2012年12月 のアーカイブ

今年の当blogアクセスランキング

durianさんの記事にならって、私のblogも今年のアクセスランキングを。今年一年間のアクセス数で、対象は過去からの全記事。

第1位 iPhone: ちょっと不満なところ (2008/09/03)        4,580
第2位 カメラのキタムラの「なんでも下取り」 (2009/07/08)        3,338
第3位 iPhone着信画面の妙な仕様 (2011/11/15)        2,209
第4位 Windows 7 で画面が暗くなる (2011/04/01)        1,598
第5位 iPhoneの絵文字コード変更 (2011/10/23)        1,514
第6位 テンキーで入力する記号 (2009/03/02)        1,374
第7位 カードリーダ一体型USB変換基板付きFDD (2012/02/22)        1,158
第8位 ヘアブラシ ルーネット/ラビナス/セデュウス (2009/09/20)        995
第9位 iTunes Wi-Fi同期 (2011/11/16)        890
第10位 ND400フィルタ2枚重ねで太陽の試し撮り (2012/04/02)       872

第1位の記事は、「フォトライブラリ」や「カメラロール」といったキーワードの検索で来る方が多いようだが、最初のiPhone購入後まだあまり経たない頃に書いた古い記事で、わざわざ見に来てくださった方には申し訳なく思っている。

私のblogは記事数では中国関係がダントツで多いのだが、アクセスの人気の記事は、iPhone関係が多い。あとは、コンピュータ、エレクトロニクス。中国は第10位までにひとつも入らず。健康カテゴリの中からひとつだけ、ルーネットの記事が入っているが、それだけルーネットのことで困っている人が多いのか、その件でリンクしていだいているblogがあるからか。天文・写真カテゴリはこの秋に作って、少し過去の他カテゴリだったものを移動させたが、その中からかろうじて10位にND400フィルタの記事が入った。

それでは、みなさん、どうぞよいお年を。

12件のコメント

中国語の四声と日本語のアクセント

中国人に日本語の単語を教えると、アクセントはどうかと聞き返されることがよくある。日本人の中国語学習者の中には、中国語には日本語にはないは四声というものがあって間違えると違う意味になるし、覚えるのが大変だ、日本語ならそんなこと気にしなくてもいいのに、と思っておられる向きも多いのではないかと思う。

確かに日本語には中国語の四声と同じ声調はないが、音の高低の変化はあって、アクセントと呼ぶ。中国語の四声では第二声や第四声のようにひとつの音節の中で高低が変化するものもあるが、日本語ではひとつひとつの音節が高いか低いかである。中国語と違って、日本語はひとつの単語が多くは複数の音節でできているので、何番目を高く/低く発音するかでアクセントが構成される。橋 [ _ ̄ ] と、箸 [  ̄_ ] がアクセントで区別されることは、日本人誰もが知っているはずだ。

同音異アクセント語はそれほど多くないので、こういう例以外は気にしなくてもいいかというとそんなことはない。すべての語には正しいアクセントがあって、間違ったアクセントで発音すると不自然な日本語に聞こえる。日本人はそれを、学校などで、ひとつひとつの単語について、これはどのアクセントだと取り立てて学習したりしないが、自然と覚えているので気にしていないだけで、方言の違うアクセントを聞けばすぐわかるのだから知らず知らずのうちに身に付いているわけだ。日本語を学習している外国人にとっては、それこそ正しいアクセントで発音しないとすぐに外国人の不自然な日本語だということになってしまうので、真剣に覚えたくもなるだろう。

日本人にとっては、自然と覚えているだけなので、改めて問われると、あやふやな人も多いだろう。辞書を見てもアクセントなんて書いてないじゃないかというかもしれないが、「NHK日本語発音アクセント辞典」といった専門の辞典でなくても、私の持っている国語辞典、「新明解国語辞典」にはちゃんとアクセントが載っている。アクセントが怪しいと思ったときは、この辞書で確認することにしている。

