2006年10月 のアーカイブ

中国語検定過去問

いよいよ11月になって、中検の試験日も近づいてきた。中国語検定受験組みの方々のblogを見ていても、そろそろ勉強に力が入りだしてきたような感じを受ける。

私も、これまで一般的な問題集とかでつらつらと勉強していたが、それがひととおり片付いたこともあって、また中検の問題集にとりかかった。光生館の問題集で前回までに2005年版と2006年版の模擬試験以外をやってしまっていたので、遡って2004年版を購入。

さて、2004年版にとりかかる前に、やり残してあった2006年版の模擬試験をやってみた。結果はリスニング85点、筆記44点+α(和文中訳分20点中??点)。リスニングは前回の本番の試験でも合格点に到達していたし、まあまあなんとかなりそうだ。しかし、筆記の方はこの点ではかなりまずい。今までこの光生館の問題集で他の級も含めてやってきた感じでは、模擬試験は本当の試験に出た問題より比較的難しくできているとはいえ、ちょっとヤバそうだ。しかも、前回の試験の前にやった2005年版の模擬試験の結果を見ると、やはり筆記44点+αだ。ちっとも進歩してないってことか?

さて、どうする?

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YouTubeその後

先日、初アップロードをしたYouTubeだが、その後、手持ちのビデオをいくらか入れておいた。リンクを張っているのは、最初の1件だけで、あとは特にどこで紹介もしていなくて、少しMessengerのチャットで話したくらいだが、アクセス数を見ると、ものによっては結構見られている。まあ、非常にたくさんというわけではないが、ここ、Windows Live Spaces のアクセス数からすると、先の記事にあるビデオのリンクを見て見に来て、そこから同じ投稿者のビデオを見たりした人だけにしては多すぎるように思う。単純にキーワード検索なんかでひっかかって来るものなのだろうか。まあ、多くの皆さんに見ていただけるのはうれしいことだが。特にハワイのキラウエア火山の溶岩の映像が人気らしい。レイティングも5つ星をつけてくれた人がいる。

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大阪の足並み

久しぶりの高校の同窓会に出るために、実家に一泊で大阪に行って帰ってきた。

大阪に行って感じることは、東京に比べて人込みの中を歩くのがなぜかスムーズであること。東京で駅のコンコースなどの人込みの中を歩いていると、どうも周りの人間が邪魔でしょうがない。まあ、自分が大阪人の典型で歩くのが早いせいもあるだろうが、大阪にいても自分はまわりに比べると歩くのが早い方である。

私の目から見ると、東京ではどうも人の動きがみんな身勝手に歩いているように思える。例えば、人の流れがクロスするようなところでは、お互いにうまく避けあいながら通ればいいのに、自分は自分の進む方にだけ行こうとするので、邪魔になるどうしは邪魔になるのに、無駄な場所に空間ができていて、しかもその空間は混雑緩和に生かされない。どうもそういう人々の中を歩いていると、いらいらして仕方が無い。

大阪では、人の流れは流動的でお互いに自然とうまく納まるところに納まるという感じである。その方が結果的に早く行き先に到達できるということを、無意識に体で感じ取って動いているのではないかと思える。

どうも私の感じているこの感覚、言葉足らずというか、うまく表現できなくて、正しく伝えることができているかよくわからないが、まあとにかくそんなようなことを私が感じているということで書いてみた。

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1万アクセス

昨日、アクセス数が1万に達した。思えば、開設以来もう1年と9ヶ月あまりだ。それで1万アクセスというは多いのか少ないのかよくわからない。1996年から設置してある (が最近は全然更新していない) webの表紙のカウンタは、約3万6千だ。

1万件目のアクセスは、2006/10/26 18:07:29 に、「Bトレイン」のキーワードでYahoo!検索から来ていただいた方。どこのどなたかわからないし、何を差し上げるわけでもないが。

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YouTubeに初アップロード

Googleに買収されて話題のYouTubeだが、これまでは単に1ユーザーであったが、アップロードを試してみた。他人に著作権のあるものは問題があるので、自分で撮影したダイビングの映像だ。

