2009年10月 のアーカイブ

国立天文台VERA石垣島観測局



石垣島には、到着した日に訪れた105cm光学反射望遠鏡のある天文台とは別に、国立天文台の日本各地に置かれた電波望遠鏡の集合体で構成される、VERA (VLBI Exploration of Radio Astrometry) というシステムの観測局として電波望遠鏡が一基設置されている。場所は、天文台とはまた別の場所で、市街地からは天文台より少し遠いところにある。こちらは電波望遠鏡なので夜でないと星が見られないということもないので、出発日の朝に空港に行く前の時間を利用して見に行くことにした。行くのは電波望遠鏡の本体の威容を眺めるためだから、昼間でないとよく見えないかと思ったら、夜はライトアップされていて、それはそれできれいなのだそうだが、結局時間の都合上、出発日の朝のうちにレンタカーを借りてトンボ帰りしてきた。

単に外からアンテナを眺められるだけだろうと思って行ったのだが、見学は自由にできます。中でパンフレットを用意してあります。と門のところに書いてある。ちなみにアンテナ施設を囲っている塀の門のところの両側には沖縄ならではのシーサーが乗っていた。

行ったときは、ちょうどアンテナが真上を向いた状態で、何も観測していない様子だった。ひととおり周りから写真を撮ったあと、アンテナの奥の方にある小さな建物におずおずと入ると、確かにパンフレットが置いてあったりポスターが貼ってあったりするが、中に入るとすぐ観測用の制御機器が置かれた部屋だった。中に人がふたりいて、ちょうど担当者が交代 (長期的な意味で) するところなので引継ぎをしているところだという。アンテナも調整中で真上を向いた状態になっていたということだ。特に決まった見学用のプログラムがあるわけではないようで、用意されたパンフレットを手渡されて、たまたまそこにいた人が色々と説明してくれた。一人対一人なので、話もこちらのレベルに合わせてくれる。

この電波望遠鏡は、VLBIのひとつをになうアンテナだということは知っていたが、さて、それで一体何を観測しているかというと、簡単に言うと、このシステムで銀河系にあるたくさんの星の位置をひとつひとつ精密に測定して、銀河系の立体地図をつくる作業をしているのだということは、恥ずかしながら行って説明を聞いて初めて知った。

備え付けの来客簿を見ると、見学者はまあ来るときはある程度来るが、毎日毎日来るというほどではなさそうだ。しかし、地元の高校生などを招待して、観測を体験してもらうようなことなども行われているそうだ。

たまたま調整中で観測をしていなかったたらだが、じゃあちょっとアンテナを動かしてあげましょうか、といって、コントロール用のパソコンの画面にコマンドを打ち込み、最後のエンターキーを押させてくれた。ちょうど観測室の方を向いてできるだけ水平に近い角度を向くようにセットして動かしたので、窓から大きなアンテナのディッシュがこちらを向くのが見えた。動いているところは、ビデオカメラは必要ないと思ってしまったまま置いてきてしまったなあと思ったが、考えてみればCX1の動画機能で撮っておけばよかった。真上を向いているときは結構離れているが、横を向くとディッシュがかなり自分に近づいて更に迫力がある。

横にしないとディッシュの内側が見えなかったのだが、そんなわけで動かしてもらえたので、2種類の状態が見られて幸運だった。ディッシュのフチのところを見ると、少し本体から離して電線が張ってあるが、これは避雷用のもの。ディッシュ中心の焦点部分にある受信部の丸い覆いの周りに、細かいギザギザの形状をしたものが一周しているが、これも何か電気的なものかと思ったら、こちらはよく考えてると見たことがあるものと同じ形状をしている通り、鳥除けだとのこと。鳥が巣をつくって糞をしたりすると、腐食の原因になるので、近寄らないように設置されているそうだ。

