument

そのうち周囲全部真っ白な世界に。

White Sands National Monument

後は延々と白い世界の中を道が続くのだが、途中に広場のようになった場所があり、そこにこのように点々と日除けが用意してあって、各自その脇に車を停めて、遊んだりできるようになっている。

White Sands National Monument

そことはまた別の、少し広くなって車が停められるようになっている場所に車を停めて、近くの砂丘の上に登ってみる。

White Sands

広がる白い砂に、足跡が点々と。

White Sands

足跡のアップ。敦煌で行った砂漠のようなところとは違ってそんなにさらさらとはしておらず、結構固まっている。

White Sands

斜面になっている場所では、特に子供たちが駆け登っては滑り降りる遊びをした跡が思いっきり残っている。

White Sands

また少し別の場所に移動すると、派手なペイントの車がいた。

Painted Car

ところで、ここまでの写真、白い砂と言いながら、あまりぱっとしない感じだったことと思う。写真の空には、青い部分も見えてはいるが、結構雲量が多く、自分のいるまわりはずっと太陽は雲に隠れているために陰になっていて、直射日光では照らされていなかった。しばらくすると、遠くの方で雲の切れ目から日が差して、一部分だけ明るくなっている様子が見えた。

White Sands

やがて、頭上の太陽が厚い雲の端から顔を出し始める。

Sun and Cloud

日が差してきたので自分の影がくっきりと。

White Sands

これで砂丘も陰影がくっきりして美しい。まるで雪景色のようにも見えるが、白いのは石膏の砂である。

White SandsWhite Sands

ここまでは、白い砂の砂漠ということで、なるべく砂ばかりのところを撮っていたが、実はこの奥の方に来ても、結構植物がたくさん生えている場所も多い。そして、写真の手前の方には不思議な風紋が。

White Sands

とまあ、だいたいこのへんまででひととおり眺めたので、一旦ビジターセンターまで戻って、売店で飲み物を買ったりする。午後7時から、サンセット・ストロール (Sunset Stroll: 日暮れの散歩) というプログラムが無料で行われるので、その時間を待って、集合場所までまた車で入っていく。日没の時間の美しい景色を眺めつつ、砂漠に生えている植物のことやら何やらをパーク・レンジャーの人が解説してくれるというもの。なので、比較的生えている植物の種類の多い、あまり奥まで行かない場所で行われる。入場料以外に参加費は必要ない。

このときの説明のパーク・レンジャーの女性が、仕草がなかなかおもしろかった。静止画だけでどこまで伝わるかわからないが。

Sunset Stroll

地面が白いので、トカゲも白い。

White Lizard

太陽の方を見ると、見事な光条である。

Light Beams

ホワイトサンズの白い砂は、石膏でできているのだが、その石膏はどこから来たかというと、向こうに見える地層の中の白い部分。これが雨で解け出した水が、盆地状になっているこの地形にたまって湖となったものが干上がって地表に石膏の層ができ、それが風化して細かい砂になって、風に吹かれて砂丘となったということ。

White Sands

白い砂漠に咲いていた、色々な花。

White Sands White Sands White Sands

パーク・レンジャーの女性が、子供のボランティア2名を募り、下に降りて下さいという。なんだか遠近感がおかしく見える。この写真では広角レンズのマジックの要素も多少入っているかもしれないが、実際に現場にいても、おかしな感じだった。エイムズの部屋でもないのに。全部真っ白で斜面が正しく斜面に認識できないからとか、そういうことだろうか。こちらは砂丘の上に立っていて、子どもたちは底の部分に立っている。子どもたちの後ろにあるのは、砂丘の高い所で生えた植物が下まで根を張って下まで固まって動かなくなったところで、砂丘のこの植物の周りの砂が風で移動していって、植物だけ取り残されたもの。

