2013年7月 のアーカイブ

ホワイトサンズ ~ エル・パソ

6月16日。また長距離移動である。この日はアリゾナ州のツーソンを出発して、一路東に向かい、ニューメキシコ州に入り、ホワイトサンズを観光した後、最終的にはテキサス州に入って、エル・パソ (El Paso) で宿泊するという、3州にまたがった移動だ。

まずはホテルを出てからコルブ・ロード (Kolb Road) を、ボーンヤードの飛行機の群れを横目に見ながら南下し、I10に乗ったらニューメキシコ州のラスクルーセス (Las Cruces) までずっとI10を東に向かって走り続けるのみ。ちょうどその道半ばぐらいが州境で、直後のレストエリアに入る。ここは、ワイオミングからサウスダコタに入ったときとは違って、ちゃんと建物の中に色々観光案内のパンフレットがたくさん用意されていたりした。

Rest AreaRest Area

道路の方を見たら、珍しいものが目に入った。トレーラーの先頭部分だけをまとめて運んでいる。

Trailer Heads

この後、州境と、I10からUS70に分岐するラスクルーセスとの中間地点あたりにある、デミング (Deming) という街で昼食にする。芸がないが、またマクドナルド。

ラスクルーセスの街の手前の分岐でUS70に入って、ラスクルーセスの街を通過。US70という道路は、昔、会社の出張で東海岸のノースカロライナ州に滞在していたときによく利用していた道路で、それがはるかここまでつながっているかと思うと感慨深い。ラスクルーセスの街を出ると道が登りになり、山脈をひとつ超える。峠を過ぎると眼下に平原が広がっていて、その向こうの方がホワイトサンズだ。といっても、公園のゲートまでは山を下ってからまだ数十km、ほぼ真っすぐな道を走る。ゲートの少し手前に、また国境警備の検問所がある。ここはキットピークの手前にあったところよりしっかりした建物が建っている。グーグル・マップにもちゃんと US Border Patrol Checkpoint と出ている。しかし、ここで検問をしているということは、この先の空軍基地やアラモゴードの街には不法入国者は入れないが、ラスクルーセスやエル・パソの街にはいても構わないということだろうか??

そして、ホワイトサンズ (White Sands National Monument) のビジターセンターに到着。ここには売店なんかはあるが、入場料はここで払うのではなくて戸惑ってしまった。

Visitor Center

建物の脇の方を進んでいくと、奥の方に続く道、Dunes Drive があり、入場料はそのゲートで払う。大人1人$3 (安い!)。

White Sands National Monument

ホワイトサンズとは、その名の通り、白い砂でできた地形。白い砂がまるで砂漠の砂丘のようになって延々広がっている場所だ。しかし、最初のうちは道の両側とも背の低い植物の生えた平原という感じ。

White Sands National Monument

しばらくすると、両側の地面が白い砂になってくるが、植物はずいぶん生えている。

White Sands National Monument

やがて、急に路面も白い砂に覆われてしまう。

White Sands National Monument

そのうち周囲全部真っ白な世界に。

White Sands National Monument

後は延々と白い世界の中を道が続くのだが、途中に広場のようになった場所があり、そこにこのように点々と日除けが用意してあって、各自その脇に車を停めて、遊んだりできるようになっている。

White Sands National Monument

そことはまた別の、少し広くなって車が停められるようになっている場所に車を停めて、近くの砂丘の上に登ってみる。

White Sands

広がる白い砂に、足跡が点々と。

White Sands

足跡のアップ。敦煌で行った砂漠のようなところとは違ってそんなにさらさらとはしておらず、結構固まっている。

White Sands

斜面になっている場所では、特に子供たちが駆け登っては滑り降りる遊びをした跡が思いっきり残っている。

White Sands

また少し別の場所に移動すると、派手なペイントの車がいた。

Painted Car

ところで、ここまでの写真、白い砂と言いながら、あまりぱっとしない感じだったことと思う。写真の空には、青い部分も見えてはいるが、結構雲量が多く、自分のいるまわりはずっと太陽は雲に隠れているために陰になっていて、直射日光では照らされていなかった。しばらくすると、遠くの方で雲の切れ目から日が差して、一部分だけ明るくなっている様子が見えた。

White Sands

やがて、頭上の太陽が厚い雲の端から顔を出し始める。

Sun and Cloud

日が差してきたので自分の影がくっきりと。

White Sands

これで砂丘も陰影がくっきりして美しい。まるで雪景色のようにも見えるが、白いのは石膏の砂である。

White SandsWhite Sands

ここまでは、白い砂の砂漠ということで、なるべく砂ばかりのところを撮っていたが、実はこの奥の方に来ても、結構植物がたくさん生えている場所も多い。そして、写真の手前の方には不思議な風紋が。

White Sands

とまあ、だいたいこのへんまででひととおり眺めたので、一旦ビジターセンターまで戻って、売店で飲み物を買ったりする。午後7時から、サンセット・ストロール (Sunset Stroll: 日暮れの散歩) というプログラムが無料で行われるので、その時間を待って、集合場所までまた車で入っていく。日没の時間の美しい景色を眺めつつ、砂漠に生えている植物のことやら何やらをパーク・レンジャーの人が解説してくれるというもの。なので、比較的生えている植物の種類の多い、あまり奥まで行かない場所で行われる。入場料以外に参加費は必要ない。

このときの説明のパーク・レンジャーの女性が、仕草がなかなかおもしろかった。静止画だけでどこまで伝わるかわからないが。

Sunset Stroll

地面が白いので、トカゲも白い。

White Lizard

太陽の方を見ると、見事な光条である。

Light Beams

ホワイトサンズの白い砂は、石膏でできているのだが、その石膏はどこから来たかというと、向こうに見える地層の中の白い部分。これが雨で解け出した水が、盆地状になっているこの地形にたまって湖となったものが干上がって地表に石膏の層ができ、それが風化して細かい砂になって、風に吹かれて砂丘となったということ。

White Sands

白い砂漠に咲いていた、色々な花。

White Sands White Sands White Sands

パーク・レンジャーの女性が、子供のボランティア2名を募り、下に降りて下さいという。なんだか遠近感がおかしく見える。この写真では広角レンズのマジックの要素も多少入っているかもしれないが、実際に現場にいても、おかしな感じだった。エイムズの部屋でもないのに。全部真っ白で斜面が正しく斜面に認識できないからとか、そういうことだろうか。こちらは砂丘の上に立っていて、子どもたちは底の部分に立っている。子どもたちの後ろにあるのは、砂丘の高い所で生えた植物が下まで根を張って下まで固まって動かなくなったところで、砂丘のこの植物の周りの砂が風で移動していって、植物だけ取り残されたもの。

Perspective

ここはまだ砂丘の高い部分に生えている植物。

White Sands

遠くの方では局所的に夕立ちが降っている様子。

White Sands

そして、日没の方角には、残念ながら太陽そのものは雲に隠れて見えないが、オレンジ色に輝く雲が不思議な雰囲気を醸し出していた。

White Sands

砂丘の上の人影。

White Sands

夕焼けに向かってポーズを取る人物と、サンセット・ストロール参加者の車の列。

White Sands

ここまででサンセット・ストロールは終り。各自、自分の車でゲートに戻り、そのまま皆帰って行ってしまったようだ。デューンズ・ドライブの入口は日没で閉じられるので、もう今から来る人はいない。私は一旦ビジターセンターの駐車場に車を停めて、ホテルまでのルートの確認をしたりしていたが、もうまわりには誰もいない。ガイドのパーク・レンジャーの人も戻ってきたのでまた挨拶したが、一瞬ビジターセンターの建物に寄って、そのままもう帰って行ったようだった。

自分もこの日のホテルに向かう帰途に着く。次に翌日VLAに行くことを考えると、来る途中の分岐点だったラスクルーセスが近くてよかったのかもしれないが、せっかくテキサス州近くまで来ているので、今まで空港乗り換えでしか立ち寄ったことのないテキサス州に足跡を残しておこうと、エル・パソまで足を伸ばす。エル・パソは国境の街。国境線になっているリオ・グランデ川をはさんだ対岸にシウダー・フアレスというメキシコ側の街がある。深圳と香港みたいなもんだろうか。実際に行ってないのでわからないが。

まずはホワイトサンズから、来た道US70を戻る。逆方向は検問は何もない。山越えをすると、眼下にはラスクルーセスの街明かりが広がっている。ここで、I10まで戻らずに、I25に入って南下する。すると、もともとのI10がI25に合流してくる。更にしばらく走ると、テキサス州との州境。例によって、州境を超えた直後のレストエリアに入る。ここも、ちゃんとインフォメーションがあるようだったが、既に夜で閉まっていた。

Texas Travel Information CenterTexas Travel Information Center

そしてもう少し走ると、この日のホテル、Extended Stay America El Paso – West に到着。

Extended Stay America El Paso - West

ところで、今回はちょっと長目の旅行なので、途中で着るものを洗濯しないといけなくなってくる。前のツーソンに泊まっているときに、2泊するから、ホテルにクリーニングに出せば出発する前に受け取れると思っていたのに、朝、洗濯物を持って行くと、もうピックアップは行ってしまったと言われて、洗濯できなかった。部屋にあった案内には8時までと書いてあって、ちゃんと7時半に持って行ったのに。まあ、高いクリーニング代払わなくてよくなってよかったが。そんなわけで、次のこのホテルで、コインランドリーで洗濯することに。

Coin Laundry

コインランドリーを使うには、一度に結構な枚数のクォーターを使う。洗濯機に$2.00と乾燥機に$2.00。合計16枚も必要だ。そんなに持ち合 わせがないので、フロントに行って、両替してもらった。受け取った硬貨を見ると、そのうちの半分以上が各州のデザインのクォーターだ。以前このクォーターのことを記事に書いたと きからかなり経っているが、その後既に全州分のデザインが発行されていて、みんな普通に流通しているようだ。更に、新しいシリーズで、国立公園類のデザイ ンのものもある。前の記事に書いていたように、何と何を持っているかはリストにしてチェックしてはいたのだが、家においたままで持って来なかったので、こ こで持っているものといないものを選別することができなかった。しかし、洗濯するために両替したので、このうちほとんどは使ってしまわないといけない。年 号の新しい、以前には絶対入手してなさそうなものを残して、他のものを洗濯に使った。

QuartersQuarters

ところが、その取っておいた分は、その後も使ってしまわないようにと別に分けておいておいたつもりが、どうもそのままこのホテルに置いてきてしまったようだ。後でまた他の州デザインの新しいクォーターを見つけたときに、そこに追加しようと思ったら、荷物のどこを探してもなかった。ずいぶん多いチップだなと思われたかもしれない。そういうわけなので、持ち帰ってきたのは、その後に入手した分だけになってしまった。今度アメリカに行くときは、コインアルパムでも持って行くか (笑)。

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ツーソン周辺 (ミサイル、サボテン、天文台)

6月15日。ツーソンには2連泊なので、この日は全部ツーソンから行って帰ってこられる範囲のところに行く。タイタンミサイル博物館、サワロ国立公園、キットピーク天文台の3ヶ所をめぐる。キットピーク天文台は夜の観望会を申し込んであるので、帰りは夜遅くになる。

まずはでかける前に朝食。ここだけは、モーテルではなくて立派なホテルなので、朝食も簡易朝食でなく、ちゃんとしたビュッフェ形式の朝食。といっても、たいしてものを取るわけでもないのだが。紅茶を頼んだら、こんなにたくさんの種類のティーバッグが箱に入って出てきた。

Breakfast Tea Bags

タイタンミサイル博物館

まずは、タイタンミサイル博物館 (Titan Missile Museum)。冷戦時代のICBM (Inter Continental Ballistic Missile: 大陸間弾道ミサイル) の地下サイロ式の発射施設がこの付近に多数配備されていたうちのひとつを保存して博物館にしてあるもの。ツーソンからは、I10から分岐しているI19を南下する。30 km余り行ったところにあるSahuaritaという街で、I19を降りてほどないところにある。敷地に入って駐車場に車を入れると、まずはHF帯用と思われる大きなディスコーンアンテナが目に入る。博物館の建物自体は倉庫のような質素なもの。そして、その脇には金網で囲まれたエリアがある。

