2014年1月 のアーカイブ

初イリジウムフレア

Iridium Flare
さそり座にイリジウムフレア 2014/01/31 05:56 Canon EOS 60D, EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II (29mm F5.6), ISO800, 4sec × 14, KikuchiMagick

今朝は初めてイリジウムフレアを撮影してみた。これまでISS (国際宇宙ステーション) は何度か撮影してきたが、似たようなジャンル(?)としてイリジウムフレアというのがある。

地球をめぐる数多くの人工衛星は、ISSと同じように夕方や明け方には上空だけ光が当たって見ることができるはずだが、ISSに比べてずっと小さいので、明るさも暗く、都会の空ではほとんど見えない。ところが、衛星に大きな反射面があると、そこに反射した太陽の光が真っ直ぐ地上に届くときだけ非常に明るく見える。特定の地点に対して角度が合致するのはほんの少しの間なので、今まで軌道上にあっても見えなかったのが、一瞬だけ輝きを増して、またすぐ暗くなるように見える。それで、これを衛星フレアと言う。

イリジウムというのは、地球上どこにいてもつながる衛星電話のための衛星で、GPS衛星と同じく、常にどれかの衛星が頭上にあるように、同じ衛星がたくさん打ち上げられて地球を回っている。そのイリジウム衛星の形状が、大きな平面状のアンテナを備えているためにこの衛星フレアを起こしやすく、しかもたくさん回っているのでその機会をとらえやすい。

ISSの通過に比べると早い明るさの変化があっておもしろいが、見られるのが非常に短い時間だし、地表の場所によってもそれがずれて来るので、正確な予報をもって、正確な時刻に見ないと見逃してしまう可能性も高い。そういうこともあって、これまでチャレンジしていなかった。

さて、今朝の予報では、明け方に東の空に昇ってきたさそり座のアンタレスのすぐ近くでフレアが見られるとのこと。画面は縦位置にして、地表を入れた上で垂直に立って登ってくるさそりをおさめ、ついでに画面端には土星も入ってもらった。

イリジウムフレアの撮影は初めてで勝手がわからないので、とりあえずISSを撮影しているのと似た設定で撮影した。フレアが起きるのは一瞬とはいっても、ある程度の時間はかかるので、最初から最後まで1枚で撮ると、薄明で明るい空が明るくなりすぎてしまうだろし、撮り始めるタイミングも難しいし、やはり少しずつ撮って比較(明)合成した。難点は、軌跡の途中に切れ目ができてしまうこと。

少し早目から撮っておいて、少し多めに撮影しておいて、必要な部分のコマだけを合成すればいいと思ったが、撮れた写真をよく見てみると、肉眼ではわからなかったところでもかすかに光っているのが写っている。結局、余裕をもって撮ったと思ったほぼ全部の枚数を合成した。合成後の写真でも5、6コマしか合成していないように見えるが、よく見るとその前後にまだかすかに軌跡が見える。

完成した画像で、切れ目がなくてつながっていれば、流星のようにも見えるが、実際の速度は、流星よりはずっと時間がかかっている。

ところで、夜明け前で地表に近づくに従って空がオレンジ色に変化していくのは美しいのだが、ある高度から急に線を引いたようにどす黒い色になっているのは大気汚染のせいか、あるいは単なる気象現象的なものか。

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金星と月の接近とISS

今日未明は、月齢27.4の細い月と金星が接近して見られるので撮影しようと思っていたが、ISSの可視パスがあるのでついでに見ればいいかと通過時刻と軌道をチェックしたら、ちょうど月と金星が揃って地平線から昇ったところに、ISSが地平線に向かって消えていく、しかも金星と月の間を通るということがわかった。

そこで、ISSはたいてい広角で撮影するのだが、それだと金星と月が小さくてわかりにくくなってしまうので、少し望遠気味で金星と月も見せ、ISSの軌跡もわかるくらいにしてみた。撮影間隔は普段と同じくらいだが、軌跡が破線状になる見え方は、望遠にして拡大されるかわりに、地平線近くに遠ざかって行った部分だけになって、見かけの動きが遅くなって間隔がつまるので、結局あまり変わらない。ISSが画面を横切って行く間に星が日周運動で動いてしまう分は長くなる。ISSの背景に月を入れたのは初めてだったが、細い月の軌跡に地球照もくっついて、円筒が浮かんででもいるような妙な形になった。肝心のISSの方は、地平線に近づくと暗くなって、金星と月の間を通るあたりではもうほとんどわからなくなっていたのが少し残念。

ISS, Venus & MoonISS、金星、月 2014/01/29 04:53 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (55mm F4), ISO400, 4sec × 36, KikuchiMagick

