2013年11月 のアーカイブ

星空インターバル動画

PowerShot S120の3種類ある星空モードのうち、残るは星空インターバル動画。名前の通り、この機能では動画が作成される。1分に1コマ撮影してそれを15fpsの動画にしてくれる。昨夜はずっときれいに晴天だったので、設定可能な最大の2時間の撮影を行った。これで8秒の動画になる。ハイビジョン画質の動画になっているので、高解像度の画面でご覧になっている方は、YouTubeの再生解像度を上げて、フルスクリーンでご覧いただいた方がいい。

冬の星座 2013/11/29 21:46~23:46 Canon PowerShot S120

見えている星座の角度と地平線との位置関係がいまひとつだったので、地上風景は入れないアングルで撮影したが、よく考えたらこれだと画面をパンしているだけなのとほとんど変わらず、やはり地上風景があった方がよかったかもしれない。途中、流星のような光跡が何度か入るが、残念ながら全て飛行機である。

バッテリーの持ちが云々というのをネットで見かけたので、2時間撮影にあたっては念のためにフル充電のバッテリーと交換してから行ったが、終了後に見たら、3つあるバッテリーの目盛りが2つになっているだけだった。2時間をあともう1回行っても大丈夫そうである。

昨夜は早い時間に会社の帰りに時々星空を撮影している公園でも星空夜景を撮影してみた。ちょうど夏の大三角形がまだ西の空に沈む前でビルの夜景の上に見えていい感じだった。はくちょう座のデネブが画面上端ぎりぎりで、もう少し沈んでからの方がレイアウト的にはよかったかもしれないが、地表近くの空は明るいので下の方の星が埋もれて見えにくくなってしまうので、このくらいが限度だったか。

夏の大三角形夏の大三角形 2013/11/29 18:58 Canon PowerShot S120, 5.2mm F1.8, ISO400, 1.6sec

昨日の記事では、マニュアルのできるコンデジなら同じような絵が撮れるはずと書いたが、この写真をよく見てみると、どうも単純に星がよく写る露出設定にしてくれているだけではないらしいということに気がついた。建物のフチに微妙に暗い影のようなものがにじんでいたりして、少し不自然な感じがする。星がこれだけ写るくらいの露出にすると、本来地上のこれだけ明かりが灯っている景色はもっと露出オーバーになってしまうところを、画像処理で星空と地上風景を切り分けて、地上風景は地上風景だけで適正露出にして星空と合成しているのではないか。建物のフチの暗い部分は地上風景の露出で撮った際の本来の夜空の暗さだろう。確かに、キヤノンのwebをよく見ると、星空夜景の説明に「星空と夜景を、それぞれ適切な明るさになるようカメラが自動で長秒時撮影を実行。」と書いてある。

また、このカメラのレンズ、この写真の中の星の明るさぐらいでは周辺で多少星像が細長くなっているくらいだが、地上の明かりの部分を見ると盛大にコマ収差が出てしまっているのが残念だ。まあ、この風景ではかえってそれが光条効果フィルタをかけたようでにぎやかしになっていいかもしれないが。上の動画でも左下に見える一番明るい星、木星ではコマ収差が見て取れる。

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北天ぐるぐる

誰が最初に言ったか知らないが、北天ぐるぐる。北極星を中心に同心円を描く星の日周運動による軌跡のことで、あちこちの天文ファンのblogなどで使われているので、ここでもその名前を使うことにする。

昨夜はきれいに晴れる予報だったので、先日失敗したPowerShot S120の星空軌跡撮影に再挑戦しようと待ち構えていたが、なかなかきれいに雲がなくならず、夜遅くなってやっと晴れてきたので、そこから1時間かかるのを承知で撮影開始。今回は、前のように途中で雲が出てくることもなく無事撮影完了できた。

北天星空軌跡北天軌跡 2013/11/29 01:12 Canon PowerShot S120, 5.2mm F3.5, ISO160, 30sec × for 1hour

前回の写真は北極星を画面の中央に、横位置でセットしてあったので全部が空だったが、ちょっとそれでは面白味がないと思い、画面を縦位置にして下に地表の景色を入れる構図にしてみた。しかし、やはり一発目は北極星中心ははずせない。他の方角の軌跡写真は、また追い追い撮っていきたい、ただ、地上の景色が暗い山かげなどではなく、街灯が煌々と光っているので、もしかしたらその光につられて全体に露出が減らされて星がまばらになってしまったかもしれない。地表近くの光害もひどいし。なるべく天頂方向の空だけというのも撮ってみたい。