もともと、ダイビングで一緒になった人や、知人に見せるために編集してDVDにしてあったものである。もう編集過程の元ファイルは消してしまってあるが、DVDになったファイルだけはHDD上にとってあったので、それをそのまま利用。そのままといっても、DVD解像度のままのデータはYouTubeには重過ぎるので、解像度をYouTube推薦の320×240に落として、再エンコードする。DVD用のファイルになってしまったものは、PC上では普通はソフトウェアDVDプレーヤで見る以外は、メディアプレーヤなどで直接開くことはできないが、私が愛用のエンコーダソフト、TMPGEncでは、DVDのファイルを直接読み込んで再エンコード対象にできる。作業は至って簡単であった。エンコード形式もおすすめのDivXの、AVIファイルにした。

あとは、ユーザー登録を完了させたYouTubeで、指示に従ってファイルをアップロードするだけだ。ファイルサイズの制限は時間で10分、ファイルサイズで100MBだが、作成したのは7分40秒の映像で35MB。アップロードすると、動画画面を自分のホームページやblogに埋め込めむためのHTMLコードが出てくるので、カット&ペーストすればいいのだが、Windows Live Spaces では、そういうHTMLコードをここに挿入しても、受け付けられずに消されてしまうようだ。仕方ないので下に単なるリンクを張っておく。

流氷ダイビング ― 知床半島・ウトロ

ファイルをアップロードしてすぐに見られるのかと思ったが、しばらくたたないと見られない。受け付けた映像を再度エンコードしなおしたりするのにかかる時間だろうか。

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iPod nano 「説明」の文字サイズ

最近、ここで見て、Podcastの「3字で学ぶ中国語《汉语动词三字经》」をiTunesで落としてiPodに入れて聞いている。

1回1回の音声は短いが、それにしては結構な解説文が、音声データに添付のテキストデータとしても入っている。で、これをiPod上で表示してみてびっくり。歌詞表示の中国語の漢字の大きさが揃わないと不満を言っていたのに、この解説の中国語は読みやすい大きさでサイズが揃って表示されているではないか。

さて、ここで注意すべきは、iPodの音声データに添付されるテキストデータは、通常の音楽の場合と、Podcastの場合でちょっと違うという点だ。通常の音楽データには、「歌詞」がつけられ、これはiTunes上で曲を選んで右クリックして (Windowsの場合。以下同じ) 「プロパティ」を表示した中の、「歌詞」タブのところに入力したテキストである。一方、Podcastの場合は、「プロパティ」の「歌詞」は同じように存在するが、それとは別に、右クリックから「説明を表示」で表示される「Podcast情報」(説明)がある。つまり、2種類の異なるテキストデータがひとつの音声ファイルに添付されている。「歌詞」の方は音楽データのものもPodcastのものも後からiTunes上でエディットすることが可能だが、「説明」は編集することができない。

Podcastの場合、iPodで再生中にセンターボタンを押して表示される文字は、「歌詞」ではなく「説明」の方である。「歌詞」の方はiPod上では見ることができない。で、「三字经」で見やすく表示されていた解説文は、その「説明」として入力されていた。つまり、音楽に添付された「歌詞」では文字サイズが崩れるが、Podcastの「説明」はきれいに読めるということだ。一体どうしてそういう扱いの違いがあるのかわからない。

思い返してみると、Chinesepodでは、「説明」には本当に説明が、「歌詞」には課文が入力されている。「高級」が分離するまでは、説明の部分は全部英語で書かれた本当の説明だったので気がつかなかった。更に言うと、今は無き日本語版でも、全部日本語で書かれていたので、中国語との混在で読みにくいということには思い至らず、不思議に思わなかった。それよりも、せっかく音声データに添付されている課文がiPod上で表示できないのが不満で、一度Chinesepodに質問したが、調整中ですごめんなさいみたいな返事をいただいた。まあ無料ユーザーなので文句は言えた義理じゃないが。それはともかく、中国語版の高級の「説明」を表示させてみると、確かにきれいに読める。