ISSの通過と月の出がほとんど重なっていたので、準備や確認に忙しくて、月の出の瞬間そのものを写真に撮りそびれた。

また、ISSの軌道を地平線付近をアップで撮ったので、これとは別に、広角を PowerShot S120 で撮った。少し前に、夕刻に西の空に傾く夏の大三角形を撮ったが、今度は明け方に地平線から昇ったところの夏の大三角形がいる。その付近の中空から地球の影から抜け出たISSが出現して、東の地平線に去っていく。前回、星空軌跡モードでISSはうまく写らなかったので、今回もISS狙いというよりは、夏の大三角形の軌跡をメインということで、ISS通過の時間を含む1時間分の軌跡を撮影するように仕掛けておいた。結果、できあがったものを見ると、今度はかすかながらもISSの軌跡もいちおう見えるくらいには写っている。下の写真は、更に少し修正をかけて見えやすくしたつもりだが、あまり変わらないかもしれない。

夏の大三角形昇る夏の大三角形とISS 2014/01/29 04:30 Canon PowerShot S120, 5.2mm, F4.5,  ISO160, 30sec × for 1 hour

ISSの通過後にまだ金星と月が地平線に近い間に、ISSと一緒に撮ったときよりももっと望遠にしながらも地上風景と一緒に撮影。現在、金星もまだ太陽からあまり離れていないので、この月と同じくらいに細く欠けた形をしているはずで、カメラレンズでもなんとか形が確認できるくらいに写らないかと思ったが、少なくともこのレンズではどうも無理だった。

Venus & Moon金星と月 2014/01/29 04:58 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (146mm F5), ISO400, 4sec

少し南に目を向けると、さそり座が立ち上がっている。その上には土星もいる。撮影場所が限られているために右上に柱が映り込んでいるのはご愛嬌。

Venus, Moon, Scorpio & Saturn金星、月、さそり座、土星 2014/01/29 05:16 Canon EOS 60D, EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II (18mm F4), ISO400, 15sec

この後しばらくしてから、かつ日が昇る前にもう一度。よそのマンションの給水塔が邪魔な位置に来たので、少し別の場所に移動して撮影。

Dawn
金星と月 2014/01/29 06:17 Canon EOS 60D, EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II (41mm F5.6), ISO400, 1/8sec

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M82の超新星2014J

先週おおぐま座にある銀河M82に発見された超新星2014Jを撮影してみた。今年の夏にいるか座に現れたのは新星だったが、こちらは超新星である。新星を見たのはいるか座のが初めてだったが、超新星を見たのも今回が初めてである。

SN2014J

M82と超新星SN2014J 2014/01/28 00:33 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO3200, 30sec×9, StellaImage 7, トリミング

超新星は銀河の中に発生しているので、M82の真上に乗っかって光っているのがその超新星。昔に撮影されたM82の写真と比べてみると、そこに明るい星がなかったところに星が現れていることがわかる。はるか彼方で数えきれない星が集まって雲のようにしか見えない銀河の中のひとつの星だけが光ってこんなに見えているというのは想像を絶する。

超新星を撮影するということで望遠鏡を向けてみたが、考えてみると銀河を撮ってこのblogに載せるのは、パスンターズ彗星とツーショットでかすかな姿をとらえたM31アンドロメダ銀河を除けば初めてだ。光害地の自宅で撮影していることや、赤道儀ではなく経緯台で追尾していることなど、明るい天体ではよくても淡い天体の撮影には不向きな条件なので、M42オリオン大星雲は別格として、ガス星雲や銀河の類はあまり積極的に対象にしていなかった。おおむね、撮影対象は月、惑星、散開星団・球状星団どまり。まあ昨年は彗星も結構撮ったが。

そんなわけで初めて撮影したM82だが、実際に撮ってみると思ったよりはよく写っている。この銀河の特徴的な暗黒帯の様子もよくわかるくらいには写っている。これからは他の銀河もちょっと狙ってみてもいいかもしれないと思った。

また、いつもは経緯台での撮影なので、日周運動によるみかけの傾きの変化には構わず、見たままの角度で撮影した画像を発表していたが、今回はかなり赤緯が高く位置によってまるで向きが変わってしまうことと、他の昔に撮影された写真と比較するときに向きが揃っていた方がいいだろうと考えて、赤道座標の北が上になるようにして元画像から半分のサイズで斜めに切り抜いて向きを合わせてみた。

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SUUNTO VECTOR (その3) ― ファブリックストラップ

SUUNTO VECTOR

別途注文していた、交換用のベルト、ファブリック ストラップ ブラック(L)が届いた。

ファブリック ストラップ ブラック(L)

