2013年12月 のアーカイブ

ISS撮り比べ

ここ数日夕方にISSの可視パスが連続していたので、これをPowerShot S120で撮影を試みた。昨夜は西の空に沈む夏の大三角形を横切るものだったが、自宅からは見られない方角で、近所の見晴らしのよい建物の上からもちょうど障害物のある方向になる。夏の大三角形の沈む西の空は、以前職場の近くで撮影したときにいい感じだったので、今回もそこに出かけて行って撮影することにした。

これまでISSの軌跡の撮影は、デジイチのEOS 60Dで連続撮影して、比較明合成していた。枚数は少ないが、星空の軌跡を撮る手法と同じなので、逆に言うと、S120の星空軌跡モードを使えば手間なしにISSの軌跡も撮影できるのでないかと考えた。といっても、うまく行くかどうかわからないので、今回は60Dの装備も持って行って両方同時に撮影して撮り比べてみることにした。

まずは少し早目に現地に到着すると夕空がきれいだったのでS120で1枚。なかなかきれいに撮れた。

夕景夕景 2013/12/30 17:02 Canon PowerShot S120, 5.2mm F1.8, ISO125, 1/30sec

さて、いよいよISS通過。S120の方は単に星空軌跡モードに設定し、時間は最短の10分にセット。ISSが見えるより少し早い目から撮影開始。一方、60Dは、事前に試し撮りを何度かして適正露出を探って飛来1分前くらいからレリーズをロックして連続撮影開始。ISSが通過して画角内からはずれたところまで行ったところで、S120の撮影中断。途中停止しても、最後の1枚の露光完了まではシャッターが開いているので動かしてはいけない。

S120の撮影結果がこれ。

ISS by S120ISS 2013/12/30 17:43 Canon PowerShot S120, 5.2mm F8, ISO160, 30sec × for about 5min

あれれっ、夏の大三角形はきれいに写っているがISSが全然写っていない。

60Dの方は、帰宅後、ISSの写っているコマだけを比較明合成。

ISS by 60DISS 2013/12/30 17:44 Canon EOS 60D, EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II (18mm F4), ISO400, 4sec × 33, KikuchiMagick

こちらはきれいに写っている。運の悪いことに出現位置がビルにかかってしまったのが少し残念。もっと残念なのが、これは撮影中からわかっていたが、最悪のタイミングで飛行機が飛んできたこと。右上から左下に向かっている短い方の線がその飛行機。ISS通過中の分だけ合成しているので、飛行機は突然中空から現れて、中空で消えているように見えてしまっている。また、S120より画角が足りないので、夏の大三角形のうち一番上のデネブが入りきらず、はくちょう座の翼の部分から下しか写っていない。

うまく写らなかったS120の方は、極端に階調調整をかけてみると、かすかに軌跡が写っているのがわかった。60Dの画像と比べてもわかるが、自動で設定された露出が少なすぎたようだ。夜空の背景の明るさはどちらも同じくらいになっているが、S120の方は1コマ30秒もの長さで撮っているので、そのために絞りも絞ってISO感度も落とされているため、移動してるISSや飛行機は明るさが薄まって薄明の背景の重ねられた明るさに負けてしまったか。恒星も60Dで撮ったものに比べるとすごく少なくしか写っていない。逆に、60Dの方は薄明の中、思いの外、細かい星まできれいに写っている。

露出が足りなかったのなら、露出補正で明るい方に振っておけばよかっただろうか? しかしシャッター速度30秒の設定が優先しているとしたらダメだろう。どうもS120の星空軌跡モードでのISS撮影はあまり簡単にはいかなさそうだ。ただし、ISSがもっと明るければそれなりに写ったかもしれない。今回は、夏の大三角形と一緒に撮るために夕方のISSが西から近づいてくるところを撮ったが、ISSは太陽と逆方向にいるときの方がたくさん光を反射して明るく見えるし背景の空も薄明の度合いが少なくて見やすい。ISSはそのときの軌道によって南北方向に斜めに向きはズレるものの、基本的に西から東に回っている。夕方のパスで見える時は接近時より、遠ざかっていくときの方が明るく見える。逆に、未明に見るときは、接近時に明るく、遠ざかるときには暗くなる。今回も、上の写真を撮った後、カメラの向きを変えて、去っていくところを撮ったが、S120は途中でカメラを動かしてしまって失敗してしまった。しかし、ちゃんと写せている間の画像で、去っていくISSがだんだん見かけ上の動きが遅くなって詰まってきたところではしっかり軌跡が写っていた。

上の写真だけではちょっとS120が残念なままなので、本来の星空軌跡モードの使い方で、沈む夏の大三角形の軌跡を撮影したものを。ISS撮影のときは少し高い位置から撮っていたのだが、今度は岸辺りぎりぎりのところに降りて、水面を多く画面に入れた構図で撮影した。1時間のつもりで撮影を開始したが、途中で電池切れで30分ほどで停止してしまった。しかし、それでも撮影失敗にならずに、そこまでの画像が保存されているのでありがたい。やはり恒星の写っている数が少ないものの、むしろ大三角形の3つの星がはっきりしていいかもしれない。はくちょう座の十字の形が全部よくわかればもっとよかったのだが、首のところがよくわからない。水面に反射した光が長時間重なった画像になって美しくなったこともあって、こちらの写真は結構いい感じに仕上がったように思う。ここでは飛行機の航跡も趣を加えている感じだ。