Discone AntennaTitan Missile MuseumTitan Missile Museum

施設の見学は全てガイド付きのツアーになっている。1時間ツアーの代金$9.50を払う。実は、この日は割りとスケジュールに余裕があるので、朝それほど早く出発しなかったのだが。でかける前に博物館のwebサイトを見ていると、この1時間のツアーで見学できるコントロール室とミサイルサイロの地下2階フロア以外に、クルー居室と、ミサイルサイロの地下7階も見せてくれるツアーが、毎月第1、第3土曜の朝9:30からだけ実施されていて、偶然にもこの日がちょうどその日で、それも朝から行こうとはしていたのだが、もう間に合わなさそうだった。のんびり朝食をとってないでもう少し早く出かけることにしていたか、もっと前にwebを見て気がついていればよかったのだが。

ともあれ1時間ツアーに参加するのだが、出発までまだ時間がしばらくある。ところで、デイパックを背負って行っていたが、カメラとボトル入りの水はいいが、それ以外の荷物の持ち込みは禁止ということで、一旦車に置きに戻る。あとは、受付の前にある少しばかりの展示と土産物を見て過ごす。

展示エリアのど真ん中には、ミサイルの先端部が鎮座している。

Missile Head

展示を見ると、スタートレック・ネクスト・ジェネレーションのジョーディの写真が。これも事前調査不足だが、映画 “STAR TREK: FIRST CONTACT” に出てくるミサイルサイロのシーンは、ここで撮影されたということである。映画にでてきた場所を訪れるのが今回の旅行のテーマだったが、これは勘定に入っていなかった。うれしい予想外といえる。実は、ラピッドシティの近くに、ミニットマンミサイルの似たような博物館があって、そちらに行くことも検討していたが、こちらにしてよかった。

STAR TREK: FIRST CONTACT

暗号コードの保管されていた赤い金庫つきのキャビネット。

Red Safe

ミサイルに搭載されていた誘導装置の一部。

IMU

時間が来ると、参加者が全員集められて、まず教室のようなところに入って、説明のビデオを見せられる。その後、いよいよ施設の見学に行くのだが、身長5フィート何インチだか以上の人は安全のためにヘルメットをかぶるようにと指示される。狭いので背の高い人は頭をぶつけてしまう場所があるのだろう。自分は該当しないのでかぶらず。

Helmets

地下の施設には、建物の中から別のドアを通って入る前に見た金網で囲われた屋外のエリアに出て、そこにある階段を降りて入る。

Access PortalStairs

内部に入るところは分厚いドア (カンヌキの太さにも注目) が二重ドアになっている。

Doors

コントロールセンターに入ると、参加者の中から一人選ばれて、制御卓の前に座らされ、実際にミサイル発射のキーを回す役目を仰せつかる。警報音が鳴り響いて、ミサイル発射シーケンスのシミュレーションが行われる。

Control Center

映画で見たことのある、24時間式の時計。

Local Time

この時計は変な時間を差しているようだが、「Zタイム」すなわちグリニッジ標準時を示している。

Z Time

部屋の隅には巨大なコイル状のものがあるが、これは部屋全体をバネで浮かせて、ミサイルの発射の際の振動や、敵から攻撃を受けたときの振動を受けないようにするもの。

Big Spring

次に、ミサイルサイロの方に向かう。通路の脇には、こんな宇宙服のような防護服がぶらさがっている。タイタンII型ミサイルに使われている燃料は毒性の強いものだったために、こういうものが必要だったということだ。

Fueling Suits

そもそも、今回このミサイル博物館に行くことになるまで、こういったICBMに使われるロケットは、指令を受けたらすぐに発射できるために、全部固体燃料ロケットなのだと思っていた。通常の液体燃料ロケットではケロシンを使うものでも酸化剤には液体酸素、水素燃料のものでは液体水素と液体酸素が使われ、いずれも極低温に保つ必要があり、常時待機するわけにはいかない。ところが、このタイタンII型ミサイルでは、液体燃料ロケットで即応性を持たせるために、毒性には目をつぶって常温で取り扱える燃料を使うことによって、即時発射ができるようにしていた。

コントロールセンターのある部分とミサイルを発射するサイロそのものとは十分距離がとられていて、その間が通路でつながっている。通路の部分も全部ダンパーで保持されている。通路の端の部分はズレを吸収するように、ケーブルがたるませてある。

CablewayCable

ミサイルのところまで到達すると、ミサイルの側の壁のドアが開けてあってミサイルが見えている。

Titan II MissileTitan II Missile

上の方と、下の方。

Titan II MissileTitan II Missile

1時間ツアーでは、内部の見学はこれまで。もと来た階段に戻って地上に出る。ここでガイドツアーは解散で、後は金網に囲われたエリアの屋外施設や展示物を見る。

地上にあるアンテナ。根元のところを見るとフタがついているのがわかるが、敵から攻撃のあったときに壊れないように、地中に格納されるようになっている。

Pop-up Antennae

ミサイルを上から見たところ。見学できるように、上部ドアの半分は透明な窓に交換してある。

Titan II MissileTitan II Missile

危険状態を示す3色のランプと、サイレン。

Siren

サイロの周囲4辺に、侵入者検知装置が設置されている。今なら赤外線ビームを使うところだろうが、これはレーダー電波のアンテナ。少し形が変わっているが、ホーンリフレクタアンテナが使われている。これを各辺の両側で対向させて、その間に電波を飛ばしてその変動を感知するようになっている。

Radar Surveillance System

周囲には、他にも関連するもので大きなものが展示されている。まずは、先端部がもうひとつ。

Missile Head

1段目のエンジン (2連) と、2段目のエンジン。

Stage-1 Engine Stage-2 Engine

方向修正用の小型ロケットモーター。

Vernier Motor

各自適宜屋外見学を終えたら、また建物の中を通って、帰る。

ちなみに、ツーソンにあるデビスモンサン空軍基地 (Davis Monthan Air Force Base) の近くにあるピマ航空宇宙博物館 (Pima Air & Space Museum) はここと同じ団体が運営している。更に、デビスモンサン空軍基地には、俗称ボーンヤード (Boneyard) と呼ばれる Aerospace Maintenance and Regeneration Group という施設 (いわゆる飛行機の墓場) があって、数えきれないほど多くの使わなくなった航空機がぎっしり並べて置かれている。このボーンヤードも、スケジュールは限定されいるが、ピマ航空宇宙博物館から見学バスが出て見学できるらしい。私は、翌日ツーソンを離れる際に、その脇の道を走りながら、金網越しにだけ眺めた。

サワロ国立公園

ピマ航空宇宙博物館をじっくり見に行っているほどの時間はないが、キットピーク天文台は夜の観望会に申し込んであるので、夕方から行けばよく、その間のつなぎということで、サワロ国立公園 (Saguaro National Park) を見に行った。サワロ国立公園はツーソンの東側と西側に2つの別々のエリアがあるが、行ったのはミサイル博物館からツーソンに戻ってきて、ツーソンから南西方向にあるキットピークに向かう前に寄りやすい、西側のエリア。サワロ国立公園のサワロとは、アメリカやメキシコの砂漠地帯のサボテンといえば思い浮かぶハシラサボテンの一種のこと。

ミサイル博物館から、元来たI19を戻ってきて、ツーソン中心部に着く少し手前で、キットピークに向かうAZ86に入る。少しして、そのまままっすぐ行かずに北西方向に折れると、ツーソン山脈の裾野の地域に入る。すると道の両脇にはサワロサボテンがだんだん増えてくる。サワロ国立公園のエリアに入る手前の南側の地域は、Tucson Mountain Country Park となっている。その中に、まずはオールド・ツーソン・スタジオ (Old  Tucson Studios)  という、西部劇の撮影に使われたオープンセットをテーマパークにしたものがある。ここではあまり時間を費やすつもりがないので、とりあえず表まで行って入口の写真だけ撮ってきた。

Old Tucson Old Tucson

次に、アリゾナ・ソノラ砂漠博物館 (Arizona-Sonora Desert Museum) というのがあるが、こちらも入口だけ見てパス。

Arizona-Sonora Desert Museum

更に進むと、サワロ国立公園の領域に入るが、ここは特にゲートはない。少し進むとビジターセンターがあり、ここに立ち寄って入場料を払う。タダ見しようと思えばいくらでもできそうだ。入場料を払おうとすると、他に国立公園に行く予定はあるかと尋ねられた。えーっと、あと行くのはホワイトサンズ、と答える。国立公園共通パスがあって、たくさん回るにはお得なのだが、$80もするので、たくさんの国立公園を回るのでないとお得ではない。まあ、1年間有効なので、アメリカに住んでいるなら1年間であちらこちら行けばいいのだが。今回の旅行だけでは最初からイエローストーン、デビルズタワーと含めていたとしても、バラバラの方が得。ということで、単独の入場料$10を払う。

更に車を進めると、道路が未舗装路になっているループ状になった道があるのでそちらに入ってぐるっと回ることにする。その途中に、徒歩で行くトレイルがあるので車を停めて少し歩いてみる。

Saguaro National Park

車から見ていると大きなサワロサボテンが目に付くばかりだが、様々な種類のサボテン類が生えている。

Saguaro National ParkSaguaro National ParkSaguaro National ParkSaguaro National ParkSaguaro National ParkSaguaro National Park

やけにうるさい音がすると思ったらセミ。

Saguaro National Park

他にも色々。多くのサワロサボテンの先端部分が、花が咲いて散った跡のようになっている。もう少し早い時期に着ていれば、みんな鮮やかな色の花をつけていたのだろうか。

Saguaro National ParkSaguaro National ParkSaguaro National ParkIMG_6666

例によって、鳥の名前は不明。

Saguaro National Park

しかし、真昼間に来るのではなかった。どこにも日陰はないし、周囲は乾燥した地面だし、もう灼熱地獄である。他に人もあまりおらず、こんなところで倒れたりしたら助けてもらえないかもしれないので、トレイルを少し行ったところで、早々に引き返した。

もう少し行くと、今度は車のままループ道路から少し外れて少し眺めのいい場所に行けるところがある。眼下の斜面にサワロサボテンが林立しているのが壮観だ。遠くで竜巻が発生しているのが見える。

Tornado

ついでに今乗っている車の写真を撮っておく。車を借りたフェニックスはアリゾナ州なのにカリフォルニアナンバー。返却予定地がロサンゼルスだから、逆に向こうから来てアリゾナで乗り捨てになった車を割り当てたりするのだろうかと思ったりする。

PASSATPASSAT

この後、ループ道路をほぼ一周したところで、元の道には戻らず、まっすく南下する道を走ってAZ86に達し、キットピーク方向に向かう。

キットピーク天文台

国立公園の中では食事するところがなかったので、朝を食べてからここまで食事なしだった。キットピークに向かう道も何もないので、途中の店に寄ってスニッカーズ的なものを買って食べておく。

それから、夜の観望会は、事前に日本からネットで申し込んであったのだが、当日開催されるかどうかの確認の電話があることになっていたが、当然受けられないので、こちらから電話して確認しておく。

AZ86を走っていると、途中で検問所があった。こちらの走っている方向は特に何もなく、減速して通過するだけだったが、反対方向側は、全員止められてチェックを受けているようだった。こちら側方向も何もないわけではなく、道路脇に多数の小型カメラが設置してあって、こちらの車を狙っていた。

キットピークのあるクウィンラン山の麓まで来ると、AZ86から折れて山を登っていく道に入る。下からもう4m望遠鏡のドームや、太陽望遠鏡の構造物が見える。道が山に上がっていくと、山をぐるっと回り込むため、離れていたときは見えていなかった側のドーム群が見えてくる。

Kitt PeakKitt Peak

そして山頂にあるキットピーク天文台 (Kitt Peak National Observatory) に到着。

Kitt Peak National Observatory

この建物がビジターセンター。ビジターセンターにも専用の望遠鏡ドームが付設されている。

Visitor Center

観望会の集合時刻にはまだだいぶ早いが、もう結構午後遅い時間だからか、見学の人はほとんどおらず、中の売店も閉まっている。次の写真は他所の科学館的なところでも見かける、重力井戸を説明する募金箱。

Gravity Well

中の展示をひととおり眺めた後、観望会の集合時間までの間に、ビジターセンターから歩いて行ける範囲の望遠鏡ドームを眺めに行く。何か案内用のパンフレットとか地図とかがないかと思ったが、特に見当たらなかったので適当に行ってみる。

Warner & Swasey Observatory

Warner & Swasey Observatory

NOAO Public Outreach Telescope。平らな屋根がスライドする珍しい建物。

NOAO Public Outreach Telescope

0.9m SARA Telescope。

0.9m SARA Telescope

乾燥地域なので山火事が起きやすいらしい。トホノオーダム (Tohono O’odham) とは地元の先住民の部族の名前。

Fire Danger

そして、キットピーク天文台で最大のマイヨール4メートル望遠鏡。下から見上げているせいだけでなく、本当に地面からドームまでの高さがずいぶんあるのだが、これは、地面からの熱で空気が乱れるのをできるだけ避けるためという思想での設計だとのこと。

Mayall 4m Telescope

マイヨール望遠鏡の近くから眺めたソノラ砂漠。と、キットピークの他の望遠鏡群。マイヨール望遠鏡は敷地の一番端の方にあるので、ほぼ残り全体を見渡せる。

Sonoran DesertKitt Peak National Observatory

真下から見上げたドーム。

Mayall 4m Telescope

入口は開いていて勝手に中に入っても構わない感じなので入ってみると、案内図が壁にかかっていたりして。

Mayall 4m Telescope

中に入ってエレベータに乗って上に上がると、更に階段を登るようにという素っ気ない指示がある。

Mayall 4m Telescope

階段を登って上の階に行くと、また同じような指示が。アドベンチャーゲームでもやらされてるかのような。

Mayall 4m Telescope

まずは前半に書いてあるギャラリーに。外から見てもドームのすぐ下の部分に窓になっている部分が見えるのだが、建物を一周するギャラリーになっている。周囲の眺望を楽しめるし、内側の壁には色々展示してある。

Mayall 4m Telescope

一周してきてから、指示の後半にあったように更に階段を登ると、望遠鏡の見られるフロアに出る。「氷に注意」とは一体…?

