2016年2月 のアーカイブ

プラレア巡り(14, 15) 伊丹、和歌山

だいぶ時間が経ってしまったが、先月末に大阪に行く用があったついでを利用して付近で残っていた2館を回ってきた。昨秋に行ってみたら閉館だった伊丹市立こども文化会館のリベンジと、和歌山市立こども科学館

伊丹市立こども文化会館

JR伊丹駅から少々歩くが、前回の帰りにイオンモールの中をショートカットできるのがわかったので、今回は行きからイオンモールの中を通って行く。

ここのプラレアポイントは、メガスター常設館では日本最西端というなんだかよくわからないポイントだが、それよりも展示物の方に目を惹かれた。ひとつは、メガスターの前に使用されていたMS-15ATをばらばらにした展示。

MS-15ATMS-15AT

もうひとつは、大平貴之氏がメガスターの前に製作したアストロライナー、かと思ったら実物は解体廃棄処分されて現存しておらず、展示してあるのはテレビドラマ用に製作されたレプリカとのこと。それにしてはずいぶん使っていた感が出ているが。

アストロライナー

大平貴之氏のプラネタリウムを題材にした演劇を行った「宇宙食堂」さんの色紙もあった。

宇宙食堂の色紙

屋上に出ると、ドームを見下ろすことができて、大阪国際空港も眺められる。

屋上からの眺望

投影機はMEGASTAR-IIB itami。かなりコンパクトな投影機だが、ドームの地平線の高さに合わせて設置するために高い柱の上に乗っていて、なんだかそびえ立っているという感じだ。惑星の投影機は割りと低い位置にある。

MEGASTAR-IIB itamiMEGASTAR-IIB itami

ドーム内に大きなプロジェクターが3つ。後からとってつけたせいでうまく壁に埋め込んだりできなかったのだろう、ドーム内に飛び出るように設置されている。おそらく真北にあるひとつが説明画面の投影用で、北北東と南南西ぐらいで向かい合っている2つがデジタルプラネタリウム用だろう。本体むき出しで設置されているため、プロジェクターの漏れ光が気にかかる。

プロジェクタープロジェクター

投影内容はアニメキャラで進行するが、途中でところどころ生解説が割り込むという、ちょっと変わった形式。この回は月がテーマだったが、月の位置を何度もビュンビュン動かすすごい投影だった。月の出月の入り時刻は新聞に載っているという話で例で写されたのが月の出の時刻がない日のもので、わざわざそんな日もあるという説明までするもんだなと思ったら、たまたまその日がそういう日なのだった。

スタンプの設置されている館には、プラレアリウム巡りのガイドブックにスタンプを押す場所が用意してあって、前もって印影が薄く印刷してある。ところが、ここの館のスタンプは季節替わりで4通り用意されていて、いつも同じ絵柄というわけではない。ガイドブックには夏のスタンプの絵柄が印刷してあるが、その上から冬の星座スタンプを押してきた。

季節の星座スタンプ

和歌山市立こども科学館

行く道がよくわからなかったので、表通りでなく1本裏の道から向かってしまったら、正面からは見えないドームがよく見えた。

和歌山市立こども科学館和歌山市立こども科学館

こちらのプラレアポイントはMS-10ATの第1号機と、金子式ダイヤ型投影機の展示。

まずは、ドームの入り口の前に金子式が展示してある。2球式のプラネタリウムと同様の構造だが、恒星球 (球形ではないが) が巨大なピンホール式である。ガラスで囲って有るので、写真に撮るのに周囲が写り込んでしまう。

金子式金子式

ドームに入ってまず気付くのが、客席の配置が妙に変則的なこと。奥の方は一般的な中心向きの扇型の配置になっているが、入り口付近は、真ん中に通路になる部分をはさんで、通路に向かい合わせの向きになっている。映像作品の上映もあるので一方向向きにしたいのと、プラネタリウム上映のときは真ん中向きにしたいのとの兼ね合いの結果だろうか。

