2017年5月 のアーカイブ

航海三角

航海三角

一昨年にプラレア巡りのために初めて行って以来、毎年訪れていて今年が3回目になる、東京海洋大学の海王祭でのプラネタリウム公開。去年は適当な時間に行ってひとりだけだったが、今年はまた初日の第1回の時間に間に合うように行ったら、見慣れたメンツがたくさん揃っていた。

機器の不調もあって、長い間待っている間にみなさんとおしゃべりしている間に、その中では私は初対面だったSさんが、「航海三角」の話を持ち出した。航海三角とは聞いたことのない言葉だったが、確かに東京海洋大学海事普及会のプラネタリウムの「近代化改修工事」の記事の最後の方に「海事普及会では使い方が伝承されていない、航海三角機能」が改修で使えるようになったと書かれている。これは気が付かなかった。

一昨年に初めて見たときに、コンソールもじっくり見せてもらい、写真も撮っていて、それを見るとしっかり航海三角と書かれたツマミが写っている。その当時は使えない機能だったためか、人工衛星のツマミとともに赤色のラベルが貼られている。しかし、人工衛星には目が止まった覚えがあるが、航海三角には目が行かなかったのか、その意味不明な用語は何だろうと思った覚えもない。ちなみに、人工衛星投影機の方は、渋谷の旧東急文化会館で使われていたカールツァイスIV型にも装備されていたのを知っていたので、まあ、ここにもその機能があったんだろうな、と思っただけだった。

さて、その航海三角で盛り上がった一同、投影終了後の自由時間(?)に、係の学生さんたちにお願いして点灯させてもらった。投影されたのは、こんな2本の線。左下側には天の赤道と黄道が映っているが、右側の方と下の方にあるのが航海三角。三角というものの2本の線しかない。途中で途切れているが、天球上の大円に沿った線と思われる。像が流れているのは、説明で投影機をぐるぐる動かしていたため。

航海三角

そして、投影機を動かすと、この2本の線は恒星像と一緒についてくる。つまり地上からの高度とか方角とかによって決められる線ではなく、天球座標上に引かれた線ということになる。

投影機はどこについててるのか、恒星についてくるのだから恒星球のある本体のどこかにくっついているはずで、探してみると、小さな円盤状のものが2つ寄り添っているものがあって、これがその航海三角の投影機だ。

航海三角

ちょっとアップで撮りすぎて全体像が分かる写真を撮り忘れたが、一昨年に撮った写真の中にちょうどいい具合に写っているものがあったのでそちらも載せておく。

航海三角

投影機の首の部分は可動式になっているようで、固定するためのクランプのツマミがあるのがわかる。そしてこの投影機自体が、プラネタリウムの投影機本体をとりまくレールの上に取り付けられており、自由な位置に動かせるようになっている。試し投影では一部が途切れて映っていたが、おそらく近くにある天の赤道・黄道投影機の影になってしまっていただけで、本来はうまく影にならない位置に移動させるのだろう。このことから、この航海三角投影機は、事前に天球上の好きな位置に2つの大円を設定しておいて投影できるというもののようだ。

果たして、それで一体何の説明に使うものだったのか。使い方が伝承されておらず、修理した五藤光学の技術者も直しはしたけれどどういう使い方をしたのかは知らなかったのだろう。ネットで検索しても、なかなかこれといったものはヒットせず、出てきたのは、上で紹介した近代化改修工事の記事と、実は昨年の公開時に既にこの航海三角のことを取り上げていたblogが見つかっただけだ。いやしかし、よく見ている人がいるものだ。ちなみに、このblogのコメント欄の書き込みによると、今のプラネタリウムのある建物の、プラネタリウムに行く階段がなんだか妙な感じになっている理由が書かれていた。

少し話が脱線した。さて、「航海三角」というからには、何か天測航法に関係することに違いないだろうとは思うのだが一体何だろう。天測で三角(形)というと、1つの星の位置から地図上に1本の線を引き、2つの星で2本の線を引けばその交点が自分の位置だが、誤差があるので、3つの星で3本の線を引くと、3本がきっちり1点で交わらずに三角形がでて、誤差を考慮して自分はその三角形の真ん中。といったようなことしか思いつかないが、これは地図の上に描く三角形であって、天球に投影する話ではないので、関係なさそうだ。まあ私が考えていても埒が明かないので、どなたかこの謎を解き明かしてくれる人が現れるのを待ちたい。