Perspective

ここはまだ砂丘の高い部分に生えている植物。

White Sands

遠くの方では局所的に夕立ちが降っている様子。

White Sands

そして、日没の方角には、残念ながら太陽そのものは雲に隠れて見えないが、オレンジ色に輝く雲が不思議な雰囲気を醸し出していた。

White Sands

砂丘の上の人影。

White Sands

夕焼けに向かってポーズを取る人物と、サンセット・ストロール参加者の車の列。

White Sands

ここまででサンセット・ストロールは終り。各自、自分の車でゲートに戻り、そのまま皆帰って行ってしまったようだ。デューンズ・ドライブの入口は日没で閉じられるので、もう今から来る人はいない。私は一旦ビジターセンターの駐車場に車を停めて、ホテルまでのルートの確認をしたりしていたが、もうまわりには誰もいない。ガイドのパーク・レンジャーの人も戻ってきたのでまた挨拶したが、一瞬ビジターセンターの建物に寄って、そのままもう帰って行ったようだった。

自分もこの日のホテルに向かう帰途に着く。次に翌日VLAに行くことを考えると、来る途中の分岐点だったラスクルーセスが近くてよかったのかもしれないが、せっかくテキサス州近くまで来ているので、今まで空港乗り換えでしか立ち寄ったことのないテキサス州に足跡を残しておこうと、エル・パソまで足を伸ばす。エル・パソは国境の街。国境線になっているリオ・グランデ川をはさんだ対岸にシウダー・フアレスというメキシコ側の街がある。深圳と香港みたいなもんだろうか。実際に行ってないのでわからないが。

まずはホワイトサンズから、来た道US70を戻る。逆方向は検問は何もない。山越えをすると、眼下にはラスクルーセスの街明かりが広がっている。ここで、I10まで戻らずに、I25に入って南下する。すると、もともとのI10がI25に合流してくる。更にしばらく走ると、テキサス州との州境。例によって、州境を超えた直後のレストエリアに入る。ここも、ちゃんとインフォメーションがあるようだったが、既に夜で閉まっていた。

Texas Travel Information CenterTexas Travel Information Center

そしてもう少し走ると、この日のホテル、Extended Stay America El Paso – West に到着。

Extended Stay America El Paso - West

ところで、今回はちょっと長目の旅行なので、途中で着るものを洗濯しないといけなくなってくる。前のツーソンに泊まっているときに、2泊するから、ホテルにクリーニングに出せば出発する前に受け取れると思っていたのに、朝、洗濯物を持って行くと、もうピックアップは行ってしまったと言われて、洗濯できなかった。部屋にあった案内には8時までと書いてあって、ちゃんと7時半に持って行ったのに。まあ、高いクリーニング代払わなくてよくなってよかったが。そんなわけで、次のこのホテルで、コインランドリーで洗濯することに。

Coin Laundry

コインランドリーを使うには、一度に結構な枚数のクォーターを使う。洗濯機に$2.00と乾燥機に$2.00。合計16枚も必要だ。そんなに持ち合 わせがないので、フロントに行って、両替してもらった。受け取った硬貨を見ると、そのうちの半分以上が各州のデザインのクォーターだ。以前このクォーターのことを記事に書いたと きからかなり経っているが、その後既に全州分のデザインが発行されていて、みんな普通に流通しているようだ。更に、新しいシリーズで、国立公園類のデザイ ンのものもある。前の記事に書いていたように、何と何を持っているかはリストにしてチェックしてはいたのだが、家においたままで持って来なかったので、こ こで持っているものといないものを選別することができなかった。しかし、洗濯するために両替したので、このうちほとんどは使ってしまわないといけない。年 号の新しい、以前には絶対入手してなさそうなものを残して、他のものを洗濯に使った。

QuartersQuarters

ところが、その取っておいた分は、その後も使ってしまわないようにと別に分けておいておいたつもりが、どうもそのままこのホテルに置いてきてしまったようだ。後でまた他の州デザインの新しいクォーターを見つけたときに、そこに追加しようと思ったら、荷物のどこを探してもなかった。ずいぶん多いチップだなと思われたかもしれない。そういうわけなので、持ち帰ってきたのは、その後に入手した分だけになってしまった。今度アメリカに行くときは、コインアルパムでも持って行くか (笑)。

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ツーソン周辺 (ミサイル、サボテン、天文台)