ちなみにこのアンテナは三菱電機製。この手のものは昔は富士山レーダーにはじまって、野辺山の電波望遠鏡や、ハワイのすばる望遠鏡など、みんな三菱の独壇場らしい。

眺めて帰ってくるだけのつもりが、色々と話を聞いたので、予定よりずいぶん時間を費やしてしまった。それから帰ってレンタカーを返して空港に送ってもらわないといけないのだが、時間に余裕をみておいてよかった。お礼を言って観測室を出た後、向きの変わった後のアンテナの写真をまたひととおり撮って、帰途についた。

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「月面中継 成功への軌跡」

NHKのBSの世界のドキュメンタリーで、「月面中継 成功への軌跡 (前編・後編)」 (原題: Live form the Moon) という番組をやっているのを見た。

アポロ計画で、月面からのテレビ中継がどのように行われたかを扱ったドキュメンタリーだが、40年もたって、今まで聞いたこともなかった裏方事情がたくさん出てきて驚いた。アポロ計画については今までもさんざん色々なことが取り上げられて報道されたことと思うが、こうやって日の目を見ていなかった情報もまだまだたくさんあったのだと感心する。まあ、どこかでは報道されていたのかもしれないが、少なくともこういうことにある程度は興味をもって見ている私の目にもとまったことはなかった。それとともに、これまでずっと疑問に思っていたことの理由がいくつかわかってすっきりした。番組は翻訳ものだが、元の番組も今年の製作で、今になってこういう事情を発掘してきた製作者と、また日本に翻訳して紹介した担当者に拍手を送りたい。

ここで番組の内容をなぞることはしないが、今回解消した私の以前からの疑問は次の3つ。

1つ目で最大のものは、アポロ11号で月面から中継された、着陸船の前で飛行士が動いている有名な白黒の映像。単に画質が悪いのはともかく、動いている飛行士の映像が尾を引いたように見えるし、飛行士が着陸船の前を横切ったときに、どうも幽霊のように少し透けて見える。いくら画質が悪いテレビでも前にかぶさったものが透けて見えるはずがないだろうから、これは妙な映像だなあと以前から思っていた。しかし、一時期アポロ計画は嘘だったみたいな話が流行ったときも、色々と理屈に合わないと言う点を指摘したりしている割には、このことで何か言っているのは聞いたことがなかった。まあ、それが計画が嘘だったという理由にもできなかったからかもしれないが。そもそも、あまりあの映像が透けて見えて変だと言う人を聞いたことがないのだが、みなさん何とも思わないのだろうか?

さて、透けて見える理由は次の通りだ。ドキュメンタリーの中でも透けて見えるのがヘンだが、こういう理由だという説明がされていたわけではないが、どのように中継が行われたかという説明を聞いて納得がいった。当時の技術では、通常のテレビ放送規格のテレビ映像信号を月面から中継するのは無理だった。そこで、電波の帯域を減らすために、まずカラーではなく白黒、走査線の本数も減らし、コマ数も1秒に10コマという、スロースキャン方式のテレビ方式にした。現在ならコマ数を落として撮影しても、パソコン上ででも動きがカクカクしながらでも見られるように、いかようにでも処理できるが、当時としてはそんな技術もない。遅いスキャン速度で撮影した映像は遅いスキャン速度で表示するブラウン管に映して見るしかない。テレビ中継では、そのスロースキャンのブラウン管に映した映像を、通常のテレビカメラで撮影したものを放送していたというわけである。そんなことをしていたとは今になって初めて聞いた。

これで画質の悪さと、(6分の1の重力による動作そのもののではない) 映像の動きの鈍さは説明できるが、ではどうして透けて見えるのか。スロースキャンのブラウン管で映像をちゃんと見るには、普通のブラウン管に使われるよりも残光性の高い蛍光体を使わないと前のコマとの映像がつながらない。逆に、そのために動きの早い映像では前のコマの映像が残ってしまう。背景でずっと固定している着陸船はずっと同じ映像が映っているので、蛍光体はその映像の残像が強く残り、動いている飛行士の映像が重なっても半分透けたように見えるという理屈だ。

