2008年8月 のアーカイブ

嘉峪関、懸壁長城

8月2日

日食の翌日からは、もう日食の天気の心配や何やも忘れて、ゆっくり観光に専念できる。観光する先も、日食の前のものはそれほど目ぼしいところがはなかったが、日食後に訪れる場所は有名どころ目白押しである。

といっても、夜には敦煌に到着するのに途中5時間の車での移動があるので、嘉峪関付近では午前中しかなく、結構急ぎ足である。嘉峪関で見るべきところは、前日に行った魏晋壁画墓を除けば、いずれも万里の長城に関するもので、3つある。長城に設けられた嘉峪関の関所そのものと、長城の端が渓谷の岸に到達してそこで終わっている (そこから始まっている)「万里長城第一墩」。そして、関所をはさんでその反対側にある、頂上が険しい山に登っていく「懸壁長城」である。時間の関係か、このうち、万里長城第一墩は今回のコースには含まれておらず、訪れていない。

まずは、街からそれほど遠くない、嘉峪関の関所。博物館などと一体になった大きな観光施設になっているが、添付写真の地図で右側の駐車場近くの入り口から入って、途中までは電動カートで一気に行く。そこから更に少し歩いて、地図の左の方の四角くなっているところが、関所の建物だ。

関所の外側は広漠たる原野だが、出たところには、観光用の駱駝や馬の案内のおばさんがいっぱいいる。関所の外側には、長城と、一定間隔で置かれた烽火台の跡がずうっと伸びている。関所は2重の城壁になっており、上をぐるりと歩いて回れる。城壁の上から藁人形や的を狙って弓矢を射るアトラクションがあって、1本1元、1桶で10元(1桶に何本入っているか確認しなかった)。私は5本でいいと、5元払って試したら、最初ははずし続けたが、5本目で命中した。ちなみに、弓そのものは昔風のものではない。

もう、日食のことは忘れているが、この付近も皆既食帯には入っていたので、前日にはここでも皆既食が見られた。実際、皆既食帯の中で最も絵になる観光地は恐らくここなので、皆既の時間は短いものの、ここで皆既食を観測した人も多いだろうし、皆既日食のことなど知らずに観光に来ていて、幸運(?)に驚いた観光客も多かったのではないか。実際、私が最初に日食を見に行こうとツアーを物色しているときに相談させていただいた方も、ここでの観測だった。YouTubeを探してみると、テレビ番組でここでの様子を映しているもののクリップもあった。次の懸壁長城の皆既食のビデオもYouTubeにある。

そして、次は街からもう少し離れた懸壁長城。関所からここまではほぼ平地に長城が築かれているが、ここで険しい山に登っていく。というのが、売り、なのだが、北京の八達嶺の長城に比べてとりたててすごいとは思わなかった。山の斜面にそのまま長城を築いてあるのは同じで、八達嶺の方が延々登り下りが続いて、距離もずっと長かったので、きつさ加減はずっと大変だった。それに比べれば、こちらはその一区間分だけで終わりなのがわかっているので、確かに坂はきついのだが気は楽だった。八達嶺ではいちばん上の眺めが一番いい場所に記念写真屋がいたり、高い値段の飲み物を売っていたりしたが、ここでは別に何もなかった。高い金を払っても飲み物は手に入らないので、登る前に調達しておくべし。

幅が狭くて、混雑すると登りと下りがすれ違うのが大変だからか、脇に普通の山道があってそちらから下りるようになっている。添付の、頂上から見渡した写真を見ていただくと、左の方に登ってきた長城。右手前のくねくねした道が、下り用の道。真ん中正面のまっすぐ向こうに向かっているのが、街に通じる道路。画面中央あたりから、その道路より右の方に斜めにまっすぐ伸びているのが、嘉峪関の関所につながる長城の跡。それより更に右に、平地をしばらく進んだ後、山に登っていって山の頂上に烽火台が見える。これがもうひとつの懸壁長城。ニセモノとも揶揄されているようだが、詳しくは次の記事で書くことにしよう。頂上から下り道に下りる付近には、“注意安全 小心跌路”の看板。

この後は、再び昨夜泊まったホテルに戻ってそこで昼食。その後、いよいよ敦煌に向けた長い移動に入る。

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Wise Walker デイパック

ちょっと、休憩して、日食旅行とも、iPhoneとも違う話題。といっても、日食旅行に持っていったデイパックの話。

2月にハルピン旅行に行った頃から、それまでに使っていたデイパックがほころびてきて買い換えようと思いながら、ゴールデンウィークにパラオに行ったときもまだそのまま使っていた。さすがにそろそろ限界かなと思って、買い換えたのは5月の終わり頃。前のデイパックは8年前に買ったものだ。いつもバッグの上の端をつかむせいか、ファスナーの外側の蓋の方の上の端がほころんできた。背中側に持ち手はついているのだが。

私のデイパックの用途としては、日常は週に2回水泳に行くのに荷物を入れるのに使っているのが主で、後は、仕事の出張じゃなくて海外に出かける際の機内持ち込み用のバッグはデイパックを使う。もうひとつ大きな荷物を持っているので、両手が空くようにというのが主な理由。水泳の荷物だけなら、まあそれほどこだわることもないのだが、飛行機搭乗の場合は、色々と工夫があると便利なので、今回はちょっとこだわって探して購入した結果、使ってみても満足な結果だった。