先に、日本語は音節ごとに高いか低いかかだと書いたが、標準語ではそうだが、実は、関西弁では、単音の語を長く発音して、その中に高低変化が現れる。目 (めぇ) [ _ ̄ ]、歯 (はぁ) [  ̄_ ]。まあ、2音として発音していると考えればいいのかもしれないが、無理にでも1音と考えれば、中国語の第二声、第四声に相当する。関西人に四声を教えるときに例に使うとわかりやすいだろう。

コメントする

「都会の星」

先日紀伊国屋書店の天文コーナーに新刊で平積みになっているのを見つけたのがこの本、「都会の星」。写真集と言っていいのだと思うが、目に止まったのは、どうも見覚えのある雰囲気の写真だったからだ。タイトルの通り、都会の風景の中に星空の日周運動を写し込んだ、独特の星景写真である。それは、私が2008年に中国に皆既日食を観に行く前にそろそろツアー情報を得ようと買った月刊天文ガイドの2008年4月号の、読者の天体写真月例コンテストのコーナーで今月の最優秀作品として掲載されているのを初めて見て、やはりその独特な雰囲気が印象に残ったのがそんな写真だった。確かめてみると、やはりその人、東山正宣さんの撮った写真で、そのコーナーに掲載されていた写真もこの本に収録されている。

それだけならまあどうということもないかもしれないが、東山さんとのかかわりはそれだけではなかった。そのとき私はその年の皆既日食を見に行くツアーを物色していたわけで、ネットでも色々探しているうちに、嘉峪関へのツアーに参加するという東山さんのblogにたどり着いて、そこで色々と相談している。最初に質問した時点では全然気づいていなかったのだが、天文ガイドに載っていた写真の人だとわかって、そんなすごい人に質問していたのかと、後になって驚いた。結局、その東山さんの参加するツアーに参加したわけではないが、相談して非常に役に立った。

私が最近望遠鏡を買って本格的に星を観始めるに至ったのは、今年がいわゆる天文「金の年」で天文関係のイベントが続いた結果でもあるが、それ以前にも2008年にiPhoneを買ってからPhotoShareを始めて、そのネタによく天体を取り上げたりしていたし、国際宇宙ステーションを予報をチェックして見ることを覚えたりもした。そういった天文関係に積極的に行動するようになった開始点が2008年の中国皆既日食ではないかと思う。まあ、その前にも2006年の水星の日面経過や、2002年のサイパンの金環日食もあるが、それらは単発ということで。

まあ、そんなきっかけのときに関わりのあった方の作品が、私が望遠鏡を買って色々やり始めたこの時期に刊行されたというのも何かの縁かと思う。

更に言うと、先日私がふたご座流星群の写真を、この東山さんの写真と同じ手法の比較明合成をするために、比較明合成ツールならこれ、らしいということで使ってみたKikuchiMagickというソフトは、そもそも東山さんがこの写真集に載せられているような写真に使うために知り合いに作ってもらったものだということ。これも、もともと知らずに使っていて、後でそうと気付いた。

それから、この写真集を見てから知ったことだが、東山さんは朝日新聞に勤めていて、2010年新聞協会賞特別賞を受賞したはやぶさ帰還の写真を撮ったのだそうで、これもその写真をこの東山さんが撮ったのだとは知らずに見ていたわけだ。

ちなみに、この本は東山さん単独名ではなく、写真に文を添えている石井ゆかりさんという人との連名になっている、というか石井さんの名前の方が先になっている。石井さんについてはあまりよく知らないが、星占い関係の本を出している人なようで、そのために、紀伊國屋書店では天文コーナーに置かれていたものの、他の書店では占いのコーナーに置かれてしまっているところも多いようなのは、天文ファンの目からするとちょっと残念な気もするが、逆にそうでなかったらこれを目にしなかった人の目にとまるということもあるだろう。