沈む夏の大三角形沈む夏の大三角形 2013/12/30 18:00 Canon PowerShot S120, 5.2mm F8, ISO160, 25sec × for about 30min

撮影風景はこんな感じ。

沈む夏の大三角形撮影風景

せっかく三脚を持って出てきたので、今度は新宿に移動して西新宿の副都心のビル群を背景に星空軌跡を撮影。都会のビルと星空の組み合わせとしては、まずこの新宿副都心を撮ってみたかったのだ。しかし、いざ実際に現地に行ってみると、なかなかいい場所がない。ビジネス街だけあって、もう年末休みに入ったこの夜中に人は少ないが、街灯は至る所に煌々と灯っていて、なかなかうまい場所がない。街灯に構わず撮ってみると、こんな感じになってしまった。星座はいい感じに空に入っているのだが。

街灯のカブリ

結局撮影したのは、都庁前の階段の途中。こんな場所から撮影。

ぎょしゃ座、ふたご座、木星撮影風景

今度はバッテリを交換してしっかり1時間かけて撮影した。

新宿副都心のぎょしゃ座、ふたご座、木星
新宿副都心のぎょしゃ座、ふたご座、木星 2013/12/30 20:40 Canon PowerShot S120, 5.2mm F8, ISO160, 30sec × for 1hour

この記事はISS撮り比べとしたものの、ISSに関しては比べるべくもなかったという結果だった。星空軌跡の写真にしても、60Dで撮ったISSの写真に写っていた恒星と比べるとS120の方は緻密さに欠けるといえなくもないが、とにかくシャッターボタンを押して待つだけで、この写真ができあがるという点では素晴らしい。

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木星撮り比べ

昨夜はPowerShot S120のお気軽撮影アダプタでと、EOS 60Dのクロップ動画でとで、撮り比べのために久々に木星撮影のRegistax処理をしてみた。

まずは、PowerShot S120。

Jupiter by S120
木星 2013/12/29 19:07 Canon PowerShot S120, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece (8mm), afocal, 26 mm, 露出補正−1.0, 1450 frames, Registax6, トリミング

そして、EOS 60D。

Jupiter by 60D
木星 2013/12/27 19:24 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece projection (8mm), ISO400, 1/60sec x 1207, Registax6, トリミング

色合いが結構違うが、どちらもホワイトバランスは太陽光固定にして撮っていて。画像処理でも色合いは特にいじっていないが、S120の方が派手な色付けという感じだ。解像感はドット数の大きさの違いのせいもあるかもしれないが、60Dの方が少しいい感じがする。とはいえ、そんれほど大きく違うというほどでもない。お気軽撮影セットだけでの惑星撮影も全然アリだと思う。

ただ、木星の高度があまり高くなかったからかもしれないが、そもそも60Dの画像が以前撮ったものと比べて鮮明でない。土星を撮ったときも、この記事でずいぶん違ったように、やはりそのときの状況でかなり撮れ具合が違うようだ。

60Dでは1時間ほど後にもう一度撮った。木星の自転で大赤斑が移動しているのがわかる。実は、上の写真では木星本体に衛星のエウロパが重なって見えていて、更にその影が木星面上に落ちているのが見えるはずだったのだが、そこまで鮮明には写らず全く認識できない。下の写真ではそのエウロパも公転によって木星から離れてすぐ脇に、この画面でいうと1時ぐらいの位置に見えるはずなのだが、こちらも何も判別できない。実は眼視では上の写真の時点で衛星が重なっているのや影はわからなかったものの、下の写真の時点では脇にぽつりと光っているのは確認できていたのだが、画像には写っていない。木星本体との明るさの差が大きすぎて、木星に露出を合わせていたのでは無理だったのかもしれない。そういう点では人間の目の方が優秀だ。

Jupiter by 60D (2)
木星 2013/12/27 20:27 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece projection (8mm), ISO400, 1/60sec x 1254, Registax6, トリミング

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宗像ユリックスプラネタリウム

カールツァイス製プラネタリウムを巡る旅の一環で、今回は福岡の宗像(むなかた)市にある、宗像ユリックスという施設の中にあるプネタリウムを訪れた。ここは、これまでに行ったプラネタリウムとは違って、科学館のようなものとの併設ではない。宗像ユリックスは文化・リクレーション施設みたいなところで、プラネタリウムはホール、ギャラリー、図書館などと一緒の建物に入っている。科学関係はこのプラネタリウムだけ。撮ってくる展示物などがあまりなくて写真が少ないので、今回は福岡日帰り旅行道中の写真なども交えて紹介していく。

例によって急ぎ足の日帰りだが、福岡までさすがに新幹線で行くと時間がかかりすぎる。格安航空を使えば交通費も新幹線より安くつくので、今回はジェットスターを利用した。搭乗1周間前を切ってから予約したが、往復合計で1万8千円足らずだった。ジェットスターは東京付近は成田発着なので、成田までの交通費の差額を勘定に入れないといけないが。

そんなわけで日暮里からスカイライナーに乗って成田空港第2ターミナルへ。

SKYLINER

少し時間に余裕を持って行ったので、展望デッキに出て見た。しばらくぶりの第2ターミナルだったが、以前はサテライトとの間を結んでいた黄色い列車のようなシャトルシステムが廃止されて、動く歩道を装備した連絡通路になっているのを初めて見た。そもそもどうして最初からこうなってなかったのだろうかと思う。