Mayall 4m Telescope

望遠鏡を見学できるのは、このガラス張りになって仕切られた小さな部屋からのみ。ガラスに近づいて望遠鏡全体を眺める。

Mayall 4m TelescopeMayall 4m Telescope

ここまで、誰も係員とか案内とかもなく、他に見学者もおらず、まるでひとりで勝手に忍び込んで見ているようだったが、こんな施設がそんなふうに自由に見られるようになっているというのは驚きだ。しかも、こんなに大きな望遠鏡の実物を直接目にするのも初めてだ。たぶん、それまでに見たことのある一番大きなものは、石垣島の105cm望遠鏡「むりかぶし」のはずだ。昔ハワイ島のマウナケア山頂に行ったときは、すばる望遠鏡のドームは外から見たが、当時は中の見学はできなかったので見ていない。

この天文台で一番立派な望遠鏡は見学できたし、集合時間が近づいてくるので、ビジターセンターの方に戻る。日時計は、夏至が近いので球の影は目盛りの一番端の線上にある (少しはみ出ている)。

Sundial

さて、これからがいよいよ観望会。望遠鏡を見に行っている間にずいぶん人が集まっている。2~30人くらいか。土産物の売店も開いている。この時点ではまだ外は明るくて太陽もまだ沈んでいない。まず最初は食事。サンドイッチと果物とオレオとチョコレートバーみたいなものが入った箱と、水のPETボトルが配られて、皆、外のテーブルなどで適当に食べる。食事をしている最中に、すぐそばまで名前のわからない青い鳥が飛んできた。

Blue Bird

食事が終わると、私が先に見に行った望遠鏡ドームのうち、マイヨール望遠鏡ではなくビジターセンターに近いものの付近に行って、色々な説明を聞きながら日没を待つ。その間に撮ったVLBA (Very Long Baseline Array) の電波望遠鏡。VLBAは、この翌々日に行くVLA (Very Large Array) のようにひとところにアンテナを並べるのではなく、遠く離れた場所に設置された複数の電波望遠鏡を合成して巨大な電波望遠鏡とするものである。石垣島と小笠原で見学したのと同様のものだ。

VLBA

やがて太陽が地平線 (といっても少し山の高さが少しあるが) まで来て日没。全く雲に遮られない、きれいな日没だった。

Sunset

その後、太陽の沈んだ後の空の色の変化、向きによる色の違いなどの話を聞きながら、だんだん暗くなっていく。

Kitt Peak National Observatory

一旦、ビジターセンターの室内に戻り、星座早見盤とキーホルダー型の赤色LEDライトを渡される。星座早見盤は裏表で北天と南天とに別れた、日本ではあまりお目にかからないタイプのものだった。といっても、私自身子供の頃にそういうタイプを使った覚えがあるので、日本でも全くないというわけではないと思うが。売店で売っている星座早見盤も、そのタイプのものが多かった。しかし、後で他の天文台に行ったときにはそうでもなかったようなので、たまたまここだけそうなのかもしれない。ちなみに、この星座早見盤は観望会が終わったら返す。キーホルダー型のライトの方はおみやげに持ち帰っていい。キットピークの絵が入っていて、LEDライトの他に小さなコンパスがついていて、端の方はホイッスルになっているが、説明の人いわく、LEDライト以外は役に立たないと。(笑)

LED Light

そのうちに外がすっかり暗くなっているので、いよいよ皆で外に出て星を見る。この観望会の対象は一般の人なので、内容はそんなに難しい話はない。最初は肉眼での観察。まあ、ビッグディッパー (Big Dipper: 北斗七星) はあそこで、あれがポラリス (Polaris: 北極星) 的な話。で、こちらの青い星は? というと、スパイカ! あらっ? と思ったが、スピカ (Spica) は英語ではスパイカと発音するようだ。日本式の発音に慣れていると結構違和感がある。北斗七星の柄のところのミザール (Mizar) も、マイザー、と言っていた。望遠鏡を買ってまだしばらくの頃の記事に書いたことがあるが、英語の天文用語も慣れないとなかなか大変だ。そういえば、月の明暗境界線のことをterminatorと言うが、アメリカ人でも一般の人には天文用語としてのこの言葉はやはりそれほど馴染みがなく、シュワルツェネッガーの出てくる映画を思い浮かべる方が先のようだ。

星座早見盤と見比べながら、説明が黄道 (ecliptic) に沿って星座をたどっていき、てんびん座 (Libra)、さそり座 (Scorpius) と来ると、隣に立っていた親子が、さそり座が見当たらない様子だ。裏面に行かないといけないのがわからなかったので教えてあげた。アメリカは国土が広いので、星座早見盤に対応緯度範囲の違うものが用意されている。経度方向は場所に応じてタイムゾーンが違うから基本的には1時間以内の誤差に目をつむれば問題はないが、サマータイムのときはどうするのかとか、そういったところをあまり詳しく観察しなかったが、よく見ておけばよかった。アリゾナはサマータイムがないので、そのことを気にかけずに済んだわけだが。

日没からまだあまり時間の経たないうちなので、人工衛星が結構見えた。私の自宅からだとISSのような非常に明るいものしか見えないが、ここでは名の知らない小さな衛星がいくつも見えた。

肉眼の観察が終わると、次は双眼鏡が配られる。たぶん口径50 mmだったと思う、立派な双眼鏡だ。これで、双眼鏡で楽しめる二重星や、双眼鏡の視野で同時に見られる散開星団M6とM7、明るい球状星団のω星団などを案内してくれる。

そして、最後は望遠鏡での観望。望遠鏡はひとりずつしか見られないので時間がかかるので、3つのグループに分かれて、それぞれ違う望遠鏡のところに行く。私の入ったグループは結構離れたところにあるドームなので車に乗せてもらって移動。ドームの中の照明は目が暗順応したままになるように赤色。

Meade LX200 EMCMeade LX200 EMC

望遠鏡はMEADEの16インチ (40 cm) のLX200だった。石垣島の105 cmを見に行ったときは雨で実際に星は覗けなかったし、いくらか参加したことのある観望会などでは、せいぜい20 cm以下くらいしかお目にかかったことがないので、これだけ口径の大きい望遠鏡を覗くのは初めてである。見せてくれたものは、月、アルビレオ (二重星)、M13 (球状星団)、M57 (惑星状星雲)、M51 (子持ち銀河)。きれいに各種類の天体を取り揃えて見せてくれたという感じだ。自宅の望遠鏡では普段では写真に撮らないとわからないような星雲も眼視でよく見えるのに感動する。そして、一番最後まで出し惜しみしていたのが土星。くっきり、しっかり見える。像が全然揺らがないのに感心した。まるで写真を見ているようだった。実は、昼間マイヨール望遠鏡のドームに向かって歩いているときは、日除けのために被っていた帽子を飛ばされてしまったくらいの強風が吹いていて、こんなに風が強くては天体観測には不適じゃないかと思ったのだが、夜になると風はすっかり止んでいた。

これで観望会は終了。さすがにそこらへんのボランティアの無料の観望会とは違って、非常に内容が充実していたと感じた。立派な天文台のプログラムだからか、料金を取っているからか。

さて、帰りが問題である。皆が車のヘッドライトを点灯して山を下って行くと、光害となって本来の天文台の業務の観測の妨げになる。そこで、ヘッドライトは点灯せずに、スモールランプだけで下山する。これは、ハワイ島ですばる望遠鏡に行ったときも、ツアーの車が同じようにしていた。周囲が真っ暗だと、スモールの明かりで照らされているだけでも結構ものが見える。とはいえ、ヘッドライトを点灯せずに山道をみんながバラバラに下山すると危ないので、全員車に乗って準備ができたら、先導されて一斉につらなって下りる。車によっては、スモールだけにできない人は、ヘッドライトに覆いをつけてくれて、麓まで下りたらはずすようにする。私のレンタカーも、ぱっと見たところオフとオートとオンのポジションしかなく、よくわからなかったのでそうしてもらった。後でよく考えたら、ヘッドライトはオフのままでハザードランプのスイッチをオンにすればよかった。思い出してみるとハワイ島でもツアーの車は点滅していた。麓に下りてから見ると、ライトの覆いは使い古しの厚紙製の書類フォルダをテープで貼りつけたものだった。

そして、AZ86に戻って、ツーソンに向けて帰る。行きに通った検問所は帰りはしっかり止められて質問される (というか、全員もれなくチェックされている)。この後、旅行中には他でも何ヶ所か検問にあうが、最初の質問は必ず、USシチズンか? だ。パスボートをすぐに出せるところに持っていてよかった。連続して通るので、君も天文台で星を見てきたのか、とも。まあ、毎夜この質問が繰り返されているのだろう。

ホテルに到着するともう夜遅い。翌日はまた長距離走るので、なるべく遅くならないうちに寝る。

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ラピッドシティ ~ デンバー ~ フェニックス ~ ツーソン

6月14日は移動のみ。ラピッドシティ (Rapid City) の空港から、まず日本から来た時に乗り換えたのと同じデンバーのハブまで再び飛んで、次に乗り換えてアリゾナ州のフェニックス (Phoenix) に飛ぶ。そこからレンタカーを借り直して、ツーソン (Tucson) まで走って宿泊という行程。最初の計画では先にフラグスタッフ (Flagstaff) に行くつもりだったが、旅行会社で手配しているときに、いい飛行機の接続がなく、デンバーからフェニックスに飛んで、更にフェニックスからフラグスタッフに飛ぶというルートを示されたので、それならもう飛行機はフェニックスまでにして最後は距離も近いし車で行くということにした。その後、行程を考えていて、フェニックスから逆にツーソンの方に先に行って回る順を逆にした方がいいと思い、フェニックスからの距離はどちらも同じくらいなので、そのようにした。ツーソンを先にした理由は、キットピーク天文台で星を見るのに、なるべく月が邪魔をしないように月齢が若くて輝きが少なく早く西に傾いてしまう時期の方がいいと思ったから。先にして15日なら月齢が7.5で半月くらい、後から行く元の予定の18日だと月齢10.5で半月から結構太っているし高度も高い。

飛行機は午前発と午後発と2通りあって旅行会社でどちらにしますかと聞かれ、あまり到着が遅いのはよくないと思って早い方の便にしたが、これが結構朝早く、ラピッドシティを8:50発で、スピアフィッシュからは近いといっても1時間くらいはかかるので、結構早い時間に出発しないといけなかった。いつも朝食はホテルのロビーに用意されているコンプリメンタリー・ブレックファスト (無料の簡易朝食) を食べていたが、この日は出発が早すぎてまだ用意されてないので、デンバーの空港でもらったままになっていたチョコレートをとりあえず朝食代わりに食べて出発。

ラピッドシティ

前日に続いてI90を東進。ラピッドシティの市街を通り抜けたあたりでI90をはずれて空港に向かう。空港の少し手前のガソリンスタンドでこの車2回目かつ最後の給油。そういえば最初の給油の時に窓を拭くのを忘れていて、かなり汚れてきていたが、もう今さらきれいにしても仕方ないのでそのまま。

