2014年4月 のアーカイブ

月齢28の月の出

前の記事の月と金星の接近の翌朝もいい天気でそれよりも細い月がきれいに見られたと聞き、休日だし夜更かしか早起きして見ておけばよかったと思った。それなら、更に次のもっと細い月も、と思って前夜にGPV予報を見たが、どうも夜半から曇ってきてしまうようだった。ところが、予報で曇ってくる時刻になってもあまり曇ってこず、結構星が見え続けていた。更に、前夜までとは違って空気が澄んでいて、遠くのスカイツリーや東京タワーがよく見えていた。このまま晴れていれば月の出も見られるのではないかと、目覚ましで月の出少し前に起きてみると、多少雲の層もあるが、地平線は見通せているようだったので撮影に臨んだ。

双眼鏡で眺めるものの、さすがに月の出時刻に地平線からすぐには見えなかった。写真では一番下に黒く見える層があって、これは都内の大気汚染によるものか、この前イリジウムウレアを撮った時のものと同じものだろうか。そこを超えると月が姿を現した。双眼鏡で見るよりも、カメラで試し撮りをしている方が先に捉えられた。月出帯食や、金星との接近のときは見えてくるまでずいぶんかかったが、それと比べるとだいぶ早かった。といっても、あまりに微かな状態も何なので、もう少しだけ昇ってくっきり見えるようになったところがこの写真。

月齢28.0月齢28.0 2014/04/28 04:12 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (250mm F5.6), ISO800, 2sec

少しズームを引いて、月の出の場所よりも少し北寄りに見える東京タワーも一緒に入れてみた。

東京タワーと月齢28.0東京タワーと月齢28.0 2014/04/28 04:14 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (131mm F5), ISO800, 2sec

一番下の黒い帯を除けば地平線に近い部分に雲がなく、上の方に雲があるという状況で、これ以上月の高度が上がっても見にくいだけなので、ここで終了。

雲朝空の雲 2014/04/28 04:20 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (55mm F4), ISO800, 1/2sec

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赤い月と金星の接近

このところ毎月、月が明け方に昇る頃になると、明けの明星の金星と接近している。(日付変わって) 昨朝はちょうど休みの日の未明だったので夜更かししたまま月の出を待って撮影してみた。

月の出の時刻はうっかりして見逃したが、少し昇ってきたところでもなかなかぼんやりとしか見えず、相当昇ってきてしっかり見えるようになってからもかなり赤い色を帯びたままだった。ちょうど先日の月出帯食のときと同じ感じだった。どうもこの時期は大気中の散乱成分が多くていけないようだ。

月
2014/04/26 03:21 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (116mm F5), ISO800, 1sec

上の写真では、金星ももう昇ってきていて月の半分くらいの高さのところにあるはずだが、やはり霞のせいでほとんんど見えていない。階調はひどく引き伸ばしてみると微かに写っているのが確認できる。

しばらく待って、金星がよく見えるようになってきた頃には、月の赤さはだいぶなくなってきていた。一方まだ低い位置にある金星の方は大気の影響を大きく受けて赤く見えており、普通に見る火星よりもずっと赤いくらいだ。この写真では背景の空の赤みが目立たないようにホワイトバランスを設定してこれである。

月と金星
月と金星 2014/04/26 03:36 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (194mm F5.6), ISO800, 2sec

明け方の空の色の微妙なグラデーションとともに月と金星を撮ろうとしばらく時間を置いたが、空の色があまりきれいにならないまま単に薄明るくなってきてしまった。

月と金星月と金星 2014/04/26 04:23 Canon EOS 60D, EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II (34mm F4.5), ISO800, 1/2sec

そろそろ始発電車の走る時刻になったので、方角的にうまく写し込めるかと思って線路際で始発電車を待って撮影。思ったより明るくなってしまって、金星があまり目立たずわかりにくくなってしまった。これより10分足らず前に電車の来る前に試し撮りした画像では結構しっかり見えていたのだが。仕方ないので、下の画像は空の色を少し深くなるように修正して金星が少しわかりやすくなるようにしてみたが、小さい画面で見る場合はそれでもちょっとつらいかもしれない。

月と金星と始発電車
月と金星と始発電車 2014/04/26 04:39 Canon EOS 60D, EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II (44mm F5), ISO800, 1/15sec, Photoshop 7.0