連絡通路

iPhoneのFlightRader24アプリを見ていると、ちょうどエールフランスのエアバスA380が進入してきそうだったので写真に撮ろうと待ち構えていたら、近づいて見ると第1ターミナル側のA滑走路の方に行ってしまったので、よく見られなかった。考えてみたら、第2ターミナル側のB滑走路は短いのでA380が降りてくるはずがなかったろう。

A380

もうしばらく飛行機を眺めていると、ちょうどクリスマスの日だったので、JALの出発便の見送りが、みなさんサンタコスチュームでたくさん並んで手を振っていた。

見送り

展望デッキを後にして、国内線ターミナルに向かう。日帰りで荷物は少なく、また荷物を預けると追加料金を取られるので、預ける荷物はなし。Webチェックイン済みだとカウンターに寄る必要もなく、そのまま安全検査を通ってゲートへ。機内食も有料なので、売店でお弁当を買おうとしたが、ここが長蛇の列で、余裕だった時間がすっかりなくなってしまった。ともあれ、JetStarに搭乗して福岡へ。

GK505

そして、地元に住む知人、Kさんに車で出迎えてもらい、宗像ユリックスに到着。公共交通機関で行くと、空港→博多駅→東郷駅まではすんなり行けるが、そこからユリックスまでが少々不便なので、ありがたい。

宗像ユリックス

プラネタリウムの入口前に行くと、まずは3年ほど前に引退した五藤光学製のGX-ATという投影機が展示されているのが目に入る。クリスマスなので、リボンと電飾でデコレーションされていたのがなんとも。結構旧式の投影機で恒星球が両端にではなく内側にあるのが少し珍しいが、基本的にはカールツァイスのII型やIV型などと同じ機械仕掛で動く仕組みだ。古い割には表面はピカピカで、きれいに手入れされている様子だ。

GX-AT

GX-AT GX-AT

様子がわからないし、冬休みに入っているし、名古屋や大阪の場合の様に開館して入場券が発売開始されたら売り切れないうちにすぐに買っておかないと、行ってすぐにその回が見られないという状況だとしたら、今回はそんな早い時間に到着できないので困るから、Kさんに頼んで事前に買っておいてもらうことも考えたが、まあなんとかなるだろうということで、結局はそうしなかった。が、実際行ってみると、平日だからかまるで閑散としている。というか、次の投影の30分ほど前に到着したら他に誰もいない。しばらくしてカップルが1組来て、投影寸前になってもう1組子供連れが来て、結局78席のうち6席しか埋まらなかった。全然心配する必要なかった。その前の回で投影中だった子供向けのプログラムにはそこそこの人数が入っていたようだったが。

入場時に、事前に自動販売機で買った小さなチケットを渡すと回収されてしまった。それではカールツァイス巡りで提出する証拠物件がなくなってしまうので、カールツァイス巡りで来たので証拠になるものが必要な旨話すと、チケットを渡した代わりに渡されるパンフレットに日付スタンプを押してくれた。

パンフレット

さて、ドームに入って、投影機にご対面。SKYMASTER ZKP4という機種だ。話には聞いていたがちっちゃい。ドーム自体、12 mと小振りなのだが、その中にあっても小さく見える。かわいいと言ってもいい。形状としては昔ながらの亜鈴型のプラネタリウム投影機の形をしているのだが、サイズがおもちゃのように小さい。後で解説員の方に聞いた話だが、最初に見た時はミニュアかと思ったという。しかも、やけにすっきりしている。近年の投影機は、惑星投影機を別にして本体は1つの球体だけになったものも多いが、そうではなく亜鈴型をしているにもかかわらず、本来複雑な機構が見える惑星投影装置の部分もすっきりした形状をしている。周囲に色々とぶらさがっている補助投影装置のようなものもほとんどついていない。

SKYMASTER ZKP4

SKYMASTER ZKP4SKYMASTER ZKP4SKYMASTER ZKP4

表面が黒っぽいメタリックというのも珍しい。これも後で聞いた話だが、Black Ladyと呼ばれているとのこと。投影開始前の投影機は、台座から上向きに照明が当てられ、また横方向からも照明が当てられて、ドーム側面に影を映している。

SKYMASTER ZKP4

1回の投影を見終わって外に出ると、次回を待っている客はゼロである。飛行機が遅れたりして間に合わなくなったりするといけないので、2回分の投影の時間に十分余裕があるように帰りの飛行機の時間も取ってあったので、料金も310円と安いことだし、もう1回見て行ってもいいのだが、他に客がいないのに自分たちが2回目見なければ他に客がいなくて投影なしで済ませられるところを、解説員さんに申し訳ないかなと思って躊躇していたが、時間近くなって、他に1組お客さんが来たので、それなら一緒に、ともう1回も見ることにした。そんなわけで今度は観客は4人。

先程は入場の受付を女性の方が、実際の解説を男性の方が行っていたが、次はその解説をしていた方が入場受付を、女性の方が解説をしていた。小規模なところなので、職員さんもそんなにたくさんおらず、少人数で全部回しているという雰囲気か。

2回目の回はリラクゼーションプログラムで音楽をかけながら星空を見るということで、ほとんど解説は入らないものかと思ったが、そうでもなくて結構解説も入った。更に、月を止めたまま満ち欠けをさせてみたり、ZKP4とは別の4Kプロジェクタを使って空から色々なものを降らせてみたりと、色々な演出も見せてくれた。解説のときに使われる星座絵は同じ星座に1種類ではなく、先の回とは趣の違う絵が使われていたりした。