6月15日。ツーソンには2連泊なので、この日は全部ツーソンから行って帰ってこられる範囲のところに行く。タイタンミサイル博物館、サワロ国立公園、キットピーク天文台の3ヶ所をめぐる。キットピーク天文台は夜の観望会を申し込んであるので、帰りは夜遅くになる。

まずはでかける前に朝食。ここだけは、モーテルではなくて立派なホテルなので、朝食も簡易朝食でなく、ちゃんとしたビュッフェ形式の朝食。といっても、たいしてものを取るわけでもないのだが。紅茶を頼んだら、こんなにたくさんの種類のティーバッグが箱に入って出てきた。

Breakfast Tea Bags

タイタンミサイル博物館

まずは、タイタンミサイル博物館 (Titan Missile Museum)。冷戦時代のICBM (Inter Continental Ballistic Missile: 大陸間弾道ミサイル) の地下サイロ式の発射施設がこの付近に多数配備されていたうちのひとつを保存して博物館にしてあるもの。ツーソンからは、I10から分岐しているI19を南下する。30 km余り行ったところにあるSahuaritaという街で、I19を降りてほどないところにある。敷地に入って駐車場に車を入れると、まずはHF帯用と思われる大きなディスコーンアンテナが目に入る。博物館の建物自体は倉庫のような質素なもの。そして、その脇には金網で囲まれたエリアがある。

Discone AntennaTitan Missile MuseumTitan Missile Museum

施設の見学は全てガイド付きのツアーになっている。1時間ツアーの代金$9.50を払う。実は、この日は割りとスケジュールに余裕があるので、朝それほど早く出発しなかったのだが。でかける前に博物館のwebサイトを見ていると、この1時間のツアーで見学できるコントロール室とミサイルサイロの地下2階フロア以外に、クルー居室と、ミサイルサイロの地下7階も見せてくれるツアーが、毎月第1、第3土曜の朝9:30からだけ実施されていて、偶然にもこの日がちょうどその日で、それも朝から行こうとはしていたのだが、もう間に合わなさそうだった。のんびり朝食をとってないでもう少し早く出かけることにしていたか、もっと前にwebを見て気がついていればよかったのだが。

ともあれ1時間ツアーに参加するのだが、出発までまだ時間がしばらくある。ところで、デイパックを背負って行っていたが、カメラとボトル入りの水はいいが、それ以外の荷物の持ち込みは禁止ということで、一旦車に置きに戻る。あとは、受付の前にある少しばかりの展示と土産物を見て過ごす。

展示エリアのど真ん中には、ミサイルの先端部が鎮座している。

Missile Head

展示を見ると、スタートレック・ネクスト・ジェネレーションのジョーディの写真が。これも事前調査不足だが、映画 “STAR TREK: FIRST CONTACT” に出てくるミサイルサイロのシーンは、ここで撮影されたということである。映画にでてきた場所を訪れるのが今回の旅行のテーマだったが、これは勘定に入っていなかった。うれしい予想外といえる。実は、ラピッドシティの近くに、ミニットマンミサイルの似たような博物館があって、そちらに行くことも検討していたが、こちらにしてよかった。

STAR TREK: FIRST CONTACT

暗号コードの保管されていた赤い金庫つきのキャビネット。

Red Safe

ミサイルに搭載されていた誘導装置の一部。

IMU

時間が来ると、参加者が全員集められて、まず教室のようなところに入って、説明のビデオを見せられる。その後、いよいよ施設の見学に行くのだが、身長5フィート何インチだか以上の人は安全のためにヘルメットをかぶるようにと指示される。狭いので背の高い人は頭をぶつけてしまう場所があるのだろう。自分は該当しないのでかぶらず。

Helmets

地下の施設には、建物の中から別のドアを通って入る前に見た金網で囲われた屋外のエリアに出て、そこにある階段を降りて入る。

Access PortalStairs

内部に入るところは分厚いドア (カンヌキの太さにも注目) が二重ドアになっている。

Doors

コントロールセンターに入ると、参加者の中から一人選ばれて、制御卓の前に座らされ、実際にミサイル発射のキーを回す役目を仰せつかる。警報音が鳴り響いて、ミサイル発射シーケンスのシミュレーションが行われる。