ところで、コンソールの「人工衛星」のツマミにも赤いラベルはなくなっていたが、人工衛星投影機らしきものは見当たらなかった。

そして、コンソールの端に、旧来の大きな筒のポインターがあった場所が空っぽになっていたので尋ねたら、調子が悪くなって修理に出しているとのこと。それで、解説は赤いレーザーポインターでやっていたのか。ちゃんと直ってきて来年は古いポインターで解説してもらいたいものだ。

今回は他にも、事前に、補助投影装置が大活躍の予定と言われていたので、どういうことかと思ったら、解説のストーリー中で、説明用の地図やら写真やらをたくさん写していた。ON/OFFするしっかりしたトグルスイッチを切り替える音がバチン、バチンとドームに響いてるのが印象的だった。スライドは、リバーサルフィルムではなく、プリンタ用のOHPシートに印刷したものを切り抜いてマウントにしたとのこと。

それから、もうひとつ聞いた話は、コンソールの惑星のスイッチ。中央のOFFの両側にONがあって、土星の像は、片方は点像で、片方は輪のある土星の形がわかる像、と切り替えられるのだそうだ。惑星棚の柱にかぶって隠れたときに困らないように、それぞれ2本ずつある惑星の投影機を切り替えるようになっていて、片方ずつ投影する像を違えてあるということか?

そして、今回は最後に、自分のお願いしたタイミングで日周運動を回してもらい、PowerShot S120の4秒露出で軌跡写真を撮らせてもらった。三脚を使っていないので、コンソールの上にカメラを押し付けて撮影したが、上向きの角度を手で保持しての撮影だったので、やはり少しブレてしまった。ポケット卓上三脚でちゃんと固定して撮ればよかった。

M-1

今回は色々とおもしろい話が聞けて、収穫のあった訪問だった。

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2件のコメント

2機同時イリジウムフレア

NexStarの記事をひっぱってしまっていたので、記事にするのがだいぶ遅くなってしまったが、5月5日に、イリジウムフレアが2機同時に起こるという珍しい現象が見られた。

いつもちょくちょくしているように今日はいいイリジウムフレアがないかな、とHeavens-Aboveを眺めていたら、すごく近い時間に2つのフレアがあるのをみつけた。よく見ると、たった4秒違いほどで、軌道もほぼ同じである。これまでも、数分おいて、ほぼ似たような位置にフレアが見られるのは見たことがあったが、こんなに近いのは初めてである。片方が光っている間にもう一方も同時に光って見えるはず。

時刻がまだ薄明が明るい時間だったが、それぞれマイナス5等とマイナス8等という予報だったので、まあ見えそうだった。ただし背景には他の星は、たまたま割りと近い方向あった月を除いて、全く写らないはず。見える高度が70°以上と高いが、空だけ写してもさびしいので、フレアの見える方角に高い建物が見上げられる場所を選んで、一緒に入るように撮影した。

背景の明るさに埋もれないように、シャッター速度をかなり短めにして撮影したので、比較明合成した写真の軌跡は、破線状ではなく点線状になっている。

double Iridium flare
2機同時イリジウムフレア 2017/05/05 18:56 Canon EOS 60D, SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSM (20mm F5.6), ISO400, 1/2sec×32, Photoshop 7.0

実際に見ていた分には4秒差というよりは、ほぼ同時に増光して減光していった感じだった。明るさも、マイナス5等とマイナス8等というよりはほぼ同じくらいの明るさだった。実際は予報よりも、より近い軌道になっていたのかもしれない。比較明合成してしまった静止画では明るさが同じくらいなのは見て取れるものの、時間差についてはわからないが、これはぜひ動画も撮っておくべきと思って同時にビデオカメラでも撮影しておいたので、こちらの動画を見ていただくと、時間もほぼ同じだったことがよくわかる。

