2013年2月 のアーカイブ

NexStar 5SEのピント位置

USBカメラを使って気になった、アイピース使用時とのピント位置の調整。一般的にシュミットカセグレン式の望遠鏡では、普通の 望遠鏡のようにドローチューブを出し入れして対物鏡の焦点の位置に接眼部の機器を持ってくるのではなく、鏡筒の中にある主鏡の位置を前後させることによっ て焦点の位置を移動させることによってピントを合わせている。どこの場所で焦点を結んでいるかはハタ目にはわかりにくいので、まず、いろいろな場合につい て、ピント合わせノブの回転数で、相対的に調べて見た。

Focus Knob

そもそもノブをどちらに回すとピントがどちらに動くのかさえわからない。見ると、ノブ のところに、反時計周りに回すと無限遠に向かうと書いてある。ピント合わせ操作をしなければ、遠くのもののピント位置は近くのもののピント位置より対象寄 りにあるはずだから、ドローチューブなら縮める方向である。こちらでは、そのために主鏡を対象に近づく方向に移動させる。すると、もし副鏡が平面なら、移動した分だけ焦点位置が観測者寄りに移動する。実際は副鏡は凸面鏡で、主鏡で急角度で集められた光を、どちからというと平行光線に近い角度に変えて観測者 側に導く働きをしているが、主鏡副鏡間の急角度な光路が減った分を平行光線に近い部分で補うために、焦点位置は観測者寄りに伸びる。ネジで微妙に前後させ た主鏡の位置よりもずっと大きな距離を、焦点の位置が移動する。こうして、観測者側は遠くのものに対するピントが、近くのものにピントを合わせていたのと同じ位置にいたまま得られることになる。

こ れを、ピントノブの動きから考えてみる。ツマミの先、鏡筒内部の奥の方はネジが切ってあって、ネジ自体は回転するだけで前後しない。ここに、それが主鏡につながった腕の先についているネジと噛み合っている。ノブを反時計回りに回すと、ネジは緩む方向でノブ側は固定されているから、主鏡の側が離れる方向に動いていく、すなわち対象方向に進んでいく。そんな仕組みになっているらしい。

ノブは少し回しただけで、焦点位置は結構動くので、何回転と数えるようでは粗すぎる。ノブの周囲にはつまみやすいように、8つの凹凸がついているので、これを何個分動かしたを数えることにする。まず、わかりやすいところで、25 mmの接眼レンズで眼視するのに、天頂プリズムを挿入しているときとしていないときの違い。天頂プリズムでピントを合わせてから、天頂プリズムをはずしてビジュアルバックに直接接眼レンズを取り付けた状態にする。必要な焦点位置は対象寄りに移動する (短くなる) ので、ピントノブを時計回りに回していく。3回転と5/8だけ回したところでピントが合った。天頂プリズムは、途中で光路を折り曲げているが、真っ直ぐに伸ばしたとして光路長はだいたい70 mm余りある。その分が、ノブのネジ3+5/8回転分ということだ。この回転数を覚えておけば、今度から天頂プリズムをつけたりはずしたりしたときに、ピントが合うまで像を見続けていなくても、必要な数だけ回転させて、最後の微調整だけ像を見てあわせればいいということになる。

接眼レンズで眼視しているときは、主鏡からの光が実際にどこに焦点を結んでいるのかいまひとつ判然としないので、次に、カメラを使った場合と比べてみる。カメラにはボディ上に撮像素子の受光面の位置を示す印が描かれているので、その位置を参考にすればいい。また、規格でもフランジバックの距離はきっちり定められている。今まであまり気にしていなかったのだが、実際に確かめてみると、天頂プリズムに接眼レンズでピントを合わせた位置のままビジュアルバックをTアダプターと交換してTリング経由でカメラと接続すると、カメラでのピント位置はほぼ無調整で合っていた。1/8回転以内の調整で合うくらいだった。

ビジュアルバックを外した鏡筒の口の部分から、カメラを装着したときの焦点の位置までは、実測で105 mm程度。これは、Tアダプターの長さが約50 mmで、Tマウントのフランジバックが55mmである。一方、眼視の場合は、ビジュアルバックが実測で約33 mm。天頂プリズムは実測しづらいが大雑把に見積もって70 mm余り。合計103 mm余りで、カメラの場合の焦点位置と接眼レンズ挿入部の口のところの面がおおよそ一致している。ということは、接眼レンズで眼視のときの焦点位置は、だいたい接眼レンズ挿入部の口のところあたりと考えてよさそうだ。これは、もちろん接眼レンズによっても違ってくるのだろうが。