「歌詞」も「説明」と同じ文字サイズで表示できるようにならないかなぁ。それと、Podcastの「歌詞」も、「説明」が表示された後にもう一度センターボタンを押すと表示されるようにならないかなぁ。

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室内ヘリコプター

この前は室内で飛ばせる飛行機 (エアロソアラ) だったが、今度はヘリコプターを買った。HoneyBee (ハニービー)だ。

これが、実にいい。エラロソアラよりずっと楽しめると思う。エアロソアラも、誰でも簡単に室内でリモコンの飛行機が飛ばせるという意味では画期的だったが、やはりなかなか難しい。それに、狭い部屋の中では、いくら小型といえども、飛行機であるがゆえに前進を続けなくてはならず、旋回半径も限界があるので、ほぼ部屋の中を周回飛行するのがせいいっぱいであった。電源もすぐ充電できるとはいえ、1回の充電で30秒くらいしか続かない。

HoneyBeeは充電に30分くらいかかるものの、1回の充電で5分以上飛ばし続けられる。ヘリコプターなので、部屋の中をうろうろさせながら飛ばせる。しかも、ヘリコプターは操縦が難しいのが相場だが、これはかなり操縦がやさしいと言っていいのではないか。もちろん、手にした最初から自由自在にというわけにはいかないが、ずいぶん楽しめる。

安いヘリコプターというと、二重反転式のローターのものが多いが、これは普通の本物のヘリと同様、メインローターに、テールローターで回転を打ち消す仕組みになっている。リモコンは2チャンネルで、スロットルと、左右のみ。テールローターを加減して左右に回転させているのだろう。それだけだと上昇・下降とその場で回転しかできないように思うが、中立で微妙に前進するようにできているので、左右回転で行く方向に向けてやれば、好きな方向に移動できる。しかし、本当のヘリコプターのように、ホバリングしながら機体の向きを保ったまま左右や後ろに平行移動するということはできない。

操縦が簡単なのは、あえてテールローター式にしてこういう割り切った操縦方法にしたことに加えて、メインローターに組み込まれている安定装置がうまく機体の安定を保たせているせいでもあると思う。メインローターの上にもうひとつ小さな羽がついていて、この羽には両端に小さな錘がついていて、慣性が余計につくようになっている。小さい羽もメインローターも回転軸に完全には固定されておらず、小さい羽は長手方向に傾くことができ、メインローターは捩れ方向に傾くことができるようになっていて、小さい羽とメインローターはリンク機構でつながっている。機体がメインローターともども傾いたとき、小さい羽は慣性のために空間に対してまだ傾く前の面で回転を続ける。機体から見ると小さい羽の方が傾いていることになるが、すると、そのためにメインローターが捩れる。結果、傾いて持ち上がった方にあるローター翼の迎角が減少して揚力が少なくなり、下がった方のローター翼の迎角は増加して揚力が増える。従って、機体にはもとの姿勢に戻ろうとする力が働く。ローター軸の回転にあわせて、いつも持ち上がった側にやってきた翼の迎角が減るように捩れる仕組みである。この機構がなければ、この超軽量な機体がこんなに安定して飛ばないのではないか。そして、二重反転ローター式ではこういうふうにはできなかっただろう。

もうひとつ付け加えていうと、壊れない。ヘリコプターは、すぐにローターを壊してしまうものという印象がある。それを防ぐために、ローターのまわりに輪っかがついているものもよくある。しかし、これはそんなものがなくても、空中で壁や家具にぶつかろうと、ひっくり返って墜落しようと、全然壊れない。ローターが粘い素材でできているせいだろうか。

エアロソアラもHoneyBeeも、ERP素材による軽量機体、ポケベル用バイブレータに端を発した超小型モーター、赤外線リモコンを使ったデジタル化による制御回路の超小型化、といった基本技術によって実現されているのだが、HoneyBeeの場合は、ヘリコプターにするにあたって、さらによく工夫が凝らされていると感じた。

