2012年11月 のアーカイブ

半影月食と木星、アルデバラン、すばる

昨夜は半影月食。月が地球の本影に入らず、周辺の半影の部分だけを通過するだけなので、真っ黒に欠ける部分が発生せず、ぼんやり暗くなる程度。単にその場で肉眼で見ていただけではほとんどそれとわからず、同じ露出で写真に撮って比べでもしないとわからないという。

そこで、その通りに、食分のいちばん深い頃と、半影月食終了後とを同じ露出設定で撮影して比べてみた。食分最大になるのは夜中近く。この時期の満月は高度が高く、ほとんど真上に見えるので、マンションのベランダや廊下、非常階段からは真上が見上げられず、階下に降りて建物の外で撮影。望遠鏡を運ぶのは大変なので、カメラレンズで撮影した。

食分最大事の満月は、確かに肉眼で見ると普通の満月と同じように煌々と輝いていて、全く月食とは思われないが、適正な露出で写真を撮ってみると、半影の中心方向は暗く、周縁付近はあまり暗くならなくて、グラデーションに見えるのが見て取れるので、月食でないときと比べなくてもそれとわかる。

しかし、もちろんその後予定通り、月食終了を待って同じ露出設定で撮影して、月の部分だけ切り出して並べたのが下の写真。左が最大食分、右が月食終了後。月食中の写真の方のピントがボケているのはご愛嬌ということで。

月の周辺にに目を転じると (わざわざ転じなくとも、もともと目に入っているが)、月のすぐ近くに木星が明るく輝いている。明るいといっても、半影食ながらも満月の明るさとは格段の差がある。月が模様が見えるように写真を撮ると木星は暗くて全く写らないし、木星が見えるくらいの露出にすると、月はもうハレーションしまくりの状態になる。肉眼で見るとちゃんと月の模様が見えながら隣に木星が見えるのにカメラではそうは写せない。というか、肉眼ではそんなに明るさの差があるように思えないというのも不思議だ。

木星の他にも近くには1等星のアルデバランも同じくらいの距離にいる。このあたりになると肉眼で見ていても月がまぶしすぎてよくわからない。アルデバランから月をはさんで反対側、もう少し離れたところには、すばるも写っているが、こうなるともう肉眼では全くわからないけれども、写真に撮ると月のハレーションにも負けずちゃんと写っている。

月食終了後は月も南中を過ぎてだんだん高度が下がってきて、ベランダから望遠鏡で狙えるようになったので、直焦でも撮影。今回はホワイトバランスをいつものオートのままでなく太陽光5200K固定の設定にしてみた。月は青白いものという印象があるのでオートのときにはもっと色温度の高い設定になっているかと思ったが、これで少し黄色っぽく写っているので、白く撮れている画像ではもっと色温度の低い設定になっているということか。

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Eye-Fi Pro X2 16GB

EOS 60Dで使っているメモリカードは前に書いた通り同時に購入したEye-Fi Pro X2 8GBだが、これを買ってからあまり間を置かずに新製品の、Eye-Fi Pro X2 16GBが発売になった。容量が倍になっただけでなく、アクセス速度もclass 6からclass 10になって高速化している。もう少し早く発売されていればこちらを買ったのだが、ちょっと惜しかった。

普通のSDカードなら値段もたいしたことないので、有り余ると思っても大きめの容量のものを買うところだが、Eye-Fiカードを使うという時点で、そもそも購入時は8GBのものが最大容量だった。まあ、長期に出かけて撮り貯めて帰ってくるというわけでもないので、天体の写真を撮って、すぐに吸い上げるだけならそれほど容量はなくても大丈夫と思っていたが、RAWモードで撮るとやはり結構容量を食うのと、スタッキング用に動画を撮ったり、何枚ま連続撮影をしたりもするので、しばらく撮った画像を消さないで置いていると、割りとすぐにいっぱいになってしまう。

