2006年9月 のアーカイブ

iPod nano 歌詞表示の文字サイズ

前に少し書いたが、私の iPod nano で歌詞に中国語の文字を表示させようとすると、中国語にしかない漢字と日本語にある漢字とで、フォントのサイズが異なって表示されてしまい、読みにくくなる。どんな風に見えるか、ここに写真を載せて見る。日本語にある漢字は9×9ドット、中国語にしかない漢字は11×11ドット (字間除く) で表示されているのがわかる。どうしてこんなことになってしまうのだろう? しかし、9×9ドットはあまりに小さすぎる。日本語も全部11×11で表示されると読みやすいのだが。ファームウェアのアップデートでは変化がなかったが、新 iPod nano ではどうなんだろうか?

ちなみに、

我爱这夜色茫茫
也爱这夜莺歌唱
更爱那花一般的梦
拥抱着夜来香
吻着夜来香

夜来香
我为你歌唱

と、書いてある。なお、一番上の行は、表示位置のせいで1ドット欠けている。Windows Live Spaces の問題で、インターネットエクスプローラでこのblogを見ていて中国語の文字が正しく表示されない方は、ちょうど写真で大きな文字になっている文字が「・」になってしまっていることと思う。なぜか「你」(イ尓) は正しく表示されているようだが。そういう方は、このblogの左上の方の「中国語の文字化けについて」を読んでいただきたい。

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透明なカーテン

これも、私の経験のなかでは、中国でよく見かけるが他の国では見かけないもの。

建物の入り口に透明なカーテンといったらいいか、床に届く「のれん」というべきか、そういうものがぶらさがっている。材質は、日本ではよく事務机の上に敷かれている透明なテーブルマットに使われているのと似たようなものに思う。厚みもそのくらいだ。それが幅20cmくらいの短冊状になって、のれんのように上から床までぶらさがっている。だから、透明といっても向こうがきれいに透けて見えるほどではない。出入りする人は、それをかきわけて通る。結構重みがあるので、いささかわずらわしい気がする。

たぶん、空調の保持のためであろうと思う。ドアだと一旦開けると全開になってしまうが、これだと、人の通る部分だけに隙間ができて人が通る。私が長く滞在したのは北京なので、多く見たことがあるのも北京でだが、南の方ではどうだったろうか。南の方でもたぶんあったようには思う。

私の感覚からすると、機能的にはともかく、見てくれが悪いのと、先に書いたように通るのがわずらわしいのが難点なのだが、現地の人たちはどう思っているのだろうか。

昔、日本では、そういう開けっぱなしで空調を維持したい場面で、エアカーテンというのがよく使われていたように思うが、最近はあまり見かけない気がする。

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中国語検定申込

11月の中国語検定の申込受付が始まっている。

前回受験者には、申込案内書が事前に届いている。

勉強をサボってしまわないようにと自戒のためにも、早速申し込んでおいた。

6月から11月まで、いちばん間隔があいている回だが、その間どれだけ勉強しているだろうか。前回の試験の後から、「Whyにこたえるはじめての中国語の文法書」の練習問題をはじめたが、それがちょうど最後まで到達したところだ。あとは、Chinesepodを聞いているが、これは割りと聞き流しているだけなので、どれだけ勉強になっているかわからない。ともあれ、1冊終わったので、次はどうしようかと思ったが、やはり自分で手を動かすのがよかろうと、問題集を買った。「CD付き 中国語の文法弱点克服問題集」。どうかな?

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フードコートのICカード

日本ではあまり一般的ではないが、アメリカのショッピングモールなどによくあるフードコート。一般的に、ちょっと広い目のエリアの真ん中に共通で使うテーブルが並べてあって、その周りを軽い目の食事を出すブースが何店も取り囲むレイアウトだ。各ブースで個別にお金を払って食事を購入して、自分でテーブルに持っていって食べる。アメリカであるのはハンバーガー類、ピザ、ファーストフード式のチャイニーズといったものだ。そういったフードコートは、中国でも結構よく見かける。アメリカのショッピングモールのようなものはあまりないが、フードコートは大型商業店舗ビルの中などによくある。形態はよく似ているが、違うのは出される料理はほとんど全て中華料理であることか。