さて、Twitterでこの件をつぶやいたら、大阪の方から、5月1日に同じようなのを撮ったという人が現れた。その人の元のインスタグラムがこちら。

こちらの方が、暗い時間帯の撮影なのでとても立派に写っている。本人は、イリジウム6の軌道予報だけを見て撮影したら2つ写ったということだったようだ。私が見たのはイリジウム6とイリジウム51だったので、これはまさに同じだろうと、Heavens-Aboveで観測値を大阪にして日付を遡って調べてみると、やはりほぼ同時にイリジウム51のフレアも発生していた。

この2機の衛星がどういうわけかは知らないが、現在、非常に近い位置で同じ軌道を回っているようである。もともとイリジウム衛星はいくつかの軌道を複数の衛星が間隔をあけて回っているものと思うが、こんなに近くにいるのは、予備機と交代する途中とか、そんなことでもあるのだろうか?

次は関東地方でうまく見られるのは6月4日(日)の午前3時21分頃 (正確な時刻は直前にHeavens-Aboveなどで予報を確認してもらいたい)。フレアセンターは房総半島あたりにあって、我が家からはマイナス1.5等の予報。東京都心あたりでマイナス3等くらい。高度が低めだが、すぐ近くに金星があって見栄えのする絵になりそうだ。この時期お天気は心配だが、晴れたらぜひまた撮影してみたい。

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はじめてのNexStar 5SE (その6)

運搬

「その2」で購入時の梱包を捨てずに取っておいて、運搬時に使うと便利と書いたが、実際に私がどうしているか。梱包箱に入っているときは、ファインダーを取り付けていない状態なので、その状態でぴったりなように緩衝材がくり抜かれている。しかし、運搬するたびにフィインダーを取り付けたり取り外したりするのは、ドライバーの必要なネジ留め式なので、ちょっと面倒だ。そこで、ファインダーをつけたまま納まるように、緩衝材の一部を切り取ってしまう。

ファインダーが当たるのは、上下に分割されている緩衝材のうち、ちょうど上側だけで、写真の黄色で印をつけた部分を切り取ればいい。オレンジ色で印をつけた部分は、私のNexStar 5SEにはピギーバックマウントというもうひとつ余計なものが取り付けてあるので、それが当たらないように切り抜いてある部分で、これを取り付けていない人はここを切り抜く必要はない。

Nexstar 5SE

架台と鏡筒はこれでうまく納まるのだが、あとは三脚なのだが、三脚をバラすと、アクセサリートレイが取り外されて邪魔になる。とてもしっかりしした厚みのある金属製で、三方に向かって突き出た形をしているので、ちょっとカバンに突っ込んだりすると、運んでいるうちにカバンを突き破ったりしてそうで、納まり場所に困る。そこで、これも鏡筒の入る箱に一緒に入れてしまおうと、もう少し緩衝材を削ることにした。上の写真でも写っているのでわからなくもないが、緩衝材を組み合わせた状態で、底の方から見たのがこちらの写真。

Nexstar 5SE

こんなふうに、梱包箱の底におさまるように、アクセサリートレイの厚み分だけきれいに削り取った。普通望遠鏡を出し入れするときは、下側の緩衝材は箱に入ったままで、中身を入れてから、上側の緩衝材をかぶせて箱を閉じる。アクセサリートレイを入れるのも本体を入れるのと同じタイミングで、次の写真のように半分差し込んでおいてから、上から緩衝材をかぶせる。上の写真で削ってあるのがきれいに三ツ矢型ではなく、上半分だけは両側めいっぱいの幅に削ってあるのは、これを上からかぶせるときに先端が通り抜けられるようにするため。

Nexstar 5SE

これできれいに箱に納まったが、カバンやスーツケースのように持ち手がついているわけではないので、運ぶためにはよく買い物用なんかに使われる折りたたみ式のカートを使う。こんなやつ。

カート

載せるとこんな感じ。箱の蓋は、元から貼ってあったテープの上に、テープで留めて閉じてある。こうすると、箱を傷めずに何度もテープを貼り剥がしできる。

Nexstar 5SE

ちょっと大きめの旅行用のキャリーケースくらいになる。このように箱を縦に載せると上にあまり余裕がないが、箱が横倒しになるように載せた方が重心が低くて安定するし、上に他のカバンを載せたりできるが、電車移動の場合は、縦だと普通の自動改札を通れるが、横にすると、荷物の多い人など用に特別に幅が広くなっている自動改札でないと通れない。