内容物はこれだけ。ストラップと、ベルト通し用のアダプター。交換用工具。説明書。

内容物

このベルトは交換用のベルトといっても、普通のベルトとは形状がずいぶん違う。こういうタイプのものを以前に見たことはあったから、だいたいこうなっているだろうというのは想像がついてはいたが、なかなか難しいことになっている。見たことのない人で通販で買おうと思っている人などは、一体どうなっているかはわかりづらいだろう。

まずは、元のベルトを留めているピンの端のネジをはずして抜いて取り外す。ちなみにこのネジを回すのに両側からネジ回しで回すために小さな工具が2つついているが、ネジ山の大きさに合わないしまるで役に立たない。普通の小さ目のマイナスドライバーを使った。外したところに、代わりにベルトの端を留めるわけではなくて、ベルト全体を通すようにするためにアダプターを取り付ける。ベルトは腕の内側に当たる柔らかい素材と、両端をバックルで留めるナイロン製のストラップの二重構造になっている。ナイロン製ストラップの部分だけを、バックルの部品を取り付ける前に、本体につけたアダプターに通す。ちょうど本体の真下に来る部分にベルクロがついていて内側のベルトと固定される。通した後に先端にバックルを取り付ける。

ファブリックストラップ

腕にはめるには、まず下の柔らかい素材のベルトを巻きつける。普通は長さが十分にあるので、このベルト自体が重なって、端のベルクロで留められるはずだ。その上からナイロン製ストラップのバックルを留める。

ファブリックストラップ

私の場合は、ウェアの上から巻くつもりで、一番長くなるようにバックル取り付け位置を端っこぎりぎりにした。そのため、内側のベルトの端が先端のバックルの折り返した先のベルクロにくっついてしまうので、上の写真では内側のベルトの重なり方が本来とは逆になっている。

これでも、ウェアの上から装着しようとすると、片手でベルトの両側を寄せてウェアの弾力性を押さえながらバックルを留めるのはなかなかやりづらくてうまくいかない。もう少し長ければ留めやすいだろうが逆に緩くなってしまうだろうし、そもそもSとLのあるうちわざわざLの方を購入したので、これ以上長いのはない。

そこで考えたのは、ウェアに袖を通す前に時計を通しておいてからウェアを着る方法。これがうまくいった。ただし、私は手が細いのでちょうどいいが、手の大きな人だと、これ以上ベルトを長くできないので、ウェアに通したまま手が袖を通らないかもしれない。

実際に装着した状態。スキーウェアではこれでウェアとグローブの間をふさいだままいつでも時間が見られる。N-3Bの方は色がぴったりだ。

スキーウェアに装着N-3Bに装着

ちなみに、もうはずしてしまって使わないと思うので構わないのだが、もともとついていたウレタンベルトは、あまり使い勝手がよくなかった。ベルトの表面の滑りが悪いせいか、幅がきつきつにできているせいか、金具に通しにくいし、余った部分を押さえておくためのループに通すのも通しにくい。また、今回選んだミリタリー色だけの特徴として、ベルトの金具が銀色ではなく黒色になっているのだが、これももう関係ない。

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SUUNTO VECTOR (その2)

ベクターを購入して実際にさわってみての最初の感想などを少し。

生産国

スントはフィンランドの会社。正規代理店経由の日本向け品には中国製のものもあるという噂も見たが、手にした実物を確認すると、ちゃんと MADE IN FINLAND と記されていた。(写真下端の方)

MADE IN FINLAND

秒表示

さて、実際に動いているのを見て最初に気付くのが、秒針 (といったらいいのか、秒の表示) の動き。盤面の周囲のコマが1つずつ動くのではなく、増えては減り、増えては減りを繰り返しながら進んでいく。事前にスントのサイトで見つけた説明書のFAQのところに書かれていたのを読んで、増えたり減ったりするとはどういうことかと思っていたが、下の連続写真のような変化を5秒単位で繰り返していく。なかなか奇妙な動きだ。

秒針の動き

FAQの回答にある通り、周囲の表示はコンパスのために360° を10° 単位で表示するように36個でできているので、秒の表示とは数が合わないためこうなっているという。しかし、コンパスの角度の方を6° 単位にして、秒がきれいに動くようにした方がいいんじゃないかと思うのだが。60個にするとLCDのセグメントが増えすぎて不都合がありでもしたのだろうか。

まあ、ちょっと妙ではあるが、60秒で一周するのには変わりないし、1秒単位で動きがあるし、おおよその秒数は普通の時計と同じに見て取れるわけだから、それほど問題ないといえば問題ない。正確な秒の値を見たいときは、時刻モードで “+”ボタンを押せばしばらくの間だけ日付の代わりに秒数が表示される。