そういったところでは、支払いにICカードが使われていることが多い。その点ではアメリカや日本よりハイテク化されていると言っていいかもしれない。初めて利用する際にはカード窓口に行ってまずICカードを手に入れる。最初に入れてもらうチャージ額を支払えばよい。カードのデポジット代が少し含まれている。それを持って売り場に行って食べ物を注文して、受け取るときにカードを読み取り機に読ませて支払いをする。一般的なプリペイド式のカードと同じ使い方だ。繰り返し使って残額が少なくなってきたらまたカード窓口に行ってお金を支払ってチャージする。もうそれ以降使わないときはカードを返して残額を払い戻してもらえる (はず)。

カードはそれぞれのフードコートで専用なので、その中の店では共通に使えるが、よそのフードコートでは使えない。行くフードコート毎にカードを持つことになる。カード式になっているフードコートは、逆に直接現金での支払いは受け付けないので、初めて来て一度きりしか利用しないという場合でもカードの手続きをしないといけないので少々面倒である。

アメリカなどでも採用されていないのに、中国でこういったところがICカード化されているのはなぜか。私の想像するに、2つの理由がある。

1つ目は、衛生面での問題。食べ物を扱っているところで現金の受け渡しをするのはあまりよろしくなかろうということである。じゃあ、アメリカなんかではどうしてそうしていないのかという話になると思うが、衛生管理に関する従業員の態度を教育で徹底させるか、物理的に接触しないようにしてしまうか、どっちが手っ取り早いかという話かもしれない。

2つ目の理由は、こっちの方が重要なのではと思うのだが、従業員が売り上げをちょろまかしたりしないようにということではないだろうか。ICカードになっていれば、売り場の従業員が現金をこっそりごまかしてポケットに入れたりすることはできなくなる。これは、中国の店舗で商品を買う際によく見かける方式、店員にこれを買いたいというと、まず伝票をもらって、その伝票を支払い専門の窓口に持って行ってそこでお金を支払い、その受取証を持って売り場に戻って品物を受け取るという方式に通じるものがあるように思う。この七面倒くさい方式も、要は売り場店員に現金をさわらせないで、ごまかせないようにしているのだと思う。

私も中国滞在中にいくつかのフードコートでカードを作って食事したが、結局いつが最後になるともわからないし、面倒でもあるので、残額の残ったままのカードが何枚もそのまま持って帰ってきてしまっている。

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新型 iPod nano

iPodのモデルチェンジが発表された。新しいnanoがちょっと気になるかも。

形状が少し変化して、以前の iPod mini 風になった。強化アルミ外装で、左右が丸い。質感はなかなか高級だ。幅、高さは同じだか、厚みがほんの少しだが薄くなった。ホイールの真ん中のボタンが少し窪んだ形状になった。8GB版が新たに登場。やはり、iPod mini と同様にカラーバリエーションが増えたが、4GB版のみで、8GB版は黒のみ。2GBはシルバーのみ。

LCDの明るさが40%明るくなったそうだが、もともと全く不自由には思っていなかったのであまり関係ないように思う。バッテリー駆動時間がかなり延びた。これももともとさほど不自由には思っていなかったが、こちらは長ければ長いに越したことはないので歓迎だ。

今使っている iPod nano は、ここでも色々と書いているように、約1年前にnanoが発表されてすぐに購入したもの。容量は大きい方の4GBを買ったが、いわゆる通常のiPodのコンセプトで、持っているCDのうち聴きそうなもの全部入れようとすると、そんなにたくさんCDを持っているというわけではないながらも、あふれてしまう。多少、取捨選択をしている。倍の8GBくらいあれば、何も考えずに全部入れておけていいい更に残り領域を写真を入れておいたり、USBメモリ代わりに使えるしと思っていたので、8GBに買い換えてみたいという気がしないでもない。

色は、初代nanoは白と黒の2色で、黒というのは当時iPodシリーズとしてははじめての色で、自分は通勤途上で使うのが一番多いことから、ビジネスウェアに合うという観点では黒がいいだろうかとも思いながら、逆にやっぱりiPodといえば白だよなー、というのと、アクセサリのヘッドホン等が全部白しか提供されていないので黒と組み合わせるとちょっと統一感がないかとも思い、白にした。しかし、今回、逆に白がなくなってしまったし、8GB版は黒のみということもあって、黒もいいかなと思う。