かといって、容量アップのためにもう1枚買うというのもどうかと。まあ、16GBを買って60Dに入れて、8GBをCX1に使えば、外出先でCX1でiPhoneにダイレクトモードで転送して直接SNSにアップロードとかするのに使えていいかもしれない。今不自由なく使っているCX1に入っている古いEye-Fiカードが余ってしまうが。

さて、どうしたものか。他にも色々アクセサリ類の購入で出費も多いし。まだしばらく様子見か。もうちょっと早く発売してくれてたらなぁ…

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水星、土星、金星、スピカ

今日の未明に、土星と金星が (みかけ上) 非常に接近するというので、早起きして見てみた。タイトルの通り、更に水星とスピカも割りと近くに並んで見られる。

まずは、早目に準備をして、待っている間に北斗七星を撮ってみた。

北斗七星をど真ん中に据えた構図なだけのつもりで撮ったが、ちょうど画面の左下隅ぎりぎりに、北極星を含むこぐま座のミニ北斗七星のような7つの星がおさまっていた。画面下の方がぼんやり明るくなっているのは、夜明け近いせいというよりは、都心方向の明かりの影響も大きいかもしれない。

さて、最初は暗くて望遠鏡で金星を覗いて隣にあるのがわかるだけだった土星も、高度が上がるにつれて肉眼でも見えるようになってきたので、地上からスピカまで含めた構図で撮影。水星は一番地平線に近く、見えない可能性も高いと思っていたが、望遠鏡で自動導入してみると、あっさり見えている。かなり地平線に近いので、望遠鏡を通して見る像は朝日のように赤っぽい色をしている。場所がわかって肉眼で見てみると、実は肉眼でも見えるようになっていた。

写真左下で明るい雲よりも下、暗い雲のすぐ上に見えるのが水星。真ん中の2つの星のうち、左側が土星、右側の一番明るいのが金星。右上の方に見える明るい恒星がスピカ。惑星3つと1等星ひとつという、なかなか豪華キャストの共演である。

土星と金星は非常に接近しているため、NexStar 5SE に直焦撮影で写る視野の中に両方同時に収まった。眼視でも25 mmのアイピースで50倍で見ると一度に見られる。これほど明るい星どうしがこれだけ接近するのは結構めずらしい。惑星の姿を見るには直焦ではちょっと小さすぎるし、高度が低いのでかなり画像がぼやけているが、土星の輪は分離しては見えないものの、斜め両側に飛び出している形はなんとかわかるだろう。金星の方は、土星に露出を合わせているせいで、光があふれて実際より大きく見えている。どのみち、現在はあまり欠けた状態ではないので、単に丸っぽく見えるだけだが。

今回は天気にも恵まれ、早起きした甲斐があった。

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EOS 60Dの感想

はじめての一眼レフを買ってから、そろそろ1ヶ月になるので、感じたことなど。といっても、あまり普通の写真はとっていないのだが。EOS 60Dのというより、初めて一眼レフで天体写真を撮ってみるようになっての感想というところか。

コンデジに比べると、操作ボタン類はずっとたくさんあって、それもあちこちに一見てんでばらばらに配置されているような感じなので、何がどこにあるか慣れるまではとまどうことしきり。これはまあだんだん慣れてくるにつれて、そのボタンがそこにあるのが必然に思えてくる。

しかし、上面液晶表示器の前に並んでいる4つのボタンは、なんだかちまちましてい操作しにくい感じがする。マルチコントローラの方向キーが、周囲にサブコマンドダイヤルがあるせいか、中央のSETボタンが高いせいか、押しにくい。モードダイヤルは、よく使うマニュアルモードやバルブモード、Av、Tvモードと、スタッキングの撮影のために撮影する動画のためのモードの位置が、ダイヤル上では、間に「かんたん撮影ゾーン」の各項目をはさんで、両端に近い位置になって、片方から片方への変更しようとすると、ダイヤルをぐるっと回さないといけなくなり、しかもダイヤルにはロックボタンがついていて、望遠鏡に接続したままこの操作はとてもやりにくい。