だいたいデイパックというのは、単純な形だと物をたくさん入れると下の方にたまるばかりで、おむすび型というかそんなふうになって、中のものはごちゃごちゃして取り出しにくくなるし、外観もだらんとしただらしない格好になる。下にたまらないように、中でうまく積み上げたとしても、今度は下のものが取り出しにくくなる。細かい物を分けるポケットが付いていることが多いが、これもたいてい下寄りについているので、重心を下に下げる一方だ。

デイパックで不満な点はもうひとつ、両手が空くためにデイパックを使っているのだが、空港など海外で色々な人が集まる、ある意味治安に心配のある状況で、デイパックというのは自分の背中にファスナーがあって、誰かがこっそり後ろから近づいてファスナーを空けて中身を盗んでも気がつかないかもしれない。あるいは不注意で蓋が開いたまま背負っていても気がつかない。

今回のデイパック探しでは、他にも有名メーカーのEASTPAKや Jack Wolfskin などのよさげなものも検討したが、結局このノーマディック社の Wise Walker CB-01 というものにした。リンク先の説明図にあるように、ポケットがたくさんあって、それも単にたくさんあればいいというものではないが、ちゃんと色々と機能的に考えてある。海外旅行時は、色々な種類のものを機内持ち込み荷物に入れるので、その整理がうまくできるとありがたい。特に私の場合、ビデオやなんか、普通の人よりたくさんのものを入れていると思う。

このデイパックの特長は、メインの部分が収納量のほとんどを占めているのではなく、中くらいの収納室がかなりの収納量を受け持っているところだろうか。小さなポケットではない、中くらいの収納室が、上3分の2くらいと下3分の1くらいに分かれてついている。A4サイズ程度の本や、衣類など大きいものは一番大きなところに入れるしかないが、例えばビデオカメラは、上の中収納室に入れれば、深い底にまで行かずに、結構取り出しやすい。そのせいで、なんでもかんでも袋の下端にたまってしまうのが防げる。下側の中収納室には、そんなに出し入れしないが念のために入れておかないものを入れるとよい。予備バッテリだとか、コンバージョンレンズだとか、ティッシュペーパーだとか。折り畳み傘だって入る。

その上の中収納室の外側に更に仕分けのできるポケットがついていて、細かいものはここに入れられる。日本の携帯電話、海外用の携帯電話、以前話題にしたアラーム世界時計 (機内で腕時計の時刻を変えるとき、これを見ながら合わせる)、筆談用メモ帳、ペン、金属探知機にひっかかってしまうからポケットから出してしまう鍵束、スーツケースの鍵、小銭、iPod等々がここに入る。細かく整理できて、なかでぐちゃぐちゃにならなくていい。(これまではHP200LXもあったが、これはiPhoneのおかげで携帯電話と一体化した)

もうひとつ変わっているのは、一番背中側に、脇から出し入れする薄い収納室があること。ここに大事な財布とパスポート類を入れる。ファスナーは体に密着する位置にあるので、後ろからこっそり近づいた悪人に開けられる心配がないし、必要なときには、他のものをひっかきまわさずに、すぐに取り出せる。

また、内側がMA-1の裏地のように鮮やかなオレンジ色で口が開いているのが目立つので、蓋の閉め忘れに気付きやすいようになっている。

他のデイパックでもよくあるように、体の前で留めるベルトもついているが、普通は使わないので、ぶらぶらさせると邪魔なものだが、これはきれいに取り外せるようになっている。申し訳ないが取り外させてもらった。左右の肩ベルトの前の方にそれぞれ、切符くらいの大きさのものと、クレジットカードサイズのものを入れられる場所が用意されているが、これは私は使っていない。また、布地はパラシュート用の素材ということで、丈夫で軽い。

まあ、大体以上だが、このタイプが、実に私の想定している用途にちょうど適合するようなつくりだったという感じで、大変気に入っている。

仕事の出張の際には、大型のノートPCを持って行くのと、ビデオはないので、たいていクッション入りのPC用バッグを使っている。逆に個人海外旅行で今までのデイパックでPCを持っていくことはなかったが、最近流行のミニPC程度なら、デイパックでも、クッション入りインナーに入れて入れれば大丈夫だ。

そういえば、機内持ち込み荷物の話のついでに書いておくと、私は機内持ち込み荷物は、必ず前の座席の下に入れる。搭乗中に何かと出し入れしたいことはあるし (出し入れする必要がないのなら、貨物室に預ける荷物に入れればいいのだから)、景色を眺めたいのと他人に踏み越えられるのが嫌なので窓側に座ることが多いから頭上の荷物入れを開けて荷物を出し入れするのは面倒だ。

それと、もう一言いうと、もう流行しだしてから長くなるが、いわゆるキャリーバッグ (この名前もおかしな呼び方だが、みんながそう呼ぶので仕方ない) を機内持ち込み荷物にするのはやめてほしい。それも持ち込んでしまえば貨物室預けにする荷物がなくなって自分は早く空港から出られるかもしれないが、みんながそうするので、機内の収納場所がいっぱいになる。手提げのカバンはたいてい形状に融通がきくが、キャリーバッグはしっかりしている上に、車輪と取っ手の分だけ、収納している荷物の量より余計に体積を取っている。地面を転がる車輪を他の荷物と一緒に収納棚に詰めるというのも、いい気がしない。上着なんかも一緒に入れるわけだから。もちろん、キャリーバッグは座席の下に入らない。自分が、座席の下における荷物だけにするのは、そういうのを避けるということもある。