しかし、問題もある、外形寸法がほとんど変わっていないにもかかわらず、ドックコネクタとヘッジホンジャックの位置関係が変更されてしまったらしく、初代nano用のnano専用ドックや、ランヤードヘッドホンが使えず、買い換えるとしたら、これらも全部新 iPod nano 専用のものに買い換えないといけない。

そんなわけで、今のnanoがあるのにそうまでして買い換えるほどでもないか、というところではある。

あと、もうひとつ。現在の iPod nano の不満点として、歌詞機能を使って中国語の歌詞を表示させると、文字によってフォントの大きさの違ったものが混在してしまうという点。曲名一覧などの文字ではそういうことは起こらないのだが。これが新しいので直っていればうれしいのだが。しかしそれってソフトの問題なら、旧機種でもファームウェアの更新で修正されそうだが。この問題、nanoは表示画面が小さいのでフォントのドット数も少ないものが使われているせいもあるのだろうが、大きいiPodではどうなのだろうか?

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ルービックキューブその後

去年の2月にルービックキューブを買った話を書いたが、いくらか遊んでいるうちに、各面に貼られた色のシールがだんだん剥がれてきていた。前の記事では、大昔に流行った頃のものと同じだと書いたが、シールの剥がれ方は当時のものよりよろしくない。

そんなこともあってか、現在の発売元のメガハウスでは、シールの剥がれてきたルービックキューブを無料で交換してくれるという情報を入手した。メガハウスのホームページに行って見てみると確かにそう書いてある。去年買ったときはバルボックスだったが、それがまたこちらの会社に引き継がれている。バルボックスで買ったものも交換してくれるそうなので、早速着払いで送ってみたら、1週間もしないうちに新品が送られてきた。更におまけに貼り直し用のシールも1セット付いている。

とても良心的な対応だが、シールが改良されているわけではないらしい。まあ、シールだけでなく、プラスチックもだんだん削れてきて、いつまでも同じ回し心地は続かないので、ある程度消耗品と割り切らなければならないのかもしれないが。

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歩行者の心得

最近中国に出張に行ってきた人たちと話をしていて出てきた話題。中国で道を歩くのは自動車が本当に怖いと。まあ、それも慣れてくればそれほどでもなくなってくると思うのだが、あまりに、怖い、危ない、というので、そのへんの注意点などを。

そもそも、アメリカ出張のときと違って、中国に行って自分が車を運転する側になることはないといっていいだろう。レンタカーって見たことないし、だいたい、中国も台湾も国際運転免許の対象国ではないので日本の運転免許と国際免許を持って行っても無駄なはず。それらの問題がクリアできたとしても、あの運転マナーの中での運転はやはりとてもおすすめできない。したがって、歩行者と自動車の関係で注意すべきは歩行者側からの視点のみである。

歩行者が自動車に気をつけないといけないのは当然車道を横断するときである。まずは、中国に限ったことではないが、日本やイギリス系以外の国では自動車の左側通行と右側通行が逆ということ。横断しようとする道路の自分に近い側を走る車は、日本では右側からやってくるが、中国では左側からやってくる。道を半分渡った後の向こう岸に近い部分では、逆に日本では左からやってくるところが、右側からやってくる。これは不思議なもので、理屈でなく体が感覚で覚えているものである。理屈では理解して左に注意しながら道路を横断しはじめても、どうしても右から車がくるんじゃないかと不安になって体がムズムズする。ちょっと気を抜いていると、理屈を忘れて体の感覚だけで右側しか注意しないで渡りはじめることになる。これは、その感覚に逆らってでもいつも理屈を自分に言い聞かせて注意すべきである。

さて、車が来なければそれでいいが、車がやってきたとき。中国では歩行者優先ではなく車優先だとよく言われる。まあ、車が日本よりかなり強気なのは間違いない。だからといって、真正面にいる人間を本当に有無を言わさず轢いてしまうわけではない、いくらなんだって運転手もそんなトラブルに巻き込まれたくないだろう。ならば、人間だって相手に負けないように強気になればいいのである。