2回目の終了後、少し解説員の方とお話しさせてもらった。自分のようにカールツァイス巡りのために来る人はどのくらいいるのかと聞いてみたら、月に十数人いたという。わざわざ宗像まで来る人なんてそんなにいないだろうと思っていたが予想外に多いと思ったとのこと。

さて、私のカールツァイス巡りも、残すは旭川と渋谷の再訪のみ。ここまで来たからには、旭川にもとっとと行ってしまいたいところだ。

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Windows 8 でステラナビゲータ9

承前。Windows xpの延命として無事Windows 8で使えるようになったideapad S10e。まず主用途の望遠鏡コントロール用にステラナビゲータ9をインストールする。ステラナビゲータ9はWindows 8対応だからすんなり済むかと思ったら、さにあらず。インストールの終りの方で、サイドバイサイド構成がなんとかという聞きなれないエラーメッセージで、3つほどのファイルがインストールできなかったと。当然動かない。どうもMicrosoft Visual C++ のランタイムの特定のバージョンがないといけないのがないらしい。

これまたネットで検索すると、一度ステラナビゲータの体験版をインストールすると、そのときの必要なMicrosoft Visual C++ のランタイムをインストールしてくれるというので、そうしてみると確かにちゃんとメッセージが出てランタイムをインストールしてくれた。その後、製品版を入れ直してOK。続いて、すぐに最新版にオンラインアップデート。そして、データ更新。これにはいつも結構時間がかかっているので、また有線LANを接続しておく。

実は、後でよく探してみると、アストロアーツのwebに「ステラナビゲータ Ver.9 を Windows 8 で使う場合のご注意」として、9.1~9.1e アップデータをインストールする際にVC2005 SP1 ランタイムがインストールされない問題があると書いてあった。私のステラナビゲータ9は、20週年記念版というやつだが、アップデータではないがこのバージョンに相当するのだろうか。入れた直後のバージョンは確認せずにすぐ最新版にアップデートしてしまったのでわからないが。

望遠鏡の接続に使っているシリアルUSBアダプタ (sanwa USB-CVRS9) のドライバをネットから落としてきて入れて、COMポートが見えるのを確認。実際に部屋の中で仮に望遠鏡に接続して、望遠鏡の操作がリモートでできることを確認。

これで、無事ステラナビゲータも以前Windows xpで使っていたのと同じように使えるようになった。

Windows 8にしたおかげかSSDにしたおかげか単にOS入れた直後だからかよくわからないが、Windows xpのときは起動にずいぶん時間がかかるが何日間も使わずに放置することが多いのでたいていスリープではなく休止状態にしていたものの、休止状態からの復帰もずいぶん時間がかかっていたのが、一からの起動も早いし休止状態からの復帰もあっという間で、非常に快適になったのはうれしい。

StellaNavigator9

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金星

望遠鏡を買ってから初めて金星を拡大して撮った。昨年、太陽面経過のあった6月に当然「内合」を迎え、その後西方最大離角を過ぎたよりも後に望遠鏡を買ったわけなので、そこからは金星は地球からの距離が離れて小さくしか見えない時期が続いていた。今年も終りに近づいてきてようやく一周回って追い付いてきた金星が、今や東方最大離角から最大光輝も過ぎたところで、かなり地球に接近しているので、視直径が大きく見えるとともに、三日月のように欠けた形状に見えている。視直径は既に木星よりいくぶん大きく見えているくらいだ。もうしばらくすると今度は太陽に近づき過ぎて見られなくなって、反対側に出てきて明けの明星として見られるようになるのを待たないといけなくなる。

金星自体は結構前から宵の明星として西の空に見えていたが、この季節に宵の明星を迎えると、黄道の位置が低いことから、太陽からは離れていても南西の空低い位置に見える。自宅のベランダからは、春にパンスターズ彗星を見た時のように真西の空は見通せるのだが、南西の空低い位置は建物が邪魔で見られない。このところ、見える位置がだんだん西に寄ってきたことで、やはりベランダからは見えないものの、スピカ食を見た時に利用した非常階段の位置からなら建物の隙間から少しの間だけ見られるようになった。

そこで、またそこに望遠鏡を運んで、その時刻を狙って金星を撮影してみた。まずは、せっかく入手したお気軽ズームアイピース撮影セットとCanon PowerShot S120の組み合わせによるコリメート撮影。前に画角について色々調べたが、結局最大倍率を得るために、ズームアイピースを8 mmに、そしてS120のズームを120 mm相当 (実際の焦点距離は26 mm) にセットしての撮影。導入時には、アイピースもカメラも広角側にしておいてから徐々に望遠に持っていけるので、楽だ。スチルで撮ったのがこれ。背景は真っ暗で夜に撮影したように見えるが、まだ日没間もなく十分明るい空だったが、金星は非常に明るいので適正露出になるようにするとこうなってしまう。

Venus
金星 2013/12/21 16:43 Canon PowerShot S120, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece (8mm), afocal, 26 mm, ISO1600, 1/250 sec