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小惑星ベスタと準惑星ケレスの動き

前の記事を書いた後、しばらく晴れた夜空の見られない日が続いていたが、やっと晴れたので、ベスタとケレスを撮影してみた。まずは近所に集まっているベスタとケレスと火星、それにスピカも全員一緒に入れて。前回は月明かりのせいでわからなかったケレスもしっかり写った。

Ceres & Vesta
ケレス、ベスタ、火星、スピカ 2014/04/24 22:42 Canon EOS 60D, EF 50mm F/1.8 II (F4), ISO1600, 2sec × 10, DSS, StellaImage7, Photoshop 7.0

といっても、これだけだとただの点で、他の恒星と何の違いもなくいまひとつ。かといって、いくら望遠鏡で拡大して見たとしても、小惑星は小さいので惑星のように形が見えるわけでもない。

さて、小惑星を恒星と区別できるのは動いていること。本当は、この同じ写真を1日後に同じように撮影して動きを比べて見せればそれらしくなると考えた。1日分の移動量なら、このぐらいの画角で撮っていてもはっきりわかりそうだから。しかし、翌日はあいにく天気が悪そうな予報だったので、作戦を変更して、ひとつの小惑星を望遠鏡で拡大して撮影して、その夜のうちに1時間ほど待ってからもう一度撮影して動きを見る。拡大すれば、1時間程度の移動量でも十分にわかる。

そんなわけで撮影して作成したのが下の写真。ちょうど、上の写真でそれぞれのすぐ近くに見える恒星が、同じ画面内に見える一番明るい恒星として一緒に入っている。1時間余り間をあけて撮影した写真を比較明合成してある。ぴったり重ねてしまうと恒星が動いていないのがわからないので、少しだけ上下にずらしてある。上が先の画像で、下が後の画像。恒星が全部きれいに上下に並んでいるなか、それぞれひとペアだけ斜めに並んでいるのが見てとれる。つまり、いずれも右方向に動いているということ。天球上で東から西に向かって動いている。衝近くなので逆行しているというわけだ。

Ceres準惑星ケレス 2014/04/25 00:42, 01:55 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO3200, 4sec ×8, × 8

Vesta小惑星ベスタ 2014/04/25 00:48, 02:02 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO3200, 4sec × 7, × 9

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小惑星ベスタと準惑星ケレスの衝

比較的大きく取り上げられた火星の小接近の影にひっそり隠れてというわけでもないが、小惑星ベスタが昨日4月17日に衝を迎え、準惑星ケレスが来る4月20日に衝を迎えるという。たまたまのことではあるが、ほぼ同じ時期に衝を迎えるということは、見える方向もほぼ同じということで、いずれも火星が現在いるのと同じおとめ座にいる。そして、衝の位置にいるということは、火星の接近と同様、明るく見えて夜中に南中し観測しやすいということでもある。

考えてみると、去年の2月に地球近傍を通過した2012 DA4を観測した以外には、小惑星を見るということはしたことがなかったように思う。2012 DA4のときも写真にとらえただけで、眼視では見られなかった。一方、ベスタやケレスは衝の時期の現在、それぞれ5.7等と6.9等と、望遠鏡でなら簡単に見られる明るさである。火星や木星のような惑星に比べればただの点にしかみえないから、なんだということになるが、せっかくだから見てみたいところだ。

しかし昨日今日は天気が悪くて星は見られないため、実際に見る前に、先日の火星・月・スピカの集合を撮影した視野に入っているはずであろうから、写っていないか調べてみた。まあ普通に写真に撮ればそれほど難しくもなく写るはずだが、なにしろ満月近い月が煌々と輝いている写真なのでなかなか条件は厳しい。先日の記事で紹介した写真と一緒に撮ったうちで一番露出を多くかけて撮った写真がこれである。月の光はひどくハレーションを起こし、地上の建物の明かりによるゴーストなども盛大に出ている。火星・月・スピカ以外の星はまるでわからなさそうである。

火星・月・スピカ

しかし、これを思いっきり画像処理してみる。下は、上の写真の月から左側の部分を切り出して処理したものである。こうやってあぶり出してみると、ある程度暗い星もそこそこ写っているのがわかる。ノイズも多いので本当の星ではない光点もたくさんあって見分けが難しいが、ステラナビゲータに表示される星の位置と比較すると同定できる。ベスタの位置は確認できたので図中に示しておいた。ケレスの方はその少し左下あたりにいたはずだが、これだけの処理をかけてもそれらしい位置には何も見えてこなかった。