車に負けずに道を渡るコツは、堂々とした態度でいること。俺はここを渡るんだというしっかりした決意を態度に表し、着実な歩みで道を渡ること。車を制止するように手を挙げて自分を主張することも有効だろう。相手の車を見据えてこちらが相手を認識していることを分からせるのもいい。

逆に、おどおどしながら渡るのが一番いけない。歩行者が弱気だと見ると、車の方は自分がそのまま行けば相手が引っ込むだろうと思ってやってくる。おっかなびっくりで、出ようとしたり引っ込みかかったりちょこまかすると、相手はそれに合わせて速度を落としてくれたりせず、引っ掛けられてしまう可能性大だ。途中から危ないと思って早く渡りきってしまおうと急に走り出すのもいけない。車の側は歩行者が渡る前に自分が先に通り過ぎてしまおうと思っているかもれしれない。もしかするとそのためにかえって加速してくるところかもしれない。

そういった危険を避けるためには、堂々と着実な歩みで道を渡るのがいいというわけである。もちろん、やってくる車との距離がある程度十分確保する必要はあるが、必要以上に車を恐れるには及ばない。

もうひとつ気をつけるのは信号のある大きな交差点で道を渡るとき。道路の右側の歩道を歩いていて交差点に差し掛かってクロスしている道を渡ろうとするとき。日本と左右が違うので自動車の右折がコーナーを小回りする側になる。歩行者の自分と同じ進行方向の信号が青になると、道を渡ろうとする自分の前を横切るように今まで自分の真横にいた右折車がやってくる。日本ならここで車は歩行者の渡るのを待っているものだが、彼の地では自分の信号は右折も含めて青なのだからとそのままぐいぐいと曲がってやってくる。そんなわけで、歩行者として信号が青であっても、自分を横切るようにやってくる車があることに注意しなければならない。

そんなことから、信号は青のときに渡ってはいけない、赤のときに渡ったほうがいいなどと言う人もいるくらいだ。単純にそう言ってしまうとちょっと言いすぎだが、多少真実も含まれている。先の例でいくと、自分の信号が赤で交差している方の道の信号が普通の青が終わって、左折 (大回り) の矢印が出ている間は、自分のこれから渡ろうとしている道の前半には自動車は走っていない。その間に道の半分まで渡ってしまうのは実は安全である。そこから先は進行方向の信号が青になってから渡れば、今度は自分と同じ側の右折車が自分を横切ってきたりはしない。ただし、赤信号右折可な場合は、反対から車がやってくるから、これにも注意しないといけない。

信号無視で道を渡る人が多いとも言われる。これも確かにそうだろう。しかし、確かに危険な距離に車さえ来ていなければ、先の堂々の原則に従って渡れば、問題なく道路を横断することができる。

もうひとつは、みんなで渡れば怖くない、である。他に道を渡ろうとしている人がいれば、その人たちと一緒になって渡る方が、ひとりで渡るよりずっと安全である。人がたくさんまとまっていればいるほど、自動車の方も自分が譲らねばと思うだろう。その際には、自分はその他人よりも車の流れで下流側にくっついて渡るのがより安全と思われる。

実は、このあたりのノウハウは、私としては、中国に行くようになってからよりも、もっとずっと以前にヨーロッパに旅行に行って街を歩いていて感じ、身につけたものである。

ま、いずれにせよ、みなさんの交通安全を切に願うものである。

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更にLeathermanツール

Leathermanの話題でもう少し引っ張る。Fuse の購入を考えている間に、新しく買うものはそれはそれとして、長年使っていたものと同じものは手に入らないとしても、やはりこんなものを使っていたというのを手元に置いておきたく思った。黒のクリンパー付きではなくて、ノーマルな銀色のタイプで、後年の改良が入ったタイプだが、いちおうオリジナルPSTが Yahoo! Auction に出ていて、シースもちゃんと皮タイプのものだったので、これを確保のために購入してしまった。でもこれは黒じゃないのがカッコ良くないので、とっておくだけだ。本当は黒が見つかれば、それをそのまま使うだけだったのだが。