画面あたりの拡大率では、これまでズームアイピースにTリング直結でEOS 60Dで拡大撮影していたよりもかなり大きい。金星の視直径は木星より少し大きいだけくらいだから、こちらの記事の最初の写真で木星を撮影しているのと比べると大きく写っているのがわかる。添付画像は元データを1/2に縮小しているが、そのままだと画面上の直径は600ドットくらいある。60Dよりも画面全体のドット数は少ないにもかかわらず、これだけの大きさになる。

しかし、見ての通り、これだけの拡大率で見ると気流の乱れでの影響による画像の歪みが大きく、眼視で見ている分には頭の中で補正して見ているのでそれほどとも思わないが、静止画で撮るとこんなふうに揺らいでいる瞬間が固定されてあまり見るに耐えない画像になってしまう。

そこでまた動画による多コマ撮影+Registaxの出番である。ところが、60Dにはクロップ動画という便利なモードがあったがS120にはない。動画撮影すると、本来横4,000ドットで撮影できる画面が1,920ドットでしか撮影できない。そんなわけで、結局60Dでの拡大撮影のときとさほど変わりないドット数に。ともあれ、そうやって作成したのが下の画像。

Venus
金星 2013/12/21 16:47 Canon PowerShot S120, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece (8mm), afocal, 26 mm, 露出補正−3.0, 328 frames, Registax6, トリミング

ぼんやりはしているが、個々の静止画の揺らぎはきれいに消えている。ウェーブレット処理は金星の場合は木星のように縞模様が見えてきたりするわけではなく、あまりかけると輪郭がかえって不自然になるので、あまりぼやぼやではなくなる程度に。また、撮影時から色収差が出ているのが気になっていたが、これはRegistaxの事後処理にRGB Alignというのがあって、Estimateボタンを押せば自動で合わせてくれる。これはなかなか効果絶大だ。

ところで、動画で撮った画像は静止画で撮った画像よりかなり明るい。S120では動画での撮影時にはマニュアルによる細かい露出の指定ができず、ISOはAutoになり、後は±3段までの露出補正だけだ。このときは露出補正をマイナス最低に設定して撮影したが、まだ少し露出オーバーで本来より太って写ってしまっている感じだ。測光モードを変更すればもう少し暗くできかたもしれないが、こんなに細長い形状ではスポット測光にしてもうまく位置を固定するのが難しいかもしれない。

さて、次に、これまで木星や土星を撮ってきたのと同じ、先に述べた60Dでの拡大撮影。

Venus
金星 2013/12/21 16:58 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece projection (8mm), ISO400, 1/250sec x 718, Registax6, トリミング

比べてみると、S120でのコリメートより、少しばかり小さく写っている。こちらは露出はオーバーしないように合わせているので、こちらの方が三日月形が細く写ってもいる。しかし、こちらの方がたくさんの枚数スタックしているにもかかわらず、形状の滑らかさに劣る感じがする。カメラが重いせいで鏡筒の揺れによる画像のブレが大きいことが影響しているだろうか?

S120のコリメート撮影の画像と60Dの拡大撮影の画像、どちらがいいだろうか?

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縦ドット数の少ないネットブックでのWindows 8

承前。ideapad S10eの画面のドット数は1024×574ドットと縦がかなり狭い。本来、Windows 8の要件は1366×768と書いてあって、それに満たないのだが、インストールでハネられるとかいうことはなく、一応きちんとインストールできて動作する。スペック不足は承知で使っているので、何か問題があっても仕方ない。

まずは、とりあえず、旧来のWindowsと同様のデスクトップで使ってみる分には、もともと以前のWindowsでも画面がいくらか狭くて困っていたというのと同じだという以外に特に問題はない。

「アプリ」が動かない

ところが、まず、Windows 8で売りモノの「アプリ」が、解像度が足りないので動作しないと言われて起動してくれない。タイルデザインが特徴的な「スタート画面」はちゃんと動作するのだが、そこから起動する「アプリ」仕様のソフトウェアは全部使えない。Windows 8の意味がないともいえる。話が前後するので前の記事では端折ったが、実は、Windows 8.1にアップグレードするための「ストア」もこの「アプリ」のうちのひとつなので、そのままでは動かなかった。とりあえずは、1024×768の外部ディスプレイを接続してそちらの画面で実行すればアプリは動作してくれるので、実はアップグレードはその状態で行ったのだった。

Windows8 Screen Shot

まあ、古いネットブックの延命が目的なので、デスクトップでの動作ができればそれでよしといえばそれまででもある。アプリの操作はタッチパネルでの操作を念頭に置いたものだろうが、そもそもそんなものはついていないのだし。Windows 7でよかったんじゃないの、という話だが、まあ安く買ったWindows 8があったので入れてみただけということで。

とはいえ、解像度が足りない問題への対応策がないわけではないので、それを試してみる。

DownScalingSupported

またまたネットを検索するとレジストリをいじると表示ドット数を見かけ上増やしてアプリも動作させられるようになるという。それには、DownScalingSupportedという文字列の含まれる項目を探して、それの値を0から1に変更するというもの。これをレジストリ中の全ての項目に対して行うようにとたいていのサイトには書かれているのだが、私の場合、レジストリ中に6項目見つかるものの、最初の1項目を書き換えたら、勝手に他の項目も0から1に値が勝手に変化していた。再起動してみると、解像度の選択肢に現れたのは1152×864(推奨)と1024×768の2つ。どちらも4:3のドット数なので、実際の物理解像度の16:9と比べるとアスペクト比が維持されず縦に引き伸ばされてしまってあまりうれしくない。