ところで、カメラをセットして撮影開始して放置し、部屋に戻ってきたところで地震があった。まあ、地震の揺れは広角の画像だしあまり影響はないだろうと、そのまま撮影を継続しておいたのだが、写真を拡大してよく見ると、微妙に軌跡がゆがんている部分がある。地震が発生したのは撮影開始後3分くらいなので、軌跡が一番大きく折れ曲がっているよりはずっと早いのだが、地震の揺れの結果クランプが少し緩んで徐々にカメラが傾いていったとかいうことがもしかしたらあったのかもしれない。今後の撮影でもこのようなゆがみが出ないか要確認だ。

北斗七星北斗七星 2013/11/29 02:14 Canon PowerShot S120, 5.2mm F1.8, ISO400, 3.2sec

軌跡撮影後、星空夜景モードというのの方で1枚モノの静止画も撮ってみた。こちらも地表風景を入れたおかげで、星があまりよく写っていないかもしれない。しかし、北斗七星、北極星、こぐま座の一番外側の2つ、りょうけん座のコルカロリは、目を凝らさなくても見えるくらいには写っている。他のコンデジでもマニュアル設定のできて、そこそこレンズのF値の小さいものなら正しく設定すれば同じように撮れるのだろうが、一体絞りの値をいくつの、シャッタースピードをどのくらいにとかいう知識の全くない人でも、カメラを三脚に載せて星空モードにセットしてシャッターボタンを押すだけで誰でも星空写真が撮れるというの はすばらしいことだろう。ただし、このモードでは全部自動で融通は利かないので、今後はマニュアルでも色々試してみたい。

星空モードであと残るは星空インターバル動画モード。これも近々試してみたい。

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ヘール・ボップ彗星のおもいで

今、アイソン彗星が注目の真っ盛りだが、ここで過去の彗星の話を。

私が昨秋に望遠鏡と一眼レフを買って本格的に天文趣味を始めるまで、実際に目にした彗星といえば、1997年のヘール・ボップ彗星ただひとつだった。つまり、生まれて以来1997年までは天文好きでありながら彗星の実物は一度も見たことがなかったし、その後も昨年末リニア彗星を観測するまでもお目にかかることはなかった。彗星といえばなんといってもハレー彗星だが、子供の頃はハレー彗星のことを本で読んで、子供にとってはずいぶん先の自分が大人になった頃に回帰してきて過去の記録にあるような大きな彗星が見られるものと楽しみにしていたのに、実際に来てみると、地球の軌道上の位置との巡りが悪くて観測条件が悪く、結局見ずじまいだった。

1996年の百武彗星は日本でも長い尾が見られた彗星だと言われるが、見た記憶がない。よく観測できたのはほんの数日間だったからのようだ。熱心な天文マニアで接近前からよくウォッチしていればともかく、たまに書店で天文雑誌を立ち読みして情報を入手している程度では、知らない間に行ってしまっていたのだろう。他にマスコミで事前に騒がれた彗星はたくさんあったが、どれも結局普通に見られるような大きな彗星になった試しはなかった。そして、近年現れた大きな肉眼彗星、2007年のマックノート彗星と2011年のラブジョイ彗星 (C/2011 W3。今見えているC/2013 R1のとは別モノ) はいずれも南半球でしか見られなかった。

そんな中、1997年のヘールボップ彗星は、普通の生活をしていても見られる夕方の西の空にずいぶん長い期間見られ、都会の光害の空でも、もちろんハレー彗星で想像していたような雄大なとはいえないまても、確かに尾をひいたホウキ星の姿が、肉眼でしっかりと見られた。休日に自宅からも見たし、平日に会社で夕方に建物の外に出て皆で眺めたりもした記憶がある。