バックライト

星見のときにも使おうと思ったことから、バックライトの具合も気になるところだ。しかも、このカラーはネガティブ液晶でもあるが、通常使用時にネガティブ表示だからといって、それほど見るのに不都合は感じられない。ポジティブ液晶だと当然背景全体が明るく光るはずだが、ネガティブ液晶の場合文字だけが光るかと思ったら、真っ暗なところで点灯してみると、背景部分もずいぶん明るくなる。周りの明るいところで点灯すると、背景部分が光っていることどころか、表示している文字の部分もあまり面積がないので光っているのがよくわからないくらいだが、まあ暗闇で明るすぎることもないので、このくらいでよかろう。

バックライト

ただし、点灯させるのにMODEボタンの2秒長押しが必要で、それで5秒間しか点灯しないのはちょっと不便だ。マニュアルにはその点灯中にもう一度MODEボタンを押せばそこから5秒間点灯が延長されると書いてあるが、短く押すだけではダメで、もう一度2秒の長押しをしないといけないのも不便。

滑降回数

機種選定時に気になった滑降回数の測定。スノースポーツ用を謳っていたAltimaxでは間違いなさそうだったが、ベクターでは機能がどんなだかいまひとつはっきりしなかった。やはり事前に取り扱い説明書を見たのだが、ログの機能には上昇分の高度差と、下降分の高度差に加えて、LAPとして「50 m以上の上昇または下降の回数」 (“a vertical movement either ascent or descent equaling 150 ft (50 meters) or above”) があることが書かれている。

「または」と書かれているが、数えるのが上昇分だけか下降分だけかを選択する設定のようなものはない。両方とも数えて、リフトを昇って滑って降りてを1往復すれば昇りと下りで合計2カウントになるということも考えられなくもない。まあそうだとすれば、昇ったら降りるわけだから、2で割ればいいだけとも思える。しかし、いまひとつはっきりしないので、実際にどういう動作なのかを確認してみたくなった。自宅マンションのエレベータを使っても50 mには足りずカウントされないので、高層ビルのエレベータを使って試してみた。

結果はというと、実際は下りだけがカウントされていた。昇りだけでログを見ても、カウントされない。下りだけだと1カウント。往復しても1カウント。何回か昇ったり降りたりしても、ちょうど降りた回数がログされていた。ということは、スキーの滑降数カウントにちょうどいい仕様になっているということ。

Altimaxと比べると、ログの記録中にそこまでの値を一瞬でみる機能がなくて、ログを見るにはログの記録を停止しないと見られないとか、多少不便なところはあるが、まあ許容範囲だろう。

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SUUNTO VECTOR MILITARY FOLIAGE GREEN

SUUNTO VECTOR

先日旭川のプラネタリウムを訪れるついでにスキーをしてきた。最近はスキーは年に一度行けばいい方なくらいで、昨シーズンもたまたま行かなかったので、2年ぶり。荷物を準備しているときに、以前スキー用に気圧から高度変化を読み取ってどれだけの標高差と何本滑ったかがわかる時計を持っていたのだがどうしたっけかなと考えたが、探しても見つからないので、あまり記憶が定かではないのだが、形状的にいささか使いにくかったのと、毎度使うたびに電池がなくなっていて細かいネジをはずして分解して電池交換しないといけないのも面倒で、どうも処分してしまったように思う。

それで今回は普通の腕時計 (といってもダイバーズウォッチだが) で行ったのだが、グローブがいつもと違ったせいもあるがグローブとウェアの袖の間から時計を見るのがやりにくくて、やはりスキー用に時計が欲しいなと思った。というのも、前のスキー用の時計は、ベルトがゴム入りの布素材でできていて、ウェアの上から装着できるものだったから。せっかく何か買うとしたらやはり前と同じように標高差や本数のわかるのがいいが、前に使っていたのは何か海外通販のカタログを見ていてたまたま面白そうと思って買ったもので、メーカー名も覚えてないくらいだ。

高度計付きのアウトドア用ウォッチでまともそうなのは、スントとカシオのProTrekあたり。私にとってはスントはダイビングコンピュータの方で馴染みがある。ProTrekには本数のわかるようなのはなさそうで。スントには、AltiMaxというのが1機種だけスノースポーツ用としてラインアップされていたが、既に廃番のようだ。AltiMaxはVectorのシリーズの姉妹品的なもので、Vectorにスキーのログの際に少し便利なようになっている代わりに、コンパス機能が省かれている。デザインもVectorに比べるといまひとつ。通販ではまだ売ってないこともないが、Vectorの方でもスノースポーツに特化されてはいないが本数もわかるようなので、Vectorにすることにした。