レジストリ変更前
レジストリ変更前

レジストリ変更後
レジストリ変更後

ネットの記事の中には元の解像度とダウンスケール表示するための解像度の両方が選択肢に出ているものもあるようだったが、私の場合はレジストリ変更後は上記の2つしか出てこず元の解像度は選択肢にない。レジストリを元に戻さずに、通常解像度 (dot-to-dot) とダウンスケーリングを行ったり来たりはできない。これだと、普段はデスクトップでdot-to-dotの画面で使っていて、アプリを使う時だけ一時的に画面解像度の設定を変更して使う、という使い方ができない。普段からダウンスケーリングの画面で使うのは、単にダウンスケーリングで細かいところが見にくいだけでなく、アスペクト比が違うというのもあるので、ちょっと受け入れられない。ダウンスケーリングに1366×768といった設定があればなんとかそれで我慢したかもしれないが。

そんなわけで、そもそも単にxp機の延命なのであるからして、アプリを使うのは素直にあきらめ、先のストアからのアップグレードのようなどうしても必要な場合だけ、外部ディスプレイを接続してでも使うということにしたい。

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アップグレード版Windows 8のクリーンインストール時のトラブル

承前。今頃になってWindows 8をインストールしてみての話なので、既にWindow 8をお使いの方には何を今さらな話かもしれないが、まあ私と同じような人もいるだろうし、何かの参考になればと、遭遇したトラブルの話を。

8.1へのアップグレードにはまずアップデートが必要

WindowsをインストールしたらまずWindows Updateで最新にするのが習いではあるが、どうせ今からすぐに8.1にするのだからそれは端折ってしまおうと考えたが、そうはいかなかった。8.1へのアップグレードの説明には、ストアに行けばまずでかでかと8.1へのアップグレードが出てくるということになっているが、出てこない。よく読むと、8の最も初期状態ではダメでWindwos Updateで新しくなっていないといけないらしい。ある特定のアップデートだけ入ってれはいいらしいが、それを探し出してそれだけ当てるのも面倒なのでとりあえずぜんぶまとめて更新をかける。と、これが全然進まない。ダウンロード中らしいが、プログレスバーらしきものもまるで動かない。

プロダクトキーが正しくない

そんな中ダウンロードが進むのを待ちながら眺めていると、どうもプロダクトキーが正しくないとおっしゃっている。インストール時にちゃんと入力して通ったはずだが、何か気に食わないらしい。ネットで調べてみると、アップグレード版なのにクリーンインストールしたのがいけなかったようだ。しかし、単にインストールをやり直すとうまく行ったという話も。結局、きっちりライセンスを確認しているわけではなくて、何かWindowsの入った跡のあるところに入れさえすればいいらしい。空のWindowsフォルダだけ作ったドライブにインストールするのでも大丈夫という話も。

ともあれ、元のWindows xpの入ったドライブは、こちらがうまく行ったらつぶしてデータドライブにでもするつもりで、他のパソコンで使ったりしないので、ライセンス違反ではないから問題なかろう。一旦ダウンロードを始めたWindows Updateは中断して、インストールのやり直しをする。すると、今さっき入れたWindows 8からのアップグレードという扱いになって、きちんとインストールできるらしい。

一旦インストールしたWindows 8は再度ドライブごとフォーマットするつもりでインストールDVDからブートするが、どうもそのWindows 8が起動してしまう。仕方なくその上からDVD上のインストーラを起動すると、ドライブをフォーマットするか聞いてくるようなインストールの段階がなく、そのままアップグレードインストールになってしまう。まあ、それでも特に問題はなくインストールもやはり30分ほどで完了し、今度はプロダクトキーが正しくない云々も言われなくなった。ただし、前にインストールした分のバックアップである、Windows.oldというフォルダが残ってしまった。

Windows.oldが消せない

このフォルダは消せばいいだけだと思って合計約2.8GBをまとめて消去にかかったが、これが消せない。多くのファイルがTrustedInstallerの権限になっているとかで、自分が管理者権限であっても消せないのである。これまたネットを検索して調べると、ディスククリーンアップで消せるという。Windows上で不要なテンポラリファイルが溜まったとかを消してくれるやつだ。どこにあるのかよくわからず、参考にしたblog記事でもそうしていたように検索で見つけたのだが、後で見たら、エクスプローラからドライブ (ローカル ディスク(C:)) のプロパティを開くと利用量を示すパイチャートの右下にボタンがある。ここで更に、システムファイルのクリーンアップを選ぶと、消去候補にWindows.oldが出てくるので、これでめでたく消去できた。実際にはこれはWindows 8.1にアップグレードしてから行った。

あらためてWindows Update

あらためてWindows Updateを実施。ファイルをダウンロードしている間はまるでプログレスバーのようなものはまるで変化がなかったが、1時間ほどしてからか、どうやらダウンロードが終わって適用が始まったらプログレスバーも動き出した。しかし、先に中止したときに、途中までアップデートがダウンロードされていたのがわかったので、今回もじっと待ったが、なかなかこれだけの時間画面が何の変化もないのに待ち続けるのは不安だ。まあ1年分たまっているからかもしれないが。更新が始まってからも延々待たされ、リブートがかかってからも更に時間がかかり、結局全部で3時間近くかかったのではないかと思う。