空港に着くと、Rental Car Return の指示に従って駐車場に入り、ハーツの看板のある駐車ポジションに車を停めて距離計の値を書類に記入して持って出る。ハーツのオフィスに行くと、奥には人がいるようなものの、カウンターはまだ朝早いせいかやっている様子がない。エクスプレスリターンのポストがあるので、そちらに書類を投入しておしまい。

Rapid City Regional Airport

チェックインカウンターに行くと、まあそんなに大きな空港ではないと思ってはいたが、カウンターはユナイテッドのが2つと、もうひとつ他の航空会社のが2つ。たったそれだけだった。ここのカウンターにも人がいなかったが、チェックインは手前に置いてあるセルフ・チェックイン機 (成田にもあったのと基本同じ) で行わないといけないようだ。で、操作していると人が出てきて、預ける荷物の処理をしてくれた。

時間の余裕をみて来ていたので、しばらくゆっくりしてから、セキュリティーチェックを通る前にポケットの中身を出そうとしたら、車のキーを持っていたままだった。車を降りるときに、ついいつものようにキーを抜いて持ってきてしまって、書類だけ投函してきてしまったのだった。あわてて、レンタカーのカウンターに戻ると、ちょうど営業開始時間になっていたのか人がいたので、事情を話してキーを渡す。

あらためてセキュリティーチェックに向かい、搭乗ゲートへ。まだ時間があるので、本番の朝食をここの売店で買って食べる。

Breakfast

UA3867便 (ラピッドシティ ~ デンバー)

機材はデンバー=ジャクソンホール間と同じくボンバルディアのQ400。この機体は小さいので地面から客室の床までの高さも低く、ドアが縦に開いて裏側が階段になっていて地上から乗り込むのが一般的なパターンだが、ここではボーディングブリッジからの搭乗だった。これは初めての経験。

Q400

座席はちょうどプロペラの見える窓側。これは、前から知っていたが、回転するプロペラをメカシャッターのないCMOSセンサのカメラで撮影すると、画像をスキャンする時差のせいですごいことになる。わざわざiPhoneの向きを4通りに回転させながらいろんなパターンになるのを撮ってみた。

Propeller Propeller Propeller Propeller

こちらはデジイチで撮った正常な画像。

Propeller

また、この区間は窓から外を眺めていると、センターピボット式と呼ばれる回転するスプリンクラーで散水するため円形になっている農場や、風力発電機が林立しているエリアとか、眺めも楽しかった。

Center Pivot Irrigation Wind Power Generator

デンバー

今回2回目のデンバー空港に到着すると、到着口は、デンバーからジャクソンホールに行くのに乗ったときに出て行ったのと同じ地上用出入口。まあ、同じ航空会社の地上用出入口がいくつもあるわけではないから当然かもしれない。今回の乗り継ぎはユナイテッドどうしではなく、次は別会社のUSエアウェイズに乗り換えるので、入国時のように税関の検査が必要だからというわけでもないのに、やはり荷物はスルーでは行かず、一度ピックアップしないといけない。

ここの空港は搭乗ターミナルとチェックインターミナルが別々のビルで、地下鉄で結ばれている。バゲッジクレームはチェックインターミナル側にあるので、最初の日本から到着のときもそうだったが、到着後地下鉄に乗って移動。普通のターンテーブルもあるが、壁際に縦型のターンテーブルみたいなものがある。冬のスキー客用のものではないかと思うが、こんなのは初めて見た。

Denver International Airport

荷物を全部持ってUSエアウェイズのチェックインカウンターへ。ここはなんと荷物は1つ目から有料。その場でクレジットカードで$25支払う。

そして、またジャクソンホール行きのときに通ったのと同じ安全検査場を通ってから地下鉄に乗って搭乗ターミナルへ。

Denver International Airport

搭乗待ちの時間で昼食。City Wokという中華屋で揚州炒飯 (ここの英語の綴りではYang Chow Fried Rice)。他の白いご飯におかずをかけたメニューはみんな白い発泡材でできたお弁当パックのような容器に入って出てきているのでこれもそうかと思ったら、チャーハンだけはこんな紙の容器にぎっしり詰めて出てきてびっくり。ぎゅうぎゅうに詰めてあるので、たいした量で、食べきれず半分残してしまった。

Yang Chow Fried Rice

US704便 (デンバー ~ フェニックス)

搭乗時間になってゲートを通るのにチケットをもぎられるときに、exit seat だとかなんとか言われた。確かに搭乗券にもその表示がある。非常口のところの座席で、緊急時には脱出の手伝いをして下さいというやつだ。自分は通路側席だったが、窓際席だけでなく非常口のある部分の列全員が該当者となる。全員着席してから出発前に客室乗務員がやってきて、年齢が15歳未満でないかとか、身体に障害があったり体力がなくて非常ドアを開けたり、障害物をどけたりすることができなくないかとか、口頭で他の乗客に指示を伝えたり乗務員からの口頭の指示を聞いて理解できるか、などといったことを確認される。英語はちょっと怪しいが全部Yesと答えて、めでたく非常時の脱出補助担当となった。シートのポケットに必ず入ってる安全のしおりの一番裏に、exit row seat に乗った場合の注意書きが書かれていて、初めてそういうものをしっかり読んでしまった。

Emergency ExitExit Row Seating

この便は、出発時刻が12:20、到着時刻が13:06となっていて、引き算すると飛行時間が46分間しかない。そんなに近かったかなと思ったが、実は到着地とは1時間時差があって、本当の飛行時間は1時間46分かかるのだった。今回の旅行の行動範囲は、最後にロサンゼルスに行くのにカリフォルニア州に入るとウェストコーストタイムになる以外は全てマウンテンタイムの地域なので、あまり気にしなくていいはずと思っていたが、そのうちアリゾナ州だけがサマータイムを実施していないので、サマータイム中のこの時期はマウンテンイタムゾーンにもかかわらず、隣の (サマータイム実施中の) ウェストコーストと同じになっている。ややこしい。この後もアリゾナからニューメキシコ (マウンテンタイムでサマータイム実施) に行ってまたアリゾナに戻って来るので面倒だ。

ハーツレンタカー

フェニックスに到着すると、今回の旅行で初の大都市 (乗り換えで空港の外に出なかったデンバーは別として)。空港のレンタカー屋も到着ロビーに出てきた目の前にあるのでなく、空港内のシャトルバスに乗って行く。まあ、それが普通か。レンタカー屋は1社1社別々の敷地にあるのではなく、カウンターの窓口は複数の会社がひとつの大きなビルの中に同居していて、駐車場は離れた別の階にある。こういうタイプは初めてだ。ゴールドメンバーは表示板に名前が出ていて用意されている車のところに行けばいいのだが、駐車場は別の階だし名前の表示板もないので、ここもやはり一旦カウンターで何かするのかとカウンターに行くと、普通の客は長い行列をつくっている。それに並ぶはずはないと思って少し横を見ると、テレビ電話のカウンターがある。そちらで何かやりとりするのかと思って空くのを待っていたが、どうもそこでもないらしい。人のいるカウンターのところに行くと、ちゃんと並んでんのかと文句言われたのでゴールドメンバーだと言うと、ゴールドメンバーはここに来なくていい、まっすぐ階下の駐車場に行くように言われる。もっとわかりやすく目立つようにどこかに書いておいてくれよ、と思ったが、後から写真をよく見ると、ちゃんと大きな矢印の看板が出ている。

Hertz

駐車場に降りると、そこに確かに名前の表示板があった。ずいぶんたくさんの数の名前が並んでいるが、アルファベット順に並んでいたので割りとすぐに見つかった。車の場所がQ27。駐車場がまた広大で、Qのエリアは一体どこだ。係員をつかまえて聞かないとどっち方向にあるのかさえわからない。実はやはり写真を後でよく見るとちゃんと地図があったようだが。しかしまあ、ジャクソンホールと比べると違いがまた極端だ。ずいぶん長い距離を荷物を引きずって歩いてやっと自分の車に到着。

Hertz #1 Club Gold

今回のレンタカー旅行では、ほぼ全部初めて走る道なので、全て事前に道は地図でよく調べてから走っている。しかし大きな空港だと、レンタカーの駐車場の出口が空港のどこにあるのかよくわからないので、事前に地図で道を調べても、空港からの出方までわからない。とりあえず出た後に乗る幹線道路がI10の東向きだということだけ念頭に置いて、空港から出る道は標識の指示に従うのみ。そもそも出るときにどちらの方角を向いているかよくわからないし、出るまでにぐるぐる向きが変わったりするので、最終的に間違った方向に走り出してしまって面倒なことになったりしないように気をつけないといけない。

フェニックス ~ ツーソン

幸い、無事I10に乗れたが、さすが大都市。片側6車線くらいあるハイウェイを車がぎっしり車間を詰めて走っていて、少々怖気づいてしまう。フェニックスの市街地から出るとだんだん車も減ってきて、道の両側はアリゾナの砂漠地帯の風景が拡がる。ワイイオミングとはまた全く違う風景だ。ここも残念ながら走行中写真はなし。そのまま2時間ほど走ればツーソンに到達する。

ツーソンに入ってI10を降りてすぐのところが少しくねくねしてわかりにくい道になっているところが、工事中で余計大変なことになっていたが、なんとか無事クリアして、あとは道が碁盤目になったエリアのBroadway Blvd.をまっすぐ走るだけ。交差点ごとにクロスする道の名前を確認しつつ、結構距離があったのでまだかまだかと思いながら、ホテルに到着。この日も予定通り日のあるうちにホテルに着けた。

Hilton Tucson EastHilton Tucson East

ホテルはヒルトン・ツーソン・イースト (Hilton Tucson East)。今回の旅行で唯一立派なホテルといってもいいかもしれない。他はだいたいモーテル的なところ。しかし、値段ではリゾート地なジャクソンのホテルが高かった。ここのヒルトンは割引で他のモーテルと変わらないくらいの値段で泊まれた。また、ここだけ続けて2泊する。というのも、ツーソンではキットピーク天文台の夜の観望会に参加するのだが、到着した日の夕刻に開始時間に間に合うように行くのは厳しくて、そうすると到着翌日の夜に参加するとなると、必然的にもう1泊することになる。

パークプレイスモール

チェックインした後、大都市に来たのでちょっと近くのショッピングモールにでも行ってみる。そこそこの大きさのモールだったのに、本屋がなかったのが驚き。

Park Place

夕食はここのフードコートで。Sarku JAPANという妙な名前の日本食ファーストフード屋があったので、そこで食べてみる。アメリカによくあるテリヤキ風のちょっと勘違いした日本食だ。これまたボリュームがあってお腹いっぱい。

Sarku JAPANSarku JAPAN

食べ終わって外に出ると、ちょうど夕陽が沈むところだった。あまり高い建物はないので、かなり地平線に近いところまで見えるし、結構きれいだ。

Sunset at Tucson

翌日はツーソン付近の3ヶ所を回る。

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デビルズタワー ~ スピアフィッシュ

6月13日。朝は快晴のさわやかな天気。泊まったホテルのすぐ脇には鉄道の大きな操車場がある。

Greybull

この日は朝から午後半ばまでずっと目的地のデビルズタワーまで走り、デビルズタワーの後はさほど遠くない、次の移動のための空港との中間地点あたりにあるスピアフィッシュという街で泊まる。

ビッグホーン国有森林

グレイブルを出発してUS14を東進。すぐに、ビッグホーン国有森林 (Bighorn National Forest) という山岳地帯に入る。東に向かうにはここを山超えをしなければいけない。またもや素晴らしい景色だが、走行中画像はなし。前日はフロントウィンドウにビデオカメラを装着していたが、車を降りるたびに取り外してしまうのが面倒で、この日は装着していなかった。やっぱり面倒がらずに装着しておけばよかった。前方を黄色いアメリカおなじみのデザインのスクールバスが走っていて、追い越すに追い越せず。こちらは景色を撮るのに途中で車を停めたりして追いつかずに済ませる。こんな山の中をスクールバスとは、山の中の集落の子供を送迎するのだろうかと不思議に思った。

Bighorn National ForestBighorn National Forest

しばらく山道を走ると駐車場があって、観光ポイントのようなので入ってみると、シェルフォールズ (Shell Falls) という滝。この区間は単に移動とだけ思っていたので事前調査ではチェックできていなかった。さきほどのスクールバスも停まっていて、子供たちはもう滝を見学しに行っている。学校の遠足のようなものだったようだ。