まあ、キャリーバッグは自分も使っているが、あれは結構周りにとっては迷惑なものである。特に人の多いところでは、周囲によく気配りすべきである。

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iPhone: 更新いつくか

Mobile Finder

以前書いたMobileFinderの新バージョン(1.0.1)が出た。iPhoneの言語設定が日本向けの状態だと、FTPでPC側から見えるフォルダ名がおかしくなって開けなかった問題が修正されて正しく動作するようになった。これで、PC上のファイルを簡単にiPhoneに入れて持ち歩けるようになったし、iPhoneでテキストファイルを編集することもできる。ファイルの横位置表示にも対応し、iNoteと同じように、横位置でのテキストファイルの編集もできる。文字サイズの変更も2本指操作で可能だ。更に、次のバージョン1.1.0では、新機能が追加されるという予告まで書いてある。対抗馬のDataCaseは購入する必要がなくなりそうだ。

ところで、そういえば、自分のところには無線LANがあるので当然のように書いているが、自宅にブロードバンド接続はまあたいていあるとしても、無線LANは必要なければ設置していない家もあることと思う。しかし、iPhoneを使うならぜひ無線LANを用意したい。この Mobile Finder のようにFTPを使ったり、iDB Datamaster のようにwebとしてアクセスしたりする際のインターフェースは、無線LANだからだ。ちゃんとPCのUSBとケーブルでつないでいるのに、それを使えるのはiTunesだけで、わざわざ別に無線LANの環境を用意しないとけないというのもおかしな話だが。

Wikipanion

以前からあったようだがチェックしていなくて、今回新バージョン(1.1)が出たので気がついた。WikipediaをiPhoneで見やすいレイアウトにして見せてくれるものには、duiranさんのところで少し話題になったwapediacomokiiPodiaなどがあるが、いずれもwebアプリだ。こちらはネイティブアプリ。ただし、こういったものの場合、webアプリがいいのかネイティブがいいのかはなんとも言えない気がするが。

旧バージョンでは日本語がダメだったらしいが、このバージョンではきちんと対応できている。他の特長としては、文字の大きさが自由に変えられることか。iPhoneの設定画面の最後に出てくるアプリの設定のところで、自分の見やすい大きさに設定できる。また、目次やリンクが別ページになって見られる。

IM+ All-in-One Mobile Messenger

これは新アプリ(1.0)だが、iPhone用のインスタント・メッセージのクライアント。色々なインスタント・メッセージに対応している。これも今まではwebアプリのものがいくつかあったが、こちらはネイティブアプリである。期待して使ってみたが、入力窓がソフトキーボードのすぐ上にあり、予測変換候補の表示がキーボードにかぶってしまって次の文字が文字によっては入力できないという困ったことになってしまう。それでもなんとか日本語を入力して送信してみると、エラーになってしまった。このアプリも多国語対応待ちリスト入りだ。

Checklist

前に2つの有料のチェックリストアプリのことを書いたが、これはその後に出た無料のもので、最近更にバージョンアップし(1.2)、現時点で更にマイナーバージョンアップの予定(1.2.1)があるようだ。本当にシンプルで余計なもののないチェックリストがよければ、これがいいかもしれない。

iDB Datamasterは、しかし、その後まだ新しいバージョンが出ず、PCとのやりとりができないままになっている。いつ更新が出るのだろう。

昨日書いたKlickは、その後、その直前にインストールした辞書のWeDictと一緒に一度消してから入れなおすと、うまく動作するようになった。といっても、WeDictが何かおかしかったわけでもないのだが。何だったのだろう。ちなみに、そのWeDictは無料の辞書アプリだが、英中と英英がセットになっている。英中辞書は中国人が英語を調べるためのもので、非中国人が中国語を調べるためのものではないので、自分にはいまひとつだ。
そうそう、Lonely Planet Mandarin Phrasebook が、他の言語は1,200円のところ、北京オリンピック記念でか、これだけ無料提供されている。期間限定となっているので、早めに入手しておいた方がいい。旅行会話集みたいなもので、シーン別に用意された(英語の)例文を選んでタップすると中国語の音声でしゃべってくれるというアプリだ。

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iPhone: 雑感諸々

日食旅行記を書いているせいで、なかなか他のことを書く余裕がないが、iPhoneに関してちょっとばらばらだがいくつか書いておこう。

画面の大きさ

iPhoneの画面は普通の携帯より大き目の本体に、操作ボタンをほとんど設けず目いっぱいの大きさのLCDを搭載しているために、携帯機器としては大き目の画面である。とはいえ、PCに比べれば格段に小さい。まあ、他の携帯でも同じだがこれでPCブラウザでwebを見て本当に快適に見えるのかというと、わざわざiPhoneの解像度にあわせたレイアウトにしたページでなければ結構つらいのではないかと思っていたが、ひとつ面白いと思ったのは、昨今のwebページはたいてい広告やナビゲーションや何やらで画面を複数のカラムに分けてレイアウトしてあるものがほとんどだということ。iPhoneのSafariでは、ダブルタップすると、そのカラムひとつ分の幅を画面幅いっぱいに表示してくれる。これで結構快適に本文を読むことができる。