また、この写真集の出版に先立って、今年の7月には写真展が開かれていたようで、知っていたらきっと見に行っていたことだろうが、気付かなかったのは残念だ。

1件のコメント

「金星を追いかけて」

最近望遠鏡を買った前後から、天文関係の書籍も結構色々買っているが、そのうちで読み物的なものを1冊紹介する。

私が今年の6月に金星の日面経過を観るために福岡に飛んだ話は、そのときに書いたが、「金星を追いかけて」 (アンドレア・ウルフ著、矢羽野薫訳) は、今から250年ほど前の天文学者たちが、当時はまだ行き来するのが大変だった世界中に行って、金星の日面経過を観測する話である。やはり昔の天体観測に関連する話で映画化もされて話題になった「天地明察」の時代よりは少し後だが、やはり現代とは比べ物にならない観測機器や、交通、通信手段の時代によくそんなことが可能だったものだと思う。

金星の日面経過は短い間隔で2回発生する組が、100年あまり毎に発生する。今回のペアは2004年と2012年の今年。その前は1874年と1882年。そして更にもう一巡前の1761年と1769年の2回の金星の日面経過がこの本の舞台である。当時、太陽系の大きさの絶対的な値がまだよくわかっていなかったが、金星の日面経過を地球上の離れた場所から観測することで、その視差からそれを求めようというのである。

科学の探求のために、当時戦争をしていた国どうしからも観測隊を出し合った、国際協力プロジェクトのはしりで、何ヶ月もかかる苦難の旅をして観測に赴く様子が描かれている。一旦でかけてしまえば、電話があるわけでもなく、どうやって連絡をとっていたのだろう。観測結果も、観測後また長い旅をして持ち帰らないといけない。本当に、よくそんな時代にこんなことが実行できたものだと感心する。

コメントする

スマートフォン対応手袋

Gloves

スマホ対応手袋というのを買った。指先が導電加工されていて、スマホに使われている静電容量方式のタッチパネルの操作ができるもの。もうひとつ、重要な点は、スベリ止め加工がされていること。

だんだん寒くなってきて、星を観るのにずっと外にいると寒さがきびしい。身体は厚着するが、手も素手だと寒い。特に気になったのが、金属製の三脚 (カメラ用も、望遠鏡のも) を運ぶときに手で握ると冷たくて仕方ない。これは手袋がいるな、と思ったが、手持ちの手袋ではちょっと困るかもしれないと思ったのが、星を観るときもiPhoneを使ったりすることがあること。普通の手袋ではタッチパネルの操作ができない。タッチパネルのことを抜きにしても、持っている手袋では、薄手のものはスーツを着て会社に行くとき用のもので、なんとなく望遠鏡で星をみている雰囲気にそぐわないし、革の厚手のものは、カメラや望遠鏡を操作するのにも困りそうだ。

以前から、タッチパネル対応の手袋があることは知ってたし、スベリ止めがあった方がいいのもわかっていたので、ヨドバシカメラの店頭にあったそういうタイプのものを、まあそれほど詳しく考えずに買ってきた。「ピタクロヒートタッチプラス」という商品名のもので、よく知らないがイチーナという会社から発売されている。

iPhoneが出て最初の冬にそういうタッチパネル対応の手袋が出だした頃は、いかにも先端に金属の繊維を折り込んでますという感じで、実際の効果もなんとなく怪しそうなものだった気がするが、今やもうタッチパネル対応は全く自然にできていて、逆に、ここが対応箇所だとわかるように少し色を違えてあるだけじゃないかという感じかするくらいだ。私の買ったものは、たぶん他のものでも一般的にそうだと思うが、親指、人差し指、中指の先端が導電加工してある。実際の操作感も全然問題なく、さすがにあまり指先だけちょっと触るという感じではうまく操作できないが、ある程度指の腹を使って操作する分には、非常にスムースに反応する。