Vectorの方はカラーバリエーションもたくさんあっていい。スントのイメージからすると、明るい原色に近い色合いのボディが印象的で、スキーに使うだけならその方がいいと思った。しかし、今回、長いベルトでウェアの上から装着する用の時計にするところから、冬に星を見るのに防寒着を着ているときも、袖口から時計が見づらくて不便に思っていたので、そちらでも使ったときに浮いてしまわないように、ミリタリーグリーンという渋目の選択にした。カラーによって、文字盤の陰陽が2通りあって、こちらは背景が暗い方だから、それも星見のときにもいいのではないか。

購入はサポートのことも考えて正規ディーラーで、ポイント分を考えるとヨドバシが安かったので、ヨドバシで買うことに。ヨドバシの通販サイトに行くと、各店舗の在庫が確認できるのが便利だ。ミリタリーグリーンを買うことにしたものの、ネットで見る写真によってはただのグレーにしか見えないものもあって、実物を見てからにしたいと思ったから、その色の在庫のある店舗に行って、実物を見てから購入。

長いベルトの話をしていたが、標準では普通の腕に巻く寸法のウレタンベルトがついているだけだが、オプションで長いファブリックストラップが用意されているので、それを使う予定。予定というのは、こちらはヨドバシでは在庫を用意してなく取り寄せになってしまうので、別に通販で注文したのでそちらの到着待ち。

事前にネットで使用した感想のblogなどを読んでいると、ずいぶんデカいみたいなことが書かれていたりしたが、まあ普通の時計に比べれば十分デカいが、私はダイビングコンピュータで慣れているので、むしろ予想したより小さいと感じた。下の写真が私の持っている時計を比較したもの。左から、ダイバーズウォッチ、ダイビングコンピュータでブリジストンのDIVE DEMO、そしてスント・ベクター。時間が正確に合ってないのはご愛嬌ということで。私のDIVE DEMOは表示の文字が小さいのがちょっと難点なのだが、ベクターと比べてみるとよくわかる。DIVE DEMOの方はめちゃくちゃしっかりした金属ボディでずっしりくるのに対して、ベクターの方は全部プラスチック製で拍子抜けするほど軽い。

SUUNTO VECTOR

さて、このベクター、1999年の発売というから、カラーバリエーションやマイナーチェンジはあるものの、これだけの期間ずっと同じ製品が継続しているというのは、この手のガジェットとしては珍しいのではないか。それだけ基本的なつくりがよかったということだろう。長期間ユーザーの支持を受けて定番モノとなっているというのは、安心して使えるということでもあろう。

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自宅からカノープス

Canopus
カノープス 2014/01/19 21:03 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (55mm F4), ISO400, 4sec × 55, KikuchiMagick

南極老人星とも呼ばれるカノープス、りゅうこつ座α星は、赤緯が低いため、南中時でも地平線ぎりぎりにしか見えず、見られると長生きすると言われる。私の住んでいるところからでも、緯度的には見られないことはないのだが、南の方には建物があって見えないものとハナから諦めていた。ところが、最近何度かカノープスの話題に触れてちょっと気になったのでよく調べてみた。住んでいるマンションは正確に東西南北に向いているわけではないので、真南はおおまかに南向きだと思っているる側から結構振れている。更に、カノープスが見えるのは何も真南の瞬間だけではなくて地平線に沿って薄く弧を描いて移動するので、真南よりも更に建物の方角の振れているのに加えて10° ぐらい振れた方角であれば、近くの建物に邪魔されずに見通せることがわかった。当地ではカノープスの南中高度は約2° で、こちらから見通せる場所での高度は1° 以下となるので、結構地平線近くがよく見える条件でないと、なかなか厳しそうだ。

昨日は天気もよく、地平線まで雲がなく絶好のチャンスであった。そこで、その位置にカノープスが来る時刻をきっちり調べて、双眼鏡とカメラを準備して臨んだ。実は肉眼ではよくわからなかったのだが、双眼鏡では思いの外はっきりと見えた。標準画角で日周運動軌跡を比較明で撮った上の写真では、右下の赤白の鉄塔と、黒い鉄塔の間に見えるのがカノープスだ。画面右辺の下半分に見えているのが南方向を遮っている建物の端の部分。冬の南天は明るい星がにぎやかだが、この写真に写っているのはシリウスよりも南のエリアで、カノープス以外にあまり明るい星はないものの、細かい星の軌跡が結構よく写っているのが、地平線に近づくとさすがに大気の減衰や光害にかき消されているところ、カノープスだけはくっきりと軌跡を残している。