残る三脚は、やはり電車移動の場合は裸でというわけにはいかないので、うまく納まる三脚バッグに入れて運ぶ。ただし、この三脚、普通の三脚に比べて、頂部が大きな板になっているので、長さの割に太い三脚バッグでないとうまく入らない。三脚バッグを探した話は以前こちらの記事に書いた。

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はじめてのNexStar 5SE (その5)

NexStar 5SE 付属品

付属品

私が買ったときは、望遠鏡に直接必要なアイピース、天頂プリズム、ファインダーの他に、上の写真のような付属品がついてきた。上から、

  • PC接続ケーブル
  • カメラシャッターケーブル (サポート対象外)
  • 水準器
  • スパナ

である。ところが、最近購入した人の話だと、2種類のケーブルはなくて、水準器とスパナしかついてこないらしい。とはいえ、PC接続ケーブルはパソコンを接続したい場合以外必要ないし、カメラシャッターケーブルはまるで使うことはなさそうなものなので、それほど気にすることもない。

PC接続ケーブル

PC接続ケーブルは、パソコンを接続して望遠鏡の制御をしたい人には必要なものだが、そこまでしない、望遠鏡単体で使うという人には必要ない。必要な場合はオプションで3千円ほどで売られている。モジュラープラグとDSUBコネクタがつながっているだけなので、結線情報はネットで探せばみつかるから、自作のできる人はもっと安く作ることが出来る。

いちおうどう使うか説明しておくと、モジュラープラグの側はハンドコントローラの底の部分にあるモジュラージャックに接続する。架台の台座にもモジュラージャックがあるが、そちらに接続するのではないので、間違えないように。ジャックがコントローラの底にあるので、コントローラを架台にセットした状態では接続できない。一旦ケーブルを接続したら、その状態で架台にセットすることはできなくはないが、ケーブルがぎゅっとはさまってしまって、あまりよろしくなさそうだ。かといって、外しておくと、コントローラが架台とつながっているカールコードは上の方から生えていて、下からはこのケーブルが伸びて、なんだか宙ぶらりんになってしまい、どうに落ち着かない状態になる。一体どうしてこんな作りなのか。

DSUBコネクタはパソコン側だが、今時、旧来のシルアルポートのあるパソコンは絶滅しているので、一般的なパソコンに接続するためには、これをUSBに変換するアダプタが必要になる。セレストロンからもオプションで売られているが、これは普通にパソコンショップ等で売られているシリアルUSBアダプタを買えばよい。

パソコンを使っての制御の方法は、「はじめての」の範囲外と思われるのでここでは触れないことにする。

カメラシャッターケーブル

次にカメラシャッターケーブルだが、これは私が購入したときについてきたマニュアルにも「サポート外」と書かれていたくらいで、まるで必要ない。NexStar SEには、何ヶ所か設定した方向に順番に望遠鏡を自動的に向けてカメラのシャッターを切っては次に進む、ということのできる機能があって、そのときにカメラのレリーズを接続するためのケーブルがこれである。これは台座のカメラの絵のあるモジュラージャックに接続する。相手側はミニプラグだが、それとカメラのレリーズ端子を接続するケーブルを用意する必要がある。しかし、どのみちそんな機能を使うことはなさそうなので、付属品としてついてこなくても全く困らない。

ちなみに、架台にはもうひとつAUXと書かれたモジュラージャックがあるが、ここにはオプションのGPSユニットやWi-Fiアダプタを接続するらしいが、これもあまり使うことはなさそうだ。

水準器

まるでオモチャのような小さい水準器がついてくる。場合によっては、三脚の水平を正確に合わせることは重要だが、この水準器ではたいして精度も出そうにないし、それほど役に立たなさそうだ。私は、必要なときには、iPhoneを架台の台座部分の中央のロゴのところに平らに置いて、内蔵のコンパスアプリの画面を横にスワイプして出て来る水準器の機能を使っている。