すべり止めは、iPhoneを裸で使う私には必須で、普通の手袋だとiPhoneを握った手から簡単に滑り落ちてしまいそうなのを、防いでもらわないといけない。ケースに入れている人は、素材がシリコン的なものなど滑りにくいものであれば、手袋の方はどんなものでも問題ないが、裸の本体では、普通の手袋だと本当に滑りやすい感じがする。この手袋には、滑り止めのぶつぶつが手袋の手のひら側の面についている。手のひら側の面というか、軍手のように裏表対称の形をしているのだが、片側に滑り止めがついているので、ついている側が手のひら側ということだ。ただし、よくある滑り止め付きの軍手のように全面的に滑り止めがついているわけではなく、写真のように、部分的についている。なので、手のひらでものをさわったときにあまりに滑り止めが効き過ぎるということもない感じ。ただし、iPhoneを握ったときに、指の側はいいが、反対側が親指の付け根の方で支える部分に滑り止めがないのがちょっと不安な感じもする。しかし、まあ、実際に持ってみると、滑り落としそうな感じはしない。

素材は結構薄手で、カメラの操作をするのには全く支障がないが、逆に、あまり防寒効果がないのではないかという感じもする。しかし、発熱繊維のeksという発熱繊維を使っているというのもウリのようで、そのへんはこれから使ってみて実際どの程度なのか見極めたい。

1件のコメント

ふたご座流星群

昨夜はふたご座流星群の極大ということで、いつも言っているように流星群には期待しないと言いつつ、前回のしし座流星群に続いて撮影にチャレンジしてみた。

極大の時刻は、夜が明けた後の12月14日午前8時頃とアストロアーツのサイトで読んだので、また早起きして明け方に見ようかとも思ったが、空が白んでくる時間よりも前に十分見られる時間を確保するとずいぶん中途半端になりそうなので、夜中のうちに見ておくことにして、0時過ぎから準備をはじめた。ネットを見ていると、どこからの情報か、極大は午前2時頃だねと違うことを言っている人もいたし、まあいずれにせよ流星雨の極大なんて、そんなにきっちりその瞬間だけというものではないので適当でいい。

カメラを最広角にして、いちおう空が一番ひらけている北東方向に向けるが、地表近くは光害がひどいためできるだけ上に向ける。しかし、マンションの中からだと天井があるせいであまり上にも向けられず、画面内を全部空にできるアングルはかなり限られてしまう。放射点のふたご座はほぼ天頂近くにあるが、まあ、別に放射点に向けないといけないということもないが、期せずして、少し寄ってはいるが、放射点のある方向の少し高度の低いあたりを狙った形になった。前回はカメラのレンズに結露して失敗したが、今回は気温は低いものの空気は乾燥しているので、結露の問題はなかった。

流星の撮影も、ISSを撮影した際と同じく、背景が白くなってしまわない範囲の露出で連続撮影をする。あとは、ひたすら待つだけだが、まあそんなに長時間じっと見ながら待っているのもつらいだけだ。肉眼でも何個か流れるのが見えたので、20分間ほど続けて終了とした。

合計で200枚ほど撮影したが、大きな流星が流れていればともかく、小さなもも含めて写っているかどうかを1枚1枚チェックするのは大変なので、全画像を重ねてから1枚の写真の中で確認することにした。今までISSの軌跡の合成などには、特別なツールを使わず手動でPhotoShopのレイヤー合成で1枚ずつ行なっていたが、夕方にISSの画像でそれをやった後でまた200枚近く行うのはいくらなんでも大変と思ったので、ツールのお世話になることにした。KikuchiMagickというフリーソフトを使うと、簡単に複数の写真の比較明合成ができる。ISSのときにも使っておけばよかった。

