2015年10月 のアーカイブ

プラレア巡り(10) 山陽小野田市青年の家天文館

全国プラ「レア」リウム33箇所巡り、今回で10箇所目になるが、山陽小野田市青年の家天文館を訪れてきた。

ここは、最初に33箇所のガイドブックを入手して眺めた中でも、なかなか難関なところだと思われた。というのも、年9回行われている「星の教室」で上映している以外には学校の活動、子ども会活動、その他10人以上での申し込みがあった場合しか上映していないというのである。見学だけならさせてくれるようだが、せっかく遠路はるばるいくのに投影を見ないというのもあまりにももったいない。

そんな中、これまで何度がご一緒いただいているMさんが、プラレア巡りに参加している人を10人集めて団体として投影してもらおうという企画を立ててくれて、私にもお声がけいただき、結局10人は集まらなかったものの、ありがたいことに7人での参加でも投影してもらえることになった。

ドーム

ドーム外観。ドーム自体は塗りなおしてあるのかきれいに銀色に輝いているが、周囲が相当古くなってきている様子がうかがえる。この施設は元々は以前この付近に存在した山陽パークという遊園地の一部だったとのこと。

プラネタリウムの会IMG_6046

建物内の控室には、山陽町青年の家プラネタリウムの会の看板。そして、年代物の次の投影時間を示す看板も。

扉

これも年代を感じさせる扉を開いてドームの中をのぞくと投影機が見える。

MS-10銘板

ここのプラレアポイントは、現役稼働している最古のミノルタの投影機。

スカイライン

古いプネタリウムに来ると必ず気になるのがスカイラインのシルエット。ここのドームは、スクリーンからずいぶん浮かせたところに山の形に切り抜いた黒い板が置かれている。どうしてそんなに間があいているのかというと、その間に照明が入っていて、シルエットを浮かび上がらせるようになっている。そして、そこには山の名前がそれぞれ書かれていた。都会と違って、建物ほとんどなく山並みがつらなっている。

方角表示

そして、前に東京海洋大学や銚子でそうだったが、ここでも方角表示がランプで切り替えられるようになっている。やはり結構一般的なものなのか。

今回はこういうプラネタリウム好きの集まりの訪問ということで、単に通り一遍の投影をするのでなく、色々と話をしてくれたり色々と見せてくれたりした。

電球恒星球内部

電球を点灯させたまま取り出したところと、電球取り付け口をずらしたすき間からのぞいた、中で電球が点灯してその周りに星のまたたき用の金網が回転してるところ。

その他ここで気付いたのは、この手のところでは星座絵などを投影したりするために個別の小さなスライド投影機を投影機本体の周囲にたくさん取り付けてあったりするものだが、それが全然なく、回転式の星座絵投影機がコンソールの脇にあるだけだった。

それ以外にはパソコンの画面をプロジェクターで投影するようにしてあって、パソコンを使うようになって、スライドを用意するよりずいぶん楽になった、と言っていたが、既にそのパソコンが今から見るとかなり旧式なものがずっとそのまま使われているようだった。

まあ、印象としては本当に細々と維持されているという感じで、ご苦労が忍ばれる。これからもできるだけ長生きさせてあげたい。

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火星によるしし座χ星食

10月19日未明には火星によるしし座χ星の食という珍しい現象が見られた。普通「食」というと、月自身が地球の影に入って暗くなる月食以外は、日食を筆頭に、先日のアルデバラン食などのように、月「が」何か他の天体を隠す現象だが、ここでは月よりもみかけの大きさがはるかに小さい火星が恒星の前を通るというもの。このときの火星の視直径は4.1″で、月の400分の1以下。

事前に自分でも確認してみようと、その時刻付近をステラナビゲータで見てみると、確かに火星のすぐそばにしし座χ星が見える。ところが、付近の時間を細かく動かしてみても、火星はしし座χ星にかぶさらずに脇をかすめて行ってしまう。最接近する時刻も予報とは少し違う。月による食の場合は観測地によって月の見える位置がかなりズレるので地上の位置が少し違うことによって星食が見られたり見られなかったりするが、火星は地球からずっと遠くにあるので、多少地上位置が違ったとしてもそんなにズレるはずはない。何か自分のステラナビゲータの設定が違うようだ。

