2021年1月 のアーカイブ

2020年の火星準大接近まとめ

昨年、2020年は、2018年の火星大接近の一周後に再び火星の接近があった年で、2018年の大接近が地球の軌道と火星の軌道が最も近づいている点よりもかなり手前での大接近だったため、2020年の接近は最接近点からあまり行き過ぎていないところでの接近となり、2018年の5,759万kmに対して、2020年は6,207万kmと、1割増にもならないほどしか違いがなく、準大接近と呼べるものであった。これが、軌道の最接近点にとても近いところでの大接近だった2003年とその次の2005年とでは、5,576万kmと6,942万kmと、ずいぶん違ってくる。2018年の大接近は、残念なことに大規模な砂嵐が発生して、せっかく接近している時期に模様があまりよく見えないという状況が発生してしまった。今回は最接近したしばらく後に少し部分的な砂嵐の発生はあったが、全体をおおってしまうほどではなく、むしろ砂嵐の発生状況の変化も見て楽しめる程度でよかった。一方、地上の天候がよくなくて観測できない日が結構あったのは残念である。

火星が未明の東の空に見えだしたものの、まだ地球との距離が離れている4月頃に撮影したものから、10月6日の最接近を過ぎて、昨年いっぱいまで撮影した火星の画像をまとめてみた。まだ火星が遠い最初のうちはあまり頻繁に撮影していないし、7月は長梅雨のために一度も撮影できずに大きく撮影日が飛んでいたりと、間隔が一定ではないし、まだ4月の頃の大きさまでは離れていないが、年が変わったところで切りがいいので、ここまで、撮影できた分を全部まとめて順に詰めて並べた。

火星順大接近まとめ 2020/04/25~2020/12/27

こうやって並べてみると、模様がくっきり写っているものもあれば、ボケボケのものもあって、日によってシーイングがずいぶん違うのがわかる。

最接近の日近くではあまりいい画が撮れていないが、今回の準大接近の中で比較的よく撮れた画像をいくつか大きく載せておこう。

太陽湖、マリネリス渓谷 2020/09/04 02:34 ZWO ASI290MC, Celestron EdgeHD 800 (D203mm f2,032mm F10), Celestron X-Cel LX 3x Barlow Lens, ZWO ADC, ZWO UV/IR Cut Filter, FireCapture2.6, AutoStakkert!3, Registax6, PhotoShop CC, Trimmed. Duration=180s, Shutter=10.5ms, Gain=300 (50%), 25% of 17,031frames
大シルチス、ヘラス盆地 2020/10/20 20:19 ZWO ASI290MC, Celestron EdgeHD 800 (D203mm f2,032mm F10), Celestron X-Cel LX 3x Barlow Lens, ZWO ADC, ZWO UV/IR Cut Filter, FireCapture2.6, AutoStakkert!3, Registax6, PhotoShop CC, Trimmed. Duration=180s, Shutter=17ms, Gain=300 (50%), 50% of 10,589frames
シレーンの海、オリンポス山 2020/11/05 21:31 ZWO ASI290MC, Celestron EdgeHD 800 (D203mm f2,032mm F10), Celestron X-Cel LX 3x Barlow Lens, ZWO ADC, ZWO UV/IR Cut Filter, FireCapture2.6, AutoStakkert!3, Registax6, PhotoShop CC, Trimmed. Duration=180s, Shutter=12ms, Gain=300 (50%), 25% of 15,000frames
オーロラ湾、真珠の海 (砂嵐発生中) 2020/11/17 21:51 ZWO ASI290MC, Celestron EdgeHD 800 (D203mm f2,032mm F10), Celestron X-Cel LX 3x Barlow Lens, ZWO ADC, ZWO UV/IR Cut Filter, FireCapture2.6, AutoStakkert!3, Registax6, PhotoShop CC, Trimmed. Duration=180s, Shutter=9ms, Gain=350 (58%), 25% of 19.997frames

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2020年の当blogアクセスランキング

恒例のアクセスランキング。昨年からwordpressの統計機能できっちり1月1日から12月31日の間の分がとれるようになったので、年が明けてからの集計にする。

対象は過去からの全記事。順位の後の括弧内の数字は昨年の順位。今年は上位の記事はあまり変化ない。1位、2位はそのまま。3位と4位が入れ替わっただけ。このうち3つは天文と関係なく上位を維持している項目。3位は昨今の電子観望流行りのためか前年から上位に入っている。5~7位は天文関係でランクが上がってきている。8位は古い記事がランク外から上がってきたもの。何だろうか。9位は変化なし。10位はランク上げした記事のおかげで下がったもの。2020年は2019年に続いて新しい記事が少なかったせいか、あまり全体に大きく変化していない感じだ。過去のランキングはこちら。2012年2013年2014年2015年2016年2017年2018年2019年

第1位 (1) Windows 10でLotus 1-2-3 (2018/01/27) 3,821
第2位 (2) 新幹線自動改札に同時に通せる切符の枚数 (2013/01/16) 3,096
第3位 (4) ASI290MCで天体撮影 (その5) ― 1.25″ レデューサで電視観望 (2018/07/14) 1,141
第4位 (3) シャワー洗面台下の水受け (2012/07/22) 937
第5位 (8) Advanced VX 赤道儀諸々 (2018/08/16) 778
第6位 (7) NexStarを赤道儀モードで使ってみる (2012/10/18) 750
第7位 (-) ASI290MCで惑星撮影 (その4) ― 1.25″ UV/IR Cut Filter (2018/07/13) 661
第8位 (-) 書店の包装紙カバーのかけ方 (2013/09/22) 652
第9位 (9) Google Earthで方位計測 (2013/03/16) 562
第10位 (6) 姓名の順番 (2005/05/27) 509

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