2015年4月 のアーカイブ
磁気圏観測衛星「あけぼの」
去る4月23日に磁気圏観測衛星「あけぼの」が26年にわたった運用を終了したのを機に撮影することに。普段よく撮影しているISSや、他の大型の衛星に比べるとかなり暗くしか見えないので、空の条件のいいところに撮影に行くことになった。
が、まずは事前に自宅で、どのくらい写せるものなのか試してみた。最初は望遠鏡を使ってみたのだが、その回の予想光度が暗かった (8.9等) せいか、望遠鏡だと拡大しすぎて、長秒露光しても動いている衛星はひとところに光が貯められないためか、はたまた単に何か失敗したのか、まるで写っていなかった。次に、それではカメラレンズで、しかもFがなるべく小さいものということで、50mm F1.8を使って試してみると、今度はなんとかかすかに写っていた。像が引き伸ばされて薄まらないようにするためなるべくシャッター速度を短目にと1秒で撮影した。比較明合成でたくさん撮るときはJPEGだけにするが、今回は写りがかすかで極端な画像処理をしないといけない場合のことを考えてRAWでも撮ることにして、それだとデータ量が増えると嫌だなと思って、連続でなく5秒間隔で撮影したので、合成しても点々の絵にしかなっていない。結局KikuchiMagickでJPEGデータを合成したものを階調強調したのが下の写真。歯抜けになっているのは、衛星の自転による明滅とシャッターの間隔がうまく合わなかったせいだろうか。このときの予想光度は8.5等。ともあれ、これで最悪でもなんとか写ることは確認できた。
アルクトゥールスと磁気圏観測衛星「あけぼの」(EXOS-D) 2015/04/23 04:10~ Canon EOS 60D, EF50mm F1.8 II (F1.8), ISO1600, 1sec×35, KikuchiMagick, Photoshop 7.0, トリミング
さて本番は知人の車に乗せてもらい、行き先は房総半島南端に決定。到着後一旦空が雲に覆われたが、あけぼの通過時には無事晴れてうまく撮影できた。私の機材は先の練習時と同じカメラレンズでの固定撮影。今回は間隔を空けずに連続撮影。空は綺麗だしこの回の予想光度は7.5等で練習のときより条件はかなり良い。カメラで撮影すると同時に、8×42の双眼鏡で眺めていたが、衛星の回転によって2秒おきにピカっ、ピカっと光るのがよく観察できた。
かんむり座と磁気圏観測衛星「あけぼの」(EXOS-D) 2015/04/26 02:43~ Canon EOS 60D, EF50mm F1.8 II (F1.8), ISO6400, 2sec×47, KikuchiMagick, Photoshop 7.0
先ずは上の写真のようにKikuchiMagickで比較明合成してみたが、星の軌跡があまりにぎやかになりすぎて、衛星の航跡があまり目立たなくなってしまった。星像が点になるように位置合わせをしてスタッキングすればいいが、平均をとってしまうと衛星が見えなくなってしまう。そこで今回は、位置合わせをして比較明合成するということをやってみた。
かんむり座と磁気圏観測衛星「あけぼの」(EXOS-D) 2015/04/26 02:43~ Canon EOS 60D, EF50mm F1.8 II (F1.8), ISO6400, 2sec×47, StellaImage 7, Photoshop 7.0
これですっきりした絵になったか。ただし、感度を高くしてノイズっぽい画像を一定方向にずらしながら比較明合成しているので、よく見ると背景のノイズが縞になったようなパターンになって、少し変な具合だ。
せっかく空のきれいなところに行ったので、他にも天の川の写真なども固定撮影でだが撮ってきた。たまたま写り込んだ衛星は、Resurs 1-4 Rocket (#25400) と思われる。
夏の天の川 2015/04/26 03:35 Canon EOS 60D, SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSM (10mm F3.5), ISO3200, 30sec, Kenko PRO SOFTON-A(W), Canon DPP