Windows 8.1へのアップグレードも時間がかかる

これでめでたくストアにWindows 8.1が現れて、アップグレード開始。ところが、ダウンロードを始めてすぐに失敗してしまう。もう一度やってもダメだったのと、これもダウンロードに時間がかかるだろうからと、それまでずっとWi-Fi接続でやっていたのをやめて、100Mbpsではあるが有線LAN接続にしたら、すんなりダウンロードが進んだ。とはいっても、ここからアップグレード完了までまた2時間ほど。これでようやくWindows 8.1のインストール完了。ずいぶん時間がかかった。元のインストールはたったの30分だったのに。

さて、正常にインストールができたものの、ネットブックでWindows 8.1を使う上での問題点は次の記事で。

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ネットブックの延命措置

主に旅行時に持って行くのと、望遠鏡のコントロール用とに使っている、4年余り前に買ったネットブック、Lenovo ideapad S10e だが、Windows xpのサポート終了ということもあり、どうしたものかと考えていた。望遠鏡専用にするならネットにつながないで使ってればいいかというと、彗星のデータアップデートなどでネットにつながないわけにいかない。買い替えるとして、最低限の性能のもので構わないのだが、ステラナビゲータが動いてもらわないといけないので、いちおうWindowsパソコンである必要がある。ネットブックブームの去った後、タブレット製品はあっても、あまり安いWindowsパソコンもないので、ここはもうしばらくideapadを延命して使うことにした。

OS

着実に考えれば、Windows 7 にすればいいのだが、手持ちに余分なWindows 7のライセンスがない一方、Windows 8発売時に値段の安い間にと買ったまま放置してあったものが1つある。世間一般の人は新しくパソコンを買ったら嫌でも使うはずであるWindows 8を、コンピュータ関連の仕事をしている身でありながら、自分でさわったこともないのではいけないと思って、常用マシンでは使わなくとも、別パーティションに入れて試してみるくらいはしようと思いながらも、何もせずに放置したままだった。いつの間にかもう8.1が出ている始末だ。

ネットを見るといちおう、ideapad S10eでのWindows 8の稼働実績もあるようだし、ステラナビゲータ9ももちろんWindows 8には対応済だ。

ドライブ

とはいうものの、もし何かトラブルがあって望遠鏡コントロールに使えなくなってしまったりしたら困るので、ここは、今の環境はHDDごと温存しておいて、新しいドライブに入れ替えてそちらにインストールすることにしたい。どうせ換装するために新しいドライブを1台買うならば、試しにSSDにしてみようかと値段を調べると、128GBのものなら安いものなら8,000円くらいで買える。元が160GBのHDDなので、少し目減りすることになるが、それほどでもない。これで高速化が図れれば御の字だ。買ってきたのは、ADATAのASP600S3-128GM。

ドライブ換装

まずは裏蓋のネジ2本をはずし、まだ両脇をひっかけているツメに注意しながらはずす。中のHDDをスライドさせて取り外し、マウンタの金具からHDDを取り外して代わりにSSDをネジ止めする。厚さは元のHDDが9.5 mmに対し、このSSDは7 mm厚で、スペーサなども同梱されているが、マウンタ金具にネジ止めするだけで特に何もする必要はない。そのまま本体に戻して蓋をしておしまい。この作業は何の困難もなかった。なんとなく蓋がふくらんでいるような感じがしないでもなかったが、気のせいだろう。

Windows 8 インストール

さて、もう8.1は出ているものの、手元にあるインストールDVDは8なので、まずはこれをインストールしてからオンラインで8.1にアップデートすることになる。ポータブルDVDドライブをUSB接続して、電源投入後にF12 (Fn + F11) を押しながら起動してインストールDVDからブートさせる。アップグレード版なのだが、HDDを換装しているためクリーンインストール。インストールはすんなり進み、特に旧バージョンの存在確認などもなく、アカウントにMicrosoftアカウント (旧Windows Live ID) を使うのに多少とまどいを覚えつつも、30分ほどで完了。

そのまま次は8.1へのアップデートに進めばいいのだが、そうは問屋が卸さなかった。この後遭遇したトラブルについては、次の記事以降で。

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PowerShot S120でお気軽撮影 (その2)

お気軽撮影ズームアイピースセット PowerShot S120 + Nexstar 5SE

前の記事では画角について調べたが、今回は、お気軽撮影ズームアイピースセット + PowerShot S120を使って撮影してみて色々と気付いた点など。まあ、細々としたティップスがたくさんあるようではあまりお気軽とは言えないような気もするが。

ピント合わせ

コリメート撮影でピントを正確に合わせるのはなかなか面倒だ。望遠鏡の方にもピント調節はあるし、カメラの方にもピント合わせがある。一方を固定して他方だけで合わせるのが基本で、カメラ側では無限遠に固定して望遠鏡側 でピントを合わせるのが普通だろう。視力の正常な人、あるいは正常に矯正された人なら、カメラ挿入前にアイピースからのぞいてピントが合っていればその状態でピント無限遠に設定したカメラで大体ピントが合っているはずだ。しかし、より正確にピントを合わせたい場合は、望遠鏡側でピントを動かすにもかかわらず、 カメラ側をマニュアルフォーカスの設定画面にして、フラッシュマークのボタン (右側ボタン) を押して画面拡大率を×4にすると見やすくなる。その状態で望遠鏡側のピ ント調節を行うとよい。