追尾はしていないので、20分間分を合成すると、結構な日周運動になる。北の空で、北極星も含む範囲を撮影したので、きれいな同心円のパターンができる。それぞれの弧は、角度にして5° になる。この画像を隅から隅まで目を凝らして探すと、3ヶ所に流星が写っていた。場所がわかれば、その部分を重点的に見ればいいので、どの時刻の写真に写っていたかを探すのも楽だ。

肉眼で見ていて、確実に視野内で流れたな、と思った時刻付近にちゃんとひとつあったが、あとの2つも、前後して近い時刻に流れていた。肉眼で見た一番明るかった流星は画面からはずれていたようで、画面に写っているのは、結構小さなものばかりなのが残念だが、まあ期待しなかった通り、という感じか。

流星の写っている元の写真1枚だけを見ると、

Single Shot

こんな感じで、見た目がぱっとせず寂しい。ちなみに、流星は下の方、真ん中よりちょっと左寄り。ここはもう全部まとめて合成後の写真で見せることにして、更に明るさの調整 (例によってJPEGでしか撮っていなくて、RAWからではないのであまりうまくいかないが) をして、わかりやすいように流星の部分に印を付けたのがこちらの写真。ちゃんと、3本の線を延ばして交わるのが画面の外のふたご座の位置あたりになっている。

Geminoid Composite

ところで、13日の日中に、アストロアーツからこんなツイートがあった。

【お知らせ】 今夜はアストロアーツのウェブサイトが重くなることが予想されます。根本的な対処を検討中なのですが、いつもご迷惑をおかけし申し訳ありません。〈先月はまさかの半影月食でアクセス集中でした)

【ステラナビゲータをお使いの皆様へ】13日夜はアストロアーツのサーバが重くなり、ステラナビゲータがスムーズに起動しなくなることが予想されます。あ らかじめ[設定]→[環境設定]で「起動時の更新確認」をすべてオフにし、起動時にサーバ接続を試みないよう設定をおすすめします。

確かに、ステラナビゲータを立ち上げようと思ったらなんかえらく起動が遅いなと思ったら、そういうわけだったのか。それで、もう1回だけ我慢して起動して、更新のチェックをオフにしておいた。

5件のコメント

ISS撮影3度目

人工衛星が地上から見えるのは日の出前か、日没後のそれぞれ短い時間の間に限られる。日の出前はわざわざ早起きすれば見られるが、夕方は平日は仕事 だし、休日でも外出していたりすることも多いのでなかなか見る機会が少ない。たまたま平日夕方早くに帰宅したら、ちょうどいいISSのパスがあったので、 急いで撮影してみた。今回の軌道はかなり真上を通るもので、従って地平線に向かう角度も垂直に近い。なので画面は縦位置。日没からまだあまり時間が経たな いパスなので、空がまだ青くて、星がほとんど見えない。そでも明るい星はあって、カペラと木星が見えていて、予報の軌道はとちょうどその間に降りていく感 じだ。できれば撮影枚数を減らすためと、合成後の画面上であまり軌道が細切れに見えないようにに1回の露出時間は長めにしたいところだが、空が明るいと長 時間露光すると背景が真っ白になってしまうので、あまり長くできない。シャッタースピードをそこそこ確保して、明るくなりすぎないようにするために絞った りISO感度を落としたりして対処するが、ISS自体の写りも暗くなってしまうので、調節が微妙なところだ。しかも、日没後空の明るさは刻々と変化してい るので、撮影前に明るさを合わせても、ISSが通過していくまでには暗くなっているかもしれない。