操作項目が多いので、そのときによって変更した項目を、別の設定で撮るときに戻さずに忘れているといったことがよくある。これも慣れの問題かもしれないが、常に色々な項目が必要な値にセットされているか確認するように心がけないといけない。

天体写真用のカメラの選択のアドバイスでよく言われている、バリアングル液晶がいい、というのは、実際に使ってみて本当にそう思う。これが、天頂プリズムなしで望遠鏡を覗く場合と同じ体勢で画面を見ないといけないとしたら、相当不便だ。ただ、液晶を開いてから傾けた状態だと、リモコン端子などの部分と干渉するので、いつも後からリモコンを差そうと思って苦労してしまう。

そのバリアングル液晶で見るライブビューで、画面を拡大表示にしてのピント合わせも非常にありがたい。ただし、説明書を読むとやけに温度が上がるからなるべく連続使用しないようにという記述があって気になる。実際に使っていると、望遠鏡でピントを合わせるのに手間取っているとカメラは何も操作していないので、時間切れでライブビューが切れてしまう、と思い込んでいたが、これは実は普通にカメラ全体に対するオートパワーOFFだった。設定でオートパワーオフ時間を少し長く設定しておいた。

あとは、Kissなんかと比べて不利なのは重さか。望遠鏡に負担がかからないようには少しだけでも軽い方がいいのだが。これでも、もっと上級機に比べれば十分軽いのだろうけど。望遠鏡の方が小さいせいもあるが、カメラを接続すると、かなり揺れを増大させている気がする。

レンズは、天体写真以外にはそれほどには入れ込まないだろうと、レンズキットで買うのがお買い得と思って、ただしやはりカメラレンズで天体を撮ることもあるしそれには望遠は長いのがあった方がいいだろうということで18-55 mmと55-250 mmのダブルズームキットしにた。普通に何か撮るのに使うのなら、レンズ交換しなくていい18-135 mmの方が使い勝手はよかったのだろうけれど。レンズが2本あると事あるごとにレンズを取り替えなくてはいけなくて、センサにゴミがついたりするのが心配だ。そうでなくてもTリングとレンズを頻繁に取り替えるのだし。

しばらく使ってみると、更にレンズが欲しくなったりもして、それなら最初からレンズキットにせず、自分の使いたいいいレンズの組み合わせを最初からボディと別に買えばよかったかもしれないが、単体で買うレンズはみんなとてもいい値段がする。レンズ1本買うのに望遠鏡が1台買えるくらいで、まあ最初はそこまでお金をかけずにとりあえず幅広い焦点距離をカバーするということで、やはりこれでよかったのかとも思う。

最後に、ついでにひさしぶりに見られたので直焦で撮った昨夜の月。カメラが来て最初に撮り比べた月の月齢よりまだ少しだけ手前だ。

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カメラバッグ

望遠鏡とカメラを買って以来、アクセサリ類の購入がなかなか止まらない (笑)。

私にとって初めての一眼レフ、EOS 60Dは、天体写真のために買ったわけで、普段いつもカバンに入れて持ち歩いて色々撮影するのは、コンデジのCX1が継投するのだが、やはりせっかくの一眼レフだから何かしっかり撮影したいときには、天体写真でなくても外に持ちだして使うこともあろうし、ダブルズームキットでレンズが2本あるので、交換レンズも一緒に持って出るにはやはり専用のカメラバッグがあった方がよかろうということで、もう、少し前の話なのだが、カメラバッグを買った。