また、ここで確信するのは、この望遠鏡は、ビジュアルバックに天頂プリズムを装着した状態が標準形だということ。これは、ハンドコントローラの矢印ボタンで動く向きが、望遠鏡を覗きながら動かすのが前提の低速度のときは、左右だけ反転した像に合わせてあることからもわかる。

さて、いよいよ肝心のUSBカメラ。これは工作結果から明らかなように、接眼レンズの口の部分よりまだかなり離れた位置にある。およそ30 mmくらい。天頂プリズムを取り付けないビジュアルバックに、25 mm接眼レンズを取り付けた場合と、USBカメラを取り付けた場合で、ノブの回転数は、1+7/8回。天頂プリズムの真ん中くらいで、だいたい合っている。いくらがんばっても、接眼レンズのための焦点位置と同じ場所にUSBカメラのCCD面を持ってくることは不可能なので、Tマウントのカメラと、天頂ブリズム付きの接眼レンズの関係のように、USBカメラも、天頂プリズムなしUSBカメラと、天頂ブリズム付きの接眼レンズでピントノブ操作ほとんど不要にできればありがたい。しかし、そのためには、USBカメラの首の部分を、もう40 mmくらい伸ばさないといけない。今回USBカメラに使用した31.7 mmの延長筒はこの用途には最適なわけだが、これの光路長は23 mmなので、1つ追加では間に合わず、2つ追加して合計3つつながった状態で少しカットして長さを合わせるということになる。しかし、せっかくコンパクトなカメラなのに、延長筒が長くなってしまっては邪魔っけな感じもするし、そこまでしないで、ピントノブの回転数を覚えておいて、ピントを一気に近くまでもって行くだけでもいいかなと思う。

そもそも、このUSBカメラは遊びで作ってみただけで、画角などから考えると、帯に短し襷に長し、的な感も否めないので、あまり役立てにくい。そんなもののために、どこまで一所懸命やるかという話である。やるならやるで、他にも、ズームアイピースで拡大撮影できるように、Tマウントで接続できるようにするとか、色々考えられることはあるのだが。まあ、後はぼちぼちやって行こう。

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USBカメラ天体用改造 (その4)

CP-100

赤外線フィルタが必要ということで、登場いただいたのがこれ、EPSONのCP-100というデジカメ。私が初めて買ったデジカメだ。今どきもう何の役にも立たないのに後生大事に取ってあったものだが、ここで役立ってもらおうという次第。分解してみると、中身はずいぶん複雑で、とてもたくさんネジを外してやって撮像素子部分に到達した。

CP-100

で、見てびっくり。こんなに厚くて、しかも色の着いたものがCCDの前についている。プラスチックの薄い板を想像していたのに、これは材質もガラスでできているっはぽい。しかし、どうやらこれが赤外線フィルタで間違いないようだ。テレビのリモコンの発光部を、赤外線感度の高めなカメラ (iPhone 3Gを使った) のモニタで見ながら、間にこの部品をはさんでみると、赤外線が見えなくなる。色がついているのは可視光の色具合の調整をしているのだろうか。小さい部品なので、色付きコンタクトレンズが実際に装着してみると世間に色がつて見えたりしないのと同じ原理で、実際はそれほど劇的に色に影響があるわけではないのかとも思ったが、違った。

先般改造したUSBカメラのレンズの前の部分にこの色ガラスをまたパーマセルテープで固定して、月を撮影してみた。前回のようなピンク色にはならなかったものの、今度は心配した通り、フィルタの色に近い青緑っぽくなってしまった。

やはりこれではちょっといただけない。せっかく再起不能にまで分解されたCP-100には悪いが、また何か別のジャンクのデジカメを探してフィルタを交換した方がよさそうだ。

もうひとつ、USBカメラのピントの位置についても実験をしたが、これはまた別の記事に。

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鼻マスク Pit

Pit

先日、今年も花粉症の季節がやってきたので、そろそろ愛用の花粉用マスク、重松製作所のNewクリーンメイト、の買い置きを買っておこうと、通販で注文した。そのとき、ふと、ついでに、数年前から売られている「鼻マスク」 (ノーズマスク・ピット) を試しに買ってみようという気になって、3ヶ入りのお試し版を、サイズがどっちが合うかは試してみないとわからないので、SとRの両方を注文して実際に使ってみた。