Vesta

次に夜空が晴れる頃には、月も邪魔ではない位置になっているだろうし、もう少し普通に写真に撮るとともに、眼視でも楽しんでみたいところである。また、7月上旬にはこのふたつが見かけ上非常に接近するということなので、そちらも楽しみだ。

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月出帯食

前日の火星最接近の次は昨日4月15日の月出帯食と、天文現象が続く。月出帯食とは、月食で欠けた状態で月の出になるもの。逆に欠けたまま月が沈むのは月没帯食。今回の月食自体は皆既月食で、地球の裏側のアメリカあたりでは全過程が見られたようだが、日本では東日本で本影食の最後の方だけが見られた。

ほんの少ししか見られないからつまらないという向きもあろうが、逆に月食で欠けた状態の月が地平線近くにあるというのも、珍しいといえば珍しい。これをどう撮ろうかと考えたが、望遠鏡でかなりアップにした絵で地平線から出てくるところが撮れれば迫力があると考えて、自宅で月の出の位置の地平線が見通せることを確認して、自宅から望遠鏡で撮影することにした。当日行われた六本木天文クラブの観望会で六本木ヒルズ屋上から、東京タワーのすぐ脇に昇ってくるところというのも捨て難かったのだが。

さて、ところが、天気も快晴で準備万端整えて待機していたものの、18:15の月の出時刻を過ぎてもなかなか月の姿が現れない。もともと日没直後で空が明るいから見づらいのは見づらいだろうとは思ってはいたが、望遠鏡で見ればそれなりに見えるだろうと思っていたが、影も形もない。望遠鏡にはカメラを装着して出現予想位置を狙いつつ、地上目標物の角度の予想が多少ズレているかもしれないから、双眼鏡で眼視で探すのだが見つからない。そうこうしているうちに、もうとっくに地平線を離れた位置にやっとうっすらと月の姿が浮かんできた。最初のショットの敢えて画像処理を施していないのがこれ。結局、望遠鏡の画角内に欠けた月と一緒に地上風景を入れるどころでは全然なかった。春霞のせいである。

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月出帯食 2014/04/15 18:24 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO800, 1/8sec

もうしばらくして、欠けている月の外形や、模様がだいぶわかるようになってきたところ。

IMG_6438
月出帯食 2014/04/15 18:26 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO800, 1/4sec

地表風景と一緒に入らないとつまらないので、望遠鏡からカメラレンズに切り替え。こんなことなら見え始めの時点からこの画角で構わなかった。

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月出帯食 2014/04/15 18:30 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (250mm F5.6), ISO800, 1/4sec

火星と一緒におさまる画角にして撮った1枚。前夜は月の近くにあった火星も、既にこれだけ離れている。火星の方はずっと高度が高い位置にあるので霞の影響を受けず、月が見え始めるよりもずっと前から双眼鏡で確認できていたのだが。一方、前夜一緒に見られたスピカは、光度が暗いのと、月の近くの位置でまだ高度が低く霞の影響を受けているせいか、月が見えてからもなかなか見えて来なかった。

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月出帯食と火星 2014/04/15 18:33 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (70mm F8), ISO800, 1/4sec

月の出と本影食の終わりのわずかな間しか月が欠けているのは見られないということだったが、本影の境目はぼんやりしたものなので、時刻が来たらぴったり欠けがなくなるかというとそんなことはなく、かなり長い間端の方が暗くなった状態で見えていた。これはほぼその本影食終了頃の写真。背景の空はかなり暗くなってきた。

IMG_6463

月出帯食 2014/04/15 18:34 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (250mm F8), ISO800, 1/8sec

カメラをもう一度望遠鏡に戻して端が少し暗い状態のアップ。

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月出帯食 2014/04/15 18:39 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO800, 1/8sec

しばらく待って、端が暗いのもほとんどわからなくなってきたところを撮影して終了。

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月出帯食 2014/04/15 18:49 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO800, 1/8sec

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火星小接近 (その2)

昨日4月14日は、今回の火星小接近で火星と地球が最も接近する日だった。と、同時に偶然ではあるが、満月に近い月が火星に接近する日でもあった。といっても、前者は太陽系内の惑星の軌道上の実際の距離の話、後者は地球から見た天球上の見かけの位置の話。全く別次元の話だが、どちらも「接近」という言葉が使われるのでいつも表現に困ってしまう。2種類の現象を区別して扱う用語があればいいのにと思う。