だいたい旧来の縦型の Windows CE 端末が320×240ドットの解像度だったのに対して、iPhoneは480×320で、ひとまわり大きいというくらいかなと思っていた。HP200LXは640×200ドットで、まあ白黒画面ではあったが、高さは低いものの幅はPCのVGA画面と同じだけあり、解像度は高いと思っていた。だから、カレンダーの月表示の画面で、HP200LXではそれぞれの日の予定が文字数が少ないながらも表示できるのに対して、iPhoneのでは予定のある日に黒ポチが表示されるだけ、と思ったのだが、そうでもない。合計ドット数を計算してみると、HP200LXは128,000ドット、iPhoneは153,600ドットと、iPhoneの方が多い。

ドット数の話をすると、最近の携帯やスマートフォンは、iPhoneより小さい物理サイズで、640×480とかそれ以上だったりする。しかし、それはあまりにオーバースペックなのではないか。dpi値が以上に高くなるが、それをPC画面と同じ感覚でたくさんの文字が表示できるようにしても、特に細かいものが見えにくくなっている世代にとっては、見づらいだけである。一方、感心するのはiPhoneでは全ての文字はアンチエイリアスされた文字で、総じて十分な大きさで描かれて非常に美しい。小さめの文字であっても、多少ぼんやりしてつぶれていても文字としてはドット単位で細かく描かれた文字よりもかえって美しく見えて読みやすい。

ホームボタン長押しでデータ喪失の危険

孫社長のスピーチで有名になったホームボタン長押しの機能だが、ちょっと気をつけないといけないことがある。メモリをリセットすると報じられたが、ホームボタンでホーム画面に戻る際に、アプリをメモリにロードされたままにせず、完全に終了させてメモリも解放し、システム全体の圧迫状況を緩和するものと理解されていると思われるが、どうも、この操作をすると、アプリの正常な終了処理がなされずに、強制終了させられているようである。アプリ上で何かデータを入力して、そのままこのアプリはこの後使わないからきれいに消しておこうと長押しで終了させると、その前に更新したデータが保存されていない、ということを経験した。チェックリストアプリや、音声レコーダアプリなどでである。再現性もある。

iPhoneのアプリは、普通のPCのようにデータをディスクに保存するといった処理はないので、通常はデータを更新したらそのままで覚えている。しかし、実際にはホームボタンを押して他のアプリに移行する時点で恒久メモリに保存されるのではないだろうか。なぜならそれまではそのアプリしか動いていないからワークにあるままで困らない。しかし、長押しの場合はその処理が行われずにアプリが完全に消されてしまう。そう考えると現象が説明できそうだ。

標準のメモなどでは、入力の終了時に明示的に「完了」ボタンを押して入力状態から閲覧のみの状態に切り替えるようになっているので、そういう間違いが起こらない。アプリによって、そのあたりの実装方法が違うので要注意と思われる。

独特の世界

AppStoreに載っているアプリを見ていると、結構同じようなものがたくさんあるが、その中には私から見るとある種、独特の世界というか、私にはなじみがなかったが、知っている人たちは当然のもののような顔をして話している、みたいなものがあって、少々面食らうところがある。これは、iPhoneユーザーにはMacユーザーが多くて、Macユーザーの独自の世界なのか、それとも単に私がこれまでこういうネットワーク、モバイルデバイスを使った世界にあまりなじみが少なかっただけなのか。

例えば、Flickrだとか、Twitterだとかいったネット上のサービスや各種SNS (自分でよくわかっていないのであまりうまく例をあげられないのだが) を活用するためのiPhoneの専用のクライアントなんがが、いくつもあったりするが、そもそもこういったサービスを万人が使っているのだろうか。アプリを提供する側はまあもちろんそのサービスのために作っているのだから、知ってて当然という態度も無理はなかろうが、あちこちの紹介記事のようなものを見ても、まるで使ったことのない私の方がおかしいのではないかと錯覚するほど、それらサービスのことは最初から知っているもののように書かれている。iPhoneを買っている人たちは、本当にみんなこういうものを色々みんな使いこなしているような人たちばかりなのか??

あるいは、仕事効率化というジャンルは英語で Productivityのことだろうが、Things To Do なんてものは一般用語だが、そういったものの解説の中にはGTDなんていう私には初めて目にする略語がたびたびいきなり出てきて、Get Things Done のことなのだそうだが、何やらそういう理念みたいなものがあるのか。iPhoneのアプリを使う人はみんなそういうことに高い意識を持っているのか。

少し、自分の住んでいたのとは違う世界に足を踏み入れたような気分である。

Twinkle

とかいいながら、知らなかったものも使ってみないとどういうものかわからないから、ものは試しと、評判のいいTwitterのクライアントであるTwinkleというのを使って、Twitterデビューしてみた。Twitterというのは、まあまだなんだかよく把握できてないが、SNSのような積極的にではなくてひとりごとのようなつぶやきを投げ合う、ゆるい結びつきのネットワークみたいなものらしいが、まあなんだかよくわからない。そのTwitterというシステムの上で、位置情報から近くにいるものを選んで表示してくれるのがTwinkleらしいが、完全にTwitterのシステムだけで動いているのではなくて、Twinkleは独自にシステムを持っているようで、Twitterとの同時ポストになるとかなんとか、そのへんの仕組みがどうなっているのかいまいちよくわからない。TwitterのクライアントだというからまずTwitterのIDを登録したのだが、TwinkleにIDを登録して、Twitterは登録しなくても使えるようにも思える。