某非公式オンラインサポート (笑) に教えていただいたところによると、やはり少し設定が必要だった。[天体(O)]→[恒星(S)…] の設定画面で、恒星の固有運動計算がデフォルトでは4.0等以上にしかなっていなくて、4.62等のこの星が計算対象になっていないので、この設定値を大きくする必要がある。また、この固有運動の計算は、標準の恒星データにしか適用されない。食の様子をよく見ようと火星の形がよくわかるまでに画面を思い切りズームアップすると、恒星データを自動切り替えにしている場合、拡張データに切り替わって、固有運動計算の適用された星の位置に表示されない。「使用するデータ」に「標準」を選んで固定しておく必要がある。更に、固有運動の計算は短時間では反映されないので、わざと一旦日付を数年動かしてから戻ってくると反映されるという。

ステラナビゲータの恒星設定

上記の通りにすると、めでたく予報通りに火星がしし座χ星の真上を通って行くようになった。このやり方を覚えておけば次回も同様の現象があった場合にも安心だ。しかし、惑星によるそこそこの明るさの恒星食が次に見られるのは一体いつのことだろう? (笑)

さて、当日、雲行きは少々怪しかったものの、食の時刻になるとしっかり晴れていて無事観測できた。このところの明け方の東の空に惑星が集まっている中で、火星は前日に木星と最も接近していて、この日もまだずいぶん近くにいて、望遠鏡の直焦点で同一視野に入る距離だったので、木星も一緒に撮ってみた。

火星によるしし座χ星食火星によるしし座χ星食 2015/10/19 04:28 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO400, 1/4sec

この写真を撮るのに、木星の衛星もちゃんと写るように、しかし食直前の火星としし座χ星がよく分離して見えるように明るく写りすぎないようにと露出を調節したりしていたら、あっという間に食の時刻が近づいてしまったので、潜入前はきっちり露出を合わせた状態で十分手前から等間隔で撮影するのが間に合わなかった。そんなわけで前半は撮影時刻や露出がバラバラになっているが、下の写真が連続撮影した食の潜入と出現の様子。

火星によるしし座χ星食

火星に恒星が隠されるというよりは、光が融合していくような感じだ。食の間ではなく、少し離れて火星としし座χ星が並んでいる様子は、火星の赤さと、しし座χ星との色の対比が美しく、まるでアルビレオを見ているかのようだった。

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ISSの日面通過 (その3)

ISS Solar TransitISSの日面通過 2015/10/18 12:44 Canon EOS 60D, Celestron NexStar 5SE (D125mm f1250mm F10) 直接焦点, ISO400, 1/2000sec×5コマを比較暗合成, トリミング

10月18日にはこれまでで3度目のISSの日面通過の撮影をした。前回と同様に望遠鏡+一眼レフの組み合わせでの静止画と、ビデオカメラ+テレコンバータでの動画を撮るつもりで、ビデオカメラ用にはポラリエと微動雲台まで持って行ったのに、三脚を持って行き忘れるという失敗をして撮影できず、静止画のみとなった。

前回は撮影時に雲がかかっていたためかなり露出アンダーになったものを無理に明るくして見せていたので鮮明さに欠けるようだったのに対して、今回は事前の雲行きにはやきもきさせられたもののISS通過時には雲はかかっておらず、クリアに撮影できたかと思いきや、さほど前回と違わない気がする。

前回は夏至近くの南中近く、今回は秋分の日もだいぶ過ぎた時期のやはり南中近くの太陽の位置を通過ということで、今回の方が太陽の位置が低くて、すなわちISSとの距離が遠くてその分小さく見えるということで、その分解像度が落ちてはっきり見えないということかもしれない。とはいえ、今回のコマの中には片側の太陽電池パネルのすき間がはっきりわかるくらいに写っているものもある。

今までになかったことだが、今回は観測可能地の駅前でひとりで望遠鏡をセットアップしていると、通りがかりのおじさんに何を撮っているのかと話しかけられた。こんなときのために、Nexus 7 に過去に撮った写真を入れて持ち歩いているので、そういうものを見せながら、こんな写真を撮るんですと説明すると、おもしろがってくれた。結構人通りの多いところでも、皆知らんぷりをして通り過ぎられるよりは、こうやって話しかけられるとやはりうれしい。それでいて邪魔をしないように気を使ってくれつつ、結果は待たずに去っていった。