入り口付近の座席配置奥の方の座席配置

ここでの投影は、日没のシーンから始まらずにいきなり夜から、自動プログラムでの解説開始、と思ったら、位置がズレていて、再起動してやり直し。自動の解説では、矢印ライトも必要な場所に向けてそれぞれ事前に用意してあって、進行とともに必要な矢印が点灯するようになっていた。位置合わせは、それらを点灯させてプラネタリウム投影機からの星の位置がその矢印に合うようにしていた。

後半はちびまる子ちゃんのドーム映画。プラネタリウム投影機は邪魔になるので、轟音を立てて台座の中に沈んでいく。本当にすごい音だった。沈んだ状態の写真を撮りたかったが、終了後すぐにまた轟音とともにプラネタリウム投影時の位置に昇ってきたので撮れなかった。

ちなみに、プラレアの対象になる前に見ていたのだが、ここのプラネタリウムのwebサイトには、プラネタリウムの構造を詳しく解説した「特別展プラネタリウム投影機のしくみ」というのがあって、非常に参考になる。これは必見。

和歌山市に観光に行くということは、これまでにはなかったし、これからもあまりなさそうなので、駅から近くでどこか見ておこうと思ったところ、和歌山城がすぐそこだったので行ってみた。

和歌山城

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SAMYANG 8mm 1:3.5 UMC FISH-EYE CS II

SAMYANG 8mm 1:3.5 UMC FISH-EYE CS II

前の記事に載せた写真を撮るにあたって今回購入した対角魚眼レンズ、SAMYANG 8mm 1:3.5 UMC FISH-EYE CS II。

今回の5惑星一度見はぜひ撮りたいと思っていたのだが、これまで持っていた最広角のレンズでも一度に画角にはおさまらない。実はキットレンズの最広角よりも広い画角で撮りたくてそのレンズを購入した際にも、超広角のレンズとして対角魚眼も少し考えてはいたのだが、魚眼というのは地平線や人工物の直線がことごとく曲がって写り、非常に特殊な写真という印象が強く出てしまうので、やはり普段から使うのには使いにくいと思い、まずは普通の超広角レンズにしたのだった。しかし今回はとにかく広い画角で空の半分を画面におさめないといけないことから、魚眼の出番である。

魚眼を使わずに狭い画角で複数枚撮ってステッチするという方法もあるが、やはり一度に見られるというのを表現するのには一度で撮りたい。魚眼といえば、つい先日購入したTHETA Sもあって、もちろんこれなら全天一度に撮れて、星もちゃんと写るには写るのだが、やはり画質を考えると一眼レフで撮る写真とは相当違いがある。もちろんTHETA Sでも撮ってはおくのだが。

そんなわけで、今回は魚眼レンズを買ってでも撮ろうという気になっての購入である。魚眼レンズにも色々あるが、もともと対角魚眼を買うとしたらこれと思っていたので、あまり悩まずに購入した。韓国製のレンズで、電子接点がついていなくてオートフォーカスや絞り制御などがなく、マニュアル操作のみという仕様だが、お値段はかなりお手頃なのが魅力で、使っている人も多い。どうせ天体を撮る際にはマニュアルで使うのであまりデメリットはない。絞り値がEXIFに記録されないくらいか。

各社のマウント仕様のものが出ているが、レンズの光学系自体は同じなので、キヤノンのAPC-Cサイズセンサ機の場合は他社のものよりわずかに小さいことから、対角線の画角が180°とはならず、少し写る範囲が狭くなるが、これは致し方ない。まあ、今回の用途としては問題ない。