最初、この製品のことを聞いたときは、こんな牛の鼻輪みたいなのがついてたら、カッコ悪くてとても人前には出られないな、と思った。しかし、実物を見てみると、左右をつなぐ部分は非常に細く半透明なので、ほとんど目立たない。ちょっと肌にシワがあるのと変わらない程度かと思う。しかも、鼻の下を向いた面なので、普通に正面に向かった人からはそもそもあまり視線に入らない。座った人の前に立って相手が見上げる状態なら目立つかとも思ったが、これでも通常は部屋の照明が上からしか当たっていないので陰になって暗いために、わかりにくいようだ。結果として、相手にわざわざ言わないと誰も気が付かないくらいである。

装着してみた感じだが、まず息の通り具合は、普通にじっとしていると全くなんともない。ただし、私が普段外を歩くのに早足で歩くくらいの運動をすると、酸素を多く必要とするため呼吸量が増えるが、そうなるとこのフィルタを通して鼻だけで息をするには抵抗があるため苦しくなる。無意識にしていると鼻が詰まって息がしにくいときにするように口で息をしてしまっている。意識してちょっと無理に抵抗に逆らって鼻だけで息をすることはできなくもないが、結構鼻息の音がしているのではないかと思う。

鼻の中に異物が入ってる感じは、まあ結構する。しいて言えば、ちょっと汚い話だが、鼻クソがずっと鼻につまっている感じで、ついつい鼻クソをホジって鼻の穴をすっきりさせたい、という衝動にかられる。が、まあしかし全然我慢できないというほどのことはないので、一日中装着していても平気である。比較になるかどうかはわからないが、コンタクトレンズ (ソフト) とどっちが気になるかといえば、私はコンタクトレンズの方が気になるくらいだと思う。まあ、感じ方はコンタクトレンズでも個人差が非常にあるようなので、一概には言えないと思うが。

サイズはSmallとRegularと試してめたが、私はSの方がよさそうだった。

ここまで、見た目、装着感で言うと、私としてはこれは結構「アリ」だと思う。顔を覆うマスクをしなくていいのなら非常にありがたい。

さて、肝心の花粉遮断の効果のほどは、まだ花粉がそれほどたくさん飛散していないようなのでよくわからない。それから、いくらマスクをしていても鼻水や鼻汁が出てきて鼻をかみたいときは付けたままにできないので困ってしまう。一度外して再装着というのはダメだ。そのためには、別に、「ピットストッパー」という製品があるので、そちらもいずれ試してみたい。

ところで、パッケージに書いてある英語がちとひどい。

そもそもNose Maskあるいは鼻マスクという用語がどうかというのは別として、

99% is shut out pollen.
花粉(など)99%(以上)カット

Entering by 3 pieces
3個入り

Mask inserted in nose of not seeing
鼻に差し込む見えないマスク

Pit

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USBカメラ天体用改造 (その3)

昨夜は、晴れたのでしばらく放置だったUSBカメラの再挑戦。と思ったのがもう夜遅かったので、木星はもう沈みかけていたため、今回の対象は月。

前回の記事で露出の調整がダメと書いたが、さわっていたのはこのパネルの左半分にあるスライダー。

Qcam1

ところが、スライダーの右側には、[Driver Settings…] というボタンがあって、これを押すと、次の画面が出てくる。てっきり、ドライバーのバージョンだとか更新だとかが出てくるやつだと思い込んでいたのだが、違った。

Qcam3

この画面で、最初は「露出」のところの「自動」というチェックボックスがチェックされていて、シャッタースピードとゲインはさわれないようになっているのだが、「自動」のチェックをはずすと動かせるようになって、こちらのスライダーが本来必要としていたものだ。これで適切な露出に設定できるようになった。

試し撮りした動画がこれ。露出を調節している様子もそのまま。場所はプラトンクレーター周辺。風が強くてシーイングが最悪。天頂プリズムでのぞいていた接眼レンズ のところでUSBカメラに取り替えて撮影したのをそのままアップロードしたので、上下方向に鏡像になったままになっている。撮影時に先ほどのドライバーの 設定の画面で画像反転させておけばよかった。いや、天頂プリズムはずせばよかっただけか。わざわざ動画編集ソフトにかけて編集するのも面倒なのでそのまま。

Logitechのツールで録画すると、.aviファイルはできるのだが、他に持って行くと再生できなくて、何か独自コーデックにでもなっているんだろうか。それでは困るので、上の動画は、汎用のキャプチャソフト、ふぬああを使って録画した。usagicl55さんに教えていただいたCCI-PROも試してみたが、私がまだ使いかたを全部把握していないせいか、解像度の設定が320×240から変えられなくて今回は使用せず。

