2018年5月 のアーカイブ

ASI290MCで惑星撮影 (その2)

前の記事は、新しい機材を導入したといいながら、撮影した木星の写真だけで、どんな機材かの紹介を全然していなかったので、撮影時の状態を紹介しておく。

その前に、まずはこれまでの状態から。

Zoom Eyepiece + 60D

8-24mm Zoom Eyepieceを購入したときの記事で、カメラにTリングを介してアイピースを接続している写真は載せているが、望遠鏡に装着した全体像は紹介したことがなかったように思う。一般的なアイピース拡大撮影の場合は、アイピースの外側を囲うような筒で望遠鏡本体とカメラが接続されることになるが、ここでの構成では、アイピースの見口側についているTネジで直接カメラのTリングに接続できる。望遠鏡側には、ビジュアルバックというのがついていて、これは、鏡筒本体の大きな穴から、31.7mm径のアイピースを取り付けられる穴に変換するもので、通常、アイピースで眼視観測する場合はこれを装着した状態で、普通のアイピースを挿入して使用しているもの。ここでは、その眼視用のアイピースのかわりにズームアイピースと一体になったカメラを挿入している。

一般的な直焦点の撮影では、このビジュアルバックを取り外して、Tネジのついたアダプターに取り替えた上で、カメラのTリングと接続する。その場合の様子は、カメラ購入時の記事にある通り。

直焦点の場合ですらカメラ側が重くて前後バランスが悪そうなのだが、アイピース拡大撮影の場合は、アイピースの長さが加わって余計に前後バランスを崩している。鏡筒はアリガタレールの一番端まで寄せたところでクランプしているので、これ以上鏡筒を前にずらしてバランスは取れない。しかも、アイピース差込口の部分はスリーブを挿入して横から小さなネジで押さえるだけの構造なので、その後ろにあるアイピース+カメラの全重量を支えるにはいささか心許ない。

とまあ、こんな状況だった。

そして、今回の状態。

3x Barlow + ASI290MC

一眼レフの場合と比べると、ビジュアルバックを使ってアイピース同様の装着の仕方をしているのは同様だが、まあだいぶ軽くて負担が少なくはなっていそうである。

ASI290MCというカメラは赤色をした部分。このカメラを使って撮影と言っているが、実はこのカメラだけではない。間に3倍のバローレンズが入っている。これは惑星撮影ではとても一般的な構成だ。基本形としては、USBカメラは直焦点として使用されているわけだが、そのままでは対象が小さくてあまり大きく写せないので、バローレンズで拡大するわけである。他の機材がだいたいセレストロンなので、バローレンズもセレストロンのX-Cel LXというものを購入したが、実は、今回は使用していないが、ADC (大気分散補正プリズム) というものを使うときに、間にそれを入れたときと入れないときで、拡大率の変わらないテレセントリックというタイプのバローレンズがいいのだそうだが、これはどうもそうではないようだ。

一眼レフの場合と大きく違うのは、カメラの部分までで完結するのではなく、画像を保存するために、ケーブルでつないだ先にパソコンが必要なこと。それが、昨夏に買ったオプションキーボード付きのWindowsタブレット。ところで、カメラとパソコンはUSBケーブルで接続するわけだが、カメラに付属してくるUSBケーブルがやけに太いもので、そのまま接続するとケーブルにカメラが引っ張られてしまいそうなので、細めのUSBケーブルを別途購入してきて使っている。一眼レフで使っているリモートレリーズのケーブルくらいしなやかならいいのだが、このUSBケーブルでも細いとはいってもそこまでではないが、まあこのへんで我慢しておく。

USB Cables
カメラ付属のケーブル(左)と別途購入したケーブル(右)

そしてパソコンというかWindowsタブレットだが、まあキャプチャするための性能的には問題なくて、USB3.0の付いたパソコン相当のものが安く買えたのはよかったが、使い勝手からするとちょっと失敗だったかなとも思う。Windowsタブレットで、タブレット専用のアプリを使う分にはいいかもしれないが、やはりタブレットだけで普通のWindows用のソフトを操作するのは困難だ。結局タブレット単体ではなく、一緒に買ったオプションのキーボード+タッチパッドを使って操作することになる。ところが、タブレットのオプションのキーボードは折りたたみ式のケース一体型のタイプで、キーボードを取り付けたからといって通常のノートパソコンのように画面とキーボードがしっかりしたヒンジでつながった状態になるわけではなく、画面はケース外側の半分を折りたたんで三角形にして支えるタイプのものなので、せっかく小型なのに接地面積はたくさん必要だし安定も悪く、屋外で望遠鏡の脇で使うにはあまり快適ではない。画面が本体にしっかりくっついている普通のノートパソコンの安いものを探した方が、外で使うにはよかったかもしれない。