望遠で撮ったのが下の写真。上の写真よりも少し早い時刻に撮ったので、カノープスの場所は黒い鉄塔の左側にある。点像で見ても、朝日や夕日が赤くなるのと同様に、カノープスが大気の減衰でオレンジ色に色付いているのが見てとれる。この画角でも軌跡を撮影したのだが、軌跡がちょうど電線に重なって変な画像になってしまったので割愛しておく。これよりまだ左側にいても見えていそうだから、もう少し早い時間から見ておけばよかったかもしれない。

Canopusカノープス 2014/01/19 20:57 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (250mm F5.6), ISO400, 4sec

肉眼ではっきりわからなかったのは残念だが、双眼鏡で見られたので長生きのご利益はあるだろうか?

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旭川市科学館サイパル

全国カールツァイス・プラネタリウム巡りの最後の旅は旭川。旭川市科学館「サイパル」のプラネタリウムにある現用のSTARMASTER ZMPと、保存展示されている旧旭川市青少年科学館で閉館の2005年まで使われていたZKP-1。

午後に到着して、間に合うのは14:30からのドームシアター番組。しかし、これではカールツァイス・プラネタリウムを見たことにならないので、その後の最終回投影のプラネタリウムの一般投影番組と、両方見ることにする。待ち時間の間に、科学館の方を。行ったのは三連休前日の平日だったので、客の入りはそれほどでもなかった。

展示室に入ってみると結構普通の科学館の展示という感じとは違う。体験型の装置がずいぶんたくさんある。それぞれ係員がついていて、他に客もあまりいないので誘われるままに、「宇宙ゴマ」と「ムーンジャンプ」を体験。「宇宙ゴマ」は宇宙飛行士の訓練に使われる装置を模したという、地球ゴマのような外観の二重になった円環の中にシートがついていて三軸自由に回転する装置。なぜか靴を脱いでシートに座り、ベルトががちがちに縛り付けられて乗り込むための階段が離れていってから回転開始。1分30秒間ぐるぐる回される。そんなに猛スピードで回るわけではないので目が回るということもないし、自分では酔って気分が悪くなるということもなかった。胃の検査でバリウムを飲んでX線撮影するときと似た感じだなぁ、と思ったくらい。ただ、頭が下になっている間は、かなり頭に血がのぼっている感じがした。

「ムーンジャンプ」の方は、シーソーのようなものの先についた自転車のサドルのようなところに乗って、反対側の重りを体重に合わせて調整して、重力が小さい状態を体験するというもの。実際は月の重力は地球の約6分の1なのだが、ここでは10分の1にしてあるとのこと。6分の1ではそれほどおもしろくないということか。

ロビーには水のスクリーン。この写真では何が写っているかよくわからないな。

水竜

その後ろがプラネタリウムのドーム。広い建物の空間の中にドームがつくってあって、その外殻がそのまま見えているというつくりは珍しいのではないか?

プラネタリウムドーム

プラネタリウムの入口に向かう通路の曲がり角のところに、ZKP-1が展示されている。

ZKP-1

岐阜市科学館に展示されていたものと同型だが、展示の仕方によるのか割りと雰囲気が違う。岐阜では展示されていなかった補助照明装置もあるからか。

ZKP-1ZKP-1ZKP-1ZKP-1ZKP-1

隣には、小惑星探査機はやぶさの模型が、川口淳一郎氏と的川的川泰宣氏の色紙とともに。

はやぶさ

ドームへの入口の脇には旧旭川市天文台で使われていた15 cm屈折望遠鏡が展示されている。

15cm屈折望遠鏡

ドームに入ると赤いシートが目をひく。ここのシートは少し変則的で、北側半分は横につながったシートだが、南側半分はひとつひとつが独立していて、回転するようになっている。プラネタリウムのときは中央向き、ドーム映像のときは南側正面を見られるようにということである。

STARMASTER ZMP

中央の投影機がカールツァイスのSTARMASTER ZMP。名古屋で使われているUNIVERSARIMよりも小さいドーム向けの投影機と聞いて、宗像ユリックスのZKP4ほどではないにしろ、割りと小さ目の投影機かと思っていたが、それほど小さくもない。恒星球は一見旧来のプラネタリウムの恒星球のようだが、恒星以外の星座絵などの投影機も同じ球上に設置されているので、球面上はいろろいなものがひしめき合っている感じだ。これはUNIVERSARIUMもそうだが。

STARMASTER ZMP STARMASTER ZMP

恒星球の南側には惑星投影機。

STARMASTER ZMP

カールツァイス・イエナの銘板。

STARMASTER ZMP

ドーム映像は、ドーム周囲5箇所に設置されてるプロジェクターで投影されている。BarcoReality Sim 4という機種のようだ。ドームに何やら赤いマークがつけてあるが何だろう?