偶然とは言ったが、火星の接近のその日に、月が接近したのはたまたまだが、その月が満月近いというのは偶然ではなくて必然である。火星が接近しているということは「衝」の位置に近く、地球から見て太陽と反対側にあるということであり、もしそのときに月がその近くに見える位置にあるのならば、その月と地球と太陽の位置関係からして、満月に近いはずなのである。

能書きはさておき、火星はかねてよりスピカの近くにいたので、月とあわせて3つの天体が集合しているので、この様子を写真に撮った。月と他の天体を一緒に撮ると、明るさの差が大きくてなかなかうまく撮れない。特に、満月近い月は凶悪なまでに明るい。しかし、今回は余計な技巧を使わず、月は明るさが飽和するにまかせた。この月の明るさに対して、接近中の火星はそこそこがんばっているが、スピカの方はかなり弱々しくしか見えない。まずは、あまり照明の当たっていない建物の上方をそこそこアップで。

Mars, Moon & Spica
火星・月・スピカ 2014/04/14 21:55 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (65mm F4), ISO800, 1/4sec, StellaImage7, Photoshop 7.0

次は、ちょっと引きで明かりのついた建物と一緒にその上に浮かぶ様子を。

Mars, Moon & Spica
火星・月・スピカ 2014/04/14 22:23 Canon EOS 60D, EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II (18mm F4), ISO400, 1/2sec, StellaImage7, Photoshop 7.0

それから、日付が変わってからだが、3日前に撮ったのと同じ撮り方で火星のRegistax処理した画像。ちょっと今回の方が画像が暴れているが、まあ再接近記念画像ということで。

火星の自転周期は地球の自転周期より少し長いだけなので、毎晩同じくらいの時刻に観ると、模様は少しずつ後戻りしていく。下の画像は3日前の画像とそんなに違わない時刻に撮ったものだが、正面に見えていた大シルチスが、だいぶ左の方に寄って見える。

Mars
火星 2014/04/15 00:14 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece projection (8mm), ISO1600, 1/60sec x 1372, Registax6, トリミング

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火星小接近

火星がいよいよ今回の小接近の最接近が近づいてきた。前回最初に火星を撮った時以来、実は何度か火星を撮影していたのだが、シーイングが悪かったりしたせいか、Registaxしてもなかなかうまく火星の模様がきれいに見えてくる画像が得られないでいた。昨夜は天気もよく気流も安定しているようだったので、撮影したところ、結構見られる絵になった。

Mars
火星 2014/04/12 00:56 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece projection (8mm), ISO1600, 1/60sec x 1758, Registax6, トリミング

最接近は4月14日だが、まあここまでくると前後数日違ってもそんなに見かけの大きさは違いない。しかし、前回の2月26日の写真と比べるとずいぶん大きさが違って見えているのがわかる。例によって画像のサイズは同じにしてある。とはいっても、今回は小接近なので、大接近に比べればそんなに大きくはない。4年余り後の大接近を楽しみにしたい。

火星の写真は南を上にしてあるものが多いが、ここでは敢えてこのblogでの他の天体写真同様に、地上からの見た目の上がそのまま上になるようにしてある。この写真で下の方に見える三角形の暗い模様が大シルチスと呼ばれる、火星で一番有名な地形。実は、表面の模様がわかりやすいようにわざとこの地形がこちら側を向く時間を選んで撮影した。撮影時刻のスチラナビゲータのシミュレーション画像と比べると、ちゃんと見え方が一致している。

Mars by StellaNavigator
ステラナビゲータ10のシミュレーション画像

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恒星食2件

今週は比較的容易に観測可能な星食が2つ続いた。

おうし座119番星食

おうし座119番星食 2014/04/05 18:20 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO800, 1/60sec

昨年はスピカ食水星食とチャレンジしていずれも厳しい条件だったが、この回も日没後まだ空が明るい間で、恒星の方はそれほど明るい星ではないという悪条件。ただし、月はそれほど満月に近くなく暗縁の結構ど真ん中近くからの潜入という点ではいい条件である。2日後の、より明るいふたご座λ星食とも似ていて、その練習としてちょうどよかったかもしれない。