惑星アライメントや、ワンスター アライメントをするときには、三脚の水平を取ることは重要だ。そもそも天球上の1点を決めただけでは、架台がどの向きにいるかは確定できない。架台が水平になっていることを前提としてはじめて向きが決定できる。なので、三脚の水平がいかに正確に取れているかが、追尾や自動導入の精度に直接影響する。

一方、2点あれば原理的には架台の向きは確定できるし、スカイアライメントのように3点を使えば、誤差も少なく出来る。この場合は架台がどう傾いているかまでわかるはずなわけなので、架台が正確に水平でなくともその傾きも計算に入れて正しい向きに望遠鏡を向けてくれるはずなので、三脚の水平に関してはあまり気を使わなくてもいいのだと思う。とはいっても、もちろん、あまり傾いた状態での設置は架台の安定上もよくないだろうから、傾斜のあるのがわかっている地面に設置する際には、目分量でもいいからだいたい水平になるようにはした方がいい。

スパナ

三脚の脚を留めているボルト・ナットを回すのに使うのだろうが、まあ普段から必要になるものではない。実は先日三脚の脚を修理したときがまさに必要な場面だったのだが、PC接続ケーブル以外の購入時についてきたが使わないこれらの付属品はどこにしまっておいたかよく思い出せずに、そのときの作業には普通に手持ちのモンキースパナを使った。最初の写真は、この記事に載せるために家の中を探し回ってやっと見つけ出したもの。

 

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はじめてのNexStar 5SE (その4)

自動導入

アライメントができたら、アライメントに使ったその星自体以外を見るためには、もちろんそのままファインダーを使ってコントローラの方向キーで他の星に向けても、その星の位置の日周運動に合わせて追尾してくれるわけだが、せっかく架台が天球上の位置を把握しているわけだから、自動導入を使って他の天体に向けてみたい。

アライメントが完了した状態で、自動導入するには、対象によって、コントローラのSOLAR SYSYEM、STARS、DEEP SKYの3つのボタンのいずれかを使う。SOLAR SYSTEMはその通り、月・惑星で、そのときに地平線上にあって見えるものだけが出てくるので選択肢はわずかなので簡単だ。まあしかし、月・惑星を見たいだけなら、最初からその天体を使ってアライメントしているからあまり使うこともないかもしれないが、見たい月・惑星が複数あって行ったり来たりするときには使うだろうか。

ひとつ飛んでDEEP SKYは、星雲、星団、銀河など。メシエやNGCなどの番号で指定できる。これらの天体はそもそもほんの一部を除いて肉眼では認識できないので、この望遠鏡のファインダーでは導入できないから、自動導入に頼るしかない。まずカタログを選んで、次に番号を入力するのだが、メシエ天体の場合気をつけたいのは、ほとんどのメシエ番号は2桁だが、最大3桁のものもあるので、入力は必ず頭にゼロをつけた3桁で入力しないといけないこと。最初のうちは、ついつい2桁で入力して、あれれ、となる失敗が多かった。

Messier

STARSではさまざまな恒星を選べるが、星座を選択すると、星座名のリストの表示がスクロールするのに異常に時間がかかって、とてもやってられない感じになる。忍耐力のある人しか使えないかもしれない。二重星のような他のリストはスクロールがつっかかることはないが、かなりたくさんの名前がひとつずつ表示されるので、目的のものを探すのはなかなか大変な気がする。前に基準星のところで触れた名前の並び順の問題もある。星座の選択がすんなりできれば、その下のメニューで、その星座に絞ったリストが出てきて探しやすいのだが。そんなわけで、自分はパソコンやタブレットを接続して使うこともあって、あまりこのメニューから自動導入することは多くない。

まあ、望遠鏡で見るのは、月・惑星か、メシエ天体といったところが定番なのでまあそれでもいいかなとも思う。あとは、二重星くらいはすんなり導入できてほしいところだが、まあ長いリストの中から探すか。

簡易赤道儀モード

NexStar SEのシリーズには、鏡筒の口径によって4、5、6、8と4種類あって、架台の方は一見共通に見えるが、実は4/5と6/8では大きさが違って別物である。そのうち、4/5の方には簡易赤道儀モードといって、三脚のてっぺんの部分を傾けて赤道儀のようにして使うモードがついている。6/8の方は、あまり重い物を傾けると強度やバランス的に問題があるのか、その機能がついていない。