HB Cometヘール・ボップ彗星 C/1995 O1 1997/04/12 夕刻 CONTAX T2, 38mm, F2.8, 1sec

写真も撮って、しっかり写ったと思った記憶があったので、古い写真を掘り返して探しだしてきたのがこの写真。とりあえず、プリントをスキャンしてみた。画像はプリントされた状態をスキャンしたままで、特に調整はしていない。当時しっかり撮れたと記憶していた割には、見てみるとかなりショボい写りだが、やけに小さく写っているのは38 mmというどちらかというと広角で撮っているせいでもあり、逆に、まあまあ、記憶している実際に肉眼で見た風景の感じそのままに近い。明るさも、よく見るとペルセウス座の2等星、3等星がなんとか写っていて、ちょうど都会の空の見え具合程度だ。彗星のすぐ右隣は変光星で有名なアルゴルである。なぜ38 mmで、もっと望遠で撮らなかったのかというと、おそらく当時特に星を撮るのに適したカメラを持っていたわけでもなく、最も長時間シャッターの切れるのが、この写真を撮ったコンタックスT2だったからだと思う。

ここから16年近くを隔てて昨年末以来、リニア彗星、パンスターズ彗星、アイソン彗星、ラブジョイ彗星(C/2013 R1)、と見てきているが、写真に写ったのを見るのでなく眼視では、リニア彗星は望遠鏡でかすかに、パンスターズはまあ小型双眼鏡で見えたが肉眼では見えず、アイソン彗星が肉眼でかすかに一度だけ、あとは双眼鏡以上で。ラブジョイも双眼鏡では楽に見えたが肉眼では確認できたことがない。アイソン彗星がこのあと明るくなって少なくともヘールボップ彗星より明るく見えるようになるだろうか? たとえ明るくなったとしても、早朝日の出前に起きて見ないといけないから、天文に関心のない人には全く見てもらえないだろうから残念だ。

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Canon PowerShot S120 購入

PowerShot S120

話が前後するが、2ヶ月ほど前の記事に書いた後、ずっと気になったままで、買おうかどうしようかと思っていたが、3日前の日曜日にとうとう購入した。

発売後徐々に値段が下がっていって、そろそろこのまま落ち着くくらいで買い時かな、と思っていたら、秋の連休前になったからか、一旦急に値段が上がってしまった。またしばらくして値段が下がってきて、元の底値近くになってきたから、今度こそ買うか、と思ったところに、キヤノンからキャッシュバックキャンペーンの発表があった。S120は5,000円のキャッシュバックがあるというので、それが始まるのを待って購入することにした。

ところが、まあ予想はしていたが、当てにしていた店舗の店頭価格は、キャンペーン開始とともに約5,000円上昇していた。通販サイトなどでは、特にそういう値上げはしていないところもある。キャンペーン開始前はほぼ同じくらいの値段がついていて、それならいつも訪れる店舗で買いたいと思っていたのに、これでは困る。客側からすれば同じ金額で買えるからいいだろうということかもしれないが、キャッシュバックの手続きは面倒だし、キャッシュバックはキヤノンが持っているのだから、店側はその分値段をあげたら丸儲けである。

そう思いながら店頭で値札を眺めていると、店員さんの方から声をかけてきたので、素直に、先週見たときは今の値札よりちょうどキャッシュバックキャンペーン額分くらい安かったですよね。そのときの値段にしてくれたら買うんですが。と言ったら、店員さんはちょっと確認してきます、と言ってしばらくして戻ってきて、一発で、OKです。とのこと。多少値段の攻防があるかなと覚悟していたのだが、あっさり通ってしまった。そんなわけで、めでたくほぼ元の底値で更にキャッシュバック付きで購入できた。

で、今、その店舗の通販サイトでもう一度値段を確認してみると、キャッシュバックキャンペーン開始直後は通販サイトの値段も店頭の値段と同じく値上がりしていたのだが、もうまた値下がりしていて、私の買った値段より少し高いくらいになっている。おそらく店頭でも値段を下げているのだろう。

さて、購入してまず最初はやはり星空モードを試してみた。この日は前線が通過してひどい風雨になる1日前の夜できれいに晴れ上がっていた。静止画の「星空夜景」を数枚試し撮りした後、1時間の「星空軌跡」の撮影をセットして放置した。カメラの固定には三脚ではなく、金環日食の際にサブカメラ用に用意したケンコートキナーのクランプポッドを使って、非常階段の手摺りに固定した。軌跡撮影中も途中経過がモニタ画面で見られるので、時々チェックしに行って、30分くらいのときは順調だったのだが、そろそろ終わる頃と思ってもう一度外に出てみると雲が流れてきていて、せっかくの軌跡画像が台無しになってしまっていた。30分でやめておけばよかった。そういうわけで、星空軌跡の初回撮影は失敗に終わった。が、せっかくなので、記念にその失敗写真をここに載せておくことにする。ほんのわずかだけ明るい星の軌跡が見て取れる。