星検1級合格
受験直後の記事では自己採点では69点で基準点の70点に達せず不合格と書いたが、4月6日に届いた成績通知メールでは、なんと驚いたことに73点で合格となっていた。ちょうど大問1問分の4点差で、どうもあやふやで答えた問題を1問、何と答えたかを覚え違いしてでもいたのかもしれない。なんだか狐につままれた感じでもあるが、ともかく運良く合格したということのようだ。
合格証が届くまでは、まだやっぱり何か採点の間違いでしたとか言ってきたりしないかと少し不安な気持ちだったが、昨日4月17日に無事合格証書も届いた。
とはいえ、合格点すれすれでの合格なので、高得点で合格のみなさんに比べるとあまり大きな顔はできないが、ともあれこれで最高級に合格したので、これで星検に関しては心配する必要がなくなった。
改めて試験結果を振り返ってみると、理屈で解ける問題はできたが、暗記に頼る問題ができなかった感じ。しかしまあ暗記モノといっても、試験対策で意味なく丸暗記するのでなく、自分が実際に望遠鏡で狙ったことの有る星雲星団ならよく覚えているといったこともあるので、色々と経験を重ねて身についていくといいのだろうと思う。
さて、次は秋に天文宇宙検定の方の1級か。
Nexus 7 (2013) にSlimPortアダプタ
投稿者: Erlang カテゴリー: コンピュータとインターネット 投稿日: 2015年4月9日
先日、ちょっとパソコンとプロジェクターを使って発表をする機会があって、プロジェクターを見たところ、最近はプロジェクターにもHDMI入力がついているのだなーと思い、そうすると、確かnexus 7 (2013) からもHDMI出力ができたはずだから、パソコンを持って来なくても、タブレットだけでプロジェクターを使った発表もできるのだなー、などと思った。
プロジェクターを使ったプレゼンでなくても、HDMI入力のついたデジタルテレビでも同じことなので、そもそもnexus 7の使い道のひとつが画像/動画ビューアーであるから、そういう使い方も便利だろう。
それで、nexus 7 (2013) からのHDMI出力方法について詳しく調べてみると、SlimPortというもの (規格としてはMyDP (mobility Display Port)) で、nexus 7をPCと接続したり、この前はUSBカメラを接続してみたりしたのと同じmicro-USB端子からアダプタを通して出力できるということである。なお、(2013) ではない古い方のnexus 7はこの規格に対応していないので注意。
さて、そのアダプタはというと、購入したのはサンワサプライのAD-HD14SPという製品。接続中の給電用のmirco-USB入力もついている。あとは、別途普通のHDMIケーブルが必要。自宅で既に使っているものもあるが、持ち運んで使うことを考えて、線が細いタイプで2 mのものを新たに購入した。
早速自宅のテレビにつないで見ると、本当につなぐだけですんなり本体画面と同じ画像がテレビに表示された。画面の縦・横自動回転に追従してテレビに表示される画面も画面中央に縦長に(縮小されて)表示されたり、横位置だとほぼ画面いっぱいに表示されたりする。ほぼいっぱい、というのは、テレビ画面が1920×1080の16:9画面なのに対して、nexus 7の画面が1920×1200の16:10の画面だからで、上下がいっぱいに収まるように少し縮小されて表示され、左右に少しだけ黒帯が出て、ぴったりdot-to-dotで表示できないのがちょっと残念だ。
まあこれでnexus 7 (2013) の画面を外部のプロジェクターやテレビの大きな画面で見せることができるようになった。ただ、単なるミラーリングなので、手元の画面がそのまま外部画面に出るだけである。何かプレゼンテーションをするときに、スライドショーは外部画面に出して、メモは手元のパソコンの画面で見るといったのと同じようなことはできない。また、micro-USBコネクタを塞いでしまうので、先日記事にしたUSBカメラを接続して表示している画像をプロジェクターやテレビに表示するということもできない。