また、内蔵記憶が64GBのeMMCしかないので、残り空き容量があまりない一方、USBカメラからのデータは非圧縮のAVIファイルなどになるので、ちょっとキャプチャしただけであっという間に大きな容量をくいつぶしてしまう。これは、マイクロSDスロットに容量大きめのSDカードを入れて、直接そこにキャプチャし、そのカードを抜いてデスクトップ機に挿入して読み込むことにした。

最後に、今日未明撮影した火星。

Mars
Mars 2018/05/27 02:28 ZWO ASI290MC, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), X-CelLX 3x Barlow Lens, AutoStakkert!3, Registax6, Trimed.  Duration=180s, Shutter=15ms, Gain=250 (41%), 25% of 7483frames

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ASI290MCで惑星撮影

Jupiter
Jupiter 2018/03/27 01:09 ZWO ASI290MC, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), X-CelLX 3x Barlow Lens, AutoStakkert!3, Registax6, Trimed.  Duration=128s, Shutter=30ms, Gain=290 (48%), 45% of 2763frames

最近、このblogの更新もついついサボっていて、その間、天文関係もいくつか新しい買い物をしたりしているのにここに書いていなかったものがある。そのひとつが、天体用CMOSカメラのZWO社製ASI290MC。今年の火星大接近を見越しての導入である。

これまで惑星の撮影には、直焦点での撮影に使っているのと同じ一眼レフのEOS 60Dのクロップ動画の機能を使って、Celestron 8-24mm Zoom Eyepieceを使ってアイピース拡大撮影をしてRegistaxで処理していた。これでも、まあそこそこの絵にはなっていたのだが、やはり惑星撮影に特化した専用のカメラを使った方がよく撮れるようだし、上記の方法では重たい一眼レフを、31.7mmのアイピースの取付口で支えることになるのが少し危うく感じていたというのもある。

実は昨年の夏にWindowsタブレットを買ったのも実はこのためで、カメラからの画像データをキャプチャするためには高速のUSB3.0インターフェースが必要なのだが、これまで自動導入などに使ってたノートPCにはUSB3.0がなかったからである。カメラもほぼ同じ頃に買って、火星大接近をめざしながら、1シーズン前から練習しておこうと思いながら、少し出遅れてしまって惑星がまるで見られない冬のシーズンに入ってしまっていた。

そして木星が観測好機になってきて、今期の惑星シーズンがはじまってやっと色々試して見られるようになってきた。一眼レフ+ズームアイピースで拡大撮影のときは最初から割とすんなり撮影できたが、CMOSカメラでは色々と設定があってなかなかよくわからず、最初はまともに撮影できるまでに結構かかった。

それで、ようやくまともに撮れだした頃の写真がこの記事冒頭の写真。画像の鮮明度的には以前の方法で撮ったものとそれほど違わないようでもあるが、ちょうど大赤斑がこちらを向いていて、左側には衛星のイオと、その影が木星表面に落ちているのが見える。これまでの方法で撮っていたときにも衛星の影があるときに撮影したことがあるのだが、Registaxしてもまるで現れてきたことがなかったので、これには感動した。

次の画像は、GIFアニメ。こちらも衛星のイオが、木星のすぐ近くに見えたので、動きがわかるだろうかと、一定時間で連続して複数枚撮ってみたら、結構動きがちゃんとわかったが、動画でYouTubeに載せるほどでもないので、コマ送りのGIFアニメにしてみた。GIFアニメをこのblogに載せるのは初めてのことなので、うまく動いて見えてくれるかどうか。