日周運動失敗作

まだあまり色々と機能は試していないが、星空モード以外にはWi-FiでiPhoneへの転送も試してみた。これまで、Eye-Fiカードは使っていたが、CX1に入れて使っているのは古いもので、スマホに直接送る機能がなく、EOS 60Dで使っている方はその機能はあるが、そんなに普段持ち歩くわけでもなく使う機会が少ないので、セットアップするのも面倒そうで使っていなかった。このS120は自前でWi-Fi機能を持っているので、このカメラ用にEye-Fiカードは買わず、とりあえず手持ちで余っていた普通のSDHCカードを使っておくことにした。

iPhoneに転送用のアプリを入れて、直接カメラから写真を取り込めるようになったので、これで出先でiPhoneのカメラではちょっとうまく撮れない対象をコンデジで撮影したときにでも、それをすぐにネットに上げたりすることができるようになった。これで便利になる。

もうひとつ、テレスコ工作工房で、S95にはじまるこのシリーズ用のセレストロンズームアイピース用のアダプタが売られていたのの、S120版の製作もされるということが正式に発表になって、これもぜひ手に入れたいのだが、問い合わせてみたら、既に大人気でアイピースとセット販売を優先しているので、私のように既にズームアイピースは持っていてアダプタだけ欲しいという人は後回しになってしまうようだ。まあ、気長に順番が回ってくるのを待とうか。

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水星と土星の接近

アイソン彗星の近くにいた水星と土星が今朝最接近した。距離は月の直径よりも近い。前夜は前線の通過でひどい風雨だったが、未明にはきれいに晴れそうなのはGPV気象予報を見てチェックしていたので、アイソン彗星のとき同様早起きして撮影してみた。

水星と土星の接近水星と土星の接近 2013/11/26 05:32 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (100mm F5), ISO800, 1sec

2日前の写真と比べると、惑星が動いているのがよくわかる。右側にてんびん座α星も見えるので、こちらが天球上の位置の基準だ。当然だが、大きく移動しているのは水星の方である。

望遠鏡で撮ったのが次の写真。水星が思いの外明るくて、以前に金星と土星の接近を撮ったときと同じく、土星が写るようにすると水星は明る過ぎで光があふれて、この写真で写っているのは実際の水星の大きさではない。そのときよりも更に高度が低くて星像も揺れまくっていたので、動画で撮って、拡大画像でもないのにRegistaxしてみたが、それでも残念ながら土星は単なる楕円にしかならなかった。

水星と土星の接近水星と土星の接近 2013/11/26 05:41 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO1600, 1/30sec×390, Registax 6

アイソン彗星と違って、かなり明るくなってからも、しっかり輝いて見えている。この時点で、アイソン彗星も地平線から昇っているが、当然見えない。ついでに言うなら、エンケ彗星も。

水星と土星の接近水星と土星の接近 2013/11/26 05:46 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (65mm F4), ISO800, 1/4sec

最後は、カメラレンズで最大望遠で撮ったもの。

水星と土星の接近水星と土星の接近 2013/11/26 05:47 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (250mm F5.6), ISO800, 1/4sec

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水星と土星 (アイソン彗星見えず)

毎日一日遅れの日付での報告になっている。

昨朝はアイソン彗星が太陽に近づいていく前に見ておける最後のチャンスかと、運良く近くに揃っている水星と土星とアイソン彗星の3つが揃った写真を撮ろうと、ここ連日同様に早起きして撮影にかかった。彗星が昇って地平線上に見えてから空が明るくなって見えなくなるまでの時間が短いので、カメラレンズで2惑星との共演を狙うだけに目的を絞って、望遠鏡での撮影はなしとした。

しかしながら、残念なことに水星、土星と昇ってきても、徐々に明るくなってきている空の中に、ぼんやりした光のアイソン彗星は、肉眼はおろか、双眼鏡を使っても、カメラで撮影しても全く確認することができなかった。

水星と土星水星と土星 2013/11/24 05:28 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (116mm F6.3), ISO3200, 2sec, Canon DPP