Control Center

映画で見たことのある、24時間式の時計。

Local Time

この時計は変な時間を差しているようだが、「Zタイム」すなわちグリニッジ標準時を示している。

Z Time

部屋の隅には巨大なコイル状のものがあるが、これは部屋全体をバネで浮かせて、ミサイルの発射の際の振動や、敵から攻撃を受けたときの振動を受けないようにするもの。

Big Spring

次に、ミサイルサイロの方に向かう。通路の脇には、こんな宇宙服のような防護服がぶらさがっている。タイタンII型ミサイルに使われている燃料は毒性の強いものだったために、こういうものが必要だったということだ。

Fueling Suits

そもそも、今回このミサイル博物館に行くことになるまで、こういったICBMに使われるロケットは、指令を受けたらすぐに発射できるために、全部固体燃料ロケットなのだと思っていた。通常の液体燃料ロケットではケロシンを使うものでも酸化剤には液体酸素、水素燃料のものでは液体水素と液体酸素が使われ、いずれも極低温に保つ必要があり、常時待機するわけにはいかない。ところが、このタイタンII型ミサイルでは、液体燃料ロケットで即応性を持たせるために、毒性には目をつぶって常温で取り扱える燃料を使うことによって、即時発射ができるようにしていた。

コントロールセンターのある部分とミサイルを発射するサイロそのものとは十分距離がとられていて、その間が通路でつながっている。通路の部分も全部ダンパーで保持されている。通路の端の部分はズレを吸収するように、ケーブルがたるませてある。

CablewayCable

ミサイルのところまで到達すると、ミサイルの側の壁のドアが開けてあってミサイルが見えている。

Titan II MissileTitan II Missile

上の方と、下の方。

Titan II MissileTitan II Missile

1時間ツアーでは、内部の見学はこれまで。もと来た階段に戻って地上に出る。ここでガイドツアーは解散で、後は金網に囲われたエリアの屋外施設や展示物を見る。

地上にあるアンテナ。根元のところを見るとフタがついているのがわかるが、敵から攻撃のあったときに壊れないように、地中に格納されるようになっている。

Pop-up Antennae

ミサイルを上から見たところ。見学できるように、上部ドアの半分は透明な窓に交換してある。

Titan II MissileTitan II Missile

危険状態を示す3色のランプと、サイレン。

Siren

サイロの周囲4辺に、侵入者検知装置が設置されている。今なら赤外線ビームを使うところだろうが、これはレーダー電波のアンテナ。少し形が変わっているが、ホーンリフレクタアンテナが使われている。これを各辺の両側で対向させて、その間に電波を飛ばしてその変動を感知するようになっている。

Radar Surveillance System

周囲には、他にも関連するもので大きなものが展示されている。まずは、先端部がもうひとつ。

Missile Head

1段目のエンジン (2連) と、2段目のエンジン。

Stage-1 Engine Stage-2 Engine

方向修正用の小型ロケットモーター。

Vernier Motor

各自適宜屋外見学を終えたら、また建物の中を通って、帰る。

ちなみに、ツーソンにあるデビスモンサン空軍基地 (Davis Monthan Air Force Base) の近くにあるピマ航空宇宙博物館 (Pima Air & Space Museum) はここと同じ団体が運営している。更に、デビスモンサン空軍基地には、俗称ボーンヤード (Boneyard) と呼ばれる Aerospace Maintenance and Regeneration Group という施設 (いわゆる飛行機の墓場) があって、数えきれないほど多くの使わなくなった航空機がぎっしり並べて置かれている。このボーンヤードも、スケジュールは限定されいるが、ピマ航空宇宙博物館から見学バスが出て見学できるらしい。私は、翌日ツーソンを離れる際に、その脇の道を走りながら、金網越しにだけ眺めた。

サワロ国立公園

ピマ航空宇宙博物館をじっくり見に行っているほどの時間はないが、キットピーク天文台は夜の観望会に申し込んであるので、夕方から行けばよく、その間のつなぎということで、サワロ国立公園 (Saguaro National Park) を見に行った。サワロ国立公園はツーソンの東側と西側に2つの別々のエリアがあるが、行ったのはミサイル博物館からツーソンに戻ってきて、ツーソンから南西方向にあるキットピークに向かう前に寄りやすい、西側のエリア。サワロ国立公園のサワロとは、アメリカやメキシコの砂漠地帯のサボテンといえば思い浮かぶハシラサボテンの一種のこと。