Shell Falls

Shell FallsShell Falls

更に進むと一旦広い平地になり。

Bighorn National Forest

再び険しい山道。

Bighorn National Forest

前日ずっと走った上に、この日は朝から結構な山道をずいぶん走ったので、そろそろガソリンがなくなってきた。山岳地帯の後半でかなり厳しくなってきたのだが、途中にガソリンスタンドはないので、山を降り切った麓の小さな町、デイトン (Dayton) で初給油。

Corner Grocery

I90

ここからしばらく走ってI90に合流。インターステートに乗ったら、後はもう高速でただ走るのみ。と思ったが、途中に結構工事中の区間があり、片方向車線は完全に閉鎖されて反対側車線に移って対面通行で低速走行を強いられる区間が相当あった。

途中、ジレット (Gillette; カミソリとは関係ない) の街でI90を一旦降りてマクドナルドに入って昼食。ネット接続もここでゆっくりできる。ひとりでひたすら運転していると眠気も襲ってくるので、少し仮眠などもしておく。これは、この後もそうで、結構頻繁に休憩・仮眠はとるようにした。

Gillette

休憩を終えたら、先を急いで、更にI90をずっと走り、ムーアクロフト (Moorcroft) という小さな町でI90を降りて、US14 (実はそこまでのI90はUS14の共通区間なのだが) でデビルズタワーの方に向かう。

デビルズタワー

途中で州道WY24に入ってしばらく進むと、やがて唐突に左前方にデビルズタワーが姿を現す。確かに映画「未知との遭遇」にでてきたアレだ。皆がそのあたりで写真を取りたがるからか、路側が広げて車が止められるようになっている場所があるので、自分もそこに停めてまずは遠景をカメラに収める。

Devils Tower

WY24から更にWY110に入って少し進むとゲート。この手前、写真の背後側に土産物屋などがある。

Devils Tower

映画で、初めてデビルズタワーが実際に現れるシーンと比べてみると、割りと近い角度から見ていることがわかる。映画の方が少し左寄りの位置から見ている。

Close Encounters of the Third Kind

こちらの施設からのシーンはほぼゲートからと同じ角度だ。

Close Encounters of the Third Kind

最後に、巨大UFOの出てくるこのシーン。これがちょっとよくわからない。左上の方に特徴的な切り欠きが見えて、これがやはり他の写真でだいたい左上にある少しへこんだように見える部分と一致するような気がするが、そうすると下半分の方の形状が一致しない。しかし、このUFOとコンタクトする基地は山の反対側にあるという設定なので、反対側から見た山の形を見てみないとわからない。

Close Encounters of the Third Kind

現実に戻って、車1台で$10の入場料を支払ってゲートを通って進んでいくと、タワーの裾をぐるっと半周くらいしながら登っていき、ビジターセンターのある駐車場に着く。

Devils Tower

遠くから見ると、土が侵食でもして筋状に模様がついているようにも見える。未知との遭遇の映画でも、マッシュポテトでつくった山をフォークでこすって筋を付けるシーンがあったり、地元のネイティブアメリカンの伝承でも、熊が爪で引っ掻いた跡だというので、どうも柔らかいものでできているイメージがする。ところが、実際に近くで見てみると、硬い岩でできていることがわかる。柱状節理という現象で岩が筋状に割れてできた地形である。

Devils Tower
Devils TowerDevils Tower

ビジターセンターの前の少し脇には望遠鏡が設置されていて、皆が覗いている。単に岩肌を拡大してよく見ているわけではなく、何かいるらしい。カメラの望遠レンズで見ているらしき位置をよく見てみると、人がいる。この岩壁をロッククライミングしてる人たちがいるのだ。最望遠で撮ったものからトリミングして取り出した拡大画像を。

Rock ClimberRock ClimberRock ClimberRock Climber

どの場所にいるかよくわからないと思うので、全員が写っている全体の写真に印をつけておいた。拡大してよく見てみてほしい。

Rock Climbers

岩山のすぐ根元を一周できる道があって、長さ2 kmとお手軽なので、行ってみる。もっと離れたところで一周する道もあるが、距離が長くて時間がかかるので、そちらはパス。以下、一周しながら撮った各方向からの写真。短い時間の間なのに、最初は非常に写真に映える青空だったのに途中から曇ってきてしまった。

Devils TowerDevils TowerDevils TowerDevils TowerDevils TowerDevils TowerDevils TowerDevils TowerDevils TowerDevils TowerDevils Tower

きれいにコップをひっくり返したような形をしていると思ったら、意外と平べったい。しかし、どの方向から見ても、映画のUFOのシーンに該当する形状には見えない気がする。画面は合成だけどデビルズタワーそのものは実写画像だろうと思ったが、もしかしたらミニチュアなのかもしれない。あるいは、あまりに近くから見上げているので、うまく見えなかっただけなのかもしれないが。結局よくわからなかった。

一周している途中では、はるか広がる平原の眺めのいい場所もあり。

Devils Tower

山火事で焼け焦げた樹木の跡あり。

Devils Tower

剥がれて落ちた岩の柱がそのままの形で横たわっていたり。

Devils Tower

一周して出発地に戻って見上げてみると、先ほどのロッククライマーたち、上の方にいたうちの一人はほぼ頂上に到達し、下の方にいた二人は、どうやらリタイアして降りてきてしまった様子。

Rock Climbers Rock Climbers

地球の歩き方に、ここに日本人彫刻家、武藤順九 (むとうじゅんきゅう) の「風の環」という作品があるというので探してみる。ビジターセンターの近くにないなと思ってよく調べたら、麓にあるキャンプエリアの入口のあたりだった。日本語名は彼の他の作品と同じく風の環だが、英語名は “Circle of Sacred Smoke” と、ネイティブアメリカンの儀式の際の煙の意味が込められているようだ。

Circle of Sacred SmokeCircle of Sacred Smoke

もうひとつ、行き掛けにはスルーしていたが、帰り道、ここからもう少しゲート方向に進むと、プレーリードッグの住んでいる平原がある。オグロプレーリードッグ (Black-tailed Prairie Dog) という種類。

Prairie Dog

Prairie DogPrairie DogPrairie DogPrairie Dog

ゲート前の土産物屋の周辺にあったオブジェなど。

Devils TowerDevils TowerDevils TowerDevils TowerDevils Tower

最後に、もう一度、最初に撮った場所と同じ場所 (の道路の向かい側) から。

Devils TowerDevils Tower

スピアフィッシュ

デビルズタワーを後にしてWY24を南下してUS14に達すると、来たのとは反対に曲がって東に向かって、先の方のサンダンスの街でI90に復帰。しばらく走るとワイオミング州からサウスダコタ州に入る。今回初の州境越え。イエローストーンはワイオミング州の西の端だから、ほぼワイオミング州を端から端まで走ったことになる。

サウスダコタに入ってすぐのレストエリアに入って休憩。州によっては州境に入ったところのレストエリアにその州の情報の案内をするような施設があることが多いが、ここは単なるレストエリア。トイレと飲み物の自販機くらいしかなかった。しかし、表に立っていた看板を見て気付いたのが、サウスダコタ州で有名なもののひとつが、過去の大統領の顔を山の岩に彫ったラッシュモア山 (Mt. Rushmore) ということ。これも事前チェックに漏れていた。バッドランド国立公園というのも近くにあるのはチェックしていたのだが、そちらはそれほど行きたいと思わず、他にこの付近ではどこにも寄ろうと思っていなかった。翌日飛行機に乗るラピッドシティからかなり近い位置にあるので、時間があれば行きたいところだったが、飛行機の時間が朝早いので無理。

Rest Area

レストエリアにあった何かのモニュメント。

Reat Area

あと少しI90を走るとスピアフィッシュの街に到着。この日の宿はトラベロッジ。

Travelodge Spearfish Travelodge Spearfish

食事は、ホテルに置いてあった案内に出ていた、Bay Leaf Cafe という店でパスタ。

Bay Leaf Cafe

翌日は朝早く出発して飛行機での長距離移動が待っている。

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イエローストーン国立公園 ~ グレイブル

6月12日、ここからやっと旅行の本体に入るといっていい。最初の目的地はイエローストーン国立公園 (Yellowstone National Park)。そして、その次の目的地、デビルズタワーまではかなり距離があるので、その行程を全部翌日走ることにすると到着が遅い時間になってしまうため、この日のうちに半分くらい進んでおくことにして、宿泊地はグレイブルという街に決めてある。イエローストーンは巨大な国立公園で見始めたらキリがないが、非常に有名な2ポイントだけ見て、早目に出発してグレイブルまで行くという予定。

まずは、宿を出たら昨日空港から来た道、US191を逆方向に戻り、そのまま空港を通過して北上を続ける。

グランドティトン国立公園 ~ イエローストーン国立公園

Grand Teton

イエローストーンに入る前に先ずグランドティトン国立公園 (Grand Teton National Park) に入ることになる。というのも、イエローストーン国立公園に接して南隣にグランドティトンがあり、ジャクソンの街はその南側にあるからだ。グランドティトンをまるまる通過してイエローストーンに行く。これら2つの国立公園の入場料は共通なので、ここで払っておけばイエローストーンの中も全部有効だ。自分の車で中を移動するからか、入場料は車単位。中国の観光地によくあった立派な入場券のようなものはなく、レシートだけ。後でイエローストーンで見せるために、なくさないようにとの配慮か、パンフレットにテープで貼り付けて渡された。

Receipt

隣接はしているが、イエローストーンが火山地形がメインなのに対して、グランドティトンは3,000 mから4,000 m級のアメリカンロッキーの一部であるティトン山脈がそびえていて、雰囲気がずいぶん違う。しかし、イエローストーンをほんの一部しか見ないのと同じ理由で、ここはとりあえず景色を眺めながらドライブするだけで素通り。

そのままUS191を北上するとイエローストーン国立公園に入る。ここのゲートで、先ほどのレシートを見せる。目的地のオールドフェイスフル (Old Faithful Geyser) という間欠泉のある場所は、広大なイエローストーンのエリアの中では、南ゲートから近い場所にあるのだが、それでも何十kmもあるので、まだまだ走り続け る。途中、Continental Divide という看板に何度か遭遇した。ここに端を発した川の流れが、アメリカ大陸の西海岸側に流れていくか、東海岸側に流れていくかの境目になる稜線がこの付近を 通っている。

Yellow StoneYellow Stone

オールドフェイスフル

そして、オールドフェイスフルに到着。オールドフェイスフル一帯は他にも間欠泉や温泉の池がまとまっているので、大きな駐車場と施設もいろいろある。駐車場に車を止めて、まずはビジターセンターに向かい、間欠泉の時刻を確認してどこから回るか考えることにする。

Old Faithful Visitor Center

中に入ると、そのまま真っすぐ奥まで行った正面が大きなガラス張りになっていて、オールドウェイスフルの間欠泉が見えるようになっている。見ると、あまり高くないがちょうど熱水を噴出しているところではないか。大きな噴出の後しばらく噴出の続いている状態のときだったようだ。聞いてみると、5分間くらい続くらしい。表で写真を撮ったりしてないで直行すれば最高に噴出している瞬間が見られたかもしれなかったのに。しかし、数多くある間欠泉のうちでこの一番立派な噴出のあるオールドフェイスフルは噴出の間隔が短く、1時間40分くらいでまた噴出するので、それまでの間に付近を一周して戻ってくればちょうどいい。

Old Faithful Geyser

ビジターセンターには間欠泉の噴出予想時刻一覧が表示されているので、他にも噴出時刻が近そうなものはないかと見ると、デイジー・ガイザー (Daisy Geyser) がすぐそうだったので、まずそちらに向かう。

途中に、バイソンの絵を描いた、危険、野生生物に近付かないで、の看板が。大げさだなぁ、と思っていたら…

Danger

すぐそこに本当にバイソンがいた。

Bison

キャッスル・ガイザー (Castle Geyser)。堆積物がお城のような形をしている。

Castle Geyser

シールド・スプリング (Shield Spring)。トレビの泉のようにコインを投げ込んだりしではいけない。最高5千ドルの罰金。

Shield Spring

途中、写真を撮ったりしていたせいか、デイジー・ガイザーに到着したときにはもう噴出は終わっていたぽいが、小さな噴出はずっと続いている。

Daisy GeyserDaisy Geyser

そこから、このオールドフェイスフルのエリアの遊歩道の一番奥にあるモーニング・グローリー・プール (Morning Glory Pool) まで行く。この後で行くグランド・プリズマティック・スプリングと同様に色の変化が美しい。たまに、間違えてこちらの写真がグランド・プリズマティック・スプリングとして紹介されていることがあるが、大きさが全然違う。名前の通り、アサガオの花のようにきれいな漏斗状に穴が落ち込んでいる。

