2020年5月 のアーカイブ

短いmicroSDカードアダプタ

通常SDカード挿入状態

先日購入したIdeaPad S540だが、そのときの記事にも書いたように、SDカードを挿入した際にカードがかなり外にはみ出して、装着しっぱなしで使用するには少々心もとない。

ボールペンのノックや、push-pushタイプのON/OFFスイッチのように、一度押し込むとロックして、もう一度押すと飛び出てくるタイプのものだと、押し込んだ状態ではカードが全部本体の中におさまってしまうようになっているのが普通で、それで困らないわけだが、その機構のないカードスロットでは、取り出すためにカードをつまむ余裕がないといけないので、カードの一部をはみ出させておかないといけないのは仕方ない。しかし、こんなはみ出ていなくてもいいのにとも思うが、ともかくハードウェアがこの形にできてしまっている。

しかし、フルサイズのSDカードならもう致し方ないが、使っているのはmicroSDカードで、それをアダプタに入れて挿入している。それこそ、push-pushタイプのスロットに使うのなら、アダプタは正しくSDカードの大きさでないといけないが、こういうスロットでしか使わないならば、何も正しいSDカードのサイズでなくても構わなくて、もう少し短いものがあればいいのに、と思って探してみたら、あった。随分前からそういうものは存在したようだが、自分が必要にかられなかったので、積極的に気にしたことがなく、気付かなかったのだろう。

接点部分の形状や幅は本物と異なると正しく挿入できないので、長さ方向だけが短くなっている。ロックスイッチは省略されている。

表側裏側

通常のアダプタではカードの挿入方向と同じ向きにmicroSDカードを挿入するようになっているが、microSDカードは細長いので、横向きに挿入することによってアダプタのサイズ縮小を実現している。

MacBookのSDカードスロットも同じ様に完全に収納されてしまわないタイプのものがあるようで、MacBook用には各機種専用に、挿入するとちょうと筐体のスロット周囲の窪みにアダプタのお尻がぴったりはまるサイズに作ってあって、取り出すためにはフチを少しだけ切り欠いてあって爪を引っ掛けて引っ張り出すみたいになってものもあった。

しかし、世の中にあまたあるWindowsパソコンに専用サイズのものは用意されていないので、適当な汎用のものを使うしかない。IdeaPad S540のスロットはかなりささる部分が少なく、この短いアダプタでも、割とはみ出たままになっている部分はあるが、元の状態に比べれば格段に邪魔にならなくなってありがたい。

短いSDカードアダプタ挿入状態

 

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StellaShot2試用とM75, NGC7009

以前からStellaShotは気にはなっていたのだが、赤道儀、撮影用カメラ、ガイド用カメラを接続しないといけないのに、前に天文用に使っていたWinタブレットはUSB端子が1つしかなかったとか、StellaShot1.5ではオートガイドはできるもののガイドカメラの機種が限定されていて、惑星用のASI290MCをガイド用に使おうとしても対象機種ではなかったとかということもあって、導入には至っていなかった。

一方、当blog休止中で記事にしていなかったが、多少形態が違うので対抗馬というわけでもないが、天体撮影の統合システムとして、ASiairというのがあって、こちらは上記の制約が問題にならなかったし、StellaShotのソフトウェアの価格より、ASiairのハードウェアの価格の方がずっと安かったということもあって、既に導入済みである。ただし、最近PROバージョンが出たがアップグレードはしていない。

StellaShotの方は、バージョン2になって、このASiairを意識してか、GearBoxという外付けハードウェアもオプションとして出して、ケーブルの接続はこちらが一手に引き受けて、パソコンは無線LANだけで接続ということも可能になった。しかし、逆にこちらのパソコンが買い替えてUSB端子が3つあるものになったので、GearBoxのお世話にならなくても大丈夫になった。対応ガイドカメラも、2.0では「ZWO ASIシリーズ」となっていて特定の機種だけの対応ではなく全部OKになったようである。

そんなわけでGearBoxのハードがなくても大丈夫な環境は整っているので、とりあえず体験版を入れて試してみることにした。

まず最初に失敗したのが、StellaShot 体験版 で検索してあまりよく見ずにダウンロードページに行って落としてきたものをインストールしたところ、どうも様子がおかしいと思ったら1.5の体験版だった。Stellashot 1.xまでとStellaShot2は別モノという扱いなのか、1.5のサイトはそのままで、別に2のサイトがあって、2の体験版はそちらから落としてこないといけなかった。

もうひとつの失敗は、パソコン (IdeaPad S540) にUSB端子が3つあるといっても、USB-A端子が2つとUSB-C端子なこと。これまで使っていた手持ちの接続ケーブルは全部A端子なので、USB-C端子には直接つながらない。これもまだ記事にしていないが、先日買った耳かき付きUSBカメラに付属品でUSB-C変換コネクタが付いてたからそれを使えばいいやと思っていたのだが、それはmicro-USBからUSB-Cに変換するものなので、ここでは役に立たないのだった。とりあえず、必要なケーブルはヨドバシカメラの通販で注文を入れておいて、ガイドカメラは使わず、赤道儀と撮影用カメラだけの接続で試してみることとなった。

機器の認識はすんなり行って、赤道儀にCelestron Advanced VX (経緯台のNexStar SEは対象機種になっていないので選択肢に出てこなかった)、カメラはCanon EOS 60D、今の所3つ同時に接続はできなかったが個別に接続してオートガイダーにZWO ASI290MCもちゃんと認識された。