ミサイル博物館から、元来たI19を戻ってきて、ツーソン中心部に着く少し手前で、キットピークに向かうAZ86に入る。少しして、そのまままっすぐ行かずに北西方向に折れると、ツーソン山脈の裾野の地域に入る。すると道の両脇にはサワロサボテンがだんだん増えてくる。サワロ国立公園のエリアに入る手前の南側の地域は、Tucson Mountain Country Park となっている。その中に、まずはオールド・ツーソン・スタジオ (Old  Tucson Studios)  という、西部劇の撮影に使われたオープンセットをテーマパークにしたものがある。ここではあまり時間を費やすつもりがないので、とりあえず表まで行って入口の写真だけ撮ってきた。

Old Tucson Old Tucson

次に、アリゾナ・ソノラ砂漠博物館 (Arizona-Sonora Desert Museum) というのがあるが、こちらも入口だけ見てパス。

Arizona-Sonora Desert Museum

更に進むと、サワロ国立公園の領域に入るが、ここは特にゲートはない。少し進むとビジターセンターがあり、ここに立ち寄って入場料を払う。タダ見しようと思えばいくらでもできそうだ。入場料を払おうとすると、他に国立公園に行く予定はあるかと尋ねられた。えーっと、あと行くのはホワイトサンズ、と答える。国立公園共通パスがあって、たくさん回るにはお得なのだが、$80もするので、たくさんの国立公園を回るのでないとお得ではない。まあ、1年間有効なので、アメリカに住んでいるなら1年間であちらこちら行けばいいのだが。今回の旅行だけでは最初からイエローストーン、デビルズタワーと含めていたとしても、バラバラの方が得。ということで、単独の入場料$10を払う。

更に車を進めると、道路が未舗装路になっているループ状になった道があるのでそちらに入ってぐるっと回ることにする。その途中に、徒歩で行くトレイルがあるので車を停めて少し歩いてみる。

Saguaro National Park

車から見ていると大きなサワロサボテンが目に付くばかりだが、様々な種類のサボテン類が生えている。

Saguaro National ParkSaguaro National ParkSaguaro National ParkSaguaro National ParkSaguaro National ParkSaguaro National Park

やけにうるさい音がすると思ったらセミ。

Saguaro National Park

他にも色々。多くのサワロサボテンの先端部分が、花が咲いて散った跡のようになっている。もう少し早い時期に着ていれば、みんな鮮やかな色の花をつけていたのだろうか。

Saguaro National ParkSaguaro National ParkSaguaro National ParkIMG_6666

例によって、鳥の名前は不明。

Saguaro National Park

しかし、真昼間に来るのではなかった。どこにも日陰はないし、周囲は乾燥した地面だし、もう灼熱地獄である。他に人もあまりおらず、こんなところで倒れたりしたら助けてもらえないかもしれないので、トレイルを少し行ったところで、早々に引き返した。

もう少し行くと、今度は車のままループ道路から少し外れて少し眺めのいい場所に行けるところがある。眼下の斜面にサワロサボテンが林立しているのが壮観だ。遠くで竜巻が発生しているのが見える。

Tornado

ついでに今乗っている車の写真を撮っておく。車を借りたフェニックスはアリゾナ州なのにカリフォルニアナンバー。返却予定地がロサンゼルスだから、逆に向こうから来てアリゾナで乗り捨てになった車を割り当てたりするのだろうかと思ったりする。

PASSATPASSAT

この後、ループ道路をほぼ一周したところで、元の道には戻らず、まっすく南下する道を走ってAZ86に達し、キットピーク方向に向かう。

キットピーク天文台

国立公園の中では食事するところがなかったので、朝を食べてからここまで食事なしだった。キットピークに向かう道も何もないので、途中の店に寄ってスニッカーズ的なものを買って食べておく。