今回はビデオカメラとの同時撮影はやめて、望遠鏡の直焦で一眼レフの動画機能だけで潜入の瞬間を撮影することにした。私がここのblogに載せている天体の画像はほとんど経緯台での垂直方向のままで載せているが、今回はそうではない。月の高度が高くてカメラが台座に当たってしまうが、少し傾けるとなんとか当たらずに済んだためである。かといって、月の南北軸に合わせるには逆方向が当たってしまうので、少し傾いたいい加減な状態になっている。

さて、このYouTubeの動画だが、恐らくHD解像度にして大きな画面で見てもらわないとよく見えないと思われるのでご注意を。時間は全体のちょうど半分あたり、10秒付近で星が消える。

ちなみに、上の動画では空は真っ暗に見えるが、実際には日没間もないため、下の撮影時の様子の写真のように、まだまだ明るい青い空だった。カメラがLCDモニタ以外は真っ暗でどうなっているかよくわからないが。

撮影風景

撮影風景 iPhone5

ふたご座λ星食

ふたご座λ星食 2014/04/07 21:03 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO3200, 1/30sec

そして本命の方の星食。こちらは雲が薄くかかっていたものの、雲を通して月も恒星も見え、クリアな条件とはいかないながらも、2日前のおうし座119番星食よりはよく撮れた。雲がなければ、もっとずっとよかったのだが。こちらはカメラの傾きを月がちょうどまっすぐになるようにできた。映像のタイムカウントで15秒、映像中の音声で午後9時3分44秒のところで潜入している。それより前に雲のせいで一瞬暗くなるがそこではない。時刻を入れるために時報音声を出す、TimeSignalというiPhoneアプリの音声を流しながら録画したが、NTPに同期してもNTTの有線電話で117にかけたときの音声と正確には一致せず、アプリの方が約1秒進んでいた。精度的にはちょっと微妙だ。

また、 このときの月は、数時間前に月面Xがあった後でまだXの形がそんなに崩れてきていないので、月面Xのおまけ付きと言ってもいい。

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桜・ISS・月・イリジウム

最近撮った星関係の写真をいくつかまとめて。

Cherry
2014/04/04 22:34 Canon EOS 60D, EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II (18mm F5.6), ISO400, 8sec × 133, KikuchiMagick, Photoshop 7.0

桜の季節なので、桜を入れた星景写真を撮っておこうと、近所で街灯のあまり写り込まないい桜を探したら、駅のホームにあって毎朝見ている桜が候補に。定期券は本来入場券ではないし長時間滞在してまた同じ駅で出ると自動改札に何か言われるかもしれないと思って、ちゃんと入場券を買って駅構内に入って撮影。

金曜の夜だったので駅には結構酔っぱらいが多かった。人が入らないような角度から撮っていたがわざわざカメラのところまでやってきたりしないかと心配したが、そんなことはなかった。しかし、ここでまた失敗。保存の設定をJPEGのみにしないでRAWも同時保存にしたまま撮影してしまったので、途中でEye-Fiカードがいっぱいになってしまった。仕方ないので、そこからもう一度長時間撮り直すつもりで全部消去して撮影開始したが、今度は予報ではずっときれいに晴れているはずだったのに途中で雲が出てきてしまって、最初よりもっと短い時間で撮影中断。それなら、カードがいっぱいになったところでそのまま撤収していればよかった。そんなわけで、宇宙かふぇに続いてまた軌跡が短い目の北天ぐるぐるとなった。

天頂近くで影に入るISS

ISS
ISS 2014/04/05 19:47 Canon EOS 60D, EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II (18mm F5.6), ISO400, 8sec × 17, KikuchiMagick, Photoshop 7.0

この日はその前におうし座119番星食があったがそれは別稿に。その後、ISSが天頂近くを通過するところで地球の影に入って見えなくなるというパスを撮影。天頂近くを通るということは接近してくる経路はほぼ垂直に立ち上がる。地表風景から天頂近くまではカメラの画角におさまらないが、空だけの絵になると空のどのあたりかわからなくなってしまうので、高層マンションの上部を画面に入れて見上げている感じを出した。予報ではふたご座のカストルとポルックスの間を少し過ぎたあたりで見えなくなるということで、この写真でもその付近で暗くなっているが、肉眼で見ていると、その先も天頂を越えてかなりの間かすかながら見えていた。地球の影といってもそんなにくっきりしたものではなくかなり散乱光があるのと、それが距離の一番近い頭上近くだったのでよく見えたということだろうか。