経緯台での撮影なので、たったこれだけの時間でも、視野回転してしまっているのもよくわかる。

Jupiter Anime
Jupiter 2018/05/19 23:19~30 ZWO ASI290MC, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), X-CelLX 3x Barlow Lens, AutoStakkert!3, Registax6, Trimmed.  Duration=120s×5 , Shutter=30.00ms, Gain=258 (43%), 45% of 4000frames

新しいシステムにして改善されたのは、カメラの重さの負担が少なくなったこと、画像の大きさが少し大きめに撮影できるようになったこと。画質については新しい機材を投入した割には少しよくなった程度かな、と思っていたが、空の条件がよかったのか最近撮れた一番きれいな画像では、これまで撮っていた画像に比べるとずいぶん縞模様の細かいところまで現れている。今の鏡筒でこのくらい撮れれば結構満足だ。

Jupiter
Jupiter 2018/05/22 22:46 ZWO ASI290MC, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), X-CelLX 3x Barlow Lens, AutoStakkert!3, Registax6, Trimmed.  Duration=120s, Shutter=30.00ms, Gain=275 (45%), 50% of 3865frames

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プラレア巡り(30) 釧路市こども遊学館

北海道3館訪問の最後は、釧路市こども遊学館。朝から特急スーパーおおぞらに乗車して、4時間26分かけて釧路に到着するともうお昼を過ぎている。

特急スーパーおおぞら

遅い昼食に、釧路の名物だという「カツスパ」をいかにも昭和然とした街の食堂で食べたが、恐ろしくボリュームがありすぎてそのあとずっと具合悪かった。

遊学館までは、釧路駅から歩いて行ける距離なので、重い荷物だけコインロッカーに預けて、バスターミナルで帰りの空港バスのチケットを買って (予約が必要ならと思って前もって行ったが、自販機で便の指定のない、料金だけのチケットを買うだけだった)、上記の昼食から遊学館へ。

釧路市こども遊学館 釧路市こども遊学館

建物に入ったところは全面ガラス張りの吹き抜けでその中に卵状のものが支えられていて、これの上半分がプラネタリウムドーム。下はとても大きな砂場になっている。チケットを購入して建物内部へ。

釧路市こども遊学館

内部の中央も吹き抜けになっていて、ぐるりと螺旋通路がめぐっている。通路の壁には、ところどころに錯視画像が掲示してあったりする。

はやぶさ はやぶさ再突入カプセルレプリカ あかつき イカロス

4回のプラネタリウムドームの入り口付近が宇宙関係の展示。探査機の模型なんかもたくさん展示されている。

月の満ち欠け体験

月の満ち欠けを体験する装置。地球がヘルメット状になっていて、長方形の窓から月を見る (離れたところに太陽を模した投光器)。

釧路市こども遊学館GOTO GX-10-T

投影時刻が近づいてドアが開くと、ドーム内正面でハローキティをはじめとするぬいぐるみが出迎えてくれるのにびっくり。引退した投影機が展示されていたりもする。

ここのスカイライン画像は、市内のなんとか橋からのもの。投影される星の色が鮮やか。なぜか上映中に水平に一回転。投影中の時刻を示すために、アナログ時計の形の画像が表示されるのが珍しかったが、時刻を進めるときにこの針の動きがデジタルで数分間隔でカクカク動いていく。また、ヨソでは基本やってはいけないと聞いたことのある、時刻を進めてからまた戻したりもアリのようだった。

この日は自分は会社で休みに設定されている日だが、世間的にはいちおう連休の谷間ではあるものの平日なせいか、お客さんは少なく、プラネタリウムの観客は私の他には親子連れ1組だけだった。

投影終了後、ガイドブックに館のスタンプをもらわないといけないのだが、ドーム入り口周辺にはそれらしきものはなく、建物の入り口の外の受付のところにあるのだろうと、帰りがけに寄ろうとした。到着時間の関係から、プラネタリウム投影を見たのがそもそも最終投影だったのだが、それが終わった時刻で、館の営業も終了の時刻となっていて、受付ももう店じまいして人がいなくなっていた。受付周囲を探索すると、受付の少し奥の方に、自動スタンプ押印機のようなものがあって、どうやらガイドブックにある印影と同じものが押されるぽいのだが、スリットから紙を挿入して押すタイプで、ガイドブックを挿入して正しい位置に押印することはできそうにない。しばらくすると色々片付け中の係員さんをつかまえることができて、きいてみると、受付のカウンターの中から手で押すスタンプが出てきて、無事押印。