それから、夜の観望会は、事前に日本からネットで申し込んであったのだが、当日開催されるかどうかの確認の電話があることになっていたが、当然受けられないので、こちらから電話して確認しておく。

AZ86を走っていると、途中で検問所があった。こちらの走っている方向は特に何もなく、減速して通過するだけだったが、反対方向側は、全員止められてチェックを受けているようだった。こちら側方向も何もないわけではなく、道路脇に多数の小型カメラが設置してあって、こちらの車を狙っていた。

キットピークのあるクウィンラン山の麓まで来ると、AZ86から折れて山を登っていく道に入る。下からもう4m望遠鏡のドームや、太陽望遠鏡の構造物が見える。道が山に上がっていくと、山をぐるっと回り込むため、離れていたときは見えていなかった側のドーム群が見えてくる。

Kitt PeakKitt Peak

そして山頂にあるキットピーク天文台 (Kitt Peak National Observatory) に到着。

Kitt Peak National Observatory

この建物がビジターセンター。ビジターセンターにも専用の望遠鏡ドームが付設されている。

Visitor Center

観望会の集合時刻にはまだだいぶ早いが、もう結構午後遅い時間だからか、見学の人はほとんどおらず、中の売店も閉まっている。次の写真は他所の科学館的なところでも見かける、重力井戸を説明する募金箱。

Gravity Well

中の展示をひととおり眺めた後、観望会の集合時間までの間に、ビジターセンターから歩いて行ける範囲の望遠鏡ドームを眺めに行く。何か案内用のパンフレットとか地図とかがないかと思ったが、特に見当たらなかったので適当に行ってみる。

Warner & Swasey Observatory

Warner & Swasey Observatory

NOAO Public Outreach Telescope。平らな屋根がスライドする珍しい建物。

NOAO Public Outreach Telescope

0.9m SARA Telescope。

0.9m SARA Telescope

乾燥地域なので山火事が起きやすいらしい。トホノオーダム (Tohono O’odham) とは地元の先住民の部族の名前。

Fire Danger

そして、キットピーク天文台で最大のマイヨール4メートル望遠鏡。下から見上げているせいだけでなく、本当に地面からドームまでの高さがずいぶんあるのだが、これは、地面からの熱で空気が乱れるのをできるだけ避けるためという思想での設計だとのこと。

Mayall 4m Telescope

マイヨール望遠鏡の近くから眺めたソノラ砂漠。と、キットピークの他の望遠鏡群。マイヨール望遠鏡は敷地の一番端の方にあるので、ほぼ残り全体を見渡せる。

Sonoran DesertKitt Peak National Observatory

真下から見上げたドーム。

Mayall 4m Telescope

入口は開いていて勝手に中に入っても構わない感じなので入ってみると、案内図が壁にかかっていたりして。

Mayall 4m Telescope

中に入ってエレベータに乗って上に上がると、更に階段を登るようにという素っ気ない指示がある。

Mayall 4m Telescope

階段を登って上の階に行くと、また同じような指示が。アドベンチャーゲームでもやらされてるかのような。

Mayall 4m Telescope

まずは前半に書いてあるギャラリーに。外から見てもドームのすぐ下の部分に窓になっている部分が見えるのだが、建物を一周するギャラリーになっている。周囲の眺望を楽しめるし、内側の壁には色々展示してある。

Mayall 4m Telescope

一周してきてから、指示の後半にあったように更に階段を登ると、望遠鏡の見られるフロアに出る。「氷に注意」とは一体…?

Mayall 4m Telescope

望遠鏡を見学できるのは、このガラス張りになって仕切られた小さな部屋からのみ。ガラスに近づいて望遠鏡全体を眺める。

Mayall 4m TelescopeMayall 4m Telescope

ここまで、誰も係員とか案内とかもなく、他に見学者もおらず、まるでひとりで勝手に忍び込んで見ているようだったが、こんな施設がそんなふうに自由に見られるようになっているというのは驚きだ。しかも、こんなに大きな望遠鏡の実物を直接目にするのも初めてだ。たぶん、それまでに見たことのある一番大きなものは、石垣島の105cm望遠鏡「むりかぶし」のはずだ。昔ハワイ島のマウナケア山頂に行ったときは、すばる望遠鏡のドームは外から見たが、当時は中の見学はできなかったので見ていない。