日本語マニュアルは全機種共通なのだが、6/8を基本に書いてあるようで、例えば電池を入れるところも、4/5では直接ベースの部分に単三電池を入れるのだが、6/8では電池ボックスに入れてからセットするらしく、そんな記述になっている。そして、簡易赤道儀の機能は6/8にはないために日本語マニュアルには書かれておらず、アライメントのメニューに出てくる北半球EQアライメント/南半球アライメントの機能は使用できないと書いてあって、別に「北半球EQアライメント/南半球アライメント 補足説明書」という紙ペラがついている。

とはいうものの、基本的には眼視で天体を見るだけの場合はこのモードを使う必要はないので、あまり気にしなくてもいい。天体写真を撮る際に、視野回転しなくなるというメリットがあるが、それ以前にこの架台の精度では視野回転が問題になるほど長時間露出に耐えられないのでやはりあまり関係ない。それよりむむしろ、天頂近くを撮影しようとするとカメラが台座にぶつかって向けられない場合に、こちらのモードにするとぶつからずに済む、という使い方の方が実用的に思える。

普段は使わないとしても気をつけておきたいのは、この三脚の頂部を傾ける機構を普段はしっかり固定しておかないといけないこと。三脚の下に目盛の付いた細い金属の棒が出ていて、その根本をレバー付きのネジで締め付けて固定してある。これが緩んでいると、不用意に三脚の頂部が開いてしまい、上に架台が載っている状態だと非常に危険なので気をつけたい。

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はじめてのNexStar 5SE (その3)

準備段階みたいな話しばっかりで、なかなか望遠鏡を実際に操作する話しにたどり着かなかったが、そろそろそのへんの話に入りたい。まあ基本的な使い方は新しい日本語版のマニュアルで結構ちゃんと書いてあると思うので、マニュアルに出てこないような話を。

ハンドコントローラの操作

と言いながら、最初はマニュアルに書いてあることだが、ハンドコントローラの操作体系はひとつとても妙なところがある。一番上に3つのボタン。OKとキャンセルあるいは戻る的なボタンにALIGNを加えたもの。その下に十字の方向キー。そしてその下にテンキーと並んでいる。普通はメニューの項目の選択などは方向キーで行いそうなものだが、このコントローラではテンキーの数字の6と9で上下に動かすという珍しいものだ。確かに、数字の上に▲▼の記号が描いてあるとともに、キーの表面がそれぞれ斜めに傾いた形になっていてわかりやすいようにしてある。方向キーは常に望遠鏡の向きを動かすためだけに用いられて、それ以外の用途には使われない、メニュー選択は必ず数字の6と9、と覚えておく。

ハンドコントローラ

ハンドコントローラは、架台の脇にはめ込んで収納できるようになっていて、その状態で操作することもできるし、そこから取り外してカールコードを引っ張って手元で操作することもできる。しかし、操作が終わった後ずっと手で持っているわけにもいかず、かといって、アクセサリトレイのところにもあまりうまく置けなくて、どうも落ち着きどころがない。結局収納部に収めておくのだが、カールコードがすんなり中に入らず少し押し込むようにしないといけなくて面倒だし、下手すると望遠鏡の向きをズラしてしまったりしそうだ。なんでそんな作りなのかと思うが、仕方ないので我慢して使っている。また途中で少しだけ向きを修正したいとかいうときは、いちいち取り外して使ってまた戻すのは面倒なので、収納部にはめたまま操作するが、アイピースをのぞきながら、鏡筒の横側にある収納部のコントローラに手を伸ばして操作しないといけないので、方向キーは手探りで間違いなく操作できるように慣れておいた方がいい。

回転速度

その方向キーで鏡筒の向きを動かす速度だが、9段階で調整できて、テンキーの右下隅のMOTOR SPEEDボタンを押した後に1~9の数字のいずれかを押すことで選択できる。1が一番遅くて、9が一番速い。どの速度に設定されているかは、実際に方向キーを押して動かしている間に、液晶画面の右上に数字が表示される。アライメント作業の際には自動的に、最初にファインダーで大まかに向きを合わせてENTERを押すまでは最高速の9に、次にアイピースを覗きながら視野の中央に合わせてALIGNを押すまでは遅い目の速度の5になるようになっている。アライメント完了後は速度6になっているが、少し早めなので、一旦目標の天体を導入した後、微妙に追尾がズレたりするのを合わせたりするためには、速度4か5で使うのがよいかと思う。