ついでに、その日の夜に撮影した比較明星景。

D51
D51 2015/10/18 21:23~22:31 Canon EOS 60D, SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSM (20mm F4), ISO400, 6sec×604, KikuchiMagick, Photoshop 7.0

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ステラナビゲータのパノラマ用写真の投影法

ステラナビゲータのパノラマ画像表示機能のことについては1年あまり前に書いたことがあるが、いつも便利に使っている。

先日、とある宇宙関連のイベントで中秋の名月の観望会をすることになったのだが、会場が結構ビルに囲まれた谷間。いちおうお月見する時間に月の見える方向は空が見えるようではあるのだが、すぐ横には高層マンションが立っていて、そこに月がかかってしまうかどうか微妙な判断になる感じである。

現地で、当日の月の位置はiステラで確認しながら、地図と地上目標物をたよりにした方角と、以前に分度器と小さな筒と糸と5円玉で作った自作の六分儀ならぬ二分儀を使えば、あまり正確とはいえないながらも、ピンポイントではチェックできなくはないが、何時から何時の月の位置が隠れずに見えるかとか、細かく判断するのはなかなか難しそうなので、現地で写真を撮ってきて、パノラマを作成し、ステラナビゲータに読み込ませて判断することにした。

自作二分儀

ところが、そうやって作成した周囲の建物のパノラマ画像をステラナビゲータに表示させて読み取れる建物の高さと、現地で自作二分儀で測定したものとに結構差異があるようだった。シミュレーション上は月は一時的に建物に隠れてしまう位置になるが、自作二分儀の測定では建物はそこまで高くない。これは一体どうしたことか。実際、当日の月の位置を見ると、測定の通り建物は月より低かった。事前にその確認は取れたので、お月見は安心して行うことができた。

正しくなかった図
正しくなかった最初に作成した図 (実際は建物に隠れなかった)

さて、シミュレーションがズレた原因として思い当たったのが、パノラマ画像の天球への投影方法。平面の画像データと実際の天球上の位置を対応させないといけないので、世界地図の投影方法と同じように、何らかの投影法を使ってマッピングしないといけない。

ぐるりと回転しながら撮影した複数の写真をステッチしてパノラマ写真を作成するときは、一般に円筒面に投影した状態で作成される。横方向は円周に沿っているが、縦方向は天球には沿わず垂直になった円筒面に投影するわけである。もともと一枚で撮った写真は平面に投影されていて、水平の回転方向の撮影枚数を限りなく増やしてステッチしたとしたら、撮影した写真の左右方向は中央部分の限りなく細い幅で、上下は撮影したままの高さのものをぐるっとつなげた状態になるわけだから、これはまあ理にかなっていると考えられる。ということは、水平線から高度 θ にあるものは、画像上では tan θ に比例する位置に表示される。

一方ステラナビゲータのパノラマ表示用画像と、天球への対応はどうだろうか。試しに、画像に等間隔の格子模様を描いたものを読み込ませて表示させると、ちょうど経緯線と同じように方位と高度が等間隔な球面上の格子として表示されるようである。ここで作成したバノラマ写真と解釈の相違があったわけである。高度の値があまり大きくない時は、 tan θθ はほぼ一致するのであまり気付かないが、高い建物が現れてくると差が顕著になってきたわけだ。

パノラマ表示用画像のサイズは何種類かにきまっているが、ここでは私がいつも使っている8192×2048ドットのものの場合で考えてみよう。水平一周360°が8192ドットで、水平線が画像の上下の真ん中なので、上に1024ドット、下に1024ドットは、360°の8分の1で、各々45°までとなる。一方、円筒に投影したもので上下45°までの画像が入った一周8192ドットの画像を作成するとすると、45°だと円周の半径と水平線からの高さが同じになるので、上下分合わせて、8192/πで、約2608ドット必要になる。ところが、このうち2048ドット分だけをトリミングしたものを使って、天球の±45°に表示していたので、実際よりも高く表示してしまっていたのである。