ところが、今日このアプリを使うようになってから、電池の減りがやけに早い気がする。珍しくてたくさん使っていたというのもあるだろうが、、位置情報を取るのにGPS機能をガンガン動かして電池を食っているのではないかと疑ってしまう。iPhoneを使っていて電池の持ちが悪いと言っている人は、みんなこのアプリを動かしているのではないか。

もうひとつ、Flickrを使ったクライアントである、Klickというのを試してみようと、Yahoo! ID まで新たに登録したのに、私のiPhoneでは、アプリのオーソライズに行った後、クラッシュしてしまって、動作しない。

文字入力方式

iPhone 3G から導入された、フリック方式のテンキー日本語入力。まあなかなかいいんじゃないかと思う。

最初は単に携帯のようにテンキーの入力方式をつけただけかと思ったら、「お」を出すのに「あ」を5回押さずとも、「あ」を押すとまわりに「い」「う」「え」「お」が表示され、そこに指を滑らせて選択することができる、だけかと思ったら、最初からその表示を待たずに「あ」の位置から4方向いずれかにフリックすると、その文字になる、とまで知って、なるほど、これはタッチパネルの特性を生かした方法だと思った。

しかし、実際にやってみるとなかなか時間がかかり、やっぱりQWERTY配列の方が早いや、と思ったこともあった。日本語入力が重くなるという問題があるので、できるだけアクティブにする入力方式を少なくした方がいいので、本当は中国語も入れておきたいところだが、日本語さえもQWERTY、テンキーいずれかひとつに絞らないといけない。で、一時はQWERTYだけにしていたのだが、やはり実は練習すればフリック式テンキーは早く入力できるのではないかと、今はテンキーと英語の2つにしてある。

タッチパネルだから操作性は全く違うとはいえ、QWERTYは元々覚えている配列なので、練習しなくともそれなりに入力できるのは当然だが、フリック式は、あかさたなのテンキーの位置はわかっても、どちらの方向にフリックすればいいかというのは、全く学習したことのない操作だから、まずはそれなりに練習して身につけないと、そのポテンシャルの性能はわからない。

PCのキーボードはカナ文字打ちの私としては、iPhoneでも日本語はカナで入力するのがいいだろうとも思う。少なくともローマ字入力よりタッチの回数は減る。テンキーであっても、物理スイッチ式の携帯と同じならば、タッチパネルの反応時間のために遅くなるからあまり速く入力できないが、フリック式では、キーを5回押すところも1回でいいのだから、タッチパネルの反応速度のために余裕を持つ時間が余分にかかったとしても、携帯より速く入力できる可能性も高い。携帯だって、あまり速く押すと、ときどき読み漏らして「お」のつもりが「え」になってたりするから限界がある。同じ行の文字が続くときに、一度右カーソルキーを押さなくてもいいという利点もある。右カーソルキーが必要なのは、あ段で同じ文字を続けるときだけだ。

携帯式のときは、「かきくけ、あい、た、あい」なんて頭のなかで唱えながら入力している人も多いと思うがフリック式では、それではだめだ。「ふ」を入力しようと思ったら、即座に指が「は」のところに行って上にフリックする動作をするように、指に覚えさせないといけない。それは、キーボードでKの文字を打とうと思ったら、自然と中指がKのキーの上に伸びるようになるのと同じだ。そこまで訓練できれば、結構な速度で入力できるようになると思う。

最近は、iNoteというアプリが人気で、最大の要因は、横画面で文字入力ができて、QWERTYキーボードを打ちやすい広い幅で使えるからというものである。しかし、逆に横位置にすると、テンキーは横に間延びして縦が短くなって使いにくくなる。テンキーかQWERTYのどちらかひとつにしないといけないという制約があると、iNoteを使うためにはQWERTYにしてその入力しやすさを享受すべきだが、他の多くのアプリでは横位置入力はサポートされていないということも考えないといけない。縦位置ではQWERTYにはおのずと限界があるのに対してフリック式テンキーは練習すれば早くなることを考えれば、iNoteを使うことにしてテンキーをすっかり使わなくしてしまうのはもったいない。

最近は、練習の成果もあって、だんだん意識せずに指が動くようになってきたように思う。しかし、マスターできたというにはまだ程遠い。やっていると、え段 (右向きフリック) は出てくる頻度が少ないなと気付いたり、よく出てくる言葉だと連続した動きとして覚えるようになってきたりと、色々発見することがある。

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皆既食の後

8月1日

かくして皆既日食観測は終わった。また同じマイクロバスに乗り、他のバスと隊列を組んで観測場所を後にする。

観測場所が荒野のど真ん中だと思っていたので、夕食が嘉峪関に戻る前に観測地の近くで食べるという予定に、いったいどんなところで食べるのだろうか、多少遅くなってもホテルに戻って食べればいいんじゃないの、とも思ったが、実は観測場所のすぐ北側にはちゃんとした街があって、それなりのレストランがあった。強いて言えば、トイレが個室に扉の無いタイプだったくらいのことか。たまたまポケットティッシュをもらってきたので記録のために書いておくが、店の名前は海沙龙大酒店。電話番号は書いてあるが、住所は上のほうが書いてなくて、いきなり解放路67号 (民政大路对面) と書いてあるが、さすがにネットで調べても出てこない。