アライメント

アライメントの方法には、簡易赤道儀のモードを除いて、スカイアライメント、オート ツースター アライメント、ツースター アライメント、ワンスター アライメント、惑星アライメント、とたくさんある。私が普段使うのは惑星アライメントかスカイアライメントの2つがほとんどだ。

望遠鏡を出してちょっと見てみようというのは月や惑星のことが多くて、その場合はその目的の天体そのものをアライメントの基準星として合わせるのが、手間が最小限でいちばんお手軽だ。目的の天体に合わせたらそのまま追尾しているし、アライメントが多少正確でなくとも、合わせた天体そのものからのズレはたいしたことはない。惑星アライメントも、ワンスター アライメントも、1つの天体でアライメントすることには変わりないが、メニューに出てくる選択肢の数が違う。惑星アライメントだと月と惑星だけなので選ぶのが楽だ。というか、そもそもワンスターに出て来るのは恒星だけで月・惑星は出てこないから、目標によって選択の余地はないわけだが。

一方、メシエ天体を見てみようとか、基準星にならないような天体を見るときは、スカイアライメントを使う。基準星を3つ使うので導入精度が一番高くなるし、基準星にする星をどれにするかをいちいちメニューから選ばなくてよくて、適当に明るい星を3つ選んで合わせるだけで、自動的にどの星を選んだかを判断してアライメントしてくれるので、かえって面倒がない。ただし、たまに判断を間違って、とんでもない方向にアライメントしとしまっていて、見たい天体に向ける指示をすると、全然違う方向に動き出すなんとことがある。アライメント完了後にENTERキーを押す代わりにBACKキーを押すと、選んだ星を何と判断したかが表示されるので、自分が選んだつもりの星と一致するかどうかの答え合わせをしておくとよい。

オートツースター、ツースター、ワンスター アライメントでは、基準星の候補のリストの中から選ぶ必要があるが、リストに表示される星の名前の順番が、日本語版の表示であっても、元の名前のアルファベット順になっていてわかりにくいらしい (自分は買ったときはまだ日本語版がなくて、そのままずっと英語表示で使っているのでわからないのだが)。

オート ツースター、ツースターの場合にもワンスターと同じく候補に月・惑星は出てこないから、せっかく合わせやすい惑星が見えていてもアライメントに使えない。結局、惑星は見えなくて、アライメントに使える恒星が2つしかみつからないというときしか役に立たない。マンションのベランダからなど、視界が限られるとそういうこともないわけではないが。

 

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はじめてのNexStar 5SE (その2)

梱包箱

望遠鏡ショップに車で行って買って直接持って帰ってくるのでなければ、だいたい配送してもらうことになると思うが、初めてこのクラスの望遠鏡を買った人は、届いた荷物の梱包の巨大さに少なからずびっくりするかもしれない。大きな箱を開けると、中には更に、三脚の入っている箱と、鏡筒+架台の入っている箱と、付属品の入っている箱の3つのダンボール箱がおさまっている。箱を開けて中身を出したら、梱包は邪魔なので捨ててしまいたくなるが、ここで、鏡筒+架台の入った箱は捨てないで取っておきたい。一切自宅から外に持って行くことがないというなら構わないが、どこかに持ち出して星を見るために望遠鏡を運ぶ際に、鏡筒+架台は少々複雑な形をしているので、その通りの形にくり抜いた緩衝材の入った箱に入れて運ぶのが一番便利だからだ。少し工夫が必要だが、それはまた後で改めて。

上下方向のクラッチ

この望遠鏡の架台は、向きを変えるのは本来全て電動で、コントローラを操作して動かすようになっている。水平回転方向は無理に手で動かそうとしてはいけない。しかし、上下方向は、鏡筒+架台を箱から取り出すときにも動いてしまうので既に気付いているだろうが、手で動かせば回るようになっている。摩擦クラッチで止まっているだけなので、セッティング時にフタを外したり、アイピース (天頂プリズム) を取り付けたりするのに、作業しやすい角度に手で回しても構わない。ポルタIIのようにフリーストップ架台と同じ感覚だ。ただし、あまり微妙には動かしづらい。