StellaShotは、タブレットPCでの利用も考えてボタンなどのUIが全部大きくかったり、数値入力は入力用パッドが表示されたりして、タッチで操作しやすいようになっている。前のWinタブレットのときは、結局使用するWindowsアプリがキーボードマウス操作が前提になっているので、常に無線接続の外付けキーボードと一緒に使用しなければならず、知らない間に充電切れになっていたり、色々苦労していたが、これならそんなこともなかったのかもしれない。が、もう大きいパソコンになったので、別に関係なくなった。

実際にベランダで望遠鏡を空に向けて使ってみるが、自動導入もウリの導入補正もすんなり行った。導入補正はとてもありがたい機能だ。ASiairにもプレートソルビングという同様の機能があるのだが、これまで使っていてどうも失敗することが多く、なかなか頼りきれない感じだった。もちろん導入する対象領域にもよるだろうから一概にはいえないが、今回試したところでは、たまにしか失敗しなかったし、だいたい露出が適正でなかったとか原因はわかる。成功するときはあっという間にマッチングされる。失敗するときは失敗が確定するまでにずいぶん時間がかかる。操作も、ASiairではいろいろひとつのタブレット画面に詰め込んである上に、SkySafariと行ったり来たりする必要があるのに比べると、パソコンの大きな画面でやりやすい。

StellaShot2の新機能として極軸補正の機能がついた。北極星の見えない南向きのベランダで使用するときはありがたい機能なので試してみようと思ったが、どうも極軸補正のボタンが見当たらない。PDFマニュアルを見ても設定パネルの極軸補正ボタンを押すとしか書いていなくて、よくわからない。結局極軸補正を試すのもあきらめた。まあ、ベランダでは方角ははっきりわかっているので、いつも三脚の置き方でだいたい北は正しく向いているはずなので、極軸補正なし、ノータッチガイド (という言葉は常々おかしいと思っているのだが) で撮影することとした。

未明に木星、土星、火星を撮影するついでに試そうと思ったので、その時点でベランダから見える天体ということで、木星、土星付近にあった、球状星団 M75と、土星状星雲 NGC7009を撮影してみた。どちらも視直径の小さな天体で、モニタ画面では小さな光の塊にしか見えなかったが、画像処理した結果はM75はきちんと球状星団に見えたし、NGC7009は内部の輪のような構造がいちおうわかるように写っていた。それにしても小さいので、画像は写野の中央部だけをトリミングしてあるが、それでも小さい。

M75 M75 Globular Cluster 2020/05/02 03:16~ Canon EOS 60D, Celestron EdgeHD 800 (D203mm f2,032mm F10), prime focus, ISO3200, 15sec x 34, Dark x 11, DSS, FlatAide, Topaz DeNoise AI, Photoshop CC, 1/2 trimming

NGC7009NGC7009 Saturn Nebula 2020/05/02 03:29~ Canon EOS 60D, Celestron EdgeHD 800 (D203mm f2,032mm F10), prime focus, ISO3200, 15sec x 40, Dark x 11, StellaImage8, Topaz DeNoise AI, Photoshop CC, 1/4 trimming

後でわかったのだが、極軸補正ボタンが見当たらなかったのは、Windowsの表示設定の関係であった。最近のWindowsパソコンは、画面のドット密度が高くなって、従来のようにドット数固定サイズのアイコンや文字の大きさで表示すると、実表示サイズが極端に小さくなってしまうため、適切な割合を設定して拡大して表示するようになっている。このパソコンでは150%が推奨値として最初から設定されていた。その状態でStellaShot2を動かすと、設定パネルに表示される項目が画面の縦いっぱいに表示しきれずに、はみ出た分は見えなくなってしまうというわけだった。上から順番に表示されて一番下ではみ出て切れれば気付いたのかもしれないが、操作パネルは上のタブで切り替えても固定表示される項目が下端に固定されていて、タブ項目ごとに異なる操作ボタンではみ出たものは、その固定表示の上の部分で切れることになる。ところが、パネル内の項目の区切り線が固定部分との区切りも同じデザインで並んでいるため、そこにそういう境目があるのに気付かなかった。確かに、よく見ると補正/設定グルーブの上の極軸パターンのボタンの下端が少しだけ切れている。

結局、これは150%だった拡大率を125%に変更することで表示されて操作できるようになったが、そうするとシステム全体でアイコンや文字の大きさがひとまわり小さくなってしまって、近くに焦点の合いづらい眼には少しつらい状況になる。タブレット操作のときも、ボタンは大きめに表示された方が操作しやすいだろう。はみ出た分は、FireCaptureやSharpCapのように、スクロールするようになっていればいいのにと思った。

アップデータのリリースノートを見ると、2020/3/26の2.0aで『「極軸補正」ダイアログの表示を改善』という項目があるが、これはボタンを押した後に出てくる画面の話のようだし、体験版は2.0aアップデータ相当となっているのでこれは既に含まれているようだ。それ以降のアップデータでこの件が直っているかどうかわからないが、リリースノートにそれらしい項目は見当たらない。

ディスプレイの設定
ディスプレイの設定

150パーセント150%表示で、極軸補正ボタンが見えない

125パーセント125%表示で、全体にボタンが小さくなり、補正/設定グループのボタンが表示されている

150パーセント 125パーセントボタン部拡大 左: 150%表示、右: 125%表示

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