この天文台で一番立派な望遠鏡は見学できたし、集合時間が近づいてくるので、ビジターセンターの方に戻る。日時計は、夏至が近いので球の影は目盛りの一番端の線上にある (少しはみ出ている)。

Sundial

さて、これからがいよいよ観望会。望遠鏡を見に行っている間にずいぶん人が集まっている。2~30人くらいか。土産物の売店も開いている。この時点ではまだ外は明るくて太陽もまだ沈んでいない。まず最初は食事。サンドイッチと果物とオレオとチョコレートバーみたいなものが入った箱と、水のPETボトルが配られて、皆、外のテーブルなどで適当に食べる。食事をしている最中に、すぐそばまで名前のわからない青い鳥が飛んできた。

Blue Bird

食事が終わると、私が先に見に行った望遠鏡ドームのうち、マイヨール望遠鏡ではなくビジターセンターに近いものの付近に行って、色々な説明を聞きながら日没を待つ。その間に撮ったVLBA (Very Long Baseline Array) の電波望遠鏡。VLBAは、この翌々日に行くVLA (Very Large Array) のようにひとところにアンテナを並べるのではなく、遠く離れた場所に設置された複数の電波望遠鏡を合成して巨大な電波望遠鏡とするものである。石垣島と小笠原で見学したのと同様のものだ。

VLBA

やがて太陽が地平線 (といっても少し山の高さが少しあるが) まで来て日没。全く雲に遮られない、きれいな日没だった。

Sunset

その後、太陽の沈んだ後の空の色の変化、向きによる色の違いなどの話を聞きながら、だんだん暗くなっていく。

Kitt Peak National Observatory

一旦、ビジターセンターの室内に戻り、星座早見盤とキーホルダー型の赤色LEDライトを渡される。星座早見盤は裏表で北天と南天とに別れた、日本ではあまりお目にかからないタイプのものだった。といっても、私自身子供の頃にそういうタイプを使った覚えがあるので、日本でも全くないというわけではないと思うが。売店で売っている星座早見盤も、そのタイプのものが多かった。しかし、後で他の天文台に行ったときにはそうでもなかったようなので、たまたまここだけそうなのかもしれない。ちなみに、この星座早見盤は観望会が終わったら返す。キーホルダー型のライトの方はおみやげに持ち帰っていい。キットピークの絵が入っていて、LEDライトの他に小さなコンパスがついていて、端の方はホイッスルになっているが、説明の人いわく、LEDライト以外は役に立たないと。(笑)

LED Light

そのうちに外がすっかり暗くなっているので、いよいよ皆で外に出て星を見る。この観望会の対象は一般の人なので、内容はそんなに難しい話はない。最初は肉眼での観察。まあ、ビッグディッパー (Big Dipper: 北斗七星) はあそこで、あれがポラリス (Polaris: 北極星) 的な話。で、こちらの青い星は? というと、スパイカ! あらっ? と思ったが、スピカ (Spica) は英語ではスパイカと発音するようだ。日本式の発音に慣れていると結構違和感がある。北斗七星の柄のところのミザール (Mizar) も、マイザー、と言っていた。望遠鏡を買ってまだしばらくの頃の記事に書いたことがあるが、英語の天文用語も慣れないとなかなか大変だ。そういえば、月の明暗境界線のことをterminatorと言うが、アメリカ人でも一般の人には天文用語としてのこの言葉はやはりそれほど馴染みがなく、シュワルツェネッガーの出てくる映画を思い浮かべる方が先のようだ。

星座早見盤と見比べながら、説明が黄道 (ecliptic) に沿って星座をたどっていき、てんびん座 (Libra)、さそり座 (Scorpius) と来ると、隣に立っていた親子が、さそり座が見当たらない様子だ。裏面に行かないといけないのがわからなかったので教えてあげた。アメリカは国土が広いので、星座早見盤に対応緯度範囲の違うものが用意されている。経度方向は場所に応じてタイムゾーンが違うから基本的には1時間以内の誤差に目をつむれば問題はないが、サマータイムのときはどうするのかとか、そういったところをあまり詳しく観察しなかったが、よく見ておけばよかった。アリゾナはサマータイムがないので、そのことを気にかけずに済んだわけだが。