Morning Glory PoolMorning Glory Pool

そこからは来た道とは違う方の道を通って戻っていく。こちらの道沿いにはたくさんの間欠泉や温泉の池がある。

チェインレイクス (Chain Lakes) の一部と、スパガイザー (Spa Geyser)。

Chain LakesSpa Geyser

グロットガイザー (Grotto Geyser) とジャイアントガイザー (Giant Geyser)。

Grotto Geyser Giant Geyser

さらに進んで行く。

Upper Geyser Basin

クロマティックプール (Chromatic Pool) と、ビューティープール (Beauty Pool)。ここも色のグラデーションが美しいのだが、天気の変動が大きく、モーニンググローリー・プールでは日が差してきれいだったが、こちらにいたときは曇り空になって、あまり映えなかった。この後、雨が少し降ってくるが、カメラを濡らさないようにしながら進む。

Chromatic Pool Beauty Pool

ウェイブスプリング (Wave Spring) と、エコノミック・ガイザー (Economic Geyser) (ちっちゃい)。

Wave SpringEconomic Geyser

もっと小さくて無名のものから、乾いてしまっているものまで。

IMG_6265IMG_6266

雨も降っているし、途中写真を撮ったり結構時間がかかっているので次のオールドフェイスフルの噴出の時間まで残り少なくなってきたので、終わりの方はだんだん急ぎ足に。

無事噴出の前にオールドフェイスフルの近くに到達。雨は完全にはあがっていないが、かなり小降りになったので、そのままそこで噴出を待つ。

Old Faithful Geyser

待つこと数分。噴出が始まる。

Old Faithful GeyserOld Faithful Geyser

そして、最高潮に。

Old Faithful GeyserOld Faithful GeyserOld Faithful Geyser

背景が青空でなくて曇り空だったのがちょっと残念だった。取り巻く観客はこんな感じ。

Old Faithful Geyser

この後、土産物屋を眺めたりした後、ここで昼食を取っておこうと、スノーロッジのカフェテリアに。昼食時なこともあって激混みだが、仕方なく行列に並んでサンドイッチと飲み物を買って食べる。偶然、列のすぐ前に日本人の若い男性2人組がいた。席も満員だったが、ちょうどあいた4人席にその2人組が陣取ったので、声をかけて相席させてもらう。シアトルに住んでいて、車でずっと走ってやってきたそうだ。今回の旅行ではほとんど日本人と出会うことはなかった。まともに日本人と話をしたのはこのときくらいだと思う。あとは、グリフィス天文台では日本人をいくらか見かけたくらいか。食べ終わると、まだ到着したばかりでオールドフェイスフルの噴出を見ていない彼らは、もうそろそろ次の噴出の時間に近くなってきているので、いそいそと出て行った。こちらも、まだ先は長くて、ゆっくりしているわけにもいかないので、すぐに次の目的地、グランドプリズマティック・スプリングに向かう。

グランド・プリズマティック・スプリング

グランドプリズマティック・スプリング (Grand Prismatic Spring) は、中央部から外周部にかけて虹の色のように順次グラデーションになって変化する色のついた、大きな温泉である。広いイエローストーン全体から言えば、オールドフェイスフルからそれほど離れていない。

到着したが、結構雨がしっかり降ってきている。しかし、しばらく待っていても止む気配がないので、仕方なく雨の中見に行く。まずは手前にある、エクセルシオール・ガイザー・クレーター (Excelsior Geyser Crater)。

Excelsior Geyser Crater Excelsior Geyser Crater

湯気がもうもうである。

そして、グランド・プリズマティック・スプリング。ここも雨の中、湯気がもうもうであまりなんだかわからない。写真で見る印象的な光景を期待していたのだが、これはかなり残念。

Grand Prismatic SpringGrand Prismatic Spring

周囲に放射状に伸びる赤い筋は部分的にはよく見えた。

Grand Prismatic Spring

付近にある、縮小版のような、オパールプール (Opal Pool)。

Opal Pool

ターコイズプール。

Turquoise Pool

肝心のグランド・プリズマティック・スプリングがよく見えなかったので、かわりに説明用の看板の写真を。

Midway Geyser Basin

これで予定のポイントには訪れたので、公園の東ゲートに向かう。元来た道を戻ってイエローストーン・レイク沿いに東に向かってもいいのだが、半分は同じ道を通るのも芸がないので、ループ状になっている公園内の道路の反対側を回っていくことにする。実際はループが2つつながった8の字状になっているが、北側の方はもう全然訪れない。

Yellowstone

Madison、Norris、Canyon Village、Lake Villageと順に分岐点を通って行く。途中は基本的にポイントには立ち寄らなかったが、途中急に車が渋滞しているなと思ったら、道路沿いに動物がいてみんな写真を撮っている、といったことが何度かあった。

ElkElk

道からすぐ見えるところにあったので、もう1ヶ所だけポイントに立ち寄った。サルファー・カルドロン (Sulphur Caldron)。

Sulphur CaldronSulphur CaldronSulphur Caldron

途中、イエローストーン・レイク脇で路肩が崩れて交互通行になっていたところに置かれていた臨時の信号機。

Signal

この後は、いよいよイエローストーンを後にして、US14をまっすぐ東に向かって走る。

グレイブル

この日の宿泊地、グレイブルに向かう途中の直線路で、前方にきれいな虹が見えたので、車を停めて撮影。この後進んでいくと、にわか雨に突入。しかし、すぐにまた晴れた。

Rainbow

そして到着したグレイブルのホテル。

Historic Hotel

ヒストリックホテルというだけあって、建物のつくりがずいぶん古い。廊下の隅に謎の容器が置いてあった。

Historic HotelHistoric HotelHistoric Hotel

夕食は、アメリカに来てるのになぜか中華。

Beijing GardenBeijing Garden

翌日は、デビルズタワーに向かう。

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デンバー経由ジャクソン

アメリカは中国に比べて遠いので、第1日目は最初の宿泊地への移動のみ。どこからアメリカに入るかは最初の目的地によるわけだが、距離の大きく離れた2つのグループのうち、数の少ない方の北側のグループ、イエローストーン国立公園とデビルズタワーを先に見に行くことにして、日本から近い側のイエローストーンを最初の目的地とした。

イエローストーンに一番近い空港は国立公園のすぐ西にある街、ウェストイエローストーンの空港だが、小さな町で便数も少なく、もう少し距離はあるが、南側のジャクソンという街の方がいいということで、そちらにした。飛行機の手配は、アメリカの国内便の乗り継ぎ経路を探すのは面倒なので、旅行会社に行きたい場所と日程だけ知らせて全部お願いした。最初、ジャクソンと言ったらどこか違う州のジャクソンで調べられていて、ひと通りセットして確認するときに気が付いて、ワイオミング州のジャクソンということでやりなおしてもらった。気付いてよかった。マイナーな都市でそんなに変哲のない地名の場合は気をつけないといけない。ちなみに、都市の名前は単にジャクソンなのだが通称ジャクソンホールと呼ばれており、空港の名前は正式にジャクソンホール空港という名前なので、ジャクソンホールと伝えておけば間違われなかったはずだ。

もちろん、日本から直行便はないので、一旦大都市のハブ空港に行ってから乗り継ぎ。一昨年のメキシコ旅行でユナイテッド航空のマイルが溜まっているので、今回もスターアライアンス系でとお願いしたら、デンバー経由のユナイトッド便となった。

さて、出発当日、前回の中国旅行のときと同じく成田空港第1ターミナル南ウィングでチェックイン。最近は預ける荷物は無料なのは1つだけで2つ目からは追加料金を取られる。今回は星を撮るかもと思って三脚を持ってきていたが、小さいスーツケースには入らず単独で三脚ケースに入れて持っていたので、機内持ち込み用のバッグとあわせて荷物は全部で3つ。スーツケースだけ預けて、三脚も機内に持ち込むことにする。機内持ち込みバッグも結構大きいので、チェックイン後もずいぶんな荷物を持ったままになって面倒だが、仕方ない。

出国手続きしてゲートに向かうと、何やら人だかりがしている。

United Airlines

接近してきた方向からは裏側になって見えなかった舞台側を、回り込んで見てみると、成田=デンバー線就航のイベントだった。予約のときには普通にデンバー経由の便が出てきたので、何とも思わなかったが、偶然ちょうどこの6月11日が初めてデンバー便が飛ぶ日だったのだ。出発時刻に普通に余裕を持って行ったことから当然かもしれないが、ちょうどイベントが盛り上がっているところで、これから樽酒の鏡開きをしようというタイミングだった。

IMG_6142

現場では全然気付かなかったのだが、あとで確認のためにニュース記事を見ていると、マラソンの高橋尚子が来ていたそうだ。デンバー近くのボルダーで訓練をしていたことがある関係かららしい。そう言われて自分の撮った写真を見直してみると、確かに真ん中に横顔で写っているのは高橋尚子だ。気付いてればもっと狙って撮ったのに。

デンバー便就航は本来今年の3月頃に予定されていたようだが、ボーイング787のバッテリー発火問題の影響で延期になった結果、この日になったようだ。これがそのB787。

B787

この後、樽に入っていた日本酒が升でふるまわれた。お酒を入れて手渡されたユナイテッドのロゴと記念の文字が入った升は、飲んだ後に使い捨てカップのように捨てるわけにもいかず、しかし、これから機内持ち込み用のバッグしか持っていなくてこのまま飛行機に乗るのに酒で濡れたままの升をどうしたらいいかと思ったが、一緒に配っていたパンフレットの入っていたビニール袋にいれてぐるぐる巻きにしてバッグの隙間に詰め込んだ。その後はジャクソンのホテルに着いてからよく水洗いして乾かしてからスーツケースの隅に納まった。

枡

さて、そのB787に乗って約11時間かかってデンバーまで。液晶画面でかい。

B787

ダラスで入国手続きして、一旦預けた荷物も拾って税関を通ってから、預け直す。出たところでなぜだかチョコレートを配っていた。なんだか、色々物をもらう日だ。そのまますぐに次の便に乗るための安全検査。今まで飛行機に乗って降りてきたとこなんだから、乗り継ぎの人はそのままゲートに行けるようにとかできないものかと思う。

デンバーからジャクソンホールへの便は小さい飛行機。ボンバルディアのQ400。ゲートは単に建物からの出口で、そのまま歩いて飛行機まで。

Q400

そして1時間半余りの飛行でジャクソンホールに到着。滑走路の向こうにそびえるティトン山脈の雪を抱いた山々が目を引く。そして、建物の入口の前には、抜け落ちたエルクの角を集めてつくったアーチが。

Jackson Hole Airport

ここからはレンタカーでの行動になる。事前に日本からネットでハーツで予約してある。ゴールドメンバーなので本当なら専用の場所で名前が表示されていて車が用意されて待っているのだが、小さな空港なので特にそんな施設もなく、普通にカウンターで手続きする。ゴールドメンバーの特典はカウンターの行列が別になっていて優先されることくらい。書類とキーをもらって車の停めてある位置を教えてもらって、自分で荷物を持って駐車場へ。たいした数の車があるわけでもないので、場所はすぐにわかる。これが旅行前半に乗っていた車。

CruzeCruze

荷物を積んで出発、といきたいとろだが、後ろのトランクにスーツケースと三脚を乗せて閉じるも、ロックしない。リモコンで車のドアをロックしても、トランクは手をかけると開いてしまう。そのままだと、この後はずっと毎日移動なのでどこに行くにも全部荷物を積んだままなのに、トランクがロックできないと車を離れるときに困ってしまう。しかし、とりあえずこの日空港から宿に行くまでは10分ほど走るだけで困らないので、宿に着いてからゆっくり取説を読んでみようかと、そのまま出発。そういえば、ドアミラーも片側がめいっぱい端まで動かしても合わせ切らない。そんなにアメリカ人と体格が違うのかと思ったら、ミラーを畳む部分が少しだけ動いた状態で止まっていただけだった。たまたま誰かがぶつかってズレてしまったか何かだろうか。もともとドアミラーが畳んであったりしないので、すぐには気が付かなかった。