色が紫っぽいのは、例の赤外線フィルターがないせいだろうか。ジャンクのデジカメか何かから赤外線フィルタを入手してみよう。写りは、さすがにやっぱりEOS 60Dのクロップ動画モードの方がいいか。デジイチを装着するのに比べて接眼レンズを差し替えるだけでこちらの方が手軽なのは利点だが、逆に、パソコンを持ちだして接続しないといけないので、かえって面倒ということもあって、一長一短だ。

あと、ちょっと気になったのが、接眼レンズで眼視して対象に合わせてから、USBカメラに差し替えたときに、ピントの位置が結構ズレていること。ぴったりとはいかなくても、できれば近い位置になるようにしたい。今度ちょっと抜き差ししたりしながらどれだけズラせばいいか調べてみようか。

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カールツァイスIV型プラネタリウム投影機

数年前に開設された、プラネタリウムのある渋谷区の施設に、今やヒカリエに建て替わった東急文化会館にあった五島プラネタリウムで長年使われていたカールツァイス製のプラネタリウム投影機が保存・展示してあるということで、見に行ってきた。

Planetarium
それがあるのは、渋谷区文化総合センター大和田。右後方にそびえるのはセルリアンタワー。この文化総合センターには色々な施設が入っていて、最上階12階にはコスモプラネタリウム渋谷があるのだが、保存されている投影機の展示はそのフロアにではなく、2階のスペースにある。

Planetarium
フロアの窓際に少し囲いをつくってこんなふうに置かれている。

Planetarium
実際に稼働していたときは、ここまで間近で投影機を見ることができなかったので感動ものだ。

Planetarium
北天恒星球。

Planetarium
南天恒星球の根本の周りにある南天輝星投影機。恒星球から投影される星は、像の大きさで明るさを再現するのだが、特に明るい星は像が大きくなり過ぎるので、個別に1つずつ別の光源で投影される。

Planetarium
輝星投影機のクローズアップ。

Planetarium
恒星球のそれぞれの投影レンズの前には、おわんのようなものがついているが、自由に回転するようになっていて、投影機がどちらを向いても下半分を覆い隠して、地平線より下に星が投影されないようになっている。話としては知っていたが、実物は初めて確認した。

Planetarium
恒星球の先端についている恒星球のミニチュアのようなものは何かと思ったら、星座名の投影機。

Planetarium
首の部分に惑星投影機が並んでいるというのは知っていたが、周囲に枠があるので場所によって隠れてうまく投影できなかったりしないのかとおぼろげに心配たりしていたのだが、実物をのぞき込んでみると、中には投影機がそれぞれ2本ずつ並んでいるのを見てなるほどと思った。両方同時に隠れることはないようになっているわけだ。今のようにコンピュータで計算して好きな角度に回転させられるわけではないから、惑星の運動を再現するための複雑なギアが見える。

Planetarium
中心軸を支えている部分に角度がついているのは、漫然と緯度による傾きだけだと思い込んでいたのだが、考えてみたら惑星投影機が軸上に並んでいることから、投影機の長い方向は天の北極、天の南極を向いているのではなく、黄道面に垂直な方向を向いているのだった。確かに、日周運動をするだけで、投影機の見た目の傾きが変化しているのが妙だなと思った記憶があるが、そういうことだった。黄道の傾き分だけ斜めになった軸を中心に回転するのだ。

Planetarium Planetarium
展示に添えられていた説明板。

Planetarium
建物の外からもよく見える。

プラネタリウムの構造については、和歌山市立こども科学館「特別展プラネタリウム投影機のしくみ」のページがとても詳しくかつわかりやすく解説されていて非常に参考になる。このカールツァイス製の投影機ではないが、基本構造はほぼ同じだ。

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小惑星 2012 DA14 (動画)

静止画の連続撮影した画像を動画にしてみた。

8秒露光の1枚の画像を30fpsの動画の2コマずつに使って撮影間隔分もあるので、約150倍速くらいの計算になっている。撮影時刻は割りとよく写っていた04:37~04:50あたり。その時間内に小惑星が移動していく範囲だけに画面をトリミングして拡大した状態にしてある。

もともとかすかにしか写っていないものな上に、動画圧縮のせいか、ぼやけてしまってかなりわかりにくくなっていると思うが、なんとかわかってもらえるだろうか。パソコンでフルスクリーン表示にして見てもらわないとわからないかもしれない。