カメラ一式の必要なもの、つまりレンズをセットしたカメラと、交換レンズ1本と、あと多少小物、だけがコンパクトにまとめて持ち運べる程度のショルダーバッグ、ということで探しに行った。ヨドバシのカメラバッグ売り場に行くとこんなにも種類があるのかというほどのカメラバッグが売られていて、どれにしたらいいか皆目見当がつかなさそうな勢いだが、ひとつ特徴があって目に止まったのがこれ、Lowepro Rezo 170AW というバッグ。特徴というのは上蓋の開く向き。一見、他のよくあるバッグと同じように、メッセンジャーバッグのフラップのような蓋が前にかぶさって留めてあるのだが、それを開いても中には薄いファスナー式のポケットがあるだけ。本体の出し入れはそれとは別にカバンの上面のうちフラップのついていない三辺、すなわち左右と手前側がファスナーで開くようになっている。つまり、フラップとは逆方向、バッグをぶらさげたまま蓋を開くと上面が自分から向こう側に向かって開いて、手前にバッグの中身が口を開ける格好になる。カメラはレンズの先端を下に向けて収納するタイプで、これはバッグをぶらさげたままの状態で非常に出し入れしやすいのではないか。そこが気に入って、このバッグを購入した。

同じ構造になったものがシリーズでいくつかサイズがあるが、カメラボディの大きさ、レンズの長さを考えあわせて、この170というサイズでよさそうと、これにした。内部には、よくあるマジックテープで止める仕切り板が2枚あって、カメラをTの字状に入れたときに、左右に空間をつくって、広くなるグリップ側にレンズ、反対側は替えバッテリーとか、その他小物を入れる感じ。

後から、レンズのフードを買って付けたら長い方のレンズは更にだいぶ長くなってしまうが、付けたままでもまあなんとか収まってくれた。

特に外出でなくても、望遠鏡で星を見て撮るのに部屋からちょっとベランダや玄関先に持ち出すのにも、望遠鏡本体以外にも、色々と細かいものもあるので、部屋の中と外を何度か往復することになるのだが、このバッグのおかげで運びやすくなったし、眼視しているときにはカメラを望遠鏡に取り付けずにちょっと置いておくにも、クッション付きのバッグの中に突っ込んでおけて安心だ。

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東京タワー先端部の足場

もうしばらく前のことだが、地震で曲がった先端部の取り替え工事をしていた東京タワーの上の方に組まれていた足場がなくなったというので、近くを通る用があるついでに寄り道して眺めてきた。1枚目がそのとき撮影した写真。足場がなくなったと聞いたが、よく見るとまだ下の部分が少し残っていた。次の写真が、9月に芝公園でイベントがあって行ったときに撮った写真。このときは先端アンテナ部はもう新しいものになっているものの、足場は丸ごと残っていた。

その次は、今年の5月で、まだ古いアンテナが残っていたとき。アンテナの先端にある避雷針が開いた形だったのが、取り替え後のものと形状が違うのがわかる。その次は、地震から約1ヶ月後、昨年4月の写真。この写真と、最新の写真を見比べると、最後の柱だけになるアンテナの部分になる手前の肩のところに、先が少し開いたステージのようなものがあって、もともとこういう形だったのが今回なくなったのかと思った。

ところが、最後に、地震より前、2008年にたまたま撮ってあった写真を見ると、そういう小さなステージ状のものはないので、これは地震直後に応急処置をしたときに設置されたものではないかと思われる。

ところで、工事中におそらく物を上げ下ろしするために使うと思われるケーブルがタワーの上の方から張ってある。地震1ヶ月後の写真にはないのに、2008年の写真にはケーブルが見える。実はこのときも何かの改修作業をしていたようだ。足元を撮った写真には、いっぱいネットが張ってあるのが見える。

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しし座流星群と夜露

昨夜は、しし座流星群ということで、流星群と彗星には期待しない私ではあるが、せっかく連続長時間撮影のできる一眼レフを買ったわけなので、流星の撮影もやってみようと試してみたが、ISSの撮影に続いてまたも失敗。

レンズは、先日のISSの撮影と同じく18-55mmの最広角端。マンションの非常階段の位置から撮ろうとすると、天井や柱や、近所のマンションの避雷針などがあって、なかなかこの画角全体に何も入らないようになる方向をみつけるのが難しかった。望遠鏡の場合もそうだが、三脚はもちろん足の踏み場のあるところに立てるので、建物の端から内側に入った位置に置くことになり、天井があるのであまり高い仰角も向けられない。皆既日食のときにコンパクトデジカメを固定するのに使った、クリップ式の雲台を使えばよかったかもしれない。