車を運転して空港を出たとたん、すばらしい景色が広がっていた。写真に撮りたい、と思ったが運転中だ。かといって、わざわざ車を寄せて停めて撮るというのも面倒だし。実は、ずっと一人で運転するわけだから、そういうときのために、車のフロントウィンドウの内側にカメラを吸盤で装着する道具を持ってきていたのだが、いきなりはセットしていなかったが、セットしておけばよかったと思った。

そしてホテルに到着。

Anvil Motel

荷物はとりあえず全部部屋に運ぶが、落ち着いてから車の取説を読んで、トランクのロックの方法を確認。リモコンキーのトランクを開けるボタンを押せばリモートで開けることができるが、キーが電波がとどくことろにありさえすれば勝手に通信していて、手でトランクをあけると開くようになっているということ。だから、閉めたつもりでも開いてしまう。リモコンキーが電波の届かない範囲まで離れると自動でロックして開かないらしいが、自分がキーを持っていては試すことができない。一旦部屋に行ってキーを置いて駐車場に戻って試してみると、確かに開かない。これで明日から安心して荷物を積みっぱなしにできる。日本でも最近はそういう車もあるそうだが、日本ではほぼペーパードライバーなので、あまり車のことに詳しくない。

Hertz

翌日からは毎日長距離走りまくるので、初日はまだ明るい時間だがそのままゆっくりする。今後は移動経路中の小さな街に泊まったりもするが、ここはリゾート観光地的なところなので、小さい街ながらもにぎやかだ。少し街を散策してみる。

Jackson

街の真ん中あたりにある公園にも、エルクの角を組んだアーチが。それも敷地のそれぞれの角の4箇所に。よっぽど好きなんだな。

Arch

観光用の馬車。大人$6、子供$4。

Jackson

ビザ屋で夕食。大きいのしかなかったので、一人だと1枚でおなかいっぱい。

Pizza

これは、ホテルの部屋にあったジャクソンの電話帳。表紙が派手。

Phone Directory

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TECC結果届く

先日、中国旅行とアメリカ旅行の合間に受験したTECC (中国語コミュニケーション能力試験; TEst of Communicative Chinese) の結果が届いた。

中国語関係の試験は、これまで中検 (中国語検定) と、HSK (汉语水平考试) (と、C.TEST) を受けたが、TECCは一度も受けたことがなかった。最初はやはり日本国内では一番有名といえる中検にはじまって、以前の記事に書いたように2級に苦労して合格したところで中検は打ち止めにして。その後、HSKを、新・旧のごたごたが落ち着いたかと思った頃に一度レベル試しに受けて5級に合格。こちらもその上の6級はハードル高そうなので今のところそこまで。

テストのメジャー度でいうと、上の2つからだいぶ離れてその次の3番手に来るのがTECCかと思うが、まあそんなに色々受けても仕方ないかなとは思っていたが、最近は中国語ドットコムの関係から相原茂先生の相原塾にも参加したりしているので、その相原先生主宰のTECCも受けておいてみるか、ということで。

まあ、最近は特にそんなにまじめに勉強しているわけではないので、またHSKのときのように実力レベル試しという感じで、とりたててテスト対策の勉強ということをするほどでもなく、試験問題形式に慣れておくために、「TECCオフィシャルガイド&最新過去問題」という本を買って模擬問題をやっておいた程度で臨むことにした。今回ちょうど中国旅行もあったので、うまく中国から戻ってきた直後に試験になるようにして、ちょっとでも耳が慣れていればという策略はしておいた (笑)。

結果はというと、下の写真の通りで総合スコア652点。うち、リスニングが358点で、リーディングが294点。TECCの点数のクラス分けでいうと、C (550~699) の「仕事で使えるレベル」ということだ。本当に自分のレベルで仕事に使えるのか?とも思うが、説明には「限定された範囲内でのビジネス上のコミュニケーション」とあるから、まあそんなものか。2ちゃんねるにあった各テストのレベルの対応表によると、ちょうど中検2級、新HSK 5級の重なっているレンジに入っていて、まあ妥当なところということか。希望的にはあともうちょい上くらいだといいなとは思っていたのだが。

TECC

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アメリカ旅行概要

6月8日朝に中国旅行から帰ってきたあと、8日、9日の土日に入れてあった予定をこなし、10日の月曜はひと息ついて、6月11日から今度はアメリカ旅行に出発した。

まずは旅程。

1日目 成田→デンバー→ジャクソン (飛行機)
ジャクソン泊
2日目 ジャクソン→イエローストーン国立公園 (車)
イエローストーン国立公園観光
イエローストーン→グレイブル (車)
グレイブル泊
3日目 グレイブル→デビルズタワー (車)
デビルズタワー観光
デビルズタワー→スピアフィッシュ (車)
スピアフィッシュ泊
4日目 スピアフィッシュ→ラピッドシティ (車)
ラピッドシティ→デンバー→フェニックス (飛行機)
フェニックス→ツーソン (車)
ツーソン泊
5日目 タイタンミサイル博物館観光
サワロ国立公園観光
キットピーク天文台観光
ツーソン泊
6日目 ツーソン→ホワイトサンズ (車)
ホワイトサンズ観光
ホワイトサンズ→エルパソ (車)
エルパソ泊
7日目 エルパソ→ソコロ (車)
VLA観光
ソコロ泊
8日目 ソコロ→バリンジャー隕石孔 (車)
バリンジャー隕石孔観光
バリンジャー隕石孔→フラグスタッフ (車)
ローウェル天文台観光
フラグスタッフ泊
9日目 フラグスタッフ→ロサンゼルス (車)
グリフィス天文台観光
ロサンゼルス泊
10日目
11日目
ロサンゼルス→成田 (飛行機)

いつもと同じフォーマットで書いてみたが、(車) と書いたレンタカーでの移動が多くてわかりにくいので、どこを観光したかだけを書き出すとこうなる。

2日目: イエローストーン国立公園
3日目: デビルズタワー
5日目: タイタンミサイル博物館、サワロ国立公園、キットピーク天文台
6日目: ホワイトサンズ
7日目: VLA
8日目: バリンジャー隕石孔、ローウェル天文台
9日目:  グリフィス天文台

中国旅行も含めて、今回の旅行のテーマは、以前から行ってみたいなとは思いながらあらためてわざわざそこにはなかなか行かなかったというような場所に思い切って行ってみる、ということなのだが、訪問地の中にはそういう観点での本来の目的地と、そこに行くのならその近くのここにもちょっと行ってみたいので行く、という場所とがある。今回のアメリカ旅行では、まず一番最初にあったのはアリゾナ州のバリンジャー隕石孔である。

バリンジャー隕石孔を知ったのはまだ小学生に行くか行かないかの頃に買ってもらった「気象と天文の図鑑」という図鑑に載っていたのを見たのが最初である。月面にたくさんあるような隕石クレーターが地球上でもきれいに残っているところがある。それは砂漠のどまんなかの、普通は人が簡単には近づけないようなところにあるような印象だった。

そこからはるか時は流れて、ちょうど会社に入ってしばらくして出張でアメリカに滞在中に (まあアメリカにいたことは直接関係ないのだが) たまたまテレビで見た映画のストーリー中にこの隕石孔が出てきた。「スターマン」という映画で、地球に不時着したエイリアンが母星からの出迎えの宇宙船がその隕石孔に来るのでそこに向かう、というストーリーである。で、映画を見ていると登場人物たちが隕石孔に到着してみると、そこには隕石孔だけではなくて、脇に駐車場があってチケットゲートがあって観光用の施設がある。普通に観光地として見に行けるのかと驚いた。イギリスのストーンヘンジに行ってみて、やはりあの巨石の並びの脇には普通に舗装道路が通っていてやはりチケット売り場がすぐ横にあるのを知ったときと同じくらいの衝撃だ。

調べてみると、I40という幹線道路からほんの数マイルはずれただけのところにある。フラグスタッフという都市から車でたった1時間くらいの距離だ。行こうと思えば行くのはさほど困難ではない。それならぜひ行ってみたいと思った。とはいっても、そのときの出張先からも、あるいは普通にアメリカの都市で観光に行くようなところからも近いわけではなく、アメリカのどこかに行ったついでに行くというわけには、なかなかいかない。じゃあ、わざわざ目的地として行くかというと、そのための日数と費用を考えると、それだったらどこかにダイビングに行った方がいいな、などとなり、年に1度程度の海外旅行の目的地にはなかなかならなかったというわけで、今回はそれを敢えて実行したという次第だ。

それで、日程もある程度余裕を持って組めるので、せっかくわざわざそこまで行くのだから、その周辺で他に興味深そうなところを調べてみた。一般的な観光でいうと、バリンジャー隕石孔はいわゆるグランドサークルと呼ばれる地域の端の方に含まれるので、一緒に行くならそちらの方かもしれないのだが、そのうち最大のグランドキャニオンは既に以前行っている。そして、調べていくうちに、グランドサークルとは違う方向に行ってみたそうなところが色々見つかった。

まずは、ニューメキシコ州のVLA (Very Large Array) という名前の電波望遠鏡。単独のパラボラアンテナではなく、同じアンテナをたくさん並べて精度を高めるというもの。1つでも巨大なアンテナがずらりと並んでいる様子は壮観である。これも映画に出てくる。「2010年」の方が先だが、「コンタクト」の方が有名だろう。これは映画ではわからないが、調べてみると研究施設ながらやはりちゃんと一般の見学ができる。

映画に出てくるという観点でもうひとつ。「未知との遭遇」に出てくる少し不思議な形をした山がデビルズタワーという。映画を見た時は実在する地形なのかどうかもよくわからなかった。先に出てきたグランドサークルの中に、モニュメントバレーと言って、西部劇などに出てくるデビルズタワーと少しにているがもっと小さなものが複数存在するところがあるので、やはりその付近にあるのかと思っていたが、実はそこからは相当離れたワイオミング州に、それ単独で存在する。しかし、これも見てみたい。そこで、ここは滞在中に飛行機移動することにして目的地に加えた。そちらのエリアで1ヶ所だけではもったいないので、1日で移動できる程度の距離にあるもので、イエローストーン国立公園を加えた。ここは、この世のものとは思えない配色のグランド・プリズマティック・スプリングという温泉池や、オールドフェイスフルという間欠泉が有名だ。

最近急に天文関係のアクティビティが増えたよりもずっと前に、時々立ち読みしていた天文雑誌の広告で、バリンジャー隕石孔を含めて天文関係のポイントを回るツアーを目にしたことがあって、そこにはローウェル天文台やキットピーク天文台が含まれていた。それ以外に何があったかあまり正確には覚えていないのだが。それを見て、いつか隕石孔を見に行くなら、そういうところも近くなら一緒に見に行くといいんだなと思っていたので、これらも加える。

あとは、VLAの方の近くで、ホワイトサンズが面白そう。キットピークに行くのにツーソンに行くので、ツーソンの近くで、タイタンミサイルの博物館があるのでこれも興味ある。ツーソンに2泊することになるが、そうするとまだ時間があるので、独特の形をしたサボテンを見にサワロ国立公園にも寄ることにした。

最後に、ロサンゼルスまで足を延ばして、グリフィス天文台。これは、中学生の頃に、京都でしばらく営業していて何度も見に行ったレザリアムというプラネタリウムのドームにレーザー光線を投射するショーの発祥の地というのが最初の記憶。一度アメリカ出張で東海岸からの帰国時にストップオーバーでロサンゼルスに1泊したときに、行ってみようと思ってみたが、それらしい付近をぐるぐる走ってみたもののどうやって行くのかよくわからず、結局断念したという過去があって、そのリベンジである。今回は下調べを十分にして行くので間違いない。映画に登場するシリーズという点でいえば、ここは「チャーリーズ・エンジェル フルスロットル」や、「ターミネーター」、そして「理由なき反抗」に登場する。テレビシリーズだが、スタートレック ネクスト・ジェネレーションの1エピソードにも登場する。

最後に、名前だけでは、州の名前を言われたとしても、なかなかそれぞれの目的地の場所がピンと来ないという方も多いかと思うので、ルートを地図にしてみた。

Route Map

Google Mapsのマイプレイスで作成したが、記号が重なったりして少し見難くなってしまったようだ。オレンジ色が目的地。黄色が宿泊地。このURLでGoogle Maps上のデータが直接見られる。