型番の最後にIIがついいるが、旧機種からの主な改良点は、フードが取り外し可能になったこと。APS-Cセンサで対角魚眼ということは、フルサイズ機で使えばほぼ円周魚眼に近い画像が撮れるということで、仕様外の周辺画質の悪化もそれほどなくていいらしいが、旧機種ではフードを取り外すことができなかったためにフードが画面内に写り込んでしまうので、フードを削り落として使っていた人もいたようだ。それがフードを取り外すだけどよくなったということ。フルサイズセンサ機は持っていないので、これは今のところはあまり関係ない話だが。

さて、実際に使ってみると、どこかのレビュー記事で読んでいたので納得の上だが、開放絞りのF3.5では、とても使い物にならないくらい星の像がにじんでしまう。絞りリングを1クリック絞ってF5.6にするとにじみはなくなるので、もっぱらF5.6で使うことになりそうだ。F5.6以上は1/2段ごとにクリックがあるのだが、なぜかF3.5からF5.6は一気である。もう少し開いても大丈夫なのかもしれないが、そこまで細かく試していない。一方、絞っていると、星よりも明るい街灯などや、今回では明るい月なども含めて、絞りの回折による光条が結構強く出る。これはまあこれで味として受け入れるしかないだろう。

このレンズを購入したおかげで今回の5惑星+月は、まあ自分としては満足の行くように撮れた。先に書いたように、なかなか普段使いには難しいところがあるので、普通の超広角レンズに比べたら出番は少ないだろうが、またうまく役立てられそうな機会をみて活用していきたい。

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同時に5惑星と月

このところ肉眼で見える惑星が、未明の東の空に見える位置に集まっていて、宵の口の夜空には惑星が全然見られなくて寂しい状態になっている。年明けには水星が夕方の空に見られていたのが、今や内合を経て明け方に見えるようになり、これで5つの惑星が全て同時に未明の東の空に見られることになった。

一度に見えるとはいっても、東の端の水星から西の方の木星まで、結構離れた位置に広がっているし、水星は地平線から昇ってからあまり高く昇らないうちに夜明けで見えなくなってしまう。東の地平線ぎりぎりが見通せてかつ、南から西の空に大きな建物などの障害物なく空が見渡せる場所でないと「一度に」見ることはできず、街なかでは結構難しい。我が家も、玄関側の非常階段からは東の地平線は見渡せるし、ベランダからは南側の黄道沿いは見えるのだが、両方一度に見ることができない。ときどき写真を撮るのに使っている駅前の少し開けた場所では、水星が見通せない。

未明の時間なので電車に乗って出かけるのは無理かと思ったが、この時期まだ日の出の時刻はそんなに早くないので、始発電車に乗ってでかけて、水星がちょうどよく見えるのに間に合う時刻に行ける範囲はそこそこあって、よさそうな場所を探して下見しておいた。

そして、一昨日、2月5日の未明は快晴になる予報だったので、予定通り早起きして始発電車ででかけて、多摩川の河原まで行って撮影してきた。

5惑星+月未明の5惑星+月 2016/02/05 05:43 Canon EOS 60D, SAMYANG 8mm 1:3.5 UMC FISH-EYE CS II (F5.6), ISO400, 15sec, Photoshop 7.0

水星が薄明の中に埋もれかけで露出が難しいが、いちおう判別できると思う。そのままの写真では星のどれがどれかわかりにくいので文字を入れてみた。

5惑星+月未明の5惑星と月 (名前入り)

黄道が画面のだいたい中心を通るような構図にしたので、黄道は直線状に写り、惑星と月がほぼ一直線上に並んでいるのがよくわかる。たとえばこれを地平線がまっすぐになるように撮ると、黄道は弧を描くわけだが。次のTHETAの画像でぐりぐり動かしてみるとよくわかる。

THETAで撮った画像はこちら。リンクをクリックするとTHETA.360のサイトに飛んで、ぐるぐる回して見られる。

5惑星と月(THETA)5惑星と月(名前付き、THETA)
未明の5惑星と月 2016/02/05 05:49 RICOH THETA S, 1.31mm, F2, ISO200, 15sec

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