次に2番目。最後のアポロ17号の着陸船が帰還のために月面に下半分を残して上昇していくシーン。カラー映像なのだが、基本的に色彩のない月面と、着陸船自身も全般的に白くあまり色彩のあるものではない。ところが、エンジンを噴射して上昇する際の、噴射の炎ではなくて、周囲に飛び散るおそらくは吹き上げられた石片などが赤青緑と色とりどりに色づいている。これも何かの技術的な事情によるものだろうとは思っていたが、これもどんなカメラを使っていたかを聞いて納得。

最初の月着陸に持って行くカメラはまずその白黒低解像度スロースキャンカメラと決まっていたが、やはりカラー映像もなんとか中継したいと考えられた。当時のカメラは撮像管という真空管の一種でできていて、小型化には限界があった。しかも白黒ならそれがひとつで済むがカラーカメラには光の三原色分の3本の撮像管が必要になり、カメラが巨大になってとても月に持って行くわけにはいかないのだった。そこで考えられたのが、カラーホイールによる単管でのカラー伝送方式である。この方式はカラーテレビの開発初期に一度は考えられたものだが、実用的には少し問題があるため、その当時としてももはや過去のものとなっていた技術である。3色それぞれの撮像管の映像を同時に重ねて伝送する通常の方式と違って、1つの白黒カメラの前で3色のカラーフィルタをつけたホイールを回転させて1コマごとに各色の画像を順番に送っていく方式である。これなら、撮像管はひとつで済むのでカラーホイールの分が増えるだけで、カメラは比較的小型で済む。

実用放送に採用されなかった理由でもあるこの方式の欠点は、動きの早い映像で色ズレが起こることである。カラーフィルタが次の色に切り替わったときには撮影対象は既に動いているので、その差の部分では色が正しく表現されない。アポロでは、この欠点に目をつぶって、カメラの小型化を優先したわけだ。カラーホイール方式は、現在でもDLPプロジェクターで同様の原理のものが使用されている。スキャンが高速なのであまりわからないが、画面を見ながらすばやく瞬きをしたりすると、色が割れて見えるのがわかる。さて、そう言われて他の月面からのカラー中継映像を見てみると、確かに動いているもののフチの部分が色づいて見える。

そんなわけだから、画面の上でゆっくり上昇する着陸船はそれほど不自然ではなくても、まわりに高速で飛び散る石片はそれぞれ一箇所で1つの色のフィルタにしか映らないから、色とりどりに見えるという次第だ。

ちなみに、この映像にはもうひとつエピソードがあって、上昇していく着陸船を地球から操作するリモコンカメラで追っていくのだが、電波が届くのに時間がかかるため、画面で着陸船が上昇するのを追いながら操作したのでは遅い。前のアポロ16号のときにもうまく撮影するのに失敗していて、もう次がなくなったアポロ計画最後の17号で、最後のチャンスとなったが、このときには無事うまく撮影できたというのは、この番組で見るよりも以前から聞き知っていた。しかし、着陸船が月面を離れた後ももちろん電気の残っている間は月面上に残されたカメラは動いていて、そのカメラで上部の上昇した後の残りの台座部分をアップで撮影した映像は、私としてはこの番組で初めて見た気がする。

さて、最後の3つ目は少しオマケのような感じだ。月面に人類最初の一歩をしるす瞬間として飛行士が着陸船のハシゴを降りている有名な映像は、実は最初に降り立ったアームストロングではなくて2番目に降り立ったもうひとりのオルドリンが降りるときの映像である、なぜなら最初に降り立つ前にカメラが月面にあって撮影しているはずがないから、とまことしやかに言う話を何度も聞いたことがある。そんなはずはないのだが、よく事情を知らない者が単純な推測からそんなことを言うのかもしれないが、実によく聞く。

実際はどうかというと、四角形をした着陸船の台座部分の角の位置にあるハシゴを降りるアームストロングを、横方向、四角形の辺の位置にあるカメラから狙って撮影されている。まあ、それで先に人が降りて撮影していたのでないことがわかるには十分だが、とはいえ、それではそのカメラが実際どのように着陸船本体にくっついていたのかは実は見たことがなかった。番組ではそこも詳しく紹介されていた。