改良型PSTを入手して、気付いたのは、改良点は私にとって好ましいものであったということ。そういった改良が施されているのを知っていたら、型落ちになる前に、それまでに使っていたのを予備にすることにして買っておけばよかった。そうすれば、今回のような大騒ぎをしなくて済んだのにと悔やまれる。現在のモデルは引き出したツールを確実にロックする機構がついているが、そこまで大掛かりではないが初期型に比べればツールがロックされる仕組みがちゃんとついていた。この方がロックする仕組み的には弱いかもしれないが、見た目はすっきりしたままでよかった。これなら、FuseでなくてKickでもよかったのか。もうひとつの改良点は、ワイヤーカッターにくびれができて、ハードワイヤー用ということだが、被覆電線の被覆剥きにも少し役立つかもしれないが、これは現在の他のモデルでもみんな採用されている。

また、結局少し大振りになったことが不満な新しいツールだが、そう考えてみると、今まであまり関心のなかったもっと小さいタイプのツールにも目が行くようになった。小さい目のツールも最近は特にラインナップがたくさん出ていて、見た目もカラフルで女性をターゲットにして、私の求める方向とは違うだろうと思っていたのだが、かえって重厚長大を目指さず、コンバクトな中に多くの機能を持っていて、最近はグレーの色のも出ていたりして、ちょっと気に入ったタイプのものを買ってしまいそうな気もしている。

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次のLeathermanツール

いくら嘆いてもなくなってしまったものは仕方ない。新たに Leatherman Tool を買うことにした。ここ最近はあまりエンジニアの仕事をしていないので、さほど不自由はしていないが、いつ必要な場面に出くわすかもしれない。日用の作業でも必要となることも多い。

さて、十何年も前に買って以来買い換えてないかったわけだが、時代が変わってLeatherman社の製品も変化を遂げている。私が買った当時のオリジナルのモデルはもはやラインナップから姿を消している。ひとつは、どんどん機能を増やして重厚長大になっていく方向に進んでいったもの。まあ、長くなる方向に行っているわけではないが、同じ程度の長さのもので、重装備になって、重く太くなっている。いろんな機能が増えるのは結構だが、それはすなわち携帯性を損なう方向になりいただけない。これらのシリーズでは、ナイフの刃が、プライヤーの柄を開かない状態からすぐに外に開くようになっているのもあまり好ましくない。ナイフは危ないので、プライヤーの柄を閉じた内側に更に折りたたまれている状態でちょうどいいくらいだ。

もうひとつのシリーズは、オリジナルのモデルの風情を残しつつ改良されたバージョンのようだが、こちらもやはりなんとなくひとまわり大きくなってしまっている。前より大きくなってしまうのはうれしくないが、しかし、まあなんとか許容範囲か。このシリーズには収容されているツールの数によっていくつか種類があって、それによって厚みが違う。ツールの組み合わせがオリジナルのものと同じものがなく、マイナスドライバーの組み合わせが少なく、突錐もないのが不満だが、厚くなり過ぎないものということで、Fuseというモデルがいいかと思った。

オリジナルモデルの欠点として、起こしたツールを止めておく力が弱いため、ドライバーとして使っている際に、押す力を加えすぎると、ガクっと折りたたみ部が折れ曲がってしまうということがあったが、新しい Leatherman Tool では、それをしっかりロックする機構が、Fuse以上のモデルに導入されているのもFuseにした理由のひとつである。その分、閉じたときの形状が外に少し出っ張るが、これもまあ我慢しよう。

しかし、Fuseにはハサミがついている。アーミーナイフにもハサミのついたものがあるが、以前から、何もあんなちっちゃなハサミを無理にアーミーナイフに入れることはないんじゃないのと思っていたので、どうかと思ったが、まあこれもついているものは仕方ない。ハサミについて言えば、もっと小型タイプの Leatherman Tool で、プライヤーの代わりに先がハサミになったものがあって、これは悪くないと思う。

また、オリジナルモデルではプライヤーとしての柄が金属の縁のままだったので握ったときに手が痛いというのを防ぐために、その部分が少し波型になって、縁にプラスチックが張られたが、これは余計なお世話な気がする。この大きさのプライヤーで手が痛くなるほど強く握るようなことはあまりないように思う。銀色のモデルでは、このプラスチックがかなり見た目を安っぽくしているように思う。私の購入する黒モデルでは色的にあまり目立たないのでまあ許すが、波型になっている必要もない。閉じたときには本当に四角い金属棒のようになる朴訥さが気に入っていたのだが。