MF

ちなみに、S120に限ったことではなくコリメート撮影一般の話になるが、アイピースを眼視したときに、近視の視力の目にちょうど合うように望遠鏡側でピントを合わせた場合、望遠鏡のピントを動かさずにカメラ側でピントを合わせることができるか試してみた。望遠鏡側で近視に合わせた分はカメラ側で近距離側にズラせばピントが合わせられる。逆に言うと、遠視の人が望遠鏡で ピントを合わせた状態だと、カメラ側では無限遠より遠い位置にピントを位置を持って行かなくてはいけないので不可能ということになる。まあ、実際にそんな ピントの合わせ方をすることもないと思うが。

セルフタイマー

S120にはリモートレリーズがつかないので、望遠鏡に取り付けて撮影する場合はブレ防止のためにセルフタイマーを使うことになる。一般的には10秒は集合写真撮影用、2秒がブレ防止用だが、望遠鏡ではなかなか2秒以内で揺れがおさまらないことが多い。10秒を使うか、それでは長すぎるのであれば、カスタム設定で5秒とか適切な長さの1回に設定しておくといい。

また、前に少し書いたが、リモートレリーズが使えないことで、押しっぱなしで連続撮影やリモートレリーズのプログラム機能での撮影もできない。CX1にあったインターバルタイマのような機能もないが、最低限10枚までなら、セルフタイマーのカスタム設定で連続撮影できるので活用したい。あるいは、もっと原始的に何かでシャッターボタンを押さえ続ける方法を考えるのもいいかもしれない。昔の機械式リモートレリーズをコンパクトカメラで使うために胴体に巻きつけて使うものがあったが、S120の本体が小さ過ぎてうまく使えなかった。100円ショップで売っているオモチャのようなミニ万力みたいなものだとうまくいくのではないだろうか。

素材の保存

連続撮影でもうひとつ。星空インターバル動画での撮影の際には、MENUの設定項目の中に素材の保存という項目があって、動画の1コマ1コマが別途静止画として保存される。動画はハイビジョン解像度の1920×1080ドットだが、保存される静止画は最大で4000×2248ドットになる。同じことが、星空軌跡でもできてよさそうな気がするが、こちらにはこの設定はなく、1コマ1コマの保存はできないのが残念だ。

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ふたご座流星群 (2013)

去年に続いてふたご座流星群を写真撮影してみた。運悪く前日から風邪で高熱を出して寝込み、まだ完全回復には至らない状態だったので、ずっと外で眼視することはせず、カメラをセッティングして連続撮影させて、また後で取り込むだけにした。一応、月明かりを避けて月没後から薄明の始まる前の間で、90分間ほど撮影した。風邪でずっと寝続けていたので、逆に変な時間に起きるのは問題なかったし、撮影中も寝ていた。

今回は、デジイチのEOS 60Dに加えて、PowerShot S120でも連続撮影してみた。まずは、60Dの画像から。マンションの非常階段の踊り場に三脚をセッティングして、ズーム最広角でどこにも引っかからずに狙える空は限られているので、ほぼ去年と同じ方向を狙っている。時刻が遅いので星の位置は少し違う。去年の撮影データを見て、もう少しISO感度を上げて明るく撮ってもいいかなとも思ったが、比較も考えて全く同じ設定で撮ることにした。違うのは継続時間だけ。去年は実際に横で眼視しながらいる間だけ撮影していて、20分ほどで退散したが、今回は放置して後で回収。まあマンション内だし持って行かれたりすることもなかろう。念のため、天体写真撮影中の表示を貼っておいた。

で、合計828枚の写真を重ねたのがこちら。

2013Geminoidふたご座流星群 2013/12/14 03:49~05:21 Canon EOS 60D, EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II (18mm F4), ISO800, 6sec×828, KikuchiMagick

去年、約20分で3つ写っていたのに比べると、撮影時間の割に少なく、画面上で確認できる流星状のものは6つ。しかも、ふたご座の方向が画面の外左上の方向で、ふたご座流星群の流星と認められるのはそのうち2つだけだ。

04:3105:17
04:3105:17

残り4つのうち、2つは特徴が似通っている。時刻的に近いし、向きが同じなことと、速度が遅く、複数コマにわたって写っている。連続して写っているコマを1枚にまとめたが、途中に少し途切れ目があるのがわかるだろう。しかもそのおかげでわかったのだが、見かけ上下から上に向かって飛んでいる。一直線上に乗っているようなので、同一物体で、回転しながら光を反射してる人工衛星だろうか。(追記: ステラナビケータで調べたところ、中国の遥感1号 (RSS-1 YAOGAN 1) という衛星がちょうどその時間その位置を通過していたことがわかった。ステラナビゲータさまさまである。)

05:01 05:02
05:0105:02

残りの2つもやはり複数コマにわたって写っているが、こちらはどちらも順方向。時刻と場所はバラバラ。これらも速度から考えれば人工衛星か。

03:59 04:20
03:5904:20

一方、PowerShot S120で撮った方。こちらはリモートレリーズから連続撮影できないし、CX1のように内蔵インターバルタイマもないのだが、星空動画撮影時に、素材を残す設定にすると、各コマの静止画が1枚ずつの画像ファイルとなって残るので、それを利用した。ただし、撮影されるのは1分間に1枚だが露出時間は8秒だったので、残りの1分間あたり52秒間は撮影されずに無駄に捨てられている。にもかかわらず、こちらの方が運良く大きな流星が捉えられていた。アスペクト比が16:9なのは動画モードだから。

03:59

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