着陸船の側面の一部が蓋のように開くようになっていて、カメラはその内側に装着されていた。着陸後その蓋を開くと中からハシゴの方向を狙ったカメラが外側に出てくるという仕組みだ。第一歩の撮影後は、飛行士がそこからカメラを取り外して使用する。装着の都合上、第一歩の撮影の状態ではカメラが上下逆さまになった状態にしかできなかったため、(おそらく先のスロースキャン=通常映像変換をするところで) スイッチひとつで画面の上下を入れ替えられる仕組みが用意されていたのだが、最初はメインのアメリカの中継局では気付かずに逆さまの映像を送っていて、バックアップのオーストラリアの中継局からの映像が正しく上下切り替えていたので、あわててそちらに切り替えたといったエピソードもはじめて聞いた。

と、まあ、こんなところだが。本当に興味深い番組だった。

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今回の石垣島でのダイビング

天候はあまりよくなかったものの今回のダイビングはそれなりに楽しめたと思う。

使ったダイビングサービスは、バタフライ ダイブオーシャン。それほど大きなところではなくて、姉妹店の名前でシュノーケリングのツアーもやっているので、お客さんの数にもよるが一緒のボートに乗る。船はなかなか立派なボートだ。初日は、ファンダイブ客は私ひとり、あとはシュノーケリングと体験ダイビングだった。

潮の干満の時刻にもよるのだろうが、午前中のシュノーケリング客は浜島という、浅瀬で干潮時にだけ砂浜が現れる島に行ってまず浅いところで練習するらしい。その間に、自分はガイドとマンツーマンでダイビング。なので、ポイントはその浜島のすぐ近く。次は、シュノーケリング組も深いところへ一緒に移動してサンゴのきれいなところを上から眺める。

一旦港に戻って昼食後、午後は別のポイントへ。それから石垣島といえば一番有名なのは川平石崎マンタスクランブルだが、そこに向かう。もちろん海況次第だが、今回は幸運なことに1日目に行けて、2枚のマンタを見ることができた。体験ダイビングの人は、タンクで潜るのは1本だけで、あとはシュノーケリングだけで、先のポイントで潜ってしまってるのだが、追加料金でということで、私と一緒に、ガイドもそれぞれについてマンタを見た。

2日目は、ファンダイブ客も多く、結構にぎやかだった。ファンダイブと体験ダイブとシュノーケリングと、交代交代で全体としてはなかなかあわただしい感はあるが、他のチームの活動中はこっちはゆっくりしていられる。客の中には船に弱い人も多く、待っている間に気分が悪くなってしまった人も多いようだった。自分はダイビングボートで気分が悪くなった経験はほとんどない。2日目と3日目は、いちおう最後にマンタスクランブルに行けたら行くということになっていたが、海況が悪く、竹富島方面になった。その3本目は前の2本でビデオのバッテリを使い切っていたのに、交換するのを忘れていて、ビデオが撮れなかった。ガイドも、それまでは見せたものを色々撮っていたのに、何も撮らないから怪訝に思っていたようだ。

3日目は、ファンダイブ客2人だけで、他のダイビングショップの船に乗り合いとなった。ポイントが昨日とかぶったが、ちょうどビデオを撮り損ねたところにもう一度行って撮ることができて、かえってラッキーともいえたかもしれない。

今回は、1日目のマンタと、3日目の最後に大物狙い以外は、比較的小物系で、特に小さいエビ関係が色々撮れた。しかし、小さいものは、ビデオで撮るのはなかなか難しくて、まだまだ修行の必要がありそうだ。穴の奥の方のものだと、せっかくライトがあるのだが、ハウジングに固定位置でライトを取り付けてある現在の構造では、うまく穴の奥を照らせなかった。後で考えてみたが、シューの部分からライトを取り外してしまって手持ちで照らせばよかったかもしれない。残念なのは、比較的浅場でサンゴのきれいなところも多かったのに、日差しが差すことがほとんどなく、色彩があまり映えなかったこと。さすがにワイドの映像はいくらいいライトがあっても全体を照らすことはできない。