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HV10にワイドコンバージョンレンズ その2

昨日、ちょっと出かけて撮影をしてきたので、またビデオカメラの話。

撮影の対象が海上自衛隊の輸送艦 (しもきた) だったので、先に少し論じていたワイドコンバージョンレンズの出番。なぜなら、こんなに広角撮影の必要な対象もない。外から見ると、巨大な艦体は、目の前にあっては広角で撮らないと艦体のほんの一部しか映らない。一方、艦内に入ったら入ったで、艦船の内部というのはだいたい狭っ苦しくできているし、自分の立ち位置を下がったりするわけにいかない。この輸送艦の中の巨大な船倉や、航空母艦と見まがう広大な甲板は、もちろん広いのは広いのだが、その広さを映すにも、やはりその中から出るわけにいかないので、自分のいる場所の中で自分のいる場所の大きさがわかるように撮影するには、広角撮影でないと表現できない。

そんなわけで、今回の撮影中ほとんどワイコンをつけて撮影していた。逆に生のレンズ性能がわかる映像があまりたくさん撮れなかったともいう。ちなみに、私の手元にはいくつかワイコンがあるが、持って行ったのは当然レンズ性能として一番いいはずの、前回の記事で言及していたRaynoxのHD-5000PROである。

さて、現場で撮影をはじめて、すぐ最初に気付いたことは、フォトモードで撮影すると、かなりケラレるということ。家でワイコンを装着して試してみていたときは、ビデオモードでしか見ておらず、ケラレはないと思っていた。ところが、現場でちょっと試しにフォトモードも撮影しておくか、とフォトモードにしてみたら、ファインダーで覗いた状態で四隅にかなり黒い部分ができている。ビデオモードでは、画面の縦横比が16:9なのに対し、フォトモードでは4:3であって、それはビデオモードのワイド画面の左右を切り落とした領域なのではなく、フォトモードの方が上下が広いと言っていいので、その分ケラレる領域が広くなりやすい。まあ、もともとフォトモードをそんなに真剣に使うつもりはなかったので、ああそんなもんかと思って、以降、フォトモードではあまり撮らなかった。

あとは、まあ適当にワイコンをつけたり、一部はずしたりしながら、動画で撮影してきた。さて、フォトモードでのケラレの件があったので、ビデオで撮った映像をPCにキャプチャして確認してみることにした。なぜかというと、一般的にビデオではモニタに表示されている画面はブラウン管でのオーバースキャンのことがあるので、実際のデータ領域より少ししか表示されていないからだ。PCにキャプチャしたデータをPC上の再生ソフトで表示させると、HDTVなら当然1920×1080ドットの範囲が全て表示される。で、見てみると、見事にケラレが発生している。ただし、ちょうどモニタ表示で切り捨てられる範囲に納まっていたということである。カメラのファインダで見ても、カメラのLCDモニタで見ても、私のブラウン管ハイビジョンテレビで見ても、表示範囲はほぼ同じで、全くケラレは見えないのだが、PCで見るとケラレている。

テレビでそのまま見てもらうにはこの状態でも全然構わないのだが、HDTVのままを見せようと思ったら、前に少し書いたように、現時点ではPC上のメディアファイルにするのが一般的な手段となる。その場合にそのままだとケラレたみっともない画像を見せることになる。モニタの表示範囲相当にトリミングしてしまうことも可能だが、標準のフォーマットに合わせるには、トリミングしたあと拡大して解像度変換を行うことになるので、それはちょっと考え物だ。

HV10の批評でワイコンをつけると距離センサが隠れて使えなくなるの、LEDライトやストロボが使えなくなるの、といったことが書かれているのをいくつか見受けたが、私は小型機なんだから配置上そのへんはしょうがなくて、ワイコンはそういうものだと思ってあきらめているので、そういうところは気にしていなかったのだが、ストレートにワイコンで撮影した映像がケラレてしまうのでは、ちょっと困ってしまう。といっても、これはワイコンと本体の相性の問題でもあり、このワイコンはHV10専用でもなければ、そもそもHV10以前に発売されたものだから、このことに関して文句を言う筋合いでもない。実際、海用のワイコンは、ハウジングを介して装着するので、条件が厳しくなり、いくらかケラレるのは承知だ。