そういえば、以前の記事で、日本版のGoogleマップでは中国国内のデータがなく、中国版のGoogle地图では中国以外がないと書いたが、いつの間にかすべて統一されていて、どの国版の Google Maps から入っても、同じように全部の地域が見られるようになっているようだ。しかし、国によって表記がその国の言語で書かれていて、中国は簡体字で書かれていてまあそれでも日本人ならわからなくないが (しかし、アメリカ人が見たら困るだろう)、タイなんかは困ってしまう。アラビア語方面はアルファベットで書かれているようだが。

話が脱線したが、そのレストランで、撮影したばかりのビデオやデジカメの写真を見たりしながら食事をした。その夜のそのレストランは全員が日食帰りの客でいっぱいだった。

食事が終わって外に出るともう外は真っ暗である。明るい星がふたつくらい見える。ひとつは木星だ。バスに乗ってまた荒野の道に乗り出すと、まわりが暗くなって車の中からでも星がよく見える。西に向かう車のちょうど左手正面に大きく蠍座が見える。あまりに星がきれいなので、既にホテルに到着する時間が遅くなるのがもっと遅くなるのも構わず、車を停めて少し星空を楽しむことになった。空は日食を見ていたときとかわらずきれいに晴れている。日食の後だから月はもちろん新月で地平線の下なので、暗い星を見る邪魔にならない。普段日本で都会に住んでいては天の川を見ることもないが、それは中国で上海に住んでいる人にとっても同じだ。Oさん家の子供は、今回の旅行の中で何がいちばんよかったかと聞かれて、このときの夜空だと言っていた。

後は車は一路嘉峪関に向かって走り、ホテルには11時頃到着。夜行列車の到着から始まった長い1日がこうして終わった。

この間の写真はあまりないので、代わりに、日食観測中の他のグループたちの様子を載せておく。

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皆既食本番

8月1日

そして、いよいよ皆既食の瞬間が近づいてくる。

ご親切(?)にも、「×分前です~」と叫んでまわってくれる人がいる。

皆既になる少し前に、背景映像をとるためのワイコン付きHV10を三脚にセットして、もともと陣取っている場所から離れた場所に設置しに行く。

戻ってきて、テレコン付きHC3の前でその瞬間が近づくのを待つ。もうそろそろというところになって、急いでテレコンをはずし、中の感光フィルムのフィルタをはずして、テレコンをネジ込みなおし、太陽を視界に入れなおすが、まだ太陽の一部が見えていて明るすぎるて、そのままではビデオカメラの撮像素子を傷めてしまってはいけないので、ダイヤモンドリングになる寸前までレンズを手でおおって待機。肉眼で見る太陽の輝きが急速に弱くなってきたところで、手をどける。

そして、第2接触のダイヤモンドリング。モニタをみていると激しく光条が出ているようだが、仕方なかろう。光条が何重にもなって見えるので、フィルタで乱反射しているのかと思ったが、最後のぎりぎりになるまではかなり広い幅のところから光が漏れてくるのでそんななふうに見えているだけだと後で見てわかった。そして完全に光球部分が隠れて皆既食となる。周囲からどっと歓声があがる。

カメラのモニタと実物を交互に眺める。肉眼で見るコロナは思ったより大きい。皆既日食の写真はたくさん見ていても、実際に自分がその下にいる天球を見上げた上に、ぽっかりと黒い穴の開いた光るものがあるのはやはり不思議な光景である。コロナの明るさは満月よりずっと暗いと思うが、空は夜中のように完全に真っ暗になってしまうのではなく、地平線の方は夕暮れのようにぼんやり明るい。だから、星がそんなに見えるわけではないが、太陽のすぐ近くに水星、そして少し離れて金星と、この2つの星だけはよく見える。水星は普段めったに見ることができない。恐らく、水星の日面通過で影の水星を見たのを除くと、水星を見るのは人生で2度目じゃないかと思う。

一方、カメラのモニタに写っているコロナは思ったより小さい。何か金環食に毛が生えたくらいのようだ。コロナの広がりを予想して少し引き気味にしてあったズームをもっと寄せて画面いっぱいにしたりしてみる。マニュアルで露出の調整もしてみたらよかったのだが、目で見るようにカメラに写らないなあと思いながらも、マニュアル操作することにまで頭が回っていなかった。しかし、これだけ画面のなかに黒い面積が多ければ、オートでもっと明るい方に振ってしまいそうなもんだが、このカメラではそうならなかった。逆にそのおかげか、プロミネンスがしっかり写っている。太陽の輪郭も結構くっきり写っている。

サイパンの金環食のときには、金環食になった頃に急に涼しい風がさぁーっとやってきた記憶があるが、ここでは、特にそういうことは感じなかった。もともと風はごうごう吹いていたし (しかし、皆既食の最中にその風がどのくらいだったか全く記憶にない)、まわり全て荒野なのと、島の岬の突端近くで、陸地と海の境目近くにいたことで、温度変化のしかたに違いがあるせいかもしれない。しかし、ここもすぐ近くは湖があるのだが。

そして、皆既食をたっぷり堪能していると、反対側の端が徐々に明るくなってきて、第3接触のダイヤモンドリングとなる。再び歓声と拍手。今度は、もう限界と思うまで撮影を続けて、またレンズを手でおおってから、またフィルタを装着しなおして太陽がもとの形に戻っていく様子の撮影に戻る。ところが、フィルタをかけてしまうと、皆既直後の太陽は暗いので、日食が始まる前に視野に入れたときにくらべて見つけにくい。かなり苦労して、やっと三日月状になった太陽がとらえられた。皆既食が済むともうみんなイベントは終わった気分だが、いちおうこちらの撮影は最後まで続けておく。太陽の高度が下がってきているため、同じフィルタをかけていても、食のはじめの頃に比べると暗めに見える。