そういえば、iPhoneでもLightning端子からHDMIに変換して外部画面出力するアダプタが売られていて同じようなことができるのだったが、Apple様の方はなかなかいいお値段がする。
JR横浜線E233系スタンプマーク全揃
JR横浜線に使用されている車両が、昨春から、以前の205系から新しいE233系に順次切り替えられた。横浜線のE233系では、先頭車両の側面に、沿線各駅の駅スタンプのデザインを元にしたマークが描かれている。横浜線では全部で28編成の車両が運用されており、東神奈川=八王子間の横浜線の駅だけでは足りないので、乗り入れている根岸線区間の磯子までと大船の駅も含めて使用されている。
横浜線に乗る度にこのマークを写真に撮影して集めていたが、ようやく全駅分揃ったのでここに一挙掲載してみる。編成の番号と駅順は一致していないので、ここでは駅順に並べておく。根岸線から始まると変なので、下り側の八王子から始めることにする。
撮影は全部iPhoneのカメラで手持ち撮影で行っていることもあり、大きさが揃っていなかったり少し斜めになっていたり、一部にはホームの照明が映り込んでしまっていたり、少しボケてしまっていたりと色々あるが、きっちり修正したり撮り直したりするのも大変なので、撮影する度にinstagramに投稿していたのだが、その際に一応簡単に大きさを合わせていた画像を、そのまま使用することとした。
いて座の新星 2015 No. 2
新星・超新星といえば、これまで、一昨年のいるか座の新星PNV J20233073+2046041や、昨年のM82の超新星SN2014Jを見たが、今回は、いて座の新星 2015 No.2 (PNV J18365700-2855420) である。この長ったらしい数字の符号は何かと思ったら、天体の赤道座標を表している。
場所はいて座の南斗六星の並びの近くでわかりやすい。今の時期は、まだ未明近くにならないといて座が昇ってきて高度が高くならないがあまり待っていると薄明が始まってしまうので、観測できる時間は短く、早起き (あるいは長すぎる夜更かし) しないといけない。光害の市街地のわが家からは双眼鏡で観るか写真撮影しないとわからないが、空のきれいなところなら肉眼で見える明るさである。
いて座の新星 Nova Sgr 2015 No. 2 2015/03/26 04:00 Canon EOS 60D, EF50mm F1.8 II (F2.8), ISO800, 4sec, Canon DPP, Photoshop 7.0
3月15日に光度約6.0等級で発見されて以来、数日間天気が悪くて観測できなかったが、観測できた3月18日には私の撮影した写真のステライメージによる測定で (以下同様) 5.6等だった。それからしばらくどんどん増光していき、私が次に観測できた3月22日にはほぼピークを迎えていて私の測定では4.27等となっている。
そこから減光に転じて5等台に落ち、あとは暗くなっていくだけとばかりと思っていたら、私の測定値は3月26日には少しまた微妙に明るくなっており、その後急増光が伝えられた。1日おいた私の測定値も4等台に戻り、その後は2度目のピークを迎えたらまた減光していくのかと思ったら、これがなかなかそうならずに横這いを続けているというのが現時点の状況だ。私のデータでは微妙に増光し続けているがこれは有意とは言えないかもしれない。それにしても、この不思議な挙動は一体何が起きているのだろうか。そして、この先どんな光度曲線を描くのだろうか。しばらくは目が離せない。
昨日までの私の測定結果を、AAVSO (アメリカ変光星観測者協会) のサイトにある光度測定データのグラフに手動で描き加えてみた。赤色の印が私の測定データ。そこそこ悪くない感じにグラフに乗っているようだ。
RAWデータの写真撮影とステライメージだけでこういう測定ができるのもおもしろい。実は、いるか座の新星のときもやっていたのだが、そのときは単調にゆっくり減光していくだけで、実はあまりおもしろくなかったのだったが。