ただ、思うに、自動レンズバリアがついているがために、レンズの位置がフィルタネジの切ってあるカメラの前面から、少し奥になってしまい、ケラレやすくなってしまっているように思う。これはレンズバリアの便利さとの兼ね合いでちょっと悩ましいところだ。それと、もうひとつ、ワイコンをつけてケラレている部分は、本体のズームを一番ワイドにしていないで、少し望遠側に送ってちょうどケラレていない部分だけが画角に入るようにすれば解消されるのが一般的と思うが、このカメラの場合、ズームを望遠にして画角をせばめても、ケラレはあまり減らず、かなり望遠にしないと画面からケラレがなくならない。ケラレがなくなるまで望遠にしたら、ワイコンなしの最広角と変わらない画角だとしたら、ワイコンを使う意味がなくなる。どこまでがOKかは少し実験してみないといけないが、撮影時は周囲が削られたファインダで見ているので、なかなか正確にケラレなしの状態にコントロールして撮るのは難しそうだ。

まあ、水中用は選択肢がないので仕方ないが、陸上用は今のに代わるワイコンを見つけないといけないなと思っている。

参考のために比較画像を添付しておこう。フォトモードのとビデオモードは似たアングルで撮られているが、全く同じ場所で撮ったわけではないので被写体の映り具合から画角の判断の参考にはならない。単に、ケラレの出具合の比較としてだけ見ていただきたい。ビデオモードのモニタ表示画像は、HV10本体のLCDモニタの画面をデジカメで撮影したものである。

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北京の白タク

中国で白タクの客引きに難儀された方も結構いることだろう。

私が生まれて初めて中国に行ったときに、まさに白タクの客引きにつかまったことがあるので、そのときの話を。

今から3年余り前、私が初めて中国出張に行ったときは、一人での出張だった。中国への出張というと、空港に出迎えを手配してくれていたりすることも多いと思う。しかし、そのときの私の場合、営業関係でも絡んでいればそういう気配りもあったのだろうが、行き先が研究開発関係の部門だったこともあり、自分もまあ海外に不慣れというわけでもないので無理に手配を頼まなかったこともあり、出迎えも何もなく自力で空港からホテルに向かうことになっていた。

とはいえ、白タクのことは事前に聞いていたし、用心すべきとは心得ていたが、事はそう簡単ではなかった。

税関を出て、たくさんの出迎えの人たちが並んでいる前を通ってロビーに出る。当時は成田空港を含めて日本国内で元に両替することができなかったので、まずは両替なのだが、初めて降りる空港なので、何がどこにあるか、ガイドブックで概略図は見ているが、やはりどうしてもきょろきょろしてしまう。多くの人は出てきたらさっさと自分で行ってしまうか、出迎えの人に迎えられていくので、ひとりできょろきょろしている人間は少ない。いきなり白タクの客引きに目をつけられてしまった。

どこのホテルに行くんだ、はい、こっち、こっち、てな感じで連れて行こうとする。客引きはちゃんとした英語をしゃべる。まあ無視しつつ、見つけた両替の窓口に向かうと、ああ、そりゃ先ず両替が必要だなと、しかし私にくっついてきて両替を済ませるのを待っている。私が両替を済ませて車の乗り場をみつけようとしだすと、またつきまといはじめる。3週間くらいの滞在予定だったので、荷物は結構大きめのスーツケースと、これまた大きめ目のショルダーバッグだった。これでは機敏な動きは取れないので、振り払うことができない。向こうも私の荷物をつかんで、無理やり持って行こうとする。初めての空港で、正しいタクシー乗り場がどこかも自信がないので、毅然と正しいタクシー待ちの列に並んで無視するというわけにも行かなかった。仕方なく立ち止まって話を聞くことになる。