帰りに、バスの時間まで釧路駅で時間をつぶしている間に、駅前の動輪のモニュメントの手前の地面に星座の絵が描いてあるのを発見。

釧路駅前 釧路駅前

踏みつけないように柵で囲ってある。冬の宵の星空になっている模様。南北は実際の方角に合わせてあるようだが、星空を見上げた図で、裏絵にはなっていないので、東西は逆になる。りゅう座の頭が周極星になっているところから、緯度的にはだいたい正しそうだ。おおぐま座、こぐま座、アンドロメダ座、おうし座、おおいぬ座だけが絵柄で描かれ、他は星座線になっているが、これはどういう選択基準だろう? そもそも、この星座絵はどういういわれで描かれているのだろうか??

謎を残したまま、空港バスでたんちょう釧路空港へ。そして飛行機で羽田まで飛ぶ。南南西方向に飛ぶ機内の左舷側の窓側席で、ちょうど昇って少しした月と、その近くの木星が航路中ほぼずっとよく見えていた。以上で、3日間の北海道3館巡りの旅は無事終了。残すはあと3ヶ月弱であと3館。

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プラレア巡り(29) 旭川市科学館サイパル

北海道3館巡りの旅、2日目は旭川市科学館サイパル。ここはカールツァイス巡り4年前に訪問済だが、今回は今回で期間内に訪れないといけないので、2回目の訪問。前回はわざわざ北海道までこの1館だけのために来たので、ついでにスキーに行ったり、旭山動物園に行ったりしたが、今回は本当に科学館に立ち寄っただけとなった。

特急サロベツ

朝早く稚内を出発して特急サロベツで一路旭川まで3時間43分の旅。旭川駅は4年前に来た時に既に今の新しい立派な駅舎になっていたが、隣接部分に当時はまだなかったイオンモールが完成していた一方、西武百貨店がなくなって更地になっていたりした。

イオンモールで昼食にラーメンを食べた後、バスで科学館へ。館内の様子は前回とあまり違わないが、前回は平日の訪問だったのでお客さんが少なかったが、今回は連休中なのでずいぶんにぎわっていた。

前回も見ている旧旭川市青少年科学館で使われていたZKP-1だが、ひとつ着目していなかったところ。支持台のところで投影地の緯度が調整できるようになっているのだが、その目盛りが当然ながら当地の緯度を示している。

ZKP-1

ドーム外側の壁には、最近メンテのためにドイツのカールツァイスから技師が来たとのことで、その様子の写真がたくさん掲示してあった。

カールツァイス技師来訪

ドームに入って投影機を見てみると、どうも前回の写真になはかった小さな補助投影機が増えている。上記のメンテの際に追加されたのだろうか。子午線投影機のように見えるが、子午線投影機らしいものは前からついているのだが。

ZMPZMP

ブラネタリウムを見た後、前回同様屋上の望遠鏡ドームに行って、運良く少し雲がとぎれて見えていたカペラを見せてもらった。

帰る頃の時間帯にはバスの本数がほとんどなく、前回は冬で雪道だったのでタクシーを呼んで帰ったが、今回は気候もいいので、駅まで歩いて戻った。ただしその間ゴロゴロの荷物を左手でずっと引いたままだったせいか、その後左腕の肘に痛みが出た。

翌日は網走で、旭川から網走までは札幌で乗り継ぐことになるが、翌朝旭川を出発することにすると朝がとても早くなるので、今日のうちに特急カムイで札幌まで移動しておく。今回の移動の中では一番短く、1時間25分の乗車。

特急カムイ

札幌でも、どこかで都市星景を撮れたらと思っていたが、引き続き曇天で残念。仕方ないので、以前にも行ったことはあるがテレビ塔に登ったり、ひとりジンギスカンをいただいたりして過ごした。

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プラレア巡り(28) 稚内市青少年科学館

前回のプラレア巡りからずいぶん経ってしまったが、いよいよ今年の7月末が締切なこともあり、残りを片付けなくてはいけない。まずは、ゴールデンウィークの連休を利用して、北海道の3館をまとめて訪れることにした。