他にもまだ撮影している人もいるので、なるべく他人のカメラや望遠鏡の直前を横切らないようにして、背景撮影のカメラを回収に行く。最初から用意されていてずっと外に置きっぱなしであったかくなった黄河啤酒でみんなで乾杯。栓を開けるのに、Lethermanツールの栓抜きを初めて使った。

第4接触ははっきりしないが、十分終わったように見えるところで撮影終了。それまでの間に、まわりもかなり片付いている。自分も、残していたHC3の一式を片付ける。そこから日没までまだしばらくあって、本来日食が終わったら帰るはずだったが、せっかくだからもう少しと、記念写真を撮ったりしながら、日没を待った。記念写真は夕日に照らされてオレンジ色になってしまっている。三脚を片付けてしまったので、地平線に沈む太陽は手持ちのHV10で撮影。

皆既食の写真は最初の記事で載せてしまったので、ここには、第3接触とその後のもう光り過ぎの写真を載せておく。また、太陽の反対側の空の明るさが変化する様子を、実時間の60倍の早回しにした映像をYouTubeに置いておいた。「金鼎湖皆既日食背景」 (ちょっと早くしすぎたかも?)

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日食観測機材と撮影方法

8月1日

今回持参した機材は以下の通り。

  • HDVビデオカメラ(その1) – Canon HV10

これは、現在私がメインに使っているビデオカメラ。

  • HDVビデオカメラ(その2) – Sony HDR-HC3

以前の記事に書いてあるように、私がハイビジョンビデオカメラとして最初に購入したのがこのカメラ。HV10に買い換えてこちらは知人に売却したのだが、今回はビデオカメラ2台で撮影したく思ったので、臨時に貸してもらうことにした。売却先を知り合いにしておいてよかった。

  • 3倍テレコンバージョンレンズ – Laynox HDP-7700ES

太陽の撮影には普通の10倍ズームのビデオカメラのレンズでは、画角がちょっと足りない目で、ズームいっぱいにしても太陽が画面の中で小さくしか写らない。皆既日食の場合は周りにコロナがあるので、太陽が画角いっぱいになるまで寄る必要はないのだが、やはりできるだけ寄れるようにと3倍のテレコンを、今回購入した。もともと、水星の日面通過の撮影のときには、昔から持っていた2.5-5.0倍のテレコンを使ったが、これは今のコンパクト型のビデオカメラには大きすぎるのと、あまり画質もよくないので、今回はハイビジョン対応を謳うこの製品にした。とはいっても、コンバージョンレンズなしのような画像が撮れるかというと、そうでもない。2倍くらいのテレコンにした方が画質的に無理がなくてもっとよかったのかもしれない。

  • 0.7倍ワイドコンバージョンレンズ – Canon WD-H37C

こちらは、以前から持っているワイコン。周囲の状況を撮る際に、現場の広さを表現するのに用いる。ワイコンとテレコンは、どちらをどちらのカメラに取り付けるかを考えたが、このワイコンはキヤノンの純正でこちらと相性がよく、逆にキヤノンのHV10はあまり他のコンバージョンレンズと相性がよくないので、ワイコンをHV10に、テレコンをHC3と組み合わせることにした。

  • 三脚×2

撮影寸前まで2台のビデオをどう割り振るかは日本を出発する前にはまだあまりよく考えていなかったが、やりたいこととしては、まず上記のテレコンで太陽の大写しをひとつ。それには三脚は必須。それと同時に、固定撮影で全体の進行具合のようなことを撮影したいと思っていたので、そのためにはそちらのカメラも三脚に固定する必要があり、いずれにせよ三脚は2つ必要とは考えていた。幸い、ビデオ用の三脚と、普通のカメラ用の三脚をひとつずつ持っているので、両方とも持っていくことにした。

ここに挙げている機材の他のものはどれもたいした大きさではないので、運搬に問題はないが、三脚だけはちょっと困った。大型のスーツケースなら、中にまるごと三脚は入れられるが、荷物自身はそんなに多くないので、現地の運搬事情の心配から大きいスーツケースにはしたくなかった。結局、少し大きめの三脚バッグに三脚を2本詰めて持っていくことにした。他の荷物はキャリーケースで、ビデオカメラは手荷物用のデイパックに2台とも入れて飛行機に乗った。

  • 日食グラス – Vixen SOLAR FILTER

太陽を肉眼で見るためのフィルタ。持ち手のついた長方形の形状をしていて、目の前にかざして太陽を見る。これは2002年にサイパンで金環食を見に行ったときに購入したもの。色の濃いプラスチック板の片面に、ミラー加工がしてある。安易な代用品では赤外線が減光されずに危険だが、これはそういう点できちんとしたものである。

今回、これを加工してビデオカメラに装着したり、同行の人たちが肉眼で見るときに貸してあげたりするといいだろうと追加購入しようと思って探したが、もうどこにも売っていなかった。PL法が施行されてから、やはりそれでも何かあったときに困るからと、日本ではこういうものは製品としては販売されなくなってしまったのだと聞いた。