アライメントの前に最初に向けるアライメント星にだいたいの方向まで向けるのには手で回してもいいが、アライメント作業中や完了した後はクラッチが少しでもズレてしまうことのないように気をつけないと、せっかく合わせたアライメントが狂ってしまう。

鏡筒の取り付けの前後位置

梱包から取り出したままの状態で、接眼部に付属の天頂プリズムと接眼レンズを取り付けた状態で、高度の高い方を向けようとすると、天頂プリズムが架台の台座の部分にぶつかってしまう。ぶつかっても、前述のように摩擦クラッチがあって滑るので、天頂プリズムや、架台のギアやモーターを壊してしまうことはないが、アライメントがズレてしまうので不便だし、そもそもぶつかるより高い高度の星を見ることができない。

鏡筒は、いわゆるアリミゾ・アリガタという仕組みで架台に取り付けられていて、クランプネジひとつ緩めるだけで取り外せるようになっている。別に取り外す必要はないが、望遠鏡の側は長いレールがついていて、クランプを少し緩めてズラせば、そのどの位置でも固定できるようになっている。これを、鏡筒のギリギリ後端までがクランプされる位置に、鏡筒が前の方に行くようにズラしておくと、天頂プリズムはぶつからなくなるし、かといって逆に鏡筒の先端の方が台座にぶつかるということもない。

先に書いたように運搬するために梱包箱に収納する際には、緩衝材のくり抜きにぴったり収まるようにするために、最初の位置に戻す必要がある。

鏡筒取付位置 鏡筒取付位置
使用時と梱包箱収納時

ファインダー

望遠鏡を使うまず最初にファインダー (この製品ではスターポインターと呼ばれている) の向き合わせをしておく必要がある。最近は結構このタイプのファインダーも多く使われているが、旧来の単に小さな望遠鏡でできたファインダーしか知らない人にとってはちょっととまどう。

筒になった部分にハーフミラーが仕込まれていて、赤い光の点が映し出されるのを、実際にそこを通して見える星と重なるように合わせる、という方式。小型の望遠鏡になったファインダーのように接眼部に目を近づけて覗き込む必要がない。むしろ、少し離れたところから見るようにした方が見やすいし、姿勢も楽にできると思う。当然だが倒立像にならないのもうれしい。筒の中が見えている範囲なら、自分の顔の位置を動かしても、赤い点は筒の枠の中で見える相対的な位置は動くが、無限遠の天球上でに位置はずっと同じところを示して動かないようにできている。目標の星は、筒の中を通して見える位置にくる前から肉眼の視野全体のなかでとらえながら合わせていく感じにすればよい。

一方、慣れないと筒をまっすぐ覗き込んでいるつもりでもうまくまっすぐのぞきこめていなくて、赤い光が見えないことがある。その場合は少しファインダーに近づいて、顔を上下左右に動かしてのぞいてみると光が見つけやすいかもしれない。

また、望遠鏡になっていないので、光を集めて暗い星が見えるというわけではない。肉眼で見える星以外はこのファインダーで望遠鏡の向きを合わせることができない。アライメント用の星に望遠鏡を合わせるためだけにあると割り切るべきだろう。

このファインダーは、小型のアリミゾ・アリガタで取り付けるようになっているが、ドライバーが必要なネジで固定するようになっているので、一旦取り付けたら、使用後片付けるたびに取り外すのは面倒だから、取り付けたままにしておいた方がいい。なので、光軸合わせも最初に一度行えば、毎度毎度する必要はない。ファインダーの向きの微調整の仕組みも、このタイプのものはたいていこうなっているが、一般的なファインダーとは感じが違うが、上下と左右が大きなツマミで操作できて、これはむしろ操作しやすいのではないだろうか。

ただし、ファインダー調整は昼間に地上の遠くの建物や鉄塔の先などで合わせたりするが、スターポインターは明るいまっ昼間だと光点が見づらいので、少し薄暗いときにやった方がわかりやすいと思う。

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