まず本人は写真入りのIDカードのようなものを見せて、自分はきちんと登録認可された者だから、決して怪しい者ではないという。しかし、そんなものを見せられても、それが本物かどうか、そもそもその所属している機関が存在するものなのかどうかも、外国人の私にわかるわけがないのだから、意味がない。私には信用していいか判断できないと言ったが、そんなくらいでは引き下がらない。

ホテルはどこかと言うのでヒルトンだというと、料金表を見せて、確か600元ぐらいと言った。他にもホテルの名前がたくさん書いてあって、みんなその前後か高い目くらいの金額だったと思う。高いんじゃないの、というと、それを400元だか300元に引いてやるという。それでも全然高いんじゃないの、というと、今度は、じゃあ普通のタクシーの値段をきいてみなよと、本当のタクシー乗り場のところ (後でわかったが、そこは本当に本当のタクシー乗り場) に連れて行って、そこに立っているにーちゃんに、普通にタクシーで行ったらこの値段だよな、と料金表を見せて同意の返事をもらう。乗り場は本物だが、係員のようなフリをして立っているが、そのにーちゃんはサクラに違いない。

こちらも、なかなか簡単には折れないので、何やかや言って、私のこっちの訪問先の人間にきいてみるということになった。何かトラブルがあったら連絡してくれと電話番号を教えてもらっていた。そこで、どういうわけか親切なことに、その客引きは自分の携帯を貸してくれる。それで、きいてみると、まあ多少余裕をみてか100元ちょっとくらいだろうと教えてくれた。ほら、そう言ってるよ、というと、ああだこうだ言って、結局150元でということになった。まあ少し高いかもしれないが、それ相応なところまでにはなったかと。領収書もちゃんと出すという。話が決まるとまた人の荷物をつかんでどんどん引っ張っていく。車は到着階ではなくて、上の出発階のはずれに停めてあって、客引きとは別に英語の話せない運転手がいる。

で、少しどきどきしながらその車に乗せられて、一路首都機場高速を都心へ向けて走った。途中の料金所 (中国風の門のデザインになっている) では、何のインチキかわからなかったが、なぜか一番端の普通の料金ブースのないところを、料金を払わずに通過して行った。ETCとかだったのかどうかよくわからなかったのだが。そして、他には特に問題なく、三環路にあるホテルまで到着した。

後ほどわかるわけだが、実際に普通のタクシーだと、北京の空港=ヒルトン間はだいたい80元程度と思う。最初の金額からしたらずいぶん値切ったわけだが、それでもまだ倍近くしたことになる。しかし、差額の絶対値で考えると、日本円にすると1,000円程度だ。まあ、そんなにボられたというほどでもないか。領収書ももらったので、会社の出張費清算で立替分を払ってもらえるので、自分の懐は特に痛まなかった。

以上、誰かの参考になれば。

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最初に教えるべき中国語の単語

ハイビジョンカメラ、水中ハウジングの話は一段落したので、中国の話に戻ろう。

2年半ほど前に私が中国に出張に行っていたときの話。日本人と中国人とで一緒にやっていたプロジェクトに、テコ入れに(?)アメリカ人が参加することになって、アメリカから3人がやってくることになった。私が中国にいる間、そのプロジェクトで一番世話になっていた中国人のひとりが、そのアメリカ人たちを迎えに行って、面倒を見ていた。

みんなで話をしていて、その中国人が言うには、はじめて中国に来るそのアメリカ人たちに、中国語を少しずつ教えていくつもりだが、まず一番最初に教えた中国語が “不” だという。なぜにそんなネガティブな単語から教えるのかときくと、外国人が中国にやってきて一番最初に必要な言葉だからと。なぜなら、飛行機に乗って中国にやってきて、入国審査、税関まではいちおう英語も通じるが、さて税関から外に出てタクシーをつかまえて市内のホテルに行こうとすると、白タクの客引きがやってくる。そこで、初めて中国語で発する必要のあることばが、それを断るための言葉である。まあ、 “不要” と教えてもいいのだろうが、とにかく一番必要な一語ということで “不” らしい。

ちなみに、2番目に教える言葉は、 “厕所” だそうだ。

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