さて、理由がわかればその投影方法を合わせてやればいいという話だ。私は最近はパノラマ画像の作成にMicrosoftの無料ソフト、ICE (Image Composite Editor) というのを使っている。実は、これでパノラマ作成する際のStitchの段階でProjectionのオプションがあって、デフォルトではCylindrical (円柱状) になっていたが、これをSpherical (球状) を選ぶことで、ステラナビゲータに読み込ませたときに正しいマッピングとなるようである。今後は、ステラナビゲータ用のパノラマ画像を作成するときは、こちらの設定で作成しないといけない。

下が実際のパノラマ画像。

円柱状円柱状

球状球状

ぱっと見たところほとんど違いがわからないが、差分をとってみると、端に行くほど、単に倍率の問題以上に差があることがわかる。

差分差分

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天王星が衝

天王星天王星 2015/10/13 00:12 Canon EOS 60D, EF 50mm F/1.8 II (F2.5), ISO800, 4sec

もう10日ほど前のことだが、10月12日に天王星が衝を迎えて見頃になっている。衝ということは午前0時頃に南中するわけなので、これからもうしばらくした方が早い目の時間に見やすいということになる。天王星や海王星は動きが遅いので、実質的には季節の星座と同様に毎年同じ季節に見やすい時期が巡ってくる。

天王星は双眼鏡を使えば比較点簡単にみつけられるので、目安となるように撮影した写真に付近のうお座の星座線を入れておいた。ペガススの四辺形からうお座の位置をみつけて、その星の並びからたどればいいだろう。あまり動かないとはいっても、地球の公転のせいで1年周期で行ったり来たりの動きがあるので、上の写真の位置からほとんど動かないというわけでもなく、10日も経てばちょっと位置がズレてるかなぐらいには動いているので注意。

ついでに関係ないが、同じ夜に撮影した比較明星景写真。

清水門清水門 2015/10/12 19:37~20:43 Canon EOS 60D, SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSM (10mm F5), ISO800, 4sec×885, KikuchiMagick, Photoshop 7.0

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天文宇宙検定1級受験

第5回天文宇宙検定1級試験

10月11日には、天文宇宙検定の1級の受験に行ってきた。

天文宇宙検定も星空宇宙天文検定と同じく、1級のみ受験資格が2級に合格していることが必要。昨年2級に合格したので、今年は1級にチャレンジ。

2級合格の後すぐに次回1級を受けるつもりでいたので、分厚い1級用の参考書「超・宇宙を解く」ものんびり読み進み、他にもカバー範囲の似通ってそうな本も読んで全般知識の向上を目指し、試験が近づいてからは、問題集と、過去問をやって、正解できなかった分野を復習するという感じで、まあそこそこ勉強できたかとは思っていた。

同じ50分の試験時間で、2級のときは80問 (今年から60問) という問題数で時間との戦いだったのが、1級では40問でゆっくりできるかと思うと、考える時間の必要なものが多いので結局時間いっぱいでなんとか全問解答できたという感じで、ゆっくり見直す暇などなかった。

試験直後は、ちょっと調べても正解が何かわからない問題も多く、自己採点は2日後正式に解答解説が出てから。で、チェックしてみると、これがもうボロボロで、合格点の70点はおろか、今回から新設で準1級に認定される60点にも満たず。後で問題に不備があって1問が全員正解扱いになったが、それでも足りず。正式の合否通知を待つまでもなく、今回は惨敗という結果であった。精進してまた来年再チャレンジしないといけない。

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月と木星

未明の東の空での月と惑星の共演、第3夜目の10月10日は、月が木星の近くに。火星もまあその近く。とはいっても、木星との距離も前日の金星との距離に比べたらそんなに近いわけではない。

やはり木星と月が並んでの月の出を撮りたかったが、前日にも増して低空を雲が阻まれた。水星まではとても望めそうにないので、この日はこれだけで終わり。

金星・火星・木星・月
金星・火星・木星・月 2015/10/10 03:46 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (55mm F4), ISO800, 2sec

火星・木星・月
火星・木星・月 2015/10/10 03:48 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (154mm F5.6), ISO800, 2sec

木星・月木星・月 2015/10/10 03:51 Canon EOS 60D, EF-S55-250mm F4-5.6 IS II (250mm F5.6), ISO3200, 2sec

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