  • 日食メガネ – Thousand Oaks Optical SOLAR VIEWER

上記のような事情なので、他のものを探したが、他にみつかったのは大きなシート状の減光フィルム。これは確かに他に現地に来ていた人たちもよく使ってるようだった。しかし、購入を思い立ったのがぎりぎりだったのと、これを加工するのも面倒そうだったので、これはパスし、もうひとつこれは輸入品でなぜか売られている、安価な太陽観測メガネ。よく3D映画を見るときに配布されるような、紙の枠でできたメガネで、太陽用のフィルタが張ってある。安いので2つ買ってきた。

  • 感光済白黒フィルム

これは、もっと昔に部分日食を見るときにどこかにあった普通の35mmの白黒フィルムの切れ端を使ったのをずっと取ってあったもの。サイパンのときも持って行った。サイパンのときに、別に来ていた人が、同様の目的で医療用の何かのフィルムを持ってきていたが、それだと多少光が散乱しがちなようで、こちらのフィルムの方がよさそうだったので、今回はこれを加工してビデオカメラに装着することにした。1枚では減光率が足りないので、2枚重ねでちょうどよかった。

さて、これらを使って、結局どうしたかというと。まずは、HC3+3倍テレコン。これで、太陽の拡大画像を撮る。撮影するのは部分食に欠けていく様子も撮るので、フィルタが必要で、上記の白黒フィルム2枚重ねを、カメラ本体のレンズの部分の大きさに切り抜いてはめこみ、その上からテレコンをネジ込んだ。赤道儀式の架台などないので、こちらはビデオ用の三脚を使う。こんなに望遠で撮影していると、太陽の移動を追って少しずつ向きを修正しないといけないが、少なくとも経緯台式に上下左右別々に向きを変えられるので、写真用の三脚よりは向きの微調整が楽だ。一度見失うと、また視野に入れるのが少々面倒である。最初に狙うには、ビデオカメラにテレコンをつけて鏡筒が長くなっているので、その影がまっすぐ落ちるようにしてだいたいの向きを合わせて太陽を見つける。というのも、テレコンをつけているとズームを引いても周囲は見えないからだ。

ビデオカメラは液晶モニタがついているので、一旦カメラに太陽がとらえられれば、自然な姿勢で多人数で大きな太陽の画像を見ることができる。日食メガネで肉眼で見ていては太陽は小さくしか見えないし、望遠鏡や双眼鏡ではのぞく角度が限定されるしひとりでしか見えない。双眼鏡は自分の手で持っていなくてはいけない。望遠鏡を使った投影方式というのもあるが、せっかく望遠鏡を持ってきてそんなことに使う人はいない。そんなわけで、特にOさんの家族の子供たちなどは、いつも私のビデオカメラのところへ、食分がどのくらい進んでいるか確認しに来ていた。で、結局HC3は最初から最後まで太陽のアップ映像を狙い続けることになった。

ところで、皆既食になっている間は、フィルタは不要である。本来なら簡単にフィルタの取り付け取り外しができるようにしておくべきであったが、そのためにはレンズの外側からフィルタをかぶせるようにしなくてはならず、面積の大きなフィルタと何かレンズにかぶせるための工作が必要で、そこまで準備できなかったので、とにかく大急ぎでテレコンをはずしてフィルタをはずしてまたテレコンをつけなおすということをした。手間取って失敗したら、第2接触のダイヤモンドリングを撮りそこなってしまうところだが、まあなんとか無事撮れた。

一方、HV10の方は、まだ部分食の間は取り立ててすることがないので、他のグループなどの機材の様子や、太陽を眺めている様子など、周囲の風景の撮影をした。皆既の前後では、ちょっと変わったものを撮ろうと、太陽に背を向けて、最大の広角にして、日食で空が暗くなってまた明るくなるく様子を撮影しようと試みた。観測している自分たちも視界に入れて撮ろうと思ったら背景がその後ろのバスでさえぎられてしまうので、少し斜め方向の撮影になったが、影が移動していく様子がわかる映像が撮れた。観測者たちを入れたので、カメラをオートストロボのままパチパチ撮ってしまっている閃光も趣を添えている (笑)。

前の金環食の際には、カメラを完全に固定して、太陽が動きながら欠けていくところを撮影したが、既に上記で2つのカメラを使ってしまっているので、そういう撮影はしなかった。スチルカメラのコマ撮りでそれをやればよかったかもしれない。

我々のグループの他のメンバーは、皆既日食経験者のToさんは、ビデオカメラに、すぐにフィルタをはずせるように取り付けたもので撮影。別に、やはり取り外し可能なようにボール紙の枠にフィルタを張ったものをかぶせた双眼鏡を用意していた。事前の工作が周到だったが、それでもやはり現場で手を入れていた。Taさんは、バードウォッチングに使うようなフィールドスコープにやはりフィルタをかぶせ、カメラはデジカメを接眼レンズに当てて撮影しようとしていたが、まずは太陽を視界にとらえるのに苦労していた。aripさんもビデオはHC3だが、三脚は卓上用の小さなものなのでテーブルの上に置いての撮影。色々なフィルタを試して、結局フロッピーディスクに落ち着いた。皆既食を待つ間は、他にも、ピンホールを使った欠けた太陽の像や、同じ原理で小さな鏡で反射した光で太陽の像を投影したりして遊んでいた。他のグルーブの人たちも、影を作るグッズは色々と用意して来ていて、「木漏れ日」を再現するためにわざわざ葉っぱのついた木の枝を持って来ている人もいた。

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