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小惑星 2012 DA14

土日は色々と出かけていたので、なかなか書けなかったが、土曜日の未明に地球の近くを静止衛星軌道よりも近い場所を通って地球を掠め去って行った、小惑星 2012 DA14。前日ロシアに落ちた隕石には驚いたが、こちらは事前から軌道が正確に観測されていて、地球を掠めるものの衝突はしないのがわかっていた。幸運なことに、最接近する付近では日本から見える位置にあって、しかもまだ夜が明けておらず、更にそれが仕事には影響しない土曜の未明という好条件なので、これを見ない話はない。

しかし、明るさは7等星程度というので、肉眼で見ることは難しい。望遠鏡や双眼鏡で見るか、写真に撮影するしかない。接近時のみかけの移動速度は、30秒で月の直径分進むくらいだというので、追いかけるのが大変だ。ある瞬間の位置は、望遠鏡をステラナビゲータでコントロールすれば狙えると思うが、以前、ISSなどを追尾できないかと考察したときにわかったように、刻々と追尾するのは難しそうだ。

そういうわけで、望遠鏡はあきらめて、ISSの撮影のときのようにカメラレンズで撮影することにした。自宅からだと、本来地上から見える小惑星の軌道の一部しか見えないので、近所でもう少し見通しのいい場所がないかと探したが、いまひとつだったので、結局自宅ベランダから撮影することにした。しかし、軌道はこちらより階数の高い向かいのマンションの玄関側の廊下の照明が煌々と光っているすぐ上。しかも、天気は快晴ではなく、切れ切れの雲が流れていく状態。かなり状態は悪いがこれでやるしかない。

ベランダから見られる画角を考えて、レンズは55-250mmレンズの55mm端。小惑星の位置を狙うのにカメラだけではわかりにくいので、NexStar 5SEのピギーバックマウントにカメラを載せて、ステラナビゲータから小惑星の位置を確かめて向きを決めることにする。見える範囲の小惑星の軌道がうまく画角内におさまるように決めておいて、その中央あたりにいるときの時刻にステラナビゲータを合わせて、そのときの小惑星の位置に望遠鏡を向ける。そのまま放置すると、望遠鏡が日周運動を追いかけてしまうので、そこで電源を切って動作を止める。実はメニューからトラッキングのモードの選択でOFFにすれば後で再開できたはずなのだが。

ISSの撮影のときと違って、相手は結構暗い。固定していれば、光害の多いこの付近の空でも7等星は普通に写るとは思ったが、ISSほどではないにしろ動いているとどのくらいに写るか未知数である。兎にも角にも、セットした画角の中を小惑星が通過する間だけ連続撮影にして放置。撤収後、前のふたご座流星群のときと同じように、とりあえずKikuchiMagickで全部比較明合成をして、写っているか見てみる。小惑星もコマ切れのままよりも線につながっていた方がわかりやすいだろうと思ったからである。しかし、結果は下にご覧の通り。雲が、空全体を覆っていないながらも、移動していくので、比較明合成してしまうと、ほぼ全体的に真っ白になってしまって、それに重なっていると、同時に雲と小惑星が重なっていなかったしても、結果的には埋もれてしまって見えないことになってしまう。

2012 DA14
2013/02/16 04:25~04:55 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (55mm F5.6), ISO3200, 8sec×212, KikuchiMagick, trimmed.

そこで、1枚1枚の写真をもう一度よく見ると、実は恒星の日周運動の方向とは違う方向の線分が、かすかに写っているのを見つけた。本来、ちょうど画面の左下から右上まで移動していくつもりだったが、ピギーバックマウントが少し上向きに傾いているせいで、思っていたよりも下の位置にあった。そこで、その前後で雲と小惑星が重ならない範囲のショットだけを集めて、比較明合成しなおした。雲が脊椎か何かのように見えるが、これは連続撮影しているとは言っても、1枚と1枚の間に露光していない隙間の時間があるため。日周運動の恒星は動きが小さいので隣同志ほぼつながって見えるが、雲の場合はそうは行かなかったようだ。

2012 DA14Asteroid 2012 DA14 2013/02/16 04:40~04:44 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (55mm F5.6), ISO3200, 8sec×28, KikuchiMagick, trimmed.

もう1枚、別の時間で合成したもの。トリミングのサイズは上のものと違う。

2012 DA14Asteroid 2012 DA14 2013/02/16 04:46~04:50 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (55mm F5.6), ISO3200, 8sec×31, KikuchiMagick.

これだけの光害の悪条件のもと、曲がりなりにしろ小惑星の姿が捉えられて満足だ。

ちなみに、目でリアルタイムで見る方は、8×23の双眼鏡を使って探して見たが、残念ながらみつけることはできなかった。

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