専用の皮シースも、本体が少し大きめになっているのに加えて、本体に対して少し緩めに作られていて、どうも以前のものに比べて大きすぎるきらいがある。

まあ、色々悩んで、不満点もあるものの、亡くした Leatherman PST の代わりとして購入するのはFuseの黒がよかろうという結論になった。

ここまで、色々検討している過程で、実物を手にしてみて購入しようと思って、一度秋葉原にでかけた。私が最初に購入した当時は、そもそも日本ではアーミーナイフは売られていたが Leatherman Tool が店頭で売られているのは見たことがなかった。しばらくすると東急ハンズなんかのアーミーナイフのコーナーなどで売られているのを見るようになった。何年か前には、エンジニアの需要が多かったのが、秋葉原のラジオセンターの工具屋でも何件かで色々と品揃えするようになっていたので、今回も秋葉原に行ってみたのだが、すっかり影をひそめていて、Leatherman以外のメーカーのほんの限られたモデルが売られていただけであった。話を聞いて見ると、通販で買った方がいいよ、とのこと。お店の人にそう言われてしまっては、そうするしかない。モデルのバリエーションが増えすぎて、店頭でたくさんの種類の在庫をたくさん持つわけにいかなくなってきたのではないだろうか。結局秋葉原で現物をさわってみることはできなかった。

で、通販で購入しようとしたが、もうひとつ問題があった。私の欲しいのは黒の本体と皮シースのセットだが、銀色のものにはそのセットがあるが、黒にはドライバーのアタッチメントのビットがセットになって、それも含めて収納できるナイロンシース付きのセットしかない。これも私の使い方からすると余計なものである。でも、黒の方がカッコいいので、結局無駄を承知で黒のセットと、別に皮シースの単品を購入した。

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Leatherman ツール

予告通り、Leatherman Pocket Survival Tool (PST) の話をすることにしよう。

先にも書いたように、Leatherman Tool は何に一番近いかというと、Victorinoxなどが有名なスイスアーミーナイフのようなもので、ナイフやドライバーなどが複数収納されている点で同じだ。アーミーナイフとの最も大きな違いは、それ自身が折りたたみ式のプライヤー (ラジオペンチ) になっている点で、その他のツールは、その柄の部分に収納されている。折りたたんでしまうと、それがプライヤーになるとは思えないような、単なる四角い金属の棒のような形状になる (写真参照。プライヤー収納時は、柄の根元付近にある軸で外側に折れて、プライヤーの先の部分も自身の柄の中に入り込んで、2つの柄同士がぴったり合わさる)。アーミーナイフの関連から、一般に商品としてはアウトドアグッズに分類されるようだが、私の使い方としては、エンジニア用ツールとして有用と思う。Leatherman社が出しているので Leatherman Tool だが、他社からも類似の製品は出ている。しかしながら、この形態のツールを最初につくったのはLeathermanということである。

私が購入したのは、記録を調べると1994年の12月のことであったから、もう12年近く前のことになる。当時、海外通販が流行りだした頃だったと思う。インターネット通販ではなくて、カタログ通販である。アメリカの通販カタログを見ていてこれが目に止まり、とても欲しくなって注文したと記憶している。当時は、現在のようなバリエーションがなくて、このオリジナルモデル (PST) の普通の銀色のタイプと、黒色のもの、それにクリンパー付きのタイプがあって、私はその一番高いクリンパー付きの黒を買った。クリンパーは、プライヤーの部分にカシメ用の丸い凹みがある。それが特に有用と思ったわけでもないが、当時のラインナップの中で一番いいものを買おうと思ったのであった。写真はクリンパーなしのオリジナルの後年の改良型のものである。

購入してしばらくして以降、私はこのツールを会社ではほぼ毎日身に着けて使用していた。重要なことは、ツールを身に着けていることである。購入時に皮製のシースがついてきて、ベルトに通せるようになっている。これでいつも腰につけておくのである。必要なときに工具箱を取りに行くのでもなく、机の引き出しをあけるでもなく、すぐに手を腰に伸ばすだけでツールが出てくることが重要である。どこかから工具をひっぱり出して来るのであれば、このツールの存在意義はない。同じことをする専用の工具を使えば作業性は専用ツールの方がずっといいのに決まっている。だから、このツールを他の工具と一緒に大きな工具箱に入れておいても仕方ない。