 すばる付近を通過するISS

ISS
ISS 2014/04/06 20:35 Canon EOS 60D, EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS II (27mm F5.6), ISO400, 4sec × 14, KikuchiMagick, Photoshop 7.0, トリミング

この日は職場近くの建築物を入れた比較明星景を撮ろうと思って休日に職場近くに出かけたのだが、結局撮ろうと思っていた対象はどうしても街灯の光のゴーストなどが強烈に入ってしまってうまくなくて断念。そんな中、すばるの近くを通るというISSのパスがあったので、いつも西の空を撮っている場所に行って撮影。しかし、準備している間に来てしまい、最初の方が撮れなかった。空の途中から突然現れている絵もおかしいので、軌跡の写っている部分だけを利用してトリミングし、すばるがよくわかるくらいの大きさにしてみた。

月面X

Lunar X
月面X 2014/04/07 18:35 Canon PowerShot S120, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece (8mm), afocal, 10.8 mm, F3.5, ISO3200, 1/125sec × 10, Registax6, Photoshop 7.0

Lunar X
月面X 2014/04/07 18:37 Canon PowerShot S120, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10), 8-24mm eyepiece (8mm), afocal, 26 mm, F5.7, ISO3200, 1/30sec × 10, Registax6, Photoshop 7.0

4月7日は色々見るものがあって大変だった。まずは月面X。1年ほど前に一度紹介した。そんなに瞬間でなく数時間は見られるのではあるが、いちおう予報時刻付近に見ようとしたら、月の位置が天頂に近く、うちの望遠鏡では上を向きすぎて普通にカメラを取り付けるとカメラが台座に当たってしまうので、今回は天頂プリズムにS120のお気軽コリメートで撮影した。薄雲がかかっていたので、少しぼんやりとしか撮影できなかったが、複数枚連続撮影したものをスタックして少しは見られるようになったか。

イリジウムフレア

Iridium Flare
イリジウムフレア 2014/04/07 18:46 Canon PowerShot S120, 5.2mm F2.8, ISO400, 1sec × 24, PhotoShop 7.0

月面X撮影の後、北極星のすぐ近くで見えるイリジウムフレア。これもS120で、前回と同じようにクリップを使った連続撮影。今度はシャッタースピード1秒で撮影してみた。まだ日没後間もなくて空が明るく、雲もかかっていて、肉眼では視認できなかったのだが、写真にはちゃんと写っていた。試し撮りでもその場のLCD画面では星も写っているかよくわからなかったので、フレーミングが適当で、北斗七星もカシオペヤも端だけ写っている中途半端な絵になってしまった。

その後、この日もISSがすばるの近くを通るパスがあったので、今回はいつものような広角ではなく、前回期せずしてトリミングして少しアップにした以上にもっと拡大した写真を撮ってみようと待っていたが、しっかり曇ってきてしまって見えなかった。

それから、その後にふたご座λ星食があったが、こちらは先のおうし座119番星食とあわせて別稿で。

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小型船舶免許更新講習

このカテゴリの記事、免許証が届いて以来だが、それ以来2度目の更新講習の案内が来た。小型船舶免許は5年毎に更新で、その際に講習を受けないといけない。5年前にも更新講習を受けているが、そのときはなぜだか何もこのblogに記事を書かなかった。で、そのときも思ったはずだが、免許を取ったのが2005年の3月で、今年は2014年。まだ期限が来るのは丸1年先なばすなのに、えらく早く更新の案内が来たな、ということ。実は更新の手続きは期限切れの1年前からできる。しかも、早く手続きをしたからといって、次の期限はそこから5年後ではなくて、元々の期限から5年後と変わらない。1年間のどこかで更新手続きをすればいい。そんなわけで、期限の1年前に案内が送られてくる。まだ1年あるから余裕だと思ってほっぽっておくと、本当の期限が近づいても忘れたままにしてしまうかもしれないので、とっとと講習を受けて手続きを済ませてしまうことにした。送られてきた講習の日程表の中から、近所の会場で行われるもので近々の日程のものを選んで、費用を払い込んで申込を済ませた。後は、申し込んだ日に講習を受ければいいだけ。

ちなみに、9年前に免許を取って以来、実際に船を操縦したことは一度もない、いわゆるペーパーキャプテンである。

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