20121213ISS too dark

そんなわけで撮影を終えて合成してそのままで縮小しただけなのが上の写真。撮影はなかなか完璧ということはなくて、前回はピンボケの失敗をしたので、今回は ピント合わせはしっかりしたのだが、別の失敗を2つした。ひとつは、撮影開始が1回分遅かったこと。今回はほぼ頭上のパスだが、撮影場所は、ISSが夕日 を受けて遠ざかっていく北東側には開けているが、反対側はふさがっているので、南西から接近してくる間は見えない。首を出して覗き上げて天頂付近を超えて やってきたのを見てから撮影開始したのだが、標準ズームレンズの最広角で縦位置なので、結構な仰角まで視野に入っている。当然何枚か無駄にするつもりで視 野に入る前から連続撮影を開始したつもりが、目測を誤って1枚目のときに既に視野に入ってしまっていた。これでは、合成した写真を見ても、突然天の途中か ら現れたように見えてしまう。シャッター1回分だけだったが惜しかった。ちなみに、地平線に近づいて行った方も、地平線や、地平線近くの霞みに隠れる前に 見えなくなっているが、これはISSがそこから上空でも太陽光が当たらない領域に入ったためである。

もうひとつは明るさ。明る過ぎるのを心 配し過ぎたため、逆に暗すぎる絵になってしまった。ISS自体はきちんと写っているが、背景が実際に見ていたよりも真っ暗な感じで、夜中に撮ったようだ。 それでいて、もともと空はまだ割りと明るかったので星がたくさん写っているわけでもない。今回は背景に全然大きな建物もないので、余計にさびしい。もっと 空の色を出すべきだった。目で見た印象は下の写真 (露出確認のための試し撮りのうちの1枚) くらいの感じだったが、微妙な明るさの現場で、撮影した画像をカメラの液晶画面で見ても、なかなか明るさを正しく判断できないような感じがする。

good exposure

そ んなわけで、そのままではちょっと残念なので、ちょっと修正を加えた。撮影開始遅れには、少しだけトリミングしてISSの軌跡が画面の外から始まって見え るようにした。明るさは補正をかけて明るめにすると、ピントはきっちり合っていたせいか、細かい星もだいぶ見えるようになってきたが、もともと暗くしてし まって階調が足りないので、あまり明るくすると画面が荒れてしまうので、ほどほどにしかできなかった。RAWで撮っていればもっと修正に耐えられたのだろうが、枚数撮るのでメモリ量がもったいないのでJPEGだけで撮っていたので、そうも行かない。いちおう修正後の写真がこんな感じ。

20121213ISS edited

ちなみに、右側下寄りの一番明るい星が木星。そのすぐ右下がアルデバラン。反対の左側の明るい星がカペラ。木星の真下付近に、東京タワーと東京スカイツリーも見える。

2件のコメント

水星と月の接近

Mercury & Moon

先日の土星と金星の接近に続いて、今度は水星と月が接近して見えるのを撮影した。このところ、ずっとこの付近での現象が続いているので、毎回早起きして見ないといけない。

月と星が並ぶときは、肉眼では双方よく見えるのに、実は明るさに非常に差があって写真に取りづらいことが多いのだが、今回は月齢28近くで新月寸前の非常に細い月になっているので、割りと楽だ。一方、地球照で本来陰になっている部分がぼんやり光って見えるのがよく見える月齢でもある。月の光っている部分に露出を合わせるのか、地球照の部分に露出を合わせるのか、撮り方次第でずいぶん違った見え方に撮ることができる。日の出前の薄明の空も、露出加減でずいぶん違った印象に撮れる。ここでは、実際に目で見た感じよりも少し明るめで、まあ肉眼でも地球照はよくわかるのだが、更にちょっと強調した感じに見える露出のものを選んでみた。

今回は、前の土星と金星ほどまでは近づかないので、望遠鏡では2つの天体を1画面に収めることはできない。なので、60Dの望遠ズームの最望遠端の250 mmで撮ったのがこちら。

Mercury & Moon

そして、月単体をいつものように直焦で。こちらは、極端に細くまでになった月の端の方が月面の凹凸のお陰で途切れ途切れになるのがよくわかる露出で。

Moon

1件のコメント

土星

土星を望遠鏡で初めてちゃんと撮影してみた。本当は初めてではなく、先日の金星との接近のときにツーショット(笑)で撮ったは撮ったが、金星と両方視野に収めるために直焦でそのまま撮って、小さくしか写っていないし、まだ高度が低くてシーイングが悪かった上に、画質的に不利な画面の端っこの方だったので、環と本体の隙間もわからないような状態のものだった。