北海道にあるからまとめて3館とはいっても、目的地は稚内、旭川、釧路と互いに離れている。行き帰りは飛行機として、北海道は広いので道内の移動も距離を考えたら飛行機という選択肢もあるかと考えたが、経路や便数、費用のことを考えるとあまり飛行機利用にメリットはなく、結局、鉄道利用が最も便利そうなので、そうした。

先ずは稚内の稚内市青少年科学館から。羽田から稚内空港、空港バスで稚内駅の駅前ターミナル。そこから市内のバスに乗り換えて10分ほど。観光案内所でバスの時刻を確認したときに、手前にノシャツプ1丁目というバス停があるがそこではなく、その次のノシャツプと教わった。プラレアのガイドブックにはノシャップ2丁目と書いてあるが、2丁目はなかった。そこから、科学館の裏手にある赤白縞模様の派手な灯台を目指して5分ほど歩くと到着。

稚内市青少年科学館 稚内市青少年科学館

北の地だからか壁には北極星と、両側に北斗七星とカシオペヤ座が描かれていたが、星の並びがちょっと雑 (笑)。

入り口は共通で、中は科学館と水族館がある。水族館は屋外の水槽や実演もある。科学館の展示は極寒の地つながりでか南極観測関係の展示が多く、更に、科学館の建物を奥に抜けて外に出てから別の倉庫の中のような南極越冬隊資料展示コーナーもある。

南極越冬隊資料展示コーナー 南極越冬隊資料展示コーナー

そこに行く途中の通路の脇には、こんな専用の部屋があった。

プラネタリウムソフト開発室

そして、プラネタリウムの入り口はこちら (「星空の劇場」という名前がついている)。

星空の劇場

さて、投影時刻になって中に入ると、ドーム内の照明は真っ赤。天体観測をするときに、暗順応を妨げないように使う赤ライトのような感じだが、プラネタリウムで投影前にこんなに真っ赤にしているのは初めて見た気がする。

稚内市青少年科学館

プログラムは録音済みの自動のもの。先程の部屋で作成しているということか。夕暮れから始まるのではなく、最初はスライドで惑星の解説からで、その後星空に切り替わって星座の解説。さすがに緯度45°以上あるだけあって、だいたい正中している北斗七星の高度が実に高い。

プレセペ星団を双眼鏡で見てみると、細かい星が集まっているのではなくぼんやりとした雲状に見えたのだが、そういう像を投影してるのだろうか?

自動プログラムでの解説中に、矢印型のポインタも動くのだが、こちらの動きだけは手で動かしているように感じた。

解説の終了後は、ゆっくり日周運動を回して夜明けを迎えるのだが、回転があまり速くなくて、日が昇るまでずいぶん待たされる感じだった。

地平線の景色は、プロジェクターで映し出す方式だが、なぜか科学館付近の風景とかではなく、周りじゅう山の中の景色だった。

終了後は普通に白い明かりがついて、投影機も普通の色で見られた。ドーム内の入り口の脇には、なんだか色々なものが展示してあった。

稚内市青少年科学館 稚内市青少年科学館

科学館のすぐ前はノシャップ岬。北に向かって突き出た岬になっているが、日本最北端はもちろんここではなく宗谷岬。

ノシャップ岬

せっかく稚内まで来たからには、日本最北端にも行っておかなくてはいけない。駅前ターミナルに戻って、ホテルにチェックインし、夕食を食べた後、バスで50分ほどかかる宗谷岬に向かう。宗谷岬への到着が19:05。帰りのバスの時間が、17:46発の後21:06発まで1本もなく、日の沈んだ後の現地で2時間余り過ごさないといけない。いけない、というよりも、むしろそんな遅い時間までバスがあるのは好機で、それだけ時間があれば星の軌跡写真が撮れる。日本最北端の地で北極星中心の軌跡写真を撮ると、緯度の高さが北極星の高さで見て取れておもしろそうだ。そんなわけで、荷物になるが一眼レフに三脚、レリーズを用意してきていた。

しかし実際はもう行く前からほぼわかっていたが当日は曇天で北天軌跡写真を撮ることはできなかった。雲を通して月は見えてはいたが、他の星はまるで見えなかった。残念。仕方なく2時間、暗闇の宗谷岬周辺を徘徊して時間をつぶした後帰ってきた。

日本最北端の地宗谷岬灯台道標と月

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