BarcoReality Sim 4

さて、先に見たドーム映像は、「ETERNAL RETURN ―いのちを継ぐもの―」。この手のドーム映像はあまりたくさん見たことがないので一般的につくりがどうなっているのかはよく知らないが、これは傾斜型ドームを前提に作成された映像を水平ドームで上映しているようだ。映像の地平線が斜めになって見える。

2回目に見た投影は生解説の星空解説。解説中に星の位置を示したりするのに使うポインタが赤色のレーザーらしき光で矢印形が描いてあるのはちょっと珍しい気がした。今の冬の星空の解説だったが、星空を見ながら、そうか、ここではカノープスは見えないんだ、と思った。座る位置にもよるが、そういえば北極星の位置も高いような気がする。北海道にある科学館だけあって、星の解説にはアイヌの伝説の話もたくさん織り交ぜられていたのが印象的だ。

ドームに入る前に古い望遠鏡を眺めていたときに、4階には行かれましたか、と言われたので、プラネタリウムの終わった後、閉館時間までを利用して4階に上がってみた。4階は建物は一部だけになっていて、外の屋上部分に出ると、そこに望遠鏡のドームが2つあって、昼間でも公開されている。

望遠鏡ドーム

このときは大きい方のドームだけ公開されていて、先に親子連れが一組望遠鏡を覗かせてもらっていた。設置されている望遠鏡は、三鷹光器製の65 cmカセグレン望遠鏡。まだ日没後間もなくて空は明るかったが、ちょうどよく見えていた月を見せてもらっていた。

GNF-65

親子が帰った後もしばらく残って、ゆっくりのぞかせてもらった。まだ明るかったが、他に何か見ましょうかということで、天王星を導入。操作用のパソコンを見ると、ステラナビゲータである。うちのステラナビゲータのメニューに三鷹光器なんてのはないが、特別仕様なのか、あるいは何かの互換仕様なのか。自動導入すると、望遠鏡と同時にドームも自動で適切な位置まで動く。まだ空は少し暗い程度だが、5.8等の天王星もこんな望遠鏡を使えばしっかり見えていた。木星も昇ってきたところで、もう少し待って高度が望遠鏡で狙える高さになったら見てみましょうかと言っていたが、東の空に雲がかかっていて全然ダメそうだったので、そこであきらめて退散することにした。

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JRの新型改札機

新型自動改札機

最近、JRの自動改札に新型機が順次導入されてきている。事前に、新型機になると聞いて期待していたのは、従来の改札機で不満だった点が改善されること。その不満とは、立て続けに人が改札を通っているときに、改札機の出口付近の表示器に出るSuicaの残額などの表示が前の人の分が表示されたままなかなか切り替わらなかったり、あるいは自分の分が表示されないまま終わってしまったりすることがあったこと。ローカルな処理速度の問題なのか、通信の遅れの問題なのか、人が通過するのを検知する問題なのはよくわからないが、新型になればきっと改善されるのではないかと期待した。

しかし、その事前情報でもちょっと心配だったのが、ディスプレイが出口付近だけでなく手前の方にも追加されていて、磁気切符の情報は出口付近のディスプレイに、Suicaの情報は手前のディスプレイに表示されるということ。何もわざわざ手前に表示する必要はないと思った。

実際に新型に交換されて使うようになってみると、案の定、改札を通過しながら見るには手前にありすぎて見にくい。確かに表示はきっちりと切り替わって表示されるようになったように思えるのだが、前を見て歩いているのだから、これでは表示が目に入らない。下の写真は、もちろん、わざわざ立ち止まって撮影したものだ。

改札通過時

一体どうしてこんなことになってしまったのだろうか? 磁気切符の人は前に出る切符を取りに行くために前のディスプレイを見るが、Suicaの人はタッチしている間ずっとタッチしている手元を見ているとでも思っているのだろうか?