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西安・四川省旅行その他

ゴミ箱

以前から中国で観光地などに行くと、その場所場所で特色のあるゴミ箱があるなあと思うことがよくあった。今回もいくつかそういうものを目にした。中国語の言い方で、“果皮箱”というのも、なんだか趣があっていい。

まず西安の鼓楼にあったもの。鼓楼だけに太鼓の形を模してある。

果皮箱

次は同じく西安だが、城壁の上にあったもの。こちらは何の形だろうか。釣鐘のようにも見えるが。上部には亀が乗っていて、その上にヘビが乗っていてぶら下げるための鈎の形になっているように思える。

果皮箱

碧峰峡では2種類。周囲の風景に合わせて、岩のような形に作ったものと、木の切り株の形に作ったもの。

果皮箱 果皮箱

婦警さんの看板

婦人警官のマンガ風の看板。九寨黄龍空港にあったものと、雅安旅游車站にあったもの。

公安 公安

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成都発北京経由成田。新宿泊

6月7日帰国日。それほど早い便ではないので、朝はゆっくりして、前に書いた、残っていた分の携帯のチャージしたりなど。パンダのぬいぐるみも衣類の隙間に場所を作って荷物のパッキングも完了。

IMG_8585

成都到着時と同様、空港アクセスはタクシーで。空港へ向かう道の真正面に空港の管制塔が見える。わざと狙った配置だろうか。

成都

ターミナルに近づいて、どちらのターミナルか聞かれたので、国際線は第1ターミナルだと事前に調べていたので第1と言ったら、第1は全部四川航空だけど四川航空に乗るのかという。国航だと言ったら、そしたら第2だと言って第1の前を通過して第2に向かう。でも、国際線だし、こっちは国航でも国内線しかないんじゃないのー、と言うと、じゃあよくわからないから聞いてみて、と車を止めて、第2ターミナルにいた係員に聞いてみると、やっぱり国際線なら第1だというので、またぐるっと回って第1ターミナルに。メーターはその前に止めてくれていたが。

まあ、そんなこんなで、とりあえず、チェックインカウンターに到着。国際便なので2時間前目安で来たのだが、13:00の定刻に、チェックイン受付時間が11:30~12:15。他に国際便も少ないのか、周囲に人も少なくてかなり閑散としている。

成都双流机场

チェックイン開始まで時間をつぶした後、チェックイン。さて、この帰国便は成都発成田行きなのだが、直行便ではなく、途中北京を経由する。出国手続きはどうするのかと思いながら、係員に促されてカウンターから国際線の出発口の方に向かう。チケットを見せると、出国手続きのブースが並んでいる横に通り抜ける通路のようなものがあって、そちらに行くように指示される。すると、出国審査を通らずに安全検査だけで待合室の方に行ける、のだが、免税品店などの並んでいる国際線の待合室とは壁で隔てられた細い通路を通って、階段を降り、1階にある、バスで駐機場に行く用のゲートの待合室のようなところにしか行けない。小さな売店があるが営業していない。

確かに、成田行きとはいっても、北京までは国内便なので、出国手続きは北京を出る前に行うから、こういう扱いになるようだ。国際線乗り場から搭乗しようとしているのに、国際線からは完全に隔離されている。

成都双流机场

やがて、出発時刻が近づくと、ゲートの前にバスが来て皆それに乗り込む。バスは、ターミナルから離れた駐機場に向かうわけではなく、第1ターミナルから第2ターミナルに向かって延々走り、第2ターミナルのボーディングブリッジの下で下車して、そこから建物に入って階段を上り、ボーディングブリッジを通って、待っていた飛行機に乗り込む。そこはすなわち第2ターミナルの国内線乗り場であって、乗り込んだ飛行機には、既にそちらから乗り込んでいた乗客がたくさん着席していた。成都=北京間の国内線部分のみ利用する乗客は、国内線の方から来ていたわけだ。実は、成田まで乗る客でも、国内線のカウンターの方から搭乗したってよかったのではないか。そうすれば、待合室だって国内線用とはいえ、広くて売店もたくさんあるところで自由にできたはずだ。国際線乗り場から来た方が少人数で後から乗り込んでくるので、なんだこいつらのために待たされてたのか、的な視線も感じて居心地が悪い。

ところが、そうやって全員着席して出発準備が整った後も、なかなか飛行機は出発しない。1時間待っても出発しない。やがて機長からのアナウンスが入って、やっと出発かと思ったら、まだいつ出発になるかわかりません、というアナウンスだった。そのうち、客室乗務員が、本来飛行中に配るはずの機内食を配り始めた。

結局、乗客はずっと機内に閉じ込められたまま、予定出発時間から2時間くらい待たされて、ようやく出発。行き先の北京空港の天候不良のために北京行きの離陸許可が出なかったとのこと。確かに、北京に到着して着陸時もまだ濃霧で視界が非常に悪い状態だった。

成都の出発が2時間も遅れた時点で、最終的に成田に着く時間がずいぶん遅くなってしまうので、北京から先は飛ばないことになったりしないだろうか、もしそうなったら北京で航空会社に宿代出してもらって泊まれるのだろうか、などと考えていた。しかし、実際はそんなことはなく、遅れたまま北京から成田に続けて飛ぶようだ。

北京までの乗客も、成田まで行く乗客も一旦全員機内から降ろされる。ところで、成都でチェックインしたときに、写真のような黄色いシールを貼られた。よく見ると、赤いシールを貼られている人もいて、見比べてみるとどうも黄色は日本人、赤色は中国人のようだ。どちらでもない人はどちらの色かはよくわからないが。

成都双流机场 成都双流机场

国内線の方から載っていた乗客はシールをつけていなかったので、北京で乗り継ぎの際に、成田まで行く乗客を識別するためのシールだろうと思った。直接関係ないが、香港空港から口岸を超えて深圳や東莞に行くバスでも、口岸で一旦バスを降りて自分で口岸を通過して向こう側で同じ会社の別の車で拾ってもらう場合に、同じような感じのシールを貼られる。

で、成都でシールを貼られていたのだが、北京で飛行機のタラップから降りたところで、またチケットを確認されて別にシールを貼られた。今度は全員同じ赤色。その代わり、便名の数字が書かれている。結局、成都で貼ったシールは何かの役に立ったのか? そして、北京で降りる客とは別のバスに乗せられてターミナルビルへ。

北京首都机场

そして急いで出国手続き。普通、飛行機が到着して行うのは入国手続きで、入国手続きは普通その国の住民と、外国人とに列が分かれている。出国手続きは普通 関係なく全員共通だが、つい入国手続きと勘違いして、列の区別を探そうとしてしまったがよくわからなかった。ちょうどすぐ前にいた日本人も同じようにきょ ろきょろして、どこな並べばいいのか聞こうとしているが言葉が通じていない様子なので、私が中国語で尋ねると、どこでもいいと。確かに、出国手続きだから どの列に並んでもいいのだった。

出国手続きから出てきて国際便の待合室に出てきたところで、普通ならゆっくり免税品点を眺めたりする余裕があるところだが、飛行機が遅れているためか、乗り継ぎ便はいつもこうなのか、また便名を書いた紙を持った係員が待っていて、成田行きの乗客を集めて、駐機場に行くバス乗り場に案内される。

北京首都机场

バスで飛行機に着いて乗り込むと、また成都のときと同じように先に自分たち以外の乗客が既に着席している。自分たちが出国手続きをしている間に、この便に北京から乗って成田に行く乗客が、遅れていたこの機の到着・一旦全員降機の後に乗り込んでいたわけである。また、お前らを待っててまだ出発できなかったんだぞ的な視線を浴びながら自席につく。いや、俺らが悪いわけじゃ全然ないんだけど。

こうやって、やっと日本に向かう途につけた。どうも色々面倒やら不便やらがあるので、次回からはこういうタイプの乗り継ぎ便は遠慮したいところだ。といっても、今回はひとつづきの便だったから遅れてもそのまま成田まで飛べたが、別々の国内便+国際便だったら、最初の便が遅れた時点で次に乗り継げなくなって、もっと困ったことになっていたかもしれない。

機窓から暗い外を眺めていると、きれいな地上の明かりが見えてきたので写真に撮った。この地形、頭の中にある日本の都市をいくら考えても符合する都市が思い浮かばなかったが、帰ってから地図を眺めて照合すると、これは韓国の仁川の夜景だった。この写真では切れてしまっているが、写真の左側に仁川国際空港がある。

仁川

そして、23時頃にようやく成田到着。ドアが開くとすぐに地上職員が乗り込んできたらしく、機内放送で日本語で、もう地上交通の最終便は終わっていて東京方面には行けないこと。航空会社でバスをチャーターして、東京駅行きと新宿駅行きの2台を、必要なお客様には無料で利用してもらえること、などの説明が行われた。中国の航空会社なので、飛行中の機内アナウンスはずっと中国語、英語、日本語の順だったが、急にいきなり日本語で説明だけが延々続いて、乗客の大多数の中国人たちはしばし呆然としているので、近くの人達に簡単に説明してあげたら喜ばれた。

それはともかく、先ずは入国手続き。その手前の普段は単に通過するだけの検疫のコーナーには、中国から帰国した人向けのパンフレットがあるので、いちおう1枚もらっておく。入国審査を終えて、荷物をターンテーブルから拾って、税関審査を通って、到着ロビーに出ると、そこで航空会社のチャーターバスの案内の係員がいて乗客が集まっている。

チャーターバスで東京駅や新宿駅まで行けても、そこから先、家まで帰る終電が終わっているので、やはり困ってしまうのだが、成田にいても、宿泊代が出るわけでもないから、少なくとも都内に行った方が対処のしようがあるので、自分としては便利な新宿行きに乗ることにする。オールナイトの映画館に入るなり、24時間営業の飲食店に入るなり、漫画喫茶やネットカフェに行くなり、なんなりできるだろう。

ところで、私はテレコムスクエアのポケットWi-Fiルータをレンタルしていて、到着時に返却しないといけない。もともと飛行機が遅れなくても到着時間が遅いのでテレコムスクエアのカウンターは営業終了している時間だから、返却BOXに投入して帰るだけということには違いはないのだが、バスの案内の係員についていないと、バスに乗るのは希望者だけだから、置いていかれたら困る。いちおう、係員に対する乗客の質問攻めの隙をついて。ちょっとレンタル返却に行ってくるけど、置いていかないでね、と断って、テレコムスクエアのカウンターのある場所まで走る。

テレコムスクエア

元の場所に戻ってくると、ちょうど皆がバスの方に移動開始したところだった。ついて行ってバスに乗り込むと、もう結構席は埋まっていたが、ちょうど飛行機で隣の席だった女性の席の隣が空いていたので、そこに着席。

バスは新宿駅西口までノンストップで向かい、行き先が途中経路上だという人がいるとしても途中で止まって人を降ろしたりしないと。

バスの走行中に、iPhoneで検索。いまどき、夜明かしできるようなオールナイト映画館なんていうのはもはや存在しないらしい。新宿西口で歩いて近そうな場所にあるマンガ喫茶を探しておいた。新宿に着くのが午前1時くらいだから、休日ナイト5時間パック1,200円で始発が出るまで過ごせる。これで横になって仮眠できるからまあいいかと。

バスが1時前にスバルビル付近に到着。ここから先、私程度に途方に暮れる人も多いんじゃないかとも思うのだが、大多数の乗客はバスの荷物室から荷物を取るとさっさとどこかに散っていった。隣席の彼女は、行き先は池袋だといい、ちょうど停車いてるバスの後ろからやってきたタクシーを拾って乗っていった。まだぎりぎり山手線がある時間だったが、荷物がたくさんあったので、まあその方が正解だろう。

で、私はヨドバシカメラ方向に向かって進み、その先、甲州街道に面したソフマップの隣のビルの階上にあるマンガ喫茶に行く。当然初利用なのだが、身分証明書とか見せなくて受け付けられた。椅子席でなく床に横になれるブースをお願いし、中に入る。柔らかい布団の上というわけにはいかないが、多少はクッションのある床の上で横になって寝る。人生初マンガ喫茶夜明かしである。

Moopa!

かくして、図らずも旅程が1泊延びてしまったが、なんだか大変な1日が終わり、とりあえず落ちつけた。

始発前に駅に着けるような時間に目覚ましをセットしておいたが、その前にちゃんと目が覚めた。といって寝付けなかったわけではなくて、3時間ほどながらしっかり寝られた。マンガ喫茶を出て新宿駅に行き、始発の各駅停車に乗って自宅に向かい、今回の全旅程終了。

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