何度潜っても、ちょくちょく失敗をやらかす。先に書いた電池切れの他にも、1日目の後にライトを充電するのを忘れていて、2日目は残りを気にしながらの点灯だった。1日目の最初のダイブでは、潜る前に外の景色を撮るためにワイドレンズをはずしたまま潜ってしまって、ワイドレンズを使えなかった。かと思うと、ワイドレンズをつけたまま、小さなものを撮るのにズームしてしまっていたりした。ワイコンは本体のズームがワイド端で使わないと画像周辺部が流れたようになり、中心部もピントが合わなくなるが、ファインダーでのぞいていても解像度が低いのであまりよくわからない。テープの止め忘れも以前からよくやる。場合によっては、ON/OFFが逆転して、必要ない間テープが回っていて、撮りたいところで止めてしまっていたりすることもある。これからも、よくよく気をつけないといけない。

今回、楽だったのは、ボートがダイビング専用で後ろの部分全体が折り畳み式のラダーになっていたこと。立ったままジャイアントストライドで入ってもいいのだが、カメラを持って入るのにエントリーしてからスタッフに後でカメラを手渡ししてもらわなくても、ラダーのところに座って、そのままゆっくり入れば、自分でカメラを持ったまま入れる。いちいち他人の手をわずらわせなくてよくていい。

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スリープイン石垣島

今回宿泊したのは、スリープイン石垣島。 今回の旅行は旅行代理店などを使わずに手配したので、インターネットで簡単に予約できそうなところを探してここにした。ホテル自体は、東横インだとかいったところと同じようなスタイルの簡便なビジネスホテルという感じだ。ネットブックを買ってから、個人旅行の場合でも宿泊先にネット環境が必須になったが、もちろんここも大丈夫。部屋は結構ゆったりしている。ちょっと見慣れなかったのは、トイレとお風呂は少々狭い苦しいユニットバスなのだが、洗面台だけはユニットバスの中になくて、普通のユニットバスの中にあるのよりは立派なものが独立して部屋側についている。

チェーンのホテルなのでどこも同様のサービスなのだろうが、石垣島に特有なのは、やはりダイバーが多いせいか、ホテルの建物の脇にちゃんとしたダイビング機材洗い場と機材干しロッカーが用意されていること。1,000円の保証金でロッカーの鍵を借りる。鍵を返すときに保証金は返金されるので実際は無料だ。最終日はダイビングの後機材を持ち帰って、ここで洗ってから干しておけば、翌朝出かける前までそのまま干しておける。ダイバー専用の宿ではないのにこのサービスはうれしい。そのかわり、室内のユニットバスでは、浴槽に傷がついたりするので、機材を洗ったりしないようにと注意書きがあった。

立地も市内の繁華街からほんの少し離れたところだが歩いて行ける距離で、今回は雨でちょっと出歩くのが億劫だったが、そうでなければ全然問題ない。朝食は無料でついていて、それほど豪華ではないがバイキング形式で、私にとって朝食としては十分なものだ。

石垣島で、市内に泊まるなら、また使ってもいいと思う。

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FIX LED1000 DX を使用して

今回のダイビングの一番の注目点は、新しく買ったライト、FIX LED1000 DX での試し撮り。

結果からいうとライト自身としては十分満足だった。光の広がり具合は申し分ないし、明るさも十分。電池の持ちも十分で、残量インジケータもあるのでわかりやすい。ノブの操作も問題なく、明るさを調節できるので近すぎるときも明るすぎることもなくていい。大きさもカメラのハウジング本体に対してバランスは悪くはない。