ともあれ、設置は完了し、ライブビュー画面のズームアップでピントを確認して、今回は念のため例のパーマセルテープで、ズームとピントリングが動かないように止めた。ISSのときの教訓 (笑) をもとに、今回はカメラでシャッタースピード30秒にしたものをリモコンのプログラム機能は使わずに、レリーズボタンのロックだけを使って、連続撮影した。

あとは放置して、自分はながめているだけだが、どうも肉眼でも全然流星が流れるところは見られなかった。30分ほどして、ふとカメラのレンズを見ると、レンズ表面が全部すっかり曇ってしまっている。この日は冷え込みはそれほどでもなかったが、湿度がかなり高かったようだ。曇りを拭きとってもう一度続きの撮影をすることもできたかもしれないが、またすぐに曇ってしまっても仕方ないので、もう続きはあきらめて、さっさと撤収した。

ものの本によると、こういう場合のためには、カイロを用意してカメラのレンズに抱かせて温めておくようにするらしい。

ほとんど意味が無いが、何の変哲もない単なる星野写真と、レンズが夜露で曇ってしまう途中の画像。もっと曇り切った後はもうこれよりももっと星が写っていない状態になってしまっていた。レンズが曇ったからといって、星の光がにじんでぼんやり広がったりするのではなくて、暗い星が映らなくなってしまうだけのようだ。

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連続撮影補足

昨日の記事で、撮影失敗した後に少し実験をした結果を書いたが、もっと単純でいい方法があるのにまるで気付いていなかった。我ながらアホだと思う。

なまじ、プログラムのできるタイマーリモコンを買ったものだから、活用してみたくて色々やっていたわけだが、できるだけ間隔を詰めて連続撮影するだけなら、連写モードにして、単にレリーズを押したままロックをかけておけばいいだけであった。まあ撮影間隔がきっちりした秒数にコントロールできなくなるという欠点はあるかもしれないが、それほどたいした問題でもない。しかも、この方が、バルブで一旦レリーズを離してから再度シャッターを切るより、撮影と撮影の間隔は短くなるようだ。

連写機能といえば、秒間何コマ撮れるとかいって、高速に撮ることに目が行ってしまうが、スローシャッターの場合にだって連写はできるのである。軌跡が破線になった写真を撮っている人はたいていそうやってるのであろう。次回はそうしよう。

お粗末であった。

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ISS撮影にリモコンで失敗

2012年11月14日早朝。ケアンズ方面では皆既日食の見られる朝だったが、当地ではちょうど国際宇宙ステーション (ISS) が頭上近くを通る軌道だった。ISSは以前にビデオで撮影したことはあるが、今回は一眼レフとタイマーリモコンという今までなかった機材も揃っていることだし、日食のネット中継を見るのに早起きするついでに、よくある軌跡を写し込んだスチル写真の撮影に臨んでみたのだが、これが大失敗してしまった。まずは、その結果の、失敗写真を。

1枚目が南西方向から接近してくるところ、2枚目は頭上通過後北東方向に離れていって地平線に消えるところ。自宅マンションのベランダや廊下からはうまく見渡せないので、早朝でまだ人のほとんど通らない最寄りの駅前の歩行者デッキまで行って撮影した。カメラはEOS 60Dに、レンズはダブルズームキットの短い方のレンズ、EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II の最広角端。南東方向は駅前のタワーマンションを前景に、オリオン座が顔を出し、右には木星が輝いているところを、ちょうどタワーマンションのところからISSが姿を見せる。北東方向は、ちょうど北斗七星がISSの軌道の上にきれいに全体の姿を見せている。どちらもなかなかいい構図だと思ったのだが、肝心のISSの軌跡が連続せずにブツ切れになってしまっている。