今回は金星と土星はだいぶ離れてしまったものの、水星も近くに見え、そこに月も並んだ様子を眺めるついでに、土星の方は前よりだいぶ高度が上がってきているので、土星単独で、木星を撮影したときのように撮影してみようと挑戦した。

しかし、まず、シーイングが悪いせいか、眼視で見ても土星の姿がなかなかくっきり見えない。低倍率で見ている分にはまだ小さくてそれなりに見えている感があるが、高倍率にしてみると、もうぼんやりしてどこがピントかもよくわからない、本当に低倍率で小さく見えている状態をそのまま引き伸ばしただけというふうにしか見えないくらい。

ともあれ、拡大撮影するために、8-24 mmズームアイピースとカメラを装着して、まずズーム最広角の24 mmで視野に入れる。土星を中央に捉えて、カメラをそこからクロップ640×480の動画撮影モードに切り替え、それからズームアイピースをズームアップとピントがズレるのを合わせ直すのを並行して行いながら徐々にズームしていくのだが、少しズームしたところで、カメラのモニタで見ている画像がもうぼんやりしてどこに写っているかわからないに近い状態になってきた。木星に比べると光量が少ないせいで、拡大すると更に光量が低下するためか。もうピントを合わせるのも無理なので、あきらめて、ズームは24 mmのままの拡大撮影 (といっても、直焦のときとたいして画角は変わらない) を行った。

20秒ほどの動画をRegiStaxで処理したが、空気の揺れのせいで、土星の映像は画面の中で踊りまくり。変形著しいコマも多数なので、リミットの設定で半分のコマを捨てるようにした。木星に比べるともともと視直径が小さいのに、拡大撮影の倍率が3分の1なので、本当にちっちゃくしか写っておらず、木星の画像とは比ぶべくもない。それで、ズームは3倍の8 mmで撮影できたつもりで、処理画像もあまり意味はないが3倍に拡大してみた。そうでもしないと、ちょっと格好がつかない。それに、こうしておくと同じピクセルサイズで見れば実際に見える大きさを木星の画像と比べられる。

しかし、やはりこれではちょっと情けない感じがするので、もう少し経って土星が今より高い高度で見られるようになって、シーイングももっといいときにまた試してみたいと思う。

Saturn

2件のコメント

悪シーイング時の望遠鏡動画

太平洋岸地方の冬は天気がいい日が多くて星がきれいに見えて天体観測によさそうに思えるが、望遠鏡で天体を拡大してみると、風が強いせいで空気の屈 折率のムラがゆらゆら動いて画像が安定して見えないことが多い。こういうのをシーイング (seeing) が悪いという。どんなに悪いかというと、先日エクステンションチューブの比較の写真を撮影していたときについでに動画を撮っておいたのが、下に貼り付けた通り。木星のRegiStax処理用の画像はクロップ640×480モードで撮影したが、こちらはフルHDで撮ってある。静止画はいつも向きを正しているが、この動画はアイピース使用の拡大撮影したものをそのままなので倒立像になったままである。

静止画だけ見ているとまさかこんなになっているとは思わないかもしれないが、実際に眼視で見ているとこんなにゆらゆらした感じで見える。写真を撮るには、月は明るいから早いシャッターを切ればまあブレブレにはならないが、ピントを合わせようにも、どこで合っているかすごくわかりにくい。

ちなみに、家からスカイツリーを見た時などのように遠くの地上物を見た場合も同じようになる。月と比べると距離は全然近いわけだが、光が空気を通過している距離は、地表の遠くににある対象の方が長いことになるので、その方がひどい。天体を見る場合も、天頂近くにある場合と地平線近くにある場合でかなり影響が違う。

コメントする