日没からまだあまり時間の経たないうちなので、人工衛星が結構見えた。私の自宅からだとISSのような非常に明るいものしか見えないが、ここでは名の知らない小さな衛星がいくつも見えた。

肉眼の観察が終わると、次は双眼鏡が配られる。たぶん口径50 mmだったと思う、立派な双眼鏡だ。これで、双眼鏡で楽しめる二重星や、双眼鏡の視野で同時に見られる散開星団M6とM7、明るい球状星団のω星団などを案内してくれる。

そして、最後は望遠鏡での観望。望遠鏡はひとりずつしか見られないので時間がかかるので、3つのグループに分かれて、それぞれ違う望遠鏡のところに行く。私の入ったグループは結構離れたところにあるドームなので車に乗せてもらって移動。ドームの中の照明は目が暗順応したままになるように赤色。

Meade LX200 EMCMeade LX200 EMC

望遠鏡はMEADEの16インチ (40 cm) のLX200だった。石垣島の105 cmを見に行ったときは雨で実際に星は覗けなかったし、いくらか参加したことのある観望会などでは、せいぜい20 cm以下くらいしかお目にかかったことがないので、これだけ口径の大きい望遠鏡を覗くのは初めてである。見せてくれたものは、月、アルビレオ (二重星)、M13 (球状星団)、M57 (惑星状星雲)、M51 (子持ち銀河)。きれいに各種類の天体を取り揃えて見せてくれたという感じだ。自宅の望遠鏡では普段では写真に撮らないとわからないような星雲も眼視でよく見えるのに感動する。そして、一番最後まで出し惜しみしていたのが土星。くっきり、しっかり見える。像が全然揺らがないのに感心した。まるで写真を見ているようだった。実は、昼間マイヨール望遠鏡のドームに向かって歩いているときは、日除けのために被っていた帽子を飛ばされてしまったくらいの強風が吹いていて、こんなに風が強くては天体観測には不適じゃないかと思ったのだが、夜になると風はすっかり止んでいた。

これで観望会は終了。さすがにそこらへんのボランティアの無料の観望会とは違って、非常に内容が充実していたと感じた。立派な天文台のプログラムだからか、料金を取っているからか。

さて、帰りが問題である。皆が車のヘッドライトを点灯して山を下って行くと、光害となって本来の天文台の業務の観測の妨げになる。そこで、ヘッドライトは点灯せずに、スモールランプだけで下山する。これは、ハワイ島ですばる望遠鏡に行ったときも、ツアーの車が同じようにしていた。周囲が真っ暗だと、スモールの明かりで照らされているだけでも結構ものが見える。とはいえ、ヘッドライトを点灯せずに山道をみんながバラバラに下山すると危ないので、全員車に乗って準備ができたら、先導されて一斉につらなって下りる。車によっては、スモールだけにできない人は、ヘッドライトに覆いをつけてくれて、麓まで下りたらはずすようにする。私のレンタカーも、ぱっと見たところオフとオートとオンのポジションしかなく、よくわからなかったのでそうしてもらった。後でよく考えたら、ヘッドライトはオフのままでハザードランプのスイッチをオンにすればよかった。思い出してみるとハワイ島でもツアーの車は点滅していた。麓に下りてから見ると、ライトの覆いは使い古しの厚紙製の書類フォルダをテープで貼りつけたものだった。

そして、AZ86に戻って、ツーソンに向けて帰る。行きに通った検問所は帰りはしっかり止められて質問される (というか、全員もれなくチェックされている)。この後、旅行中には他でも何ヶ所か検問にあうが、最初の質問は必ず、USシチズンか? だ。パスボートをすぐに出せるところに持っていてよかった。連続して通るので、君も天文台で星を見てきたのか、とも。まあ、毎夜この質問が繰り返されているのだろう。

ホテルに到着するともう夜遅い。翌日はまた長距離走るので、なるべく遅くならないうちに寝る。

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