そういえば、Suica導入時の話を聞いたときに、まるっきり勘違いしてるんじゃないかと思ったことがある。当初は非接触式カードということで「かざす」と言っていたが、それではどうしてもカードと改札機との通信時間がとれず、それを実際には接触する必要はないにもかかわらず「タッチする」ということに改めるとうまくいくようになったという。どうしてかというと、かざす、だとそのま読み取り部上空をまっすぐ通過してしまうだけだが、タッチせよというと、Vの字の軌跡を描いてカードが読み取り機近傍で動く距離が長くなり、滞在時間が長くなるという説明だった。実際に「タッチする」にしてうまくいったのは確かだが、理由はそうではないだろう。人間の動作を全く勘違いしていると思った。タッチせよと言われると、自分の体が読み取り部の手前にあるときから手を前に伸ばしてカードを読み取り部に近づけ、体が通過するに従ってカードを持った手を前から後ろに動かしながら進んでいき、後ろ手になったところでカードを持った手を引き戻す、という動作を無意識にすることによって、カードが読み取り機近傍にいる時間が長くなるというのが本当の理由じゃないか。かざす動作では、逆に自分の体とカードの前後位置関係は動かさずに通過するので、接近時間が短くなる。

まあ、それはともかく、新型改札機の方に話を戻すと、どこに何を表示するかは、ソフトウェアの修正でできるだろうから、ぜひSuicaでも出口付近に表示するようにしてもらいたいものだ。手前のディスプレイは、エラーが起きた時の指示の表示などには適切だと思われるので、そういう使い方にすればよい。ぜひそうしてもらいたい。

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太陽の肉眼黒点

肉眼で見えるくらいの巨大な太陽黒点が発生していると聞いて、太陽の撮影をしてみた。以前は、ビデオカメラ+テレコンバータなどのなんちゃって天文機材で、2002年のサイパン金環日食2006年の水星日面経過2008年のシルクロード皆既日食2012年の金環日食や、金星の日面経過など撮影したが、よく考えてみると、望遠鏡や一眼レフを購入して少し本格的になってから、太陽を撮るのは初めてだ。

望遠鏡NexStar 5SEで太陽を撮ることはできないので、今回は一眼レフに望遠レンズ、そして2012年の金環日食のときに買ったND400フィルタ2枚重ねで撮影した。ビデオカメラのテレコン用に合わせてフィルタ径の52 mmのものを買ってあったので、EOS 60Dのキットレンズのフィルタ径58 mmとは合わないが、これは他のフィルタを買ったときについでにステップダウンリングを買っておいてあった。しかし、実際に太陽に向けたのは今回が初めて。ステップダウンリングの使用はケラレが発生する可能性があるので注意が必要だが、レンズの前玉の部分を見ると、実際のレンズはフィルタ径よりかなり小さいし、望遠端で使うので光がそれほど斜めに入射するわけでもないので、問題ないはずだ。

この時期は日の出時刻が遅いので太陽が昇ってそこそこの高度になってから出勤のために出かけるまでの短い時間の間にバタバタと撮影した。最初っからNDフィルタを装着して持って出ているので、そのまま太陽に向けても特に問題はない。ファインダーをのぞいても問題ないはずだが、ライブビューの方がやりやすい。月を撮る時と勝手はほぼ同じで、数枚試し撮りしながらマニュアルで適当に露出を合わせておしまい。

焦点距離250 mm (400 mm相当) ではかなり足りないが、トリミングして切り出せば、ネットに乗せるくらいならそこそこ見られる大きさなのも月の場合と同じ。

太陽太陽 2014/01/07 07:53 Canon EOS 60D, EF-S 55-250mm F4-5.6 IS II (250mm, F5.6), ISO200, 1/1000sec, ND400フィルタ2枚重ね, トリミング

普通にカメラ三脚に載せて撮ったままなので、真上が北極になっていない。日の出間もないので相当傾いている。月ならば模様があるので見ればすぐにわかるが太陽は固定した目印がないので要注意だ。

ビテオカメラにテレコンバータで撮影したときは色収差がひどくて、単色化したりしてなんとか見られる画像にしていたが、さすがにこちらはそのままできれいに見える。

一番大きな黒点は、周囲の半暗部を含めれば日面経過のときの金星くらいの大きさがある。確かにこれならば、日食メガネで見れば肉眼でもなんとか確認できそうである。金星の日面経過のときは太陽面の端にあるときは判別できなかったが、真ん中の方にあるときは、黒いポチがあるのがわかる感じだった。こちらの方が周囲がぼやけているのではっきりしないかもしれないが、なんとかわかるくらいだろう。

実は以前にも巨大黒点の記事を書いていたが、このときは、半暗部は大きいものの暗部が小さかった。今回は暗部も結構大きい。

宇宙天気ニュースによると、この黒点は1944黒点群という番号がついている。今ほぼ真正面にいるが、太陽の自転周期は1ヶ月近いので、まだ何日間かはよく見える状態が続くだろう。しかし、端の方に近づいてくると、金星の日面経過の場合とは違って黒点を斜めにみる形になってくるので、よけい見にくくなってしまうはずだ。

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