気になったのは2点ぐらいか。まずは、光の色。陸上で見るとほぼまっ白、少し青すぎるくらいに思うのだが、水中で照らしてみると、どうも赤紫っぽく見える。周囲が青いのに目が慣れてしまっているせいで、白い色を見ると逆に色づいて見えるのではないかと思う。実際に撮影した画像を見ても、オートホワイトバランスのせいでやはり一部分だけライトの光が当たって、周囲の青い自然光と混ざっていると、ライトの光が赤紫っぽく見えてしまうようだ。画面全体が照らされているとそうでもないようだが。

まあ、これはこういうものなのだろう。これまでの色温度の低いライトだと、もともと黄色っぽい色が更に赤みがかって見えていたのだろうが、もともとそんな傾向の色なのでそんなに不自然に思わなかったというだけのことだろう。ライトの光が十分に当たっているときは、やはり鮮やかだ。

もうひとつは、このライト自体の問題ではないが、取り付けネジ穴の位置の問題。購入時の記事でも触れているが、ハウジング側のシューの位置が前に使っていたライトに合わせていたために、このライトを使った場合には位置がずいぶん後ろにずれてしまっている。ライトの後ろの方がカメラのハウジングよりも後ろに飛び出る形になる。照らすこと自体にはそれほど問題はないが、後ろに飛び出た部分が撮影者本人の額のすぐ上に来る。頭に当たるわけではないのだが、自分の吐いた息の泡がライトの後ろに飛び出た部分に当たって、構えているカメラが振られてしまう。そんなことが起きるとは、実際に使ってみるまで予想しなかった。次回までに、短いアームのようなものをはさんでライトの位置が前に来るようにできないか工夫してみたいと思う。

ま、全般的にはとてもいいので、これで心置きなく、古いライトを処分できる。

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石垣島天文台

石垣島に到着して、まずダイビングの前に、到着日の夜に石垣島天文台に行ってきた。

天文関係にはそれなりに興味があり、また石垣島はダイビングポイントとしても有名なところなのだが、恥ずかしながら、石垣島に天文台があることを、今回石垣島に行くことにして色々調べている中で偶然気がつくまでは知らなかった。

もっとも、そんなにずっと以前からあったわけではない。2002年にVLBI観測局のひとつとしての電波望遠鏡が石垣島に建設され、光学望遠鏡のある石垣島天文台は2006年から一般公開がはじまったとのこと。

夜に望遠鏡で実際に星を見せてくれる観望会は、毎土日祝日に行われていて予約が必要。今回の日程では、到着の日だけが開催日だが、後の日はダイビングをしてその後は場合によってはダイビングで一緒した人と食事や飲み会があったりするかもしれないことと、そんなに高くないとはいえ山の上なので潜水後の高所移動は減圧症の可能性があるということもあるので、ちょうど都合がよかった。

しかし、もう行く少し前からわかっていたが、滞在中を通して天気が悪く、到着したときも曇り空から夜になると雨が降り出した。とりあえずその日は連れもいないし、簡単に食事をして、本来ならそれから天文台に向かう予定だったが、雨なので観望会は中止と勝手に思い込んで食事の後のんびりしていた。しかし、念のためにと天文台に電話してみると、雨でも施設の見学と映像を使って解説をしてくれるということで、あわててタクシーを拾って雨の中を天文台へ。

天文台の駐車場は、光害を避けるためか、天文台の建物から少し手前のところにあって、そこで車から降ろされる。事前に、天文台近くの道は暗くて足元が危ないのでライトを持ってくるようにと言われていたのだが、食事先から直接タクシーを拾って行ったので、せっかく荷物に入れてきたマグライトはホテルに置いたままだった。前方の真っ暗な山道を見て一瞬途方に暮れてしまったが、iPhoneのライトアプリのおかげで助かった。まあ、単に画面を点灯するだけでも多少の明かりにはなるが、ライトアプリは、画面全体を真っ白にしてバックライトも最大輝度にしてくれる。これで結構なライト代わりになった。

数分遅刻して中に入ると、既に望遠鏡のドームの中で、ビデオ画面を使って解説がはじまっていた。たぶん最初に望遠鏡の説明があったのかもしれないが聞き逃してしまった。反射望遠鏡の主鏡部分には2つの半円形部分に分かれて両側に開く蓋がついているのだが、ビデオでの説明中に閉じられてしまった。望遠鏡の写真は説明の後で撮ったので、蓋が閉まった状態である。