移動していく光点を軌跡にして写真に撮るには、その間シャッターを開けっぱなしにすればいいが、そうすると、露光時間が長くなりすぎて、背景が明るくなりすぎる。明るくなりすぎないように絞ったり感度を落としたのでは、肝心の光点が暗くなってしまう。特に、人工衛星が見られる時間は、真夜中ではなくて明け方近くが夕暮れ後なので、空は一見真っ暗に見えても、多少明るめなので、長時間露光すると更に明るくなってしまう。そこで、連続露光はある程度の時間にして、次々と撮影していき、それらを「比較明」合成して重ね合わせる。そうすると、同じものが同じ位置に写っているところは明るさが積算されずに、明るくなりすぎず、軌跡は十分な露出で撮影された状態のものを順につないでいったような絵になる。完全に連続して撮影することはできないので、完成した合成写真は、軌跡が「ミシン目」のような絵になる。

というのを狙ったのだが、ほんの少しの間をおいて次の写真が撮れるつもりが、ご覧の通り、1枚撮ったのと同じ時間くらい休んでからまた次の1枚という撮影になってしまった。連続撮影には、以前の記事に書いたタイマーリモコンを使ったのだが、そこで失敗した。カメラ本体では最大30秒までのシャッターが切れて、それより長いシャッター速度の場合は、バルブにして、リモコンでシャッターを押してから離すまでの時間を設定して、連続撮影の場合は、離してから次に押すまでの時間も設定すればよい。30秒以下の場合もバルブモードで同じようにして撮影することもできるが、カメラの方でシャッター速度を設定すれば、リモコンからは、シャッターを押している時間はゼロの設定 (一瞬だけ押して離す) にして、シャッター時間+休み時間の合計を、次の一瞬シャッターまでの時間として設定して連続撮影することもできる。

今回は、現場でISSが来るまでに何度か試し撮りをして、シャッター速度は15秒で行けそうだったので、15秒で撮影することにした。ちょうど、上記の2通りのやり方が可能な範囲の秒数だが、カメラ側での設定にした。1枚の撮影後、次の撮影が可能になるまでには少し時間が必要なので、タイマーリモコン側で設定する繰り返し間隔は、15秒ではなく、17秒とした。2秒あればだいたいよさそうに思った。実は、心配なので前日に部屋の中でシャッター速度8秒の設定でだが、同じやり方で、撮影間隔10秒でうまくいく事を確認していた。ところが、実際にやってみた結果が失敗だった。待ち時間が2秒では足らず、3秒くらい空けておかないといけなかったようだ。時間が来てシャッター瞬間押しの信号が行っても、カメラ側はまだ準備OKになっていないので、そのシャッター信号は無視され、もう1周回ってくるまで撮影が行われない。

後で実際に撮影して調べてみると、次の撮影までの待ち時間は、シャッター速度が違うと変わってくるようだ。8秒のときは、2秒で十分だった。15秒では2秒でダメで3秒とればOK。シャッター速度30秒だと、休み時間の分を3秒にしてもダメだった。次回からは、このへんに気を付けてタイマーリモコンの設定をしないといけない。

一方、バルブで、リモコンの方でシャッター押しっぱなしにする方法だとどうなるかというと、まず1枚目は問題ない。リモコンの設定間隔が短すぎると、その後に次の撮影準備OKとなる前にリモコンがシャッターを押してしまうが、まだその時点では何も起こらない。準備OKになったところから実際にシャッターが開くが、最初に時間が無駄になったことをリモコンは知らず、きっちり時間が来たらまたシャッターを閉じてしまう。準備中時間が食い込んでいる場合は、その分、実際のシャッター速度が予定よりも少し短くなってしまう。実際、15秒シャッター、2秒休みで試してみると、EXIFに記録されているシャッター速度は、14秒とか13秒とかになっているものがある。やはりきっちりした時間で撮影するには、同じように余裕を持った休み時間を設定しないといけないということになる。