そうやって身に着けていることによって、逆にいつも工具が用意されていない場所でもちょっとした工具が必要になったときにわざわざ遠くに工具を取りに行かなくてもすぐに用を片付けることができる。そんな機会が毎日何度もあるというわけではないが、いつでも必ず身につけていることで、そんな場合の対処が効率的にできていい。必要が予想されていなくても常に身につけておくのである。でないと意味がない。まあ腕時計のようなものと思ってもいい。考えてみれば、一日必ずしも腕時計を見て時刻を確認しなければならないことがない日もあるだろうが、毎日必ず腕時計をする。ちなみに、私のベルトには、これともうひとつ、HP200LXがケースにはいっていつもぶらさがっている。取り出される頻度はHPの方がLeathermanよりずっと多い。

さて、どんな場合に役に立っているか、もちろん人によって使い方は千差万別であろうが、私の場合のよくある例を以下に列挙してみようと思う。

まずは、本当に工具としてのドライバーやプライヤー。これは実際に実験室で作業をしているときにも、ちょっと手近な作業でわざわざ工具箱の工具を取り出すのまでもないとき等にも使う。アーミーナイフとの最大の違いであるしっかりしたプライヤーは、ナットやボルトの頭をつかんで回すのにも使えるし、もちろん何かをつかむのにも使える。ワイヤーカッターはついているが、被覆電線の被覆を剥くのには不向きで、その点はちょっと残念であった。マイナスドライバーは、普通のドライバーでもそうするように、単にネジを回すだけでなく、何かをこじったりというような他の用途に使うこともある。

また、実験室から離れた場所がやはり活躍の場である。例えば試作品を何かの展示会場でデモしたり、社内でも会議室に持っていって他の人に見せたりしているような場合。試作品ゆえ、その場でフタを開けて調整が必要であったりするが、そんな場合に非常に便利である。通常は工具を使って何かする予定はなくても、何かトラブルが発生して必要になったときに、さっと工具を取り出せるというのがいい。展示会場できっちりとスーツを着たいでたちでも、ベルトにつけていれば上着の下に隠れているし、上着を脱いでもLeathermanの皮シースはビジネスウェアに不釣合いではないのがいい。その点では、Leatherman製でも、後から出てきたナイロン製のシースはちょっといただけない。

そういった場所でなくても、オフィスでちょっとPCの箱を開けて中のカードやHDDなんかを取り替えたりとか、そういった場合も活躍する。

ナイフが使われるのは私の場合ほとんどが荷物の開梱であるように思う。Leatherman Tool のナイフは先端がかなり尖っていて、段ボール箱の梱包のテープを切るのには、あまり手荒にやると先が欠けてしまうのではとちょっと心配なところもあったが、実際に欠けることはなかった。場合にもよるが、開梱作業はあちこちうろうろしながらやる場合など、自分で専用のナイフがあると、使ったらまた自分の腰に収めておけば、ナイフを放置することもないし、ナイフを探してうろうろすることもない。

Awl (突錐) は、実際に物に穴を開けるというよりは、何か尖ったものでどこかを押すといった事によく使う。何かのリセットボタンを押すとかいった場合だ。リセットボタンは普通ボールペンの先のようなとがったもので押すように、となっているがボールペンの先で押すとインクがついて汚くなる。そんなときに、こいつの先でそっと押してやったりする。

ヤスリはあまり私の日常では必要になる機会は少なかった。缶切りはたぶん一度も使ったことがない。

物差しはミリメートルとインチの両方の目盛りがあって、たまに役に立つ。日本ではインチ目盛りの物差しにはあまりお目にかかることがないが、我々の世界では案外インチで寸法を知りたい場合もある。

まあざっとこんなものだが、私にとって本当にお気に入りのツールであった。長年こうやって使ってきて、自分の手先の延長といってもいい。これが、どこでなくししたかもわからずなくなってしまったというのは、返す返す残念である。

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