望遠鏡は鏡筒に包まれているわけではなく、副鏡を支えるフレームがむき出しの状態で、ぶつかりやすそうな部分は危険防止のために黄色と黒色の縞だったり、フレーム部分は黄色だったりするので、望遠鏡というよりは、何かの作業機械のような雰囲気である。

ともあれ、雨で実際に星を見ることができなかったのは残念である。また機会があれば、行ってみたいところだ。


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石垣島

先週丸々休みを取って石垣島にダイビングに行ってきた。前が去年の春なので1年半ぶり。

旅行会社のパッケージツアーは使わず、航空会社のマイレージが半端な量だけ期限切れでなくなってしまうので、ポイントに交換して、それを足しにして早期購入割引運賃で航空券を購入した。宿はネットで予約できるところを探して、市内にあるビジネスホテルを予約。ダイビングサービスは最近の雑誌をながめてよさげなところを選んだ。

台風17号、18号が去った後で、天気はよくなるかと思っていたが、残念ながら滞在中はずっと天気はあまり芳しくなかった。昼間はほとんど曇りで時々雨が降り、たまに日が差す程度。夜になると結構な量の雨が降る日が続いた。南の島の青い空のイメージは全然味わえなかった。

石垣島のことを調べていると、これまで知らなかったのだが、国立天文台の天文台が石垣島にあることに気が付いた。一般の見学も行っていて望遠鏡も覗かせてくれるというので予約を入れておいた。この光学望遠鏡の天文台とは別に、石垣島には電波望遠鏡も設置されている。滞在中はずっとダイビングをしているので、島内観光は全然しないのだが、この2ヶ所は訪問予定地とした。

ダイビング旅行の詳細は今後の記事で。

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2010年1月の金環食

実際には一度は雨で見られなかったものの、2年連続で皆既日食を見に行ったので、日食といっても、部分食はもとより、金環日食に対する興味も低下していた。というのも、金環食は、太陽と月が完全に重なっても太陽表面に一部は見えていて、まわりが夜のように暗くなることがないのは、食分の大きい部分食と大差ないからである。2002年に既にサイパンで一度見ているというのもある。

そんなわけで、次に起こる日食は2010年1月15日の金環食なのだが、それにはあまり注意を払っていなかった。ところが、今日、去年の日食のときにツアーの資料を請求した日通旅行からパンフレットが送られてきた。来年7月のイースター島の皆既日食にしてはちょっと早すぎるし、イースター島はさすがに行くのは大変だから行かないよなぁ、と思いながら見てみると、1月の金環食の方だった。ところが、目を引いたのはそのツアーの行き先。モルディブと中国と書いてある。あまり興味がなかったので見られる地域をよくチェックしていなかったが、今度の金環食は、モルディブが金環食帯のど真ん中にある。それから、また中国もある。

モルディブといえば、世界でも有数のダイビングスポットである。一度は行ってみたいと思いながらも、日本からは少し距離があるので、結構高くつくのと、雰囲気的に男一人でいくのはちょっと気が引けそうなところでもあり、今まで行ったことがなかった。しかし、日食とセットということであれば、これを機会に行って見るのもよさそうだ。

一方、中国の方は、金環食帯は中国大陸を斜めに横切ってはいるのだが、大きな都市は重慶と、このツアーの行き先になっている青島くらいである。ところが、その青島での詳細データを見てびっくり。ちょうど日没寸前に金環食が起きて終わった直後に日没となるようだ。おまけに青島は中国の東の端の方にあるものの、市街地の西側には大きな湾がある。向こうの陸地がどのくらい見えるものかよくわからないが、対岸にもそれほど高い山もなさそうである。雲次第だが、金環食の日没という珍しい光景が楽しめるかもしれない。

ちょっとこれは考えてみる価値があるかもしれない。

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