次の撮影の機会には、こういう失敗のないように臨みたい。

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ダブル内視鏡初体験

今年は5歳おきの節目の年齢ということで、がん総合健診というのを受けてきた。先週の金曜日と今週の月曜日あわせて2日間のコースだが、1日目は血液採取等と、腹部の超音波と肺のCTスキャンで、検診2日目は胃の内視鏡と、大腸の内視鏡の2項目。もともと、あまり大きな病気になったりしていないので、今まで、こういう検診の機械にかかった経験は、CTとMRIと、まあ普通のX線くらいで、超音波も内視鏡も初体験である。まあ、超音波は、外からさわるだけなので、たいしたことはないが、胃と大腸の内視鏡は、やはり、身体の奥の方までモノを突っ込むということで、ちょっとゾッとしないでもない。そんなわけで、今回、ダブル内視鏡の初体験の感想など。

まずは、検診を受ける前に、大腸の中身をきれいに空っぽにするために、薬剤1.8リットルを1時間かけて飲んで、大腸内が全部きれいに洗い流されるのを待たないといけない。10分で300ミリリットルずつのペースで飲む。しばらくすると、トイレに何度か通うことになり、出てくるものが液体だけになれば準備OKとなるのだが、私の場合、出てくるペースが遅く、かなり時間が経ってもまだ中身が少し混じっている状態だった。追加で300ミリリットルを2回飲まされて、結局、薬を飲み始めてから3時間以上経ってからやっと検査に向かった。

まず先に胃の内視鏡からだが、最近普及してきた細い管で鼻から入れるタイプと、従来の口から入れるものと、どちらか選べるというので、それはまあ鼻からの方が楽だという話なので鼻の方でお願いした。そういうわけで、口から入れる内視鏡はまだ未体験だ。

事前の説明で、検査中は眼鏡ははずしてもらうと言われたので、強度の近視の私はメガネをはずすと細かいものは何も見えなくなるので、内視鏡で見ている画面も見せてもらっても、顔を画面の5センチ前まで近づけるわけにもいかないので、何もわからない状態になる。しまった、コンタクトレンズをしてくるんだった、と思ったが、実際に検査に入ってみると、「メガネはずしたら何も見えませんよねー」と言われて、すごくきつい近視だと言うと、邪魔にならなければ大丈夫だということで、メガネをかけた状態で検査してもらった。おかげで画面はよく見られた。

鼻から入れる内視鏡は噂通り、本当に楽だった。口から入れるのがどのくらい楽じゃないのかは、体験したことがないので比較できないが、とにかくまるで苦痛感はなかった。鼻の奥に管を挿入していくのは、耳鼻科の検査で器具を突っ込まれるのと同じだが、麻酔がかかっているので、ああ、入っていくなぁ、という感じ。あとはもう、画像を見ていてもレンズの先が自分の身体の中にあるという感じは全然せず、他人ごとの画像を見ているのとまるで同じ感じだった。

続いて、大腸。続けて検査するので、検査着に着替えるのは胃の前に着替えているのだが、検査着の下の方は、ちょうど中国の子供が穿かされているような、お尻の部分が開いたズボンになっている。もちろん、その下に下着のパンツは穿かずに着る。

胃の方はすんなり入って、すんなり出ていく感じだったが、大腸はぐるっと回っているのでそう簡単には行かない。盲腸の部分まで入れるのだが、少しずつ、少しずつ進んでいくので、結構時間がかかる。ものが触っている感覚があるのは肛門付近だけで、ちょうど堅い大便をしている感触がずっと続く感じ。奥の方はどこまで入っているかさっぱりわからないが、多少中で突っ張ったりすると、堅い大便が詰まっていて腹痛を感じるときのような感じがする。途中で進めやすいように、身体を上向けたり、横向けたりする。

と、まあ、そんな感じだが、特に不快な感じがするでもなく、検査終了。まあ、ひどい目にあうのは嫌だが、全然どうということもなくて、拍子抜けと言えば拍子抜けかもしれない。その場で言わなかっただけかもしれないが、特に問題も発見されなかったようだ。

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