写真では一番明るいのが水星、左下に土星。そして、土星の右の方に2.75等星のてんびん座α星はもちろん、水星と土星の間の水星の方に3分の1くらいのところに5.32等星のてんびん座μ星も写っているのだが、3等星くらいにはなっていると思われるアイソン彗星は光が拡散しているせいか写らなかったようだ。本当は、土星から真横に、地上にパラボラアンテナが見えるもう少し右あたりにあるはずなのだが。望遠鏡で狙っていれば見えたのかもしれないが、背景光に埋もれてしまっているということなら、望遠鏡を使ってもやはりもうダメだった可能性も高いと思う。

ところで、こうやってたまたま水星と彗星が近くにあるので、ひとつの話の中で両方が入り混じって出てくるが、読みが同じなので、ややこしいこと極まりない。文字にしてしまえば問題ないのだが、パソコンで文章を入力しているときは、変換候補に直前に採用したものが出てくるので、気をつけないと間違った方の漢字に確定してしまって意味の通らない文章になってしまいそうだ。口頭で話をしているときはもっと困る。ミズボシ、ホウキボシ、とか、マーキュリー、コメットとでも言い換えて話をしないとどっちのことを言っているのかさっぱりわからなくなる。

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アイソン彗星 (その6) ― 再び肉眼で見えず

初めて肉眼で見られた前日に続いて、昨朝も続けてアイソン彗星の観察、撮影をした。

どんどん太陽との距離が近づいていることにより、彗星の明るさは増加していく一方、彗星が地平線から現れてから、日の出が近づいて空が明るくなって見られなくなる間の時間が少なくなってくるし、見えている間の彗星の地平線からの高度も低くなって、観察条件は悪くなってくる。前日がその折り合いが一番よかったらしく、今回はまた肉眼では確認することができなかった。望遠鏡にカメラをセットして撮影すればしっかり写ってはいるが、前日よりはやはり条件が悪い。その撮影条件の違いによるせいか、見えている尾の形状がずいぶん違う。青い光が薄明光にかき消されてあまり写っていないせいか。

アイソン彗星アイソン彗星 C/2012 S1 2013/11/23 05:28 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO3200, 4sec×52, StellaImage 7 Metcalf composite.

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アイソン彗星 (その5) ― 肉眼で見えた

アイソン彗星は近日点通過までいよいよあと1週間となって、見える位置も地平線に近づいて観測条件は悪くなってきたが、それにも増して増光してきていて、かえってよく見えるようになってきている。昨朝ははじめて肉眼で確認することができた。

望遠鏡で撮った画像もコンポジット処理をしてみると、尾が縦縞になっているところまで浮かび上がってきた。ちょっとピントが甘いようだが、思った以上によく撮れたと思う。

アイソン彗星アイソン彗星 C/2012 S1 2013/11/22 05:14 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO3200, 8sec×25, StellaImage 7 Metcalf composite.

近くにはスピカ、水星、土星があって結構にぎやかだ。エンケ彗星 (2P) も写野内にあるはずだが、全く写っていない。

アイソン彗星スピカ、アイソン彗星、水星、土星 2013/11/22 05:27 Canon EOS 60D, EF50mm F1.8 II (F2.8), ISO400, 2sec, Photoshop 7.0

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ラブジョイ彗星 (その2)、アイソン彗星 (その4)

11月20日未明に撮影したラブジョイ彗星とアイソン彗星。

ラブジョイ彗星は、前回は、かに座プレセペ星団と一緒にカメラレンズで撮ったものはよかったが、望遠鏡で撮ったほうがあまりうまくなかったので記事に掲載もしなかったののリベンジ。あまり尾はそれとわかるほど写っていないが、核は非常に明るく輝いている。

ラブジョイ彗星ラブジョイ彗星 C/2013 R1 2013/11/20 04:10 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO3200, 8sec×12, StellaImage 7 Metcalf composite.

そしてこちらは本命のアイソン彗星。空の条件にもよるのだろうが、1週間ほど前に撮ったものよりずいぶん写りがよくなっているようだ。当初、アイソン彗星よりラブジョイ彗星の方が見やすかったが、もうアイソン彗星が追い越してきている感じだ。

アイソン彗星アイソン彗星 C/2012 S1 2013/11/20 05:18 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO3200, 8sec×12, StellaImage 7 Metcalf composite.

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恒星データ

先日、アイソン彗星 (その2) の記事よりも前に、アイソン彗星を撮影したものの、ほとんど見えたとは言えないくらいにしか写っていなかったのでこのblogで記事にはしなかったときの話。写真の星の並びと、ステラナビゲータの星の並びを見比べて、写っているのが本当にアイソン彗星か同定しようとしていたときのこと。1ヶ所、写真の上では結構明るい星が2つ近くに並んでいるのに、ステラナビゲータの画面の方では表示等級下限を下げてたくさん星を表示させてもそこに星は1つしかいないという状況に出くわした。他の星の並びは一致していて、アイソン彗星もその通りの位置にあり、その区域であるのは間違いない。そこから少し離れたところにある、もっと暗い星がやはり近距離に2つ並んでいるものもちゃんと2つステラナビゲータにも出ている。

つまり星図に載っていない星ということで、まあめったなことはなかなかないとは思うが、万が一もしかしたらこれが新星の発見だとか新しい小惑星や彗星の発見だったらどうしようなどとふと考えた。まずは、そこにステラナビゲータに表示されている以外に本当に星がないのか確認しないといけないが、もうそこでどうしたらいいかわからない。私が他に持っている紙の星図なんかはもちろんステラナビゲータよりもっと明るい星だけしか載ってないし、小惑星や彗星のデータはない。ステラナビゲータも、細かい小惑星のデータなんかは全部持っているものなのかどうなのか。とりあえず最新データにアップデートしてみても同じである。ステラナビゲータの恒星のデータは何種類かのレベルのものを切り替えられるようになっていたようにも思ったが、恒星のメニューを見てもよくわからなかった。そもそも問題となっている星よりずっと暗い星がたくさん載っているのに、それより詳しいデータを持ってこないと、その明るい星のデータが載ってないなんてことがあるのか? 非常に接近した星は1つにまとめてあるのかというと、先に言ったように、もっと暗いペアがちゃんと別々の星として出ている。小惑星や彗星なら、動いているかどうかを確認すればいいが、夜明けギリギリに撮影したわけなので、次の撮影チャンスは地球の裏側のリモート望遠鏡でも使えるのでなければ、丸一日近く待たないといけない。

まあ、よくわからないが、本当に何か発見したのなら早い者勝ちの原則があるので何か見つけたことを表明しておかないといけないと思ったが、これまたどうすればいいのかわからない。どこかの天文台に知らせるのか、どこの窓口に?

それでまあ、とりあえずtwitterでつぶやいておけば、いちおう記録にはなるかと、アイソン彗星の近くに、ステラナビゲータにはない恒星があるみたいだが、どうやって確認すればいいんだろうか、と恒星の番号とともにツイートしておいた。

私をフォローしている人も限られているので、これを見て星の偉い人が教えてくれるとかとは思っていなくて、あくまでも万が一新天体だったときの証拠のための記録のつもりだった。ツイートしちのが11月9日未明に観測した後の午前6時。ところがなんとその日の午後2時過ぎに、ツイートの文中にステラナビゲータと書いてあったから拾ってもらえたのか、アストロアーツさんからじきじきに、恒星データを切り替えて確認するとよくて、TychoやUSNOにすると確かに2つ星が並んでいるようです、と返信のツイートが来て教えてくれた。恒星の番号を書いておいたから、実際にちゃんとその星を確認までしてくれている。アストロアーツさん、なんて親切なんだ!!

先に見た時にはなんとなくよくわからなくてあきらめてしまったのだが、そうはっきり断言されると、もう一度ステラナビゲータを見なおして、マニュアルもよく見てみると、インストール時に拡張恒星データをインストールしていないとそれらのデータは見られないのだが、標準インストールではGSC-ACTというデータ以外は含まれていないので、メニューの選択肢に出てこないのだった。早速データをインストールして、切り替えて見ると、確かに写真の通りに2つの星がすぐ近くに並んでいるのが確認できた。

ということで、何の新天体発見をしたわけでもなかったということがわかった (笑)。

しかし、恒星データというのは、ある等級以上の星はきっちり全部載ってるとか、そういうわけではないのだなということもわかって勉強になった。

実写画像実写画像

GSC-ACTGSC-ACT恒星データによるステラナビゲータ画面

TychoTycho